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2026年9月19日 (土) 15:54時点における版
概要
韓流(かんりゅう、ハンりゅう)とは、韓国で制作されたテレビドラマ・映画・音楽などの大衆文化が国外で広く受容される現象を指す言葉である。日本では2003年の『冬のソナタ』放送をきっかけに一般語となり、その後およそ20年にわたって波状的に流行の山を作ってきた。
詳細
「韓流」という語自体は1990年代後半に中国のメディアが韓国大衆文化の流入を指して使い始めたものとされ、日本に入ってきたのは2000年代初頭である。日本語では「はんりゅう」「かんりゅう」の両方の読みが使われるが、放送では「かんりゅう」が定着している。
日本での受容は一度きりの流行ではなく、およそ数年おきに主役となるジャンルと客層を入れ替えながら繰り返されてきた。一般に第1次から第4次までの波として整理されることが多い。
第1次:ドラマと中高年女性(2003年 - )
2003年にNHKのBSで放送された『冬のソナタ』が翌年に地上波へ進出し、社会現象と呼ばれる規模の反響を生んだ。主演俳優のペ・ヨンジュンが「ヨン様」と呼ばれ、来日時に空港へ数千人規模のファンが集まった光景は当時繰り返し報道されている。
この波の中心は中高年の女性層だった。すでにテレビの主要な視聴者でありながら、当時の国内ドラマが若年層向けに編成されていたため、正面から恋愛を描く作品への需要が満たされていなかった、という説明がよくなされる。需要があったところに供給が届いた、という構図である。
第2次:K-POPとアイドル(2010年 - )
2010年前後に少女時代やKARAが日本の音楽番組に出演し、主役がK-POPへ移った。振り付けの完成度と日本語で歌う戦略が特徴で、客層も10代から30代へ大きく下がっている。
この時期の韓国側では、国内市場の小ささを前提に最初から輸出を組み込んだ制作体制が組まれていた。練習生制度、多言語対応、海外現地法人の設置といった仕組みは、この段階でほぼ現在の形になっている。
第3次:SNSと若年層(2017年 - )
BTSやTWICEが世界的な成功を収めた時期で、日本での受容経路も大きく変わった。テレビの紹介を経由せず、YouTubeやX (SNS)、Instagramで直接ファンになる層が中心になり、コスメやファッションを含む「韓国っぽさ」全般が10代の消費対象になった。
第1次・第2次と違い、この波はメディアが仕掛けた形跡が薄い。ファンの側がプラットフォーム上で情報を回し、日本の芸能メディアが後追いで報じる、という順序が定着した。
第4次:配信とグローバル市場(2020年 - )
Netflixで配信された愛の不時着と梨泰院クラスが、2020年の巣ごもり需要のなかで爆発的に視聴された。翌年にはイカゲームが世界規模のヒットとなり、韓国作品が「アジアのコンテンツ」ではなく世界市場の主流商品として扱われるようになる。
この段階の特徴は、作品が最初から国外配信を前提に作られている点にある。CJ ENM傘下のスタジオドラゴンのように、放送枠から独立して制作できる会社が育ち、TvNのようなケーブル局が地上波と並ぶ話題作を出す体制ができていた。日本で先に人気が出てから輸入される、という従来の順序は成立しなくなっている。
日本国内での議論
韓流の受容をめぐっては、日本国内で賛否の議論が続いてきた。2011年には特定の放送局の編成に対する抗議行動が起き、政治的な文脈と結び付けて語られる場面もあった。一方で、2010年代後半以降の若年層では、政治的な対立とコンテンツの消費を切り離して捉える傾向が強いという調査結果も複数報告されている。
どちらの傾向も実在しており、世代・時期・メディア環境によって受け止め方が大きく異なる、というのが実態に近い。評価が一本化されていないこと自体が、この現象の特徴だといえる。
よくある質問
- 「韓流」は「はんりゅう」と「かんりゅう」どっちが正しいの?
- どちらの読みも使われる。日本の放送では「かんりゅう」が一般的で、韓国語の発音に近いのは「ハンリュ」である。
- 第1次から第4次って誰が決めたの?
- 公式な定義はない。メディアや研究者が受容層とジャンルの変化を整理するために用いている区分で、区切り方には諸説ある。
- 韓国ドラマはなぜ完成度が高いと言われるの?
- 全話を撮影してから放送する事前制作が主流になっていること、制作会社が放送枠から独立していること、海外配信を前提にした予算規模が組めることなどが要因として挙げられる。テレビドラマの制作体制の違いも参照。
- 韓流はもう終わったの?
- 波の形は変わり続けている。第4次以降は「韓流」という枠で語られること自体が減り、単に人気作品として消費される段階に入ったという見方もある。
- 日本の作品との共同制作はあるの?
- 配信事業者を介した共同制作や、日本の漫画・ウェブトゥーンを原作にした韓国側での映像化が増えている。原作と制作の国が分かれる形が定着しつつある。
余談
- 『冬のソナタ』の日本での放送は、当初は深夜帯のBS枠だった。反響を受けて時間帯が繰り上がり、最終的に地上波へ移るという経路を辿っている。
- 第2次韓流の時期に確立した「日本語版シングルを出す」という戦略は、第3次以降ほとんど必須ではなくなった。配信で原語のまま聴かれるようになったためである。
- 韓国政府がコンテンツ産業に予算を投じてきたことは事実だが、個々のヒット作が国策で作られたという説明は単純化しすぎている。支援の中心は輸出の販路や制作インフラの整備であり、作品の内容そのものではない。
- 韓国ドラマの邦題が原題とかけ離れることが多いのは、日本の配給側が受容層に合わせて付け直しているためである。原題の直訳では意味が通らない例も多い。