| 村西とおる Toru Muranishi | |
|---|---|
| 本名 | 草野博美(くさの ひろみ) |
| 誕生日 | 1948年9月9日 |
| 年齢 | 77歳 |
| 出身地 | 福島県いわき市 |
| 職業 | AV監督、実業家 |
| 活動期間 | 1980年代 - |
| 代表的な実績 | クリスタル映像/ダイヤモンド映像の創業 |
| 別名 | AV界の帝王 |
| あだ名 | ナイスですねおじさん |
概要[編集]
村西とおる(むらにし とおる、1948年9月9日 - )は、日本のAV監督・実業家。福島県いわき市出身で、本名は草野博美。ビニ本販売から身を起こし、アダルトビデオ草創期に制作プロダクションを設立、自らカメラを回しながら男優としても出演する独特のスタイルで一時代を築いた人物である。
口癖の「ナイスですね〜」とともに、選挙落選・度重なる逮捕・50億円の借金といった波乱万丈すぎる人生は、後年『全裸監督』としてNetflixでドラマ化され世界的に知られることになった。クリスタル映像・ダイヤモンド映像という2つの伝説的メーカーを生み出した、日本AV史の最重要人物のひとりである。
百科事典のセールスマン[編集]
福島県立勿来工業高校を卒業後、1967年に上京して池袋のバーでボーイとして働き始めた。その後、英語の百科事典販売会社「グロリア」のセールスマンとなる。扱っていたのは全30巻20万円(当時の感覚で100万円近く)・内容が全て英語という英英辞典で、月4セット売れればトップという商品を、村西は毎月20〜100セット売り上げて伝説的セールスマンとなったらしい。
この蓄えを元手に1972年には札幌で英会話教室を、1978年には北海道の自衛隊駐屯地近くにテレビゲーム機を置いた喫茶店チェーンを展開し、いずれも成功させている。商才は本物だったわけだ。
ビニ本の帝王[編集]
1980年、当時「ビニ本」と呼ばれたポルノ雑誌の小売チェーン「北大神田書店」を立ち上げ、北海道に48店舗を構えたのち全国へ展開した。店名は「北海道大学」と古書店街「神田」という権威ある2つの名前をくっつけたものだという。
並行してモザイクを排した違法なポルノ雑誌(裏本)の制作・販売に乗り出し、原価200円の裏本が1万円超で飛ぶように売れ、年商20億円に達したとされる。まさに「ビニ本の帝王」であった。
クリスタル映像と黒木香[編集]
1984年10月、ビニ本出版社などを経営していた西村忠治が創業したクリスタル映像に制作監督として迎えられる。草野は西村社長への恩義から「西村」の名を借りて「村西とおる」を名乗るようになった。これが芸名の由来である。
村西は「完全本番主義」をレーベルカラーに掲げ、当時珍しかった顔面への射精を「顔面シャワー」と称して導入するなど過激な作風で注目を集めた。1986年には横浜国立大学在学中だった黒木香を『SMぽいの好き』でデビューさせ、知的なお嬢様口調と奔放な性の語りが社会現象に。村西と黒木はテレビ・雑誌に引っ張りだことなり、「ナイスですね〜」の話法とともに一般層にまで名が知れ渡った。
度重なる逮捕[編集]
過激な活動には摘発がつきまとった。1986年には職業安定法・児童福祉法違反容疑で逮捕。同年12月にはハワイでのロケ中(セスナ2機を並行飛行させ空中で撮影)に旅券法違反容疑でFBIに逮捕され、なんと総量刑370年を求刑された。半年以上の拘留を経て釈放されたが、弁護・司法取引費用は1億円以上に上ったという。
その後も摘発は続いたが、これらはかえって「過激なメーカー」という認知度を高める結果になった。なお、これらは当時広く報道された事実である。
ダイヤモンド映像時代[編集]
1988年9月、村西は自身のメーカーダイヤモンド映像を設立する(事実上のオーナーだが代表取締役には就かず)。桜樹ルイら10名以上の専属女優を抱え、目黒区青葉台・代々木上原の本社でスタッフと女優が共同生活を送るという独特の体制を敷いた。
とりわけ巨乳を売りにした松坂季実子の作品が爆発的に売れ、毎月1日の「巨乳の日」には数千〜1万本を記録。村西の年商は100億円超に達したとされる。卑弥呼や田中露央沙ら看板女優も次々に人気を集めた。しかし一般タレントを起用したビデオ映画事業の失敗、過剰な不動産投資、そして通信衛星放送への巨額投資が重なって経営は破綻、村西は約50億円の借金を背負うことになる。
全裸監督として[編集]
バブル崩壊後は路頭に迷うが、1994年に「帰ってきたハメ撮りの帝王」を掲げてビデオ制作に復帰。2度の離婚を経て、会社倒産後も唯一そばに残った元専属女優・乃木真梨子を妻とした。50億円の借金は2013年に完済したとインタビューで語っている。
2016年には本橋信宏による700頁の評伝『全裸監督 村西とおる伝』が刊行され、講談社ノンフィクション賞の最終候補に。これを原作に2019年・2021年、Netflixで山田孝之主演のドラマ『全裸監督』が制作され、村西の名は新たな世代にも知られることになった。
余談[編集]
- 「ナイスですね〜」のほか数々の名言・迷言で知られ、晩年はYouTubeやSNS、各種メディアでも人生訓を語る人物として再ブレイクした。
- FBIによる懲役370年求刑は、報じられた中でも飛び抜けた数字として語り草になっている。