Multi Media LLC
Chaturbate
Chaturbate_logo.svg
Chaturbateのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ)
略称 CB
国家 アメリカ合衆国
種類 有限責任会社(LLC)
市場情報 非上場
業種 成人向けライブ配信(ライブカム)サイト運営
本社所在地 アメリカ合衆国カリフォルニア州アーバイン
設立日 2011年2月26日
年齢 15周年
上場 非上場
所有者 Multi Media LLC
代表作品 Chaturbate
別名 チャターベイト、チャットゥルベイト
リンク https://chaturbate.com/


概要[編集]

Chaturbate(チャターベイト)とは、アメリカ合衆国カリフォルニア州のMulti Media LLCが運営する成人向けのライブカム(ウェブカメラ生配信)サイトである。視聴は無料で、視聴者が「トークン」と呼ばれる仮想通貨で配信者に投げ銭(チップ)を送る仕組みを採用しており、世界最大級のアダルトサイトの一つに数えられる。

詳細[編集]

名前の由来と読み方[編集]

サイト名は英語の「chat(チャット)」と、自慰行為を意味する英単語の後半部分を組み合わせたかばん語である。直球すぎる名前のせいで、職場や家庭で口に出しにくいサイト名の代表格としてもしばしばネタにされる。

日本語では「チャターベイト」「チャットゥルベイト」「チャタベ」などと表記・発音が揺れており、公式の日本語表記は存在しない。英語圏では単に「CB」と略されることも多い。

サービスの基本形[編集]

Chaturbateの最大の特徴は「無料で見られる」ことである。従来のライブチャットは、視聴者が1分あたりいくらという料金を払って配信者と個別に会話する従量課金型が主流だった。これに対しChaturbateは、公開ルームを誰でも無料で視聴できるようにし、収益はもっぱら視聴者の自発的なチップで賄う「投げ銭型」を大規模に成功させた。

配信者は個人のほか、カップルや複数人のグループでも登録でき、世界中から同時に数千のルームが開かれている。アカウント登録は視聴だけなら任意で、サイトは15言語に対応している。YouTubeのスーパーチャットやTwitchのビッツと同じ発想を、成人向けライブ配信に持ち込んだものと言える。

規模[編集]

英語版ウィキペディアによれば、2025年4月時点でChaturbateは世界で40番目にアクセスの多いウェブサイトで、成人向けサイトとしては4位にランクされていた。2019年11月のAlexaランキングでは世界22位を記録したこともある。月間訪問数は約1億1,700万回とされる。

2018年時点の国別ユーザー比率は、アメリカ(20.5%)、ドイツ(8.5%)に次いで日本が6.8%で3位であり、イギリス(6.2%)、中国(4.7%)を上回っていた。海外発の成人向けライブサイトでありながら、日本人ユーザーの比率が非常に高いのが特徴である。

歴史[編集]

Chaturbateは2011年2月26日に開設された。運営はカリフォルニア州を拠点とするMulti Media LLCで、創業者や経営陣の氏名は積極的に公開されていない。非上場で、売上高なども開示していない。

2010年代半ばには業界での存在感を高め、2016年には成人向け映像業界最大の授賞式「AVNアワード」(第33回)のプレゼンティング・スポンサーを務めた。2016年と2017年にはラスベガスで開かれる業界見本市「AVN Adult Entertainment Expo」にも出展している。

2020年には、ライブカム配信者を主人公にしたウェブドラマ「Cam_Girlfriend」に協賛し、同作はYouTubeで公開された。コロナ禍の2020年はライブ配信全般の需要が急増した時期でもあり、ライブカム業界全体が追い風を受けた。

2020年代に入ると、アメリカの州法やイギリス・EUの規制による年齢確認の義務化が業界最大の論点となり、Chaturbateもテキサス州から提訴されるなど、規制対応が経営の中心課題になっていった(後述)。

仕組み・料金[編集]

トークン制[編集]

Chaturbate内の通貨は「トークン」で、視聴者はクレジットカードや暗号資産などでトークンを購入し、配信者にチップとして送る。価格はまとめ買いほど割安になる設計で、2026年7月時点の紹介記事では、100トークン=10.99ドル(1トークン約0.11ドル)、500トークン=44.99ドル、1,000トークン=79.99ドル(1トークン約0.08ドル)といった価格帯が示されている。ただし地域や決済手段、キャンペーンによって価格は変動し、最終的な価格は購入画面で表示される。

配信者は「チップメニュー」(何トークンで何をするかの一覧表)やゴール(目標トークン数に達したら特定の企画を行う)を設定して視聴者の投げ銭を促す。サイトには配信ルーム用の「アプリ&ボット」機能もあり、ルーレットやくじ引きのような仕掛けでチップを集める配信者も多い。

有料機能[編集]

無料の公開配信のほかに、以下のような有料の形態がある。

  • プライベートショー:1分あたりのトークン数を配信者が設定し、1人の視聴者が配信を独占する形態。
  • スパイショー:他人のプライベートショーを横から割安で視聴する形態。
  • ファンクラブ:配信者ごとの月額サブスクリプション。
  • 有料会員(サポーター):サイト全体の有料会員で、広告非表示などの特典がある。

配信者の収益[編集]

配信者(ブロードキャスター)には1トークンあたり0.05ドルが支払われる。視聴者の購入単価はおおむね0.08〜0.11ドルなので、サイト側の取り分は実質4〜5割程度になる計算である。1,000トークンのチップを受け取ると、配信者の手取りは税・手数料前で約50ドルとなる。

支払いは月2回(1日〜15日分と16日〜月末分)で、期間締めから7営業日以内に送金される。最低支払額は多くの方法で50ドルで、未達分は次回に繰り越される。受け取り方法は米国内の口座振込(ACH)、Paxum、国際送金、暗号資産、小切手などから選べ、方法ごとに手数料や最低額が異なる。条件を満たした配信者は、手数料を払って日次払いを申請することもできる。

OnlyFansなどのサブスク型サイトでは運営の取り分が20%前後であることが多く、それと比べるとChaturbateの取り分は大きい。一方で、巨大な無料視聴者層から新規ファンを獲得しやすい集客力が、配信者にとっての見返りになっている。多くの配信者がChaturbateでファンをつかみ、OnlyFansやFanslyに誘導して収益を多角化する導線を作っている。

運営会社[編集]

運営会社のMulti Media LLCは、カリフォルニア州アーバインを本社とする非上場企業である。CHATURBATEの商標もMulti Media LLC名義でアメリカ特許商標庁に登録されている。外部から見える情報は少ないが、米国の就労ビザ関連データベースには同社がエンジニア等の就労ビザのスポンサーとして登場しており、自社で開発チームを抱えていることがうかがえる。

コンテンツのモデレーション(監視業務)には、Bayside Support Servicesという会社が関わっているとされ、後述のモデレーター訴訟では同社とMulti Media LLCの両方が被告となった。

年齢確認規制[編集]

アメリカの州法[編集]

2022年のルイジアナ州を皮切りに、アメリカでは成人向けサイトに利用者の年齢確認を義務づける州法が次々と成立し、2025年時点で20州以上に広がった。代表例がテキサス州のHB 1181(2023年6月署名)で、違反には1日1万ドル、未成年がアクセスした場合には最大25万ドルの罰則が定められている。

Pornhubを運営するAylo社が抗議の意味で該当州からのアクセスを遮断したのとは対照的に、Chaturbateは各州で年齢確認を導入して営業を続ける路線をとった。なお、HB 1181の合憲性は連邦最高裁で争われ、2025年6月の「Free Speech Coalition対パクストン」判決で合憲と判断されている。

テキサス州との訴訟[編集]

2024年3月19日、テキサス州のケン・パクストン司法長官は、年齢確認を行っていないとしてMulti Media LLCを提訴した。同時にXHamsterの運営会社も提訴されている。州側は178万ドルの制裁金と1日1万ドルの追加罰金を求めていた。

Chaturbateは提訴からわずか2日後の3月21日にテキサス州向けの年齢確認を導入し、罰金の累積を抑えた。2024年4月に和解が成立し、Chaturbateは67万5,000ドルを支払うことになった。パクストン司法長官は「この会社が法律に従うと決めたのは非常に前向きな進展だ」とコメントしている。一方のXHamsterはテキサス州からのアクセス遮断を選んだ。

年齢確認には本人確認サービスのIncodeが使われ、利用者は外部サービス上で身分証をスキャンする方式だった。その後はYotiなどの事業者も使われ、顔写真からの年齢推定、身分証スキャンなど複数の方法から選べるようになっている。サイト側に届くのは「成人かどうか」の結果のみで、書類そのものは確認事業者側で処理される仕組みとされる。

イギリスのオンライン安全法(OSA)[編集]

イギリスでは、オンライン安全法(Online Safety Act)に基づき、2025年7月25日から成人向けコンテンツを提供するサービスに「高度に有効な年齢確認」が義務化された。Chaturbateもこれに合わせてイギリスの利用者に年齢確認を導入している。規制当局のOfcomは、年齢確認が不十分な成人向けサイト運営者に100万ポンドの罰金を科すなど、執行を強めている。

EUとヨーロッパ各国[編集]

EUではデジタルサービス法(DSA)により、欧州委員会が2025年5月にPornhub、Stripchat、XNXX、XVIDEOSの4サイトについて未成年保護をめぐる正式調査を開始し、2026年3月には4サイトがDSAに違反しているとの暫定的な判断を示した。Chaturbateはこの4サイトには含まれていないが、欧州委員会は各国のデジタルサービス調整官と連携して、より小規模な成人向けサイトへの対応も進めている。

国単位では、フランスが規制当局ARCOMを通じて年齢確認を義務化したほか、イタリアの通信規制当局AGCOMは2025年11月12日から48の成人向けサイトに年齢確認を義務づけ、その対象リストにChaturbateも名指しで含まれた。

その他の訴訟[編集]

2025年7月22日、Chaturbateの元コンテンツモデレーターがMulti Media LLCとBayside Support Servicesを相手取り、集団訴訟の提起を求める訴えをカリフォルニア州の連邦地裁に起こした。原告は、過激で暴力的な映像に日常的にさらされたにもかかわらず、コンテンツフィルター、休憩、トラウマに配慮したカウンセリングなど業界標準のメンタルヘルス対策が提供されず、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を負ったと主張している。

Multi Media LLCの広報担当者は、訴状の送達を受けておらず内容を確認していないためコメントできないとしたうえで、コンテンツモデレーションとモデレーターへの支援に取り組んでいると述べた。モデレーターの精神的負担をめぐる訴訟は、FacebookやTikTokなど一般SNSでも起きており、成人向けサイトでも同じ問題が表面化した形である。

日本での利用状況[編集]

前述の通り、2018年時点で日本はアメリカ・ドイツに次ぐ第3位の利用国だった。サイトには日本語表示があり、日本からも特別な手続きなしにアクセスできる。日本語で使い方やトークンの円換算を解説する個人ブログや紹介サイトも多数存在する。

日本でアクセスが多い背景には、国内のアダルトビデオがモザイク処理を前提としているのに対し、海外の配信サイトでは現地の法律に基づいて無修正の配信が行われていることがある。ただし、日本国内から配信者として無修正の配信を行った場合、日本の刑法175条(わいせつ物頒布等罪)や公然わいせつ罪が問題になり得る。国内では、海外のライブ配信サイトや動画サイトを使った無修正配信・投稿をめぐって配信者が逮捕された事例が繰り返し報道されており、サーバーが海外にあっても日本国内での行為として立件されうるというのが実務上の理解である。

視聴者側でトラブルになりやすいのは、Chaturbateを名乗る偽サイトやそっくりのドメインである。正規のドメイン以外のサイトでは、偽の警告画面を出す広告、マルウェアの配布、クレジットカード情報の詐取、身に覚えのない請求といった被害が報告されている。トークン購入は外貨建てのため、カード会社によっては海外の成人向け加盟店での決済が拒否されることもある。

他サービスとの比較[編集]

サービス 運営 主な課金方式 特徴
Chaturbate Multi Media LLC(米国) 無料視聴+トークン投げ銭 投げ銭型の草分け。米国州法に年齢確認で対応
Stripchat Technius Ltd(キプロス) 無料視聴+トークン投げ銭 2016年開設。EUのDSAで超大規模プラットフォームに指定された後に解除
FANZAライブチャット 株式会社デジタルコマース(日本) ポイント制の分単位課金 旧DMMライブチャット。日本国内の法規制に沿った運営
OnlyFans Fenix International(英国) 月額サブスク+有料投稿 生配信より投稿コンテンツ中心

同じ投げ銭型のStripchatはChaturbateの最大のライバルで、仕組みはよく似ている。Stripchatは2023年にEUのデジタルサービス法で超大規模オンラインプラットフォーム(VLOP)に指定され、その後利用者数の再算定で指定が解除された経緯がある。

日本のDMM系列のFANZAライブチャット(旧DMMライブチャット)は、2018年にDMMの成人向け事業が「FANZA」ブランドに分離された際に改称されたサービスで、会話相手を指名して分単位で課金する伝統的な方式をとる。紹介サイトによれば、双方向のビデオチャットで1分120円前後、多人数で視聴するパーティーチャットで1分30円程度とされる。日本国内の運営のため、配信内容は国内法に沿った範囲に限られる。

つまり、日本の利用者にとっては「無料で大量の配信を眺められる海外型」と「日本語で1対1の会話を楽しむ国内型」という住み分けになっている。

余談[編集]

  • 2018年の国別ユーザー比率で日本は6.8%と、イギリスや中国を上回る3位だった。日本の人口規模を考えると、かなりの熱量である。
  • テキサス州に提訴されてからわずか2日で年齢確認を導入したスピード対応は、同じ日に提訴されたXHamsterが州ごと遮断したのと対照的だった。パクストン司法長官は和解に際し、他の成人向けサイトにも「この例に倣う」よう呼びかけている。
  • 2016年のAVNアワードでは、ライブカムサイトが授賞式のメインスポンサーを務めたこと自体が、成人向け産業の主役が映像制作から配信プラットフォームへ広がっていたことを示す出来事と言える。

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