| 種﨑敦美 Atsumi Tanezaki | |
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![]() 渋谷のビルに掲出された『SPY×FAMILY』の宣伝バナー。種﨑が主人公の娘アーニャを演じる(出典:ウィキメディア・コモンズ、Miyako Fujimiya撮影、CC BY 4.0) | |
| 誕生日 | 9月27日 |
| 出身地 | 大分県 |
| 国籍 | 日本 |
| ジャンル | 声優 |
| 家族 | 夫・宮崎遊(声優、2023年10月に結婚を発表) |
| 身長 / 体重 | 157 cm / ― kg |
| 血液型 | A型 |
| 事務所 | 東京俳優生活協同組合(2015年10月〜) |
| 代表作 | 『SPY×FAMILY』アーニャ・フォージャー、『葬送のフリーレン』フリーレン、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(2020年版)ダイ、『魔法使いの嫁』羽鳥チセ、『わんだふるぷりきゅあ!』犬飼いろは/キュアフレンディ、『ダーウィン事変』チャーリー |
| 関連活動 | 『響け!ユーフォニアム』シリーズ(鎧塚みぞれ)、『その着せ替え人形は恋をする』(乾紗寿叶)、ゲーム『十三機兵防衛圏』(冬坂五百里) |
| その他 | 第14回声優アワード助演女優賞(2020年)/Yahoo!検索大賞2022 声優部門/第17回声優アワード主演声優賞・助演声優賞(2023年、史上初のダブル受賞) |
| リンク | 東京俳優生活協同組合(公式サイト) |
概要[編集]
種﨑敦美(たねざき あつみ)とは、大分県出身、東京俳優生活協同組合所属の女性声優である。『SPY×FAMILY』のアーニャ・フォージャー、『葬送のフリーレン』のフリーレン、2020年版『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』のダイなどで知られ、幼女から千年生きるエルフ、勇者の少年までを演じ分ける。表記ゆれとして「種崎敦美」と書かれることも多い。
詳細[編集]
セーラームーン第45話で決めた人生[編集]
声優を志したきっかけはかなり具体的で、『美少女戦士セーラームーン』のテレビアニメ第45話「セーラー戦士死す! 悲壮なる最終決戦」である。セーラー戦士たちが次々と倒れていく、シリーズ屈指の重いエピソードを見て、その回の演技力に心をつかまれ「声優になろう」と決めたという。憧れの声優として沢城みゆき、田中真弓、岩男潤子の名前を挙げており、なかでも岩男とは後年仕事でつながる縁もあった。子ども時代の視聴体験がそのまま職業選択につながった、わかりやすく熱いルーツである。
大分から上京、自力で貯めた養成所資金[編集]
大分県で育ち、高校卒業後はすぐに養成所へ進んだわけではない。まず自分で入所資金を貯め、それから上京して本格的に演技の勉強を始めている。この「自分でお金を貯めてから飛び込んだ」経緯は、ファンの間で彼女の頑張り屋な気質を語るときによく引き合いに出される。その後トリトリオフィスに所属し、ゲームや吹き替え、端役などで少しずつ経験を積んでいった。華やかなアイドル声優デビューとは対極の、地道なスタートだった。
『となりの怪物くん』と遅咲きのブレイク[編集]
本人によれば、初めてテレビアニメのオーディションに受かったのは2012年の『となりの怪物くん』(夏目あさ子役)。それまでの仕事はほとんどが一人きりのアフレコだったため、この作品で他のキャストと掛け合いをして「人とお芝居をするのってこんなに楽しいんだ!」と知ったという。2015年6月にトリトリオフィスを離れ、短いフリー期間を経て同年10月に東京俳優生活協同組合(俳協)へ所属。そこから数年かけて役の幅を広げ、2022年の『SPY×FAMILY』で一気に国民的な知名度を得る。デビューから10年以上たっての大ブレイクで、「大器晩成」という言葉で語られることも多い。
当たり役でたどるキャリア[編集]
京アニとユーフォの鎧塚みぞれ[編集]
京都アニメーション制作の『響け!ユーフォニアム』シリーズでは、無口なオーボエ奏者・鎧塚みぞれを担当。感情をほとんど表に出さないキャラクターを、息づかいや間で表現する芝居が評価され、みぞれと傘木希美の関係を描いた劇場作品『リズと青い鳥』(2018年)では物語の中心を担った。2026年4月に前編が公開された劇場版『最終楽章 響け!ユーフォニアム』2部作でも引き続きみぞれ役としてクレジットされており、10年近く付き合ってきた役になっている。
『魔法使いの嫁』羽鳥チセで初の大型主演[編集]
2017年放送の『魔法使いの嫁』では、ヒロインの羽鳥チセを演じた。自分の価値を見失った少女が、異形の魔法使いエリアスのもとで少しずつ生きる意味を取り戻していく物語で、抑えた声の奥にある痛みと再生を丁寧に積み上げた。同じ2017年には『ブレンド・S』の天野美雨といったコミカルな役も担当しており、この頃から「静」と「動」の両極を行き来する役者として業界内の評価が固まっていった。
少年ダイと「師匠」関智一[編集]
2020年10月から約2年間放送された新アニメ版『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』では、主人公の勇者ダイを担当。女性声優が少年主人公を通しで演じる大役で、キャスト発表時には「子供の頃に見ていた、あの頃の『ダイの大冒険』がこれでもかというほど自分の中にはあふれている」とコメントし、旧作ファンとしての熱をのぞかせた。もっとも本人は序盤ずっと演技に悩んでいたといい、魔軍司令ハドラー役の関智一から「もっと自由にやっていいんだよ」と力の抜き方を教わったと語る。彼女は関を「正しく『師匠』と呼べる方」「私の恩師」と呼んでいる。
脇を固める名バイプレイヤー時代[編集]
主演作の合間にも、存在感のある脇役を次々と担当した。『鬼滅の刃』遊郭編の雛鶴、『約束のネバーランド』のムジカ、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』のエンポリオ、『Dr.STONE』の花田仁姫、『その着せ替え人形は恋をする』の乾紗寿叶、『青春ブタ野郎』シリーズの双葉理央、『薬屋のひとりごと』の玉葉妃など、ジャンルも年齢層もバラバラ。ゲームでは『十三機兵防衛圏』の冬坂五百里も代表作に数えられる。2020年の第14回声優アワードでは助演女優賞を受賞しており、「出てくると作品が締まる人」というイメージはこの時期に定着した。
アーニャという社会現象[編集]
オーディションの時点で「わかる!」[編集]
2022年4月にスタートしたテレビアニメ『SPY×FAMILY』(WIT STUDIO・CloverWorks制作、原作は少年ジャンプ+連載)で、超能力者の少女アーニャ・フォージャーに抜擢される。本人いわく、正解の声などわからないはずなのに、アーニャの声だけは「わかる!」と思え、オーディションの段階から放送と同じ声色だったという。「〜ます」を崩した独特のアーニャ語や「わくわく」「ちち」「はは」といったフレーズは放送直後から爆発的に拡散し、Yahoo!検索大賞2022では作品がアニメ部門、種﨑本人が声優部門でそれぞれ1位に輝いた。
「声、高っ!」と変化を自覚[編集]
後年、公式Xに流れた初期から最近までの名場面動画を見て、初期の声を「よそ行きだな」「声高っ!」と感じたと笑って振り返っている。物語が進むにつれアーニャ自身がフォージャー家になじみ、「いい意味でふてぶてしくなった」ことで声も自然に変わっていったという分析だ。役づくりについても「最初の頃だけで、今は考えずに演じています」と話しており、作り込むよりもキャラクターと一緒に育ってきたタイプの当たり役である。
アドリブは「滑らせるわけにはいかない」[編集]
2023年12月公開の『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』では、台本に「おまかせ」とだけ書かれたアドリブ箇所があったと明かし、「信頼していただけて嬉しい」と喜びつつ「わたしのせいでアーニャを滑らせるわけにはいきません!」と気合を見せた。ロイド役の江口拓也については「わたしがどう演じても受け止めて返すぞと思ってくださっている」と信頼を語り、別録りが続いたあとヨル役の早見沙織が収録に合流したときは泣きそうになったという。一方で、アーニャの愛され具合が予想以上すぎて「収録では心臓が毎回バクバク」とプレッシャーも正直に口にしている。
Season 3と続く家族[編集]
2025年10月4日からは『SPY×FAMILY』Season 3が放送され、引き続きアーニャを演じた。事務所のスタッフが会うたびにアーニャのグッズを買った話をうれしそうに報告してくれるのを見ると、作品を人生の楽しみにしている人がたくさんいるのだと実感して泣きそうになる、というエピソードも語っている。
フリーレンという転機[編集]
「彼女は普通の子」[編集]
2023年9月29日、『葬送のフリーレン』が日本テレビ「金曜ロードショー」で初回2時間スペシャルとして放送され、主人公フリーレンを演じた(アニメーション制作はマッドハウス、原作は週刊少年サンデー連載)。千年以上を生きるエルフという超然としたキャラクターについて、種﨑は「彼女は普通の子」「真っ白で純粋であったかくて」と表現。ドヤ顔を見せたり、宝箱に化けた魔物ミミックに何度も食べられたりする姿を演じるうちに「子供のよう」だと感じるようになったという。
省エネで、でも体温は高め[編集]
声のイメージについては「高い声のかわいらしいエルフ」とは捉えず、「省エネな感じ」「体に力が入ってなさそう」な自然体の話し方を意識した。そのうえで第1話冒頭のシーンでは「体温高め」を心がけたと語っている。原作を読みながら何でもないシーンで泣きそうになったといい、作品から一貫して「哀愁」を感じていたとも話す。淡々としているのに冷たくはない、というフリーレン像の絶妙なバランスは、この解釈から生まれている。
同時期に主演2本という異常事態[編集]
2023年秋は、フリーレンの放送と『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』の公開、さらに『薬屋のひとりごと』(玉葉妃役)の放送開始が重なり、評論サイトでは「変幻自在、多種多様なキャラを演じて来た経歴」がそのまま現在の重用につながっていると分析された。同じ人が演じていると気づかない視聴者も多く、「アーニャとフリーレンが同じ声優」という事実自体がSNSで何度もバズるネタになっている。
第2期と黄金郷編へ[編集]
第2期は2026年1月16日から日本テレビ系「FRIDAY ANIME NIGHT」枠で放送された。2026年3月29日に東京ビッグサイトで開かれたAnimeJapan 2026のスペシャルステージでは、フェルン役の市ノ瀬加那、シュタルク役の小林千晃とともに登壇し、レヴォルテ役の三木眞一郎のサプライズ登場に会場が沸いた。種﨑は三木の芝居を「戦いが楽しそうなのがわかるのがすごい」と称え、この場で第3期「黄金郷編」が2027年10月に放送されることも発表された。締めのあいさつではファンに「またね」と呼びかけている。
声優アワードと受賞歴[編集]
第14回 助演女優賞[編集]
2020年3月の第14回声優アワードで助演女優賞を受賞。受賞の連絡を受けた瞬間はピンとこなかったが、時間がたって浮かんできたのは「仕事も、何もなかった頃に自分を信じて役を任せてくださった方々と家族の顔」だったと語った。また「血の通ったお芝居がしたい」という姿勢も表明しており、これは現在まで一貫した彼女の演技観になっている。
第17回 史上初のダブル受賞[編集]
2023年3月の第17回声優アワードでは、主演声優賞と助演声優賞を同時に受賞。両部門のダブル受賞は史上初の快挙で、アーニャ役をはじめとする幅広いキャラクターの演技が評価された。本人は「どれが欠けても今はないと思う」と、関係者、応援してくれる人、そして作品とキャラクターへの感謝を述べ、「日々感謝を忘れず、これからも精進を続けたい」とコメントした。
「特別な年」にしたくない[編集]
大躍進した2023年を振り返るインタビューでは、「以前と同じようにお仕事をしてきたら、なぜかありがたいことになっていて……」と苦笑い。「いろんなことがあった特別な年だった」と思ってしまうと自分が潰れてしまいそうなので、あまり意識したくないと話した。さらに「本当はわたしが演じていることなど考えず、純粋に作品を楽しんでいただきたい」とも語っており、ブレイク後も役の後ろに立つスタンスを崩していない。
演技観と本人の言葉[編集]
「これかも」を探す声づくり[編集]
キャラクターの声色は、絵とセリフを何度も見ながら声に出し、「これではない……あ!これかも」と自分の中でしっくりくるまで繰り返して作っていくという。理屈で組み立てるより、身体感覚で正解を探るタイプだ。またフリーレンの収録では「その場のやり取りを1番大事にしたい」と語り、シリアスでもギャグでも、その場で生まれるものを大切にしていると話している。
楽しいけど苦しい[編集]
デビュー当初は「初めてのことばかりでただただ楽しい気持ちだけだった」が、経験を重ねるうちに作品を背負う責任にも気づいたという。完成までは常にいっぱいいっぱいで「楽しいけど苦しい」。それでも大好きなマンガやアニメの一部になれていることは「変わらず喜びでしかない」と語っている。
人見知りからの変化[編集]
現場ではほとんどしゃべらない方だと自認しているが、知り合いが増えたことで以前よりは人と話せるようになったとのこと。今は「私はもう少しここにいてもいいのかもしれない」「共演者の方のことをもっと知りたい」と思えるようになったと語っており、ブレイクを経て内面にも変化があったことがうかがえる。
2025〜2026年の主な動向[編集]
プリキュアで主人公[編集]
2024年の『わんだふるぷりきゅあ!』で主人公の犬飼いろは/キュアフレンディを担当し、プリキュアシリーズの主役デビューを果たした。2026年にはキュアフレンディ/犬飼いろはとして『映画名探偵プリキュア! 不思議な庭と2人の秘密』にも出演している。
2025年の出演ラッシュ[編集]
2025年は『SPY×FAMILY』Season 3のほか、『その着せ替え人形は恋をする 第2期』の乾紗寿叶、『薬屋のひとりごと』第2期の玉葉妃、『Unnamed Memory Act.2』のティナーシャ、『魔神創造伝ワタル』の天部カケル、『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』のイザベル・ノートンなどテレビアニメだけで十数本に出演。劇場では『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』のマイロ、『メイクアガール』の0号、『劇場版モノノ怪 第二章 火鼠』などにも参加した。
『ダーウィン事変』で再び少年主人公[編集]
2026年1月からはテレビ東京系で放送された『ダーウィン事変』で、人間とチンパンジーの間に生まれた「ヒューマンジー」の少年チャーリーを主演。高い知能と身体能力を持つチャーリーが、学校で出会った少女ルーシーとともにテロ組織ALAと対峙する重厚な物語で、オープニング主題歌はOfficial髭男dismの「Make Me Wonder」。ダイ以来となる少年主人公役で、また新しい顔を見せた。
そのほかの2026年作品[編集]
2026年はフリーレン第2期、ダーウィン事変に加え、『キルアオ』の白石千里、『冰剣の魔術師が世界を統べるII』のステラ=ホワイトなどのテレビアニメ、『青春ブタ野郎はディアフレンドの夢を見ない』(双葉理央役)や『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』などの劇場作品にも出演しており、ブレイクから数年たっても出演ペースは落ちていない。
私生活[編集]
2023年10月2日、同じ東京俳優生活協同組合所属の声優・宮崎遊との結婚をX(旧Twitter)で発表した。直筆メッセージでは愛猫の写真を添え「元々豊かだった愛猫せれぶの表情がさらに可愛く豊かになりました」とユーモアたっぷりに報告し、「いろいろなことがまだまだな自分です。これからもいっぱい悩んで いっぱい考えていっぱい頑張ります」とつづった。宮崎も同日に「この人を精一杯支え、一生を添い遂げたいと初めて思えた方」と報告している。
炎上とバズ[編集]
大きな炎上とは無縁だが、バズには事欠かない。『SPY×FAMILY』放送開始直後は、アーニャのセリフや表情をまねた投稿がSNSにあふれ、種﨑の名前も一気に検索ワード上位へ。2022年のYahoo!検索大賞声優部門1位はその象徴である。2023年秋にはフリーレンとアーニャが同時期に話題となり、両者の声の違いに驚く反応が多く見られた。また2023年10月の結婚発表は、愛猫せれぶの写真と「表情がさらに可愛く豊かになりました」という一文を添えた独特の報告で、多くのニュースサイトに取り上げられた。
余談[編集]
- 趣味は邦画・ドラマ鑑賞。本人いわく「もうずっとドラマオタク」で、新ドラマが始まるとひと通り第1話を全部見るのが楽しみ。録りためた作品を無心で一気見する時間が一番リラックスできるという。
- 動物好きで、象や猿を見るとテンションが上がるとされる。愛猫の名前は「せれぶ」。
- お子様ランチのような子ども向けメニューが好物とされ、服装もTシャツにジーンズといったラフなスタイルを好むという。
- 運転免許は持っていないがドライブは好きとされる。
- 仲の良い声優として深田愛衣の名前が挙がる。姉と弟がいることも公表している。
- 『SPY×FAMILY』のミュージカル版を観劇した際、純粋な子どもとしてのアーニャを客観的に見て「忘れてないか自分?」と原点を見つめ直したと語っている。
