| Azest Kingscrown 아제스트 킹스크라운 | |
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登場作品『帰還者の魔法は特別です』のロゴ(出典:Wikimedia Commons) | |
| 本名 | アゼスト・ゼドガ・F・ログパラス(原作設定) |
| 出身地 | ヘブリオン帝国(作中設定) |
| 家族 | 父:ヘブリオン帝国の現皇帝 |
| 学歴 | ヘブリオン学園 |
| 職業 | 魔剣士(氷属性魔法・剣術)、ヘブリオン学園の学生 |
| 肩書 | ヘブリオン帝国の皇女・帝位継承者(正体を隠して在学)、「氷の女王」 |
| 代表的な実績 | 入学試験・昇級決定戦でデジールと激闘、回帰前の未来で「影の迷宮」の最後の6人の一人 |
| 関連活動 | ブルームーン(パグマン教授のパーティー)→デジール・アルマンのパーティー |
| 別名 | アゼスト・キングスクラウン(学園での名乗り) |
| あだ名 | 氷の女王、氷の女帝 |
| その他 | 声優:瀬戸麻沙美(日本語版アニメ)、アナスタシア・ムニョス(英語吹替版) |
概要[編集]
アゼスト・キングスクラウンとは、韓国のウェブ小説・ウェブトゥーン『帰還者の魔法は特別です』に登場する架空の人物である。氷属性魔法と剣術を併せ持つ学園屈指の魔剣士で、主人公デジール・アルマンが回帰前の未来で背中を預けた「最後の6人」の一人。正体は帝国の皇女という、本作のメインヒロイン格のキャラクターである。
詳細[編集]
作品内での立ち位置[編集]
『帰還者の魔法は特別です』は、世界を滅ぼした「影の迷宮」の最終決戦に敗れた魔法使いデジール・アルマンが、13年前のヘブリオン学園入学式の日に時間を遡り、破滅の未来を変えるために奔走する回帰ファンタジーである。原作はUsonanによるウェブ小説で、韓国のカカオページにて2016年9月から2019年8月まで連載され完結。Wookjakga作画のウェブトゥーン版は2018年5月に連載が始まり、日本ではピッコマで配信されている。
アゼストはこの物語で、デジールの「かつての仲間」として最初から重要な位置を占める人物である。回帰前の世界ではデジールとともに影の迷宮に挑んだ攻略隊の中核であり、回帰後の学園では、その記憶を持たない一人の新入生として彼の前に現れる。デジールにとっては「もう一度救いたい仲間」であると同時に、学園生活では最大級のライバルでもあるという、二重の意味を持つキャラクターだ。
名前と正体[編集]
学園で名乗っている「キングスクラウン」は偽名で、本名はアゼスト・ゼドガ・F・ログパラス(英語圏ではAjest Jedgar F. Roguepalaceと表記)とされる。ヘブリオン帝国の現皇帝のただ一人の娘であり、帝位継承者、つまり次期女帝にあたる皇女である。
皇族という身分を明かせば周囲の態度が一変することを嫌い、貴族キングスクラウン家の令嬢という体裁で学園に通っている。「キングスクラウン(王冠)」という偽名自体が皇族であることをほのめかしている、という指摘もある。なお日本語版の資料では名前の表記ゆれがあり、英語版コミックスなどでは「Ajest」、アニメ・各種データベースでは「Azest」とつづられることが多い。
外見[編集]
長いプラチナブロンドの髪を持ち、左側の髪を編み込んで結んでいるのがトレードマーク。瞳は金色で、背が高く整った顔立ちの美女として描かれる。原作では魔法を使うと髪が霜をまとったように変化するとされ、ウェブトゥーンやアニメでも冷気をまとった凛々しい姿が印象的に表現されている。表情の変化に乏しく、近寄りがたい雰囲気を漂わせているのも特徴である。
人物[編集]
初登場時のアゼストは、他人にまったく関心を示さない孤高の天才として描かれる。感情や本心を表に出さず、周囲の学生とも必要以上に関わろうとしない。ただし冷たいだけの人物ではなく、気品と礼節を備えており、自分が誤っていたと認めれば素直に頭を下げる誠実さも持っている。
性格の核にあるのは、強烈な負けず嫌いと闘争心である。入学以前から同世代に敵う者がいなかったため退屈を持て余しており、自分を打ち負かす相手が現れると強い関心と執着を見せる。その最初の相手が平民出身のデジールだったことが、彼女の物語を大きく動かしていく。
物語が進むにつれ、デジールの影響で少しずつ他者に心を開き、仲間を守るために剣を振るう頼もしい戦友へと変わっていく。皇女という秘密を抱えていることへの不安もあり、正体を知ったデジールが態度を変えずに接してくれたことに安堵する描写もある。
ちなみに、華やかな社交パーティーは大の苦手。そんな彼女がパーティーに顔を出したのはデジールが理由だった、という小ネタが原作にはある。
能力・戦闘スタイル[編集]
魔剣士[編集]
アゼストは魔法と剣術の両方を高い水準で使いこなす「魔剣士」である。アニメ公式サイトでは「氷属性魔法と剣術を極めた最強クラスの魔剣士」と紹介され、ヘブリオン学園屈指の実力者という扱いだ。入学時点で魔法の位階は3サークルに達しており、新入生としては破格の水準とされる。原作では物語の進行とともに4サークルへ到達するなど、着実に成長を重ねていく。
剣は皇族に伝わる大剣の流派を修めているとされる。戦いの前には剣を丁寧に手入れする習慣があり、武器へのこだわりも描かれている。
主な技[編集]
- 氷の宮殿(Frozen Palace) - 彼女の切り札。戦場一帯を凍りつかせ、そこで数多くの魔法を同時に展開する大技である。詠唱なしで即座に展開できる反面、魔力の消耗が非常に激しいとされる。
- 魔剣(マジックソード) - 刃に魔力を流し込んで戦う奥義で、騎士の「オーラ」に近い性質を持つ。デジールに勝ちたい一心で、本来想定されていたより早い段階で習得したという。
- 魔剣・アイスウェーブ - 時計塔でのデジール戦で放った決め技。
- そのほか、氷の玉座(Frozen Throne)、アイスエンプレス、氷天世界といった氷系の秘技が原作で登場する。
属性については氷と雷の二属性を持つという記述もあるが、作中で前面に出るのはほぼ氷魔法である。
極氷の中心[編集]
原作の2年生編では、外敵として登場するエステバン族とのやり取りを経て、剣「極氷の中心」を手にする。原作小説の巻の表紙にも描かれた、彼女を象徴する武器のひとつである。
作中での活躍[編集]
※以下、原作小説・ウェブトゥーンおよびアニメ第2期の重大なネタバレを含むので注意。
回帰前の未来[編集]
回帰前の世界で、アゼストは影の迷宮を最後まで戦い抜いた「最後の6人」の一人だった。攻略隊の中心人物として、デジールいわく「もはや挑んでくる相手もおらず退屈していた恐るべき戦士」へと成長していたという。破滅の竜ナポリタン(ブロミエ・ナポリタン)との最終決戦にも参加し、最後の一撃を加えたのが彼女だったとする資料もある。
しかしナポリタンを討った直後、その心臓から第7位階の魔法に匹敵する魔力が噴き出し、残された生存者たちは命を落としたとされる。デジールが唯一過去へ戻る結果となったこの結末が、物語全体の出発点である。興味深いのは、回帰前のアゼストが最後まで皇女であることを隠して攻略隊に参加していた点で、その理由は作中でも明確には語られておらず、読者の間で考察の種になっている。
入学試験[編集]
回帰後、アゼストは入学試験でデジールと「再会」する。もちろん彼女の側に記憶はない。試験の舞台となった影の世界での競争では終始トップを走っていたが、ゴール直前でデジールに魔法の爆発を利用して追い抜かれ、人生で初めての敗北を味わう。この一件が、彼女のデジールへの執着の始まりとなった。
昇級決定戦・時計塔の決闘[編集]
その後アゼストは、パグマン教授が率いる名門パーティー「ブルームーン」に加わる。平民でありながらアルファクラス昇級を狙うデジールたちを排除するため、パグマン教授は彼女を1年生のリーダーに任命する。
アゼストは図書館でデジールに正式にライバル宣言をし、入学試験で彼を見下していたことを謝罪する。その上で迎えたランキング戦本戦の舞台、プリビウス時計塔で、二人は直接激突する。デジールに次々と魔法を分析・無効化されながらも、氷の宮殿、さらに魔剣を解放して形勢を逆転し、最後には刃をデジールの首元に突きつけて決闘そのものには勝利した。
ところがデジールは戦いの裏で時計塔の仕組みを解析しており、メインクエストを先にクリアしていた。結果としてランキングはデジールが1位、アゼストが2位。剣では勝ったのに勝負には負けたという、彼女らしい悔しさの残る決着である。
デジールのパーティーへ[編集]
昇級決定戦の後、アゼストはデジールたちの訓練に加わることを望むようになる。卑劣な手段もいとわないパグマン教授への失望や、家門を絡めた縁談話への反発もあり、教授の「お前が私のパーティーを抜けられると思うのか」という言葉を覆してブルームーンを脱退。デジールのパーティーに正式に加わった。
加入後は、影の世界「エバナーテン」攻略で騎士団長として活躍。破滅の悪魔ダデニュフとの戦いでは民間人を守るために奮戦するが、圧倒的な力の前に無力感を覚えることにもなる。合同大会「アーウィンツの迷宮」ではマザーワームを相手にデジールと共闘するなど、パーティーの主力として活躍の場を広げていく。
2年生編以降[編集]
2年生編ではホムンクルスとの戦いなどを通じてデジールとの連携がさらに深まる。やがて皇宮で、ついに皇女であることがデジールに知られてしまう。このときデジールは盗聴魔法を警戒してあえて「皇女様」と呼びつつ、魔力で書いた文字で本心を伝えたとされ、ファンの間でも名場面として語られる。
さらに後半のレアとの戦いでは、異能の極致として「氷の鎧をまとった悪魔」の姿に至り勝利を収めたとする記述もある。デジールとの関係は最終的に恋愛へと発展し、物語の終盤で二人は互いの想いを打ち明けるとされる。
人間関係[編集]
- デジール・アルマン
- 初めての敗北を与えた宿命のライバルであり、魔法の師であり、のちのパーティーリーダー。アゼストは彼の正体に強い興味を抱き、身を案じるうちに恋心を抱くようになる。デジールの側から見れば、回帰前の未来で共に戦った仲間であり、今度こそ守りたい存在でもある。
- ロマンティカ・エル
- デジールのパーティーの魔法使い。当初は敵対陣営同士だったが、のちに仲間となる。ともにデジールを想う者として互いを牽制し合う、いわゆる恋敵的な関係でもある。
- プラム・シュナイザー
- デジールのパーティーの剣士。同じパーティーの仲間だが、作中で二人が言葉を交わす場面は多くない。
- パグマン教授
- ブルームーンの指導教授。アゼストを利用してデジールたちを潰そうとしたが、その手段や家門をめぐる考え方が合わず、アゼストは彼のもとを去ることになる。
- エルヘイム・トリクインシー
- 入学試験での先輩(メンター)で、ブルームーンの一員。
- ヘブリオン帝国の皇帝
- 実の父。アゼストが偽名で学園に通う理由の根本には、この父の存在と皇女という立場がある。
アニメ版[編集]
キャストとビジュアル[編集]
アニメ版はアニプレックスが2023年3月のAnimeJapanで制作を発表し、アルボアニメーションがアニメーション制作を担当。監督は川口太詩、シリーズ構成・脚本は鴻野貴光、キャラクターデザインは加藤裕美が務める。アゼストの日本語版声優は瀬戸麻沙美、英語吹替版はアナスタシア・ムニョスが演じている。
放送前に公開されたキャラクターPVでは、全4本の最後を飾ったのがアゼストだった。他を寄せ付けない迫力の魔法と騎士に匹敵する剣技を見せる内容で、PVの最後には剣を構える彼女の描き下ろしイラストが初公開された。
第1期(2023年)[編集]
第1期は2023年10月から12月にかけてTOKYO MXほかで全12話が放送された。オープニングテーマはFLOWの「GET BACK」。アゼストは現代パートでは第2話「試験」で入学試験の場面から登場し、第6話「本戦」ではブルームーンの魔剣士としてデジールへの闘志を燃やす。
見せ場は第8話「激突」から第9話「決着」にかけての時計塔での対決で、原作屈指の名勝負がアニメ化された。続く第10話「休息」では、シングルランカーとなったデジールたちがゲームセンターで遊んでいるところに思いがけず彼女が合流し、4人で過ごすという、戦闘中とは打って変わった一面が描かれる。
2026年7月からはフジテレビ・関西テレビで第1期が再放送され、第2期への助走となった。
第2期(2026年)[編集]
第2期は2026年10月7日から、フジテレビの深夜アニメ枠「+Ultra」で毎週水曜24時45分に放送中である。第13話から話数が続き、オープニングテーマは引き続きFLOWの書き下ろし曲「Sorrow」。
第2期ではアゼストがデジールのパーティーの一員として本格的に戦いに加わる。第13話「イントゥザシャドー」では、突如現れた影の世界・城塞都市エバナーテンで、デジール、プラムとともに外敵エステバンの襲撃を迎え撃つ。第14話「ジャッジメント」では難民問題に揺れるエバナーテンで、離ればなれになっていた仲間との再会が事態を動かしていく。かつて他人を寄せ付けなかった魔剣士がチームで戦う姿は、第2期の見どころの一つといえる。
評価[編集]
アゼストは、氷属性・クールな皇女・ライバルからヒロインへという、ファンタジー作品で人気の要素を詰め込んだキャラクターである。とくに時計塔での決闘は、デジールの頭脳戦と彼女の真っ向勝負がぶつかる展開として原作読者からの人気が高い。
ヒロイン論争でもしばしば話題の中心となり、ロマンティカとの「どちらがメインヒロインか」という議論は韓国・日本・英語圏いずれのファンコミュニティでも見られる。韓国のファン向け百科事典では「メインヒロイン」と位置付けられている。
余談[編集]
- アゼストを演じる瀬戸麻沙美は『呪術廻戦』の釘崎野薔薇役などで知られ、凛とした強い女性キャラクターに定評がある。
- 第2期のオープニング「Sorrow」を担当するFLOWは第1期の「GET BACK」に続く続投で、作品とのつながりが続いている。
- 原作のある名場面は、ウェブトゥーン版では「壁ドン」に少しアレンジされて描かれたという。
- 英語圏では「Ajest」と「Azest」の両方の表記が使われており、検索するときは両方試すと情報が見つけやすい。
- ゲームセンターで4人が遊ぶアニメ第10話では、戦闘時とは違う彼女の素顔が描かれる。