アンナチュラル
UNNATURAL
ジャンル 法医学ミステリー、1話完結型ドラマ
放送シーズン 2018年1月期
放送期間 2018年1月12日 - 2018年3月16日
放送時間 金曜 22:00 - 22:54(初回15分拡大、最終話10分拡大)
話数 全10話
放送国家 日本
言語 日本語
放送局 TBSテレビ系列(金曜ドラマ枠)
配信 U-NEXT、Netflix、Disney+、Amazon Prime Video ほか(2026年時点)
平均視聴率 11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)
制作
プロデューサー 新井順子、植田博樹
演出 塚原あゆ子、竹村謙太郎、村尾嘉昭
制作 ドリマックス・テレビジョン、TBS
脚本 野木亜紀子(オリジナル)
音楽 得田真裕
出演者 石原さとみ、井浦新、窪田正孝、市川実日子、松重豊 ほか
その他
原作 なし(オリジナル脚本)
関連番組 MIU404(2020年)、ラストマイル(2024年・映画)
エンディング曲 米津玄師「Lemon」

概要[編集]

アンナチュラルとは、2018年1月12日から3月16日までTBS系の「金曜ドラマ」枠で放送された日本のテレビドラマである。石原さとみが主演を務め、脚本は野木亜紀子によるオリジナル。不自然な死の原因を究明する架空の研究機関「UDIラボ」を舞台にした1話完結型の法医学ミステリーで、主題歌の米津玄師「Lemon」とともに社会現象級のヒットとなった。

詳細[編集]

タイトルの「アンナチュラル」は英語の「unnatural(不自然な)」に由来し、作中の「不自然死究明研究所」(Unnatural Death Investigation laboratory、通称UDIラボ)の名前にもつながっている。日本では異状死の多くが解剖されないまま処理されているという問題意識を背景に、法医解剖医たちが遺体から「死の真相」を読み解いていくのが基本の流れ。毎回の事件は1話で完結しつつ、主要人物・中堂系が8年前に恋人を殺された事件の真相を追う縦軸のストーリーが全話を貫く構成になっている。

脚本の野木亜紀子にとっては、『逃げるは恥だが役に立つ』『重版出来!』など原作ものでヒットを重ねた後の、待望のオリジナル連続ドラマだった。過労死、いじめ、ネット配信、ハラスメントといった現代社会の問題を事件に絡めつつ、テンポの良い会話劇やユーモアも挟む作風が評価され、放送後はドラマ賞を総なめにした。

全10話で完結しており、2026年時点でドラマの続編(シーズン2)は制作されていない。ただし、同じ世界観を共有する作品として、2020年の連続ドラマ『MIU404』と2024年の映画『ラストマイル』が作られ、UDIラボの面々はそれらの作品にも登場している。

制作[編集]

プロデューサーは新井順子(ドリマックス)と植田博樹(TBS)、演出はチーフの塚原あゆ子を中心に竹村謙太郎、村尾嘉昭が担当した。制作はドリマックス・テレビジョンとTBS。音楽は得田真裕が手がけた。野木・新井・塚原のトリオはこの後『MIU404』『ラストマイル』でも再結集しており、いわば「チーム・アンナチュラル」の出発点となった作品である。

放送は2018年1月12日に初回15分拡大(22:00 - 23:09)でスタートし、3月16日の最終話は10分拡大(22:00 - 23:04)で幕を閉じた。

あらすじ[編集]

法医解剖医の三澄ミコトは、国の認可を受けて新設された「不自然死究明研究所(UDIラボ)」に勤務している。この研究所で、ミコトは同僚の解剖医・中堂系、臨床検査技師の東海林夕子、記録員のアルバイト・久部六郎、所長の神倉保夫らとともに、事故死・自殺・病死と片付けられかけた遺体に隠された真実を明らかにしていく。一方、無愛想で口の悪い中堂には、8年前に恋人を殺害され、その犯人を独自に探し続けているという秘密があった。

各話の大筋[編集]

話 サブタイトル 大筋
第1話 名前のない毒 急死した男性の死因をめぐり、UDIラボが感染症の可能性を突き止めていく。
第2話 死にたがりの手紙 練炭自殺とみられる複数の遺体の中に、一人だけ死因の異なる遺体が見つかる。
第3話 予定外の証人 刺殺事件の裁判に証人として立ったミコトが、解剖所見から被告の無実を示そうとする。
第4話 誰がために働く バイク事故で亡くなった男性の死の背景に、勤務先の過重労働が浮かび上がる。
第5話 死の報復 自殺とされた女性の水死体をめぐり、亡くなった女性の婚約者が真相を求めてUDIを訪れる。
第6話 友達じゃない ジムで相次いだ不審死を調べるうち、東海林が事件に巻き込まれる。
第7話 殺人遊戯 高校生がネットの生配信で「殺人」を予告し、ミコトに死因の特定を迫る。
第8話 遥かなる我が家 雑居ビル火災で見つかった10体の焼死体から、ひとりの男の最後の行動が明らかになる。
第9話 敵の姿 新たな遺体をきっかけに、中堂の恋人を殺した連続殺人犯の正体に迫る。
第10話 旅の終わり 犯人を裁くための証拠をめぐり、UDIラボ最大の戦いが描かれる。

登場人物とキャスト[編集]

UDIラボ[編集]

三澄ミコト(演:石原さとみ)
主人公。UDIラボの法医解剖医で、三澄班を率いる。合理的で前向きな性格。幼いころに一家無理心中で生き残った過去を持つ。
中堂系(演:井浦新)
中堂班の法医解剖医。口も態度も悪いが腕は確か。8年前に恋人の糀谷夕希子を殺害され、犯人を追い続けている。
久部六郎(演:窪田正孝)
三澄班の記録員。医大生でありながらアルバイトとしてUDIに出入りしているが、実はある秘密を抱えている。
東海林夕子(演:市川実日子)
三澄班の臨床検査技師。ミコトの良き相棒で、職場の空気を明るくするムードメーカー。
坂本誠(演:飯尾和樹)
中堂班の臨床検査技師。途中で一度UDIを辞めるが、後に復帰する。
神倉保夫(演:松重豊)
UDIラボの所長。研究所の運営に奔走する。

その他[編集]

三澄夏代(演:薬師丸ひろ子)
ミコトの養母で弁護士。
三澄秋彦(演:小笠原海)
ミコトの義弟。
宍戸理一(演:北村有起哉)
フリーの記者。中堂の追う事件に関わってくる。
毛利忠治(演:大倉孝二)・向島進(演:吉田ウーロン太)
西武蔵野署の刑事コンビ。後に『MIU404』『ラストマイル』にも登場する。
木林南雲(演:竜星涼)
葬儀社のスタッフ。
白井一馬(演:望月歩)
第7話に登場する高校生。『ラストマイル』にも再登場した。

視聴率[編集]

全10話の平均視聴率は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。最高は最終話の13.3%、最低は第5話の9.0%で、初回を上回る自己最高で完結する「有終の美」を飾った。数字面では同クールの『99.9-刑事専門弁護士- SEASON II』などに及ばなかったものの、録画・配信での視聴や満足度の高さが話題になったタイプの作品である。

話 視聴率
第1話 12.7%
第2話 13.1%
第3話 10.6%
第4話 11.4%
第5話 9.0%
第6話 10.1%
第7話 9.3%
第8話 10.5%
第9話 10.6%
第10話 13.3%

受賞[編集]

放送年のドラマ賞をほぼ総なめにしたと言ってよい受賞歴を持つ。

  • 第96回ザテレビジョンドラマアカデミー賞 - 最優秀作品賞、主演女優賞(石原さとみ)、助演男優賞(井浦新)、脚本賞(野木亜紀子)、監督賞(塚原あゆ子、竹村謙太郎、村尾嘉昭)、ドラマソング賞(米津玄師「Lemon」)の6冠
  • 第44回放送文化基金賞 - テレビドラマ番組 最優秀賞、脚本賞(野木亜紀子)
  • 東京ドラマアウォード2018 - 連続ドラマ部門 優秀賞、脚本賞(野木亜紀子)ほか
  • コンフィデンスアワード・ドラマ賞 - 作品賞、脚本賞ほか
  • 第37回向田邦子賞(2018年度) - 野木亜紀子
  • 平成30年度(第69回)芸術選奨 放送部門 文部科学大臣新人賞 - 野木亜紀子

主題歌「Lemon」の大ヒット[編集]

主題歌は米津玄師がこのドラマのために書き下ろした「Lemon」。2018年2月12日にデジタル配信、3月14日にCDシングルとして発売された。制作中に米津自身が祖父を亡くした経験も重なり、喪失と死者への想いを歌った楽曲となっており、遺体と向き合う物語との相性の良さが放送当時から話題になった。毎話のクライマックスで流れる使い方も印象的だった。

楽曲はBillboard JAPANの年間チャート「JAPAN HOT 100」で2018年・2019年と2年連続の年間1位を獲得。さらに同チャートの15周年記念オールタイム・ランキングでも1位に輝いた。YouTubeのミュージックビデオは2025年1月に日本人アーティストとして初めて9億回再生を突破し、2026年4月時点では9億6000万回を超えている。オリコン週間カラオケランキングでも通算85週1位という記録を持つ。

2018年末の第69回NHK紅白歌合戦では、それまでテレビで歌ったことのなかった米津が、地元の徳島県から生中継で初出場し、テレビ初歌唱として「Lemon」を披露した。紅白で徳島から生中継されたのは史上初だった。

米津は続く『MIU404』でも主題歌「感電」を担当しており、シェアードユニバースの「音」の面でもつながっている。

シェアードユニバース[編集]

本作は、同じ野木・新井・塚原のチームによる『MIU404』(2020年、綾野剛・星野源W主演)、映画『ラストマイル』(2024年、満島ひかり主演)と同じ世界線にある「シェアードユニバース」作品として展開されている。

  • MIU404への登場 - 第3話に西武蔵野署の刑事・毛利(大倉孝二)と向島(吉田ウーロン太)が登場。第8話ではUDIラボの坂本(飯尾和樹)と所長の神倉(松重豊)が姿を見せ、中堂(井浦新)も電話の声で出演した。放送時には「完全にUDIとコラボってる」とファンが沸いた。
  • ラストマイルへの登場 - 2024年8月23日公開の映画『ラストマイル』には、三澄ミコト、中堂系、久部六郎、東海林夕子、坂本誠、神倉保夫、三澄夏代、毛利、向島、木林南雲、白井一馬らが出演。久部は研修医、夏代は弁護士として登場し、放送から6年後の彼らの姿が描かれた。映画は興行収入50億円を超える大ヒットとなり(最終的に約59億円とされる)、野木亜紀子は第48回日本アカデミー賞で最優秀脚本賞を受賞した。

続編はある?[編集]

ドラマとしての『アンナチュラル』シーズン2は2026年時点で発表されていない。『ラストマイル』公開時、監督の塚原あゆ子は「タイミングが合えば作りたい」としつつ、過去作を壊すような形で無理に扉を開けることはしたくない、という趣旨の発言をしている。

配信状況[編集]

「アンナチュラルはどこで見れる?」という疑問への答えとしては、2026年時点でU-NEXT、Netflix、Disney+、Leminoなどで見放題配信されている。Amazon Prime Videoでは2026年6月1日から、TBSの名作ドラマ約100作品の一挙配信の一環として見放題に加わった。配信ラインナップは時期により変動する。

海外の反応[編集]

海外ではNetflixやVikiを通じて視聴されており、アジアドラマのレビューサイト「MyDramaList」では10点満点中8.5(約5900件の評価)と高評価を得ている。英語圏のレビューでは、事件ごとの謎解きの面白さや、登場人物それぞれの背景の描き込み、石原さとみの演技が称賛されることが多い。一方で「全10話では物足りない」という声も目立ち、続編を望む反応につながっている。

韓国でも人気が高く、2022年10月には韓国でのリメイクが決定したと報じられた。その後しばらく続報がなかったが、2026年9月18日、韓国のtvNが少女時代のユナ(イム・ユナ)を主演に迎えた韓国版『アンナチュラル』を2027年に放送すると正式発表した。ユナはU.D.Iセンター所属の法医官ソン・ドウンを演じるとされ、ロマンティック・コメディのイメージが強い彼女のシリアス路線への挑戦としても注目されている。

余談[編集]

  • 第1話で描かれた感染症は「MERSコロナウイルス」。放送から2年後に新型コロナウイルスが世界的に流行したことで、後に「予言的だった」と振り返られることがある。
  • 米津玄師の「Lemon」は、松任谷由実の「Hello, my friend」から影響を受けた楽曲とされる。
  • 第7話で生配信事件を起こした高校生・白井一馬は、6年後の『ラストマイル』でバイク便ドライバーとして再登場し、ファンを驚かせた。
  • 所長の神倉を演じた松重豊、刑事・毛利を演じた大倉孝二など、脇を固めた俳優陣の多くが『MIU404』『ラストマイル』にも同じ役で出演しており、「どの作品から見ても楽しめる」作りになっている。

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