| Hentai Haven Hentai Haven / HentaiHaven | |
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https://thumb.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/e/eb/Anime_Expo_at_Los_Angels_Convention_Center_20100702.jpg/500px-Anime_Expo_at_Los_Angels_Convention_Center_20100702.jpg?utm_source=commons.wikimedia.org&utm_campaign=imageinfo&utm_content=thumbnail 北米最大級のアニメイベント「Anime Expo」の会場(ロサンゼルス・コンベンションセンター、2010年)。Hentai Havenとは無関係の参考写真(出典:ウィキメディア・コモンズ、CC BY 2.0) | |
| サイト名 | Hentai Haven |
| 言語 | 英語 |
| タイプ | 成人向けアニメの動画配信サイト(無許諾) |
| 国 | 不明(運営者は匿名) |
| 種類 | アダルトサイト、動画配信サイト |
| 創設 | 2014年 |
| 創設者 | Papa HH(ハンドルネーム。本名非公表) |
| 運営者 | Papa HH(創設〜2018年)→ FAKKU側に譲渡(2018年12月) |
| 収益 | 広告収入 |
| 営利性 | 営利 |
| 登録 | 不要(閲覧は無料) |
| ユーザー数 | 最盛期で1日約250万人とされる |
| 開始 | 2014年 |
| 終了 | 2018年12月(一時閉鎖。2019年5月に再開) |
| 現在の状態 | 本家の動向は不明瞭。名前を騙る後継・偽サイトが多数存在 |
| 別名 | HH、HentaiHaven |
概要[編集]
Hentai Haven(ヘンタイ・ヘイヴン)とは、日本の成人向けアニメ(主にOVA)を、英語字幕を付けて無断でストリーミング配信していた英語圏の動画サイトである。2014年に「Papa HH」と名乗る匿名の人物が開設し、最盛期には1日約250万人が訪れる超人気サイトになった。2018年12月の突然の閉鎖、FAKKUへの譲渡、2019年の再開と創設者の「#HHisDead」声明というお家騒動でも知られる。
詳細[編集]
どんなサイトだったのか[編集]
Hentai Havenは、日本で発売された成人向けアニメの映像を、ファンが訳した英語字幕付きで無料視聴できるようにしていたサイトである。もちろん日本の権利者から許諾は得ておらず、いわゆる海賊版サイトに分類される。収益源は広告で、利用者は登録不要・無料で視聴できた。2010年代当時、海外で日本の成人向けアニメを観ようとすると、あちこちに散らばったファイルを探し回る必要があった。そこに「タグで整理された見やすい一覧」「英語字幕付き」「新作が早い」という三拍子をそろえて登場したため、口コミで一気に広まったとされる。
規模と人気[編集]
米Kotakuの報道によると、最盛期には1日あたり約250万人が訪問し、アメリカ国内のアクセスランキングでトップ1,000に入るほどの規模だったという。創設者Papa HH自身は、広告収入を「1日1,000〜2,000ドル」程度と見積もっていたと語っている。一方、後にサイトを引き取ったFAKKU側の創業者ジェイコブ・グレイディは「年100万ドルを超える広告契約があった」と述べており、双方の言い分には開きがある。いずれにせよ、ライバルの正規サービスを大きく上回る集客力を持っていたことは各メディアが共通して伝えている。
名前とロゴ[編集]
「Haven」は英語で「安息の地」「避難所」の意味。ロゴは赤い「HH」の2文字を斜めに配置し、白地に黒縁を付けたシンプルなデザインで、稲妻のようにも見えるモノグラムがブランドの顔になっていた。この「HH」は略称としても定着し、ファンの間では「HH」とだけ書いて通じるほどだった。2014年版と2019年再開時のロゴはほぼ同じデザインが維持されている。
ミームとしての知名度[編集]
Hentai Havenは、その知名度ゆえに英語圏のインターネットミームでもたびたびネタにされた。ミーム事典サイト「Know Your Meme」にも独立した項目があり、2018年の閉鎖時には「追悼」ネタの投稿があふれた。人気YouTuberのPewDiePieが閉鎖を悼むツイートをしたことも話題になった。サイトそのものを利用したことがない層にまで名前が知られていた、という点でも珍しい存在である。
歴史[編集]
開設(2014年)[編集]
Hentai Havenのドメインが登録されたのは2014年7月とされる。創設者は「Papa HH」というハンドルネームで活動し、本名や国籍は公表されていない。当初はファンサブ(ファンによる非公式字幕)の新作を素早く載せるサイトとして始まり、少人数の非常勤スタッフ(字幕担当など)にわずかな報酬を払って運営していたとされる。2015年ごろには、英語圏のアニメファンコミュニティで「成人向けアニメといえばここ」と言われる定番サイトになっていた。
人気の絶頂(2015〜2018年)[編集]
サイトの強みはインターフェースだった。作品をジャンル別タグで細かく分類し、検索しやすくしたことで、他の海賊版サイトとの差別化に成功した。公式Twitter・Facebookアカウント、Discordサーバー、さらにはグッズ販売ストアまで展開し、半ば「ブランド」として振る舞っていたのも特徴である。一方でこの時期から、Googleへの著作権侵害申し立て(DMCA通知)が相次いでいたことが報じられている。
2018年12月の突然の閉鎖[編集]
2018年12月19〜21日ごろ、Hentai Havenは予告なく閉鎖された。トップページには「すべての旅には終わりがある。そして残念ながら、今回はハッピーエンドではない(every journey must come to an end – and unfortunately, it ain't the happy kind this time)」という趣旨のメッセージが掲げられた。公式Twitterは削除され、Facebookの投稿も消され、グッズストアも撤去された。
運営側は理由を明確に説明しなかったため、ネット上ではさまざまな推測が飛び交った。テック系ニュースサイトPiunikaWebは「日本の権利者からの法的圧力」が最も有力としつつ、同月のTumblrによるアダルトコンテンツ禁止の流れなどを背景として挙げている。
FAKKUへの譲渡[編集]
閉鎖の直後、2018年12月22日ごろにサイトの表示が書き換えられ、「Hentai HavenはFAKKUによって救われる」という告知が出た。FAKKUは、もともと無許諾の成人向け漫画サイトとして2006年に始まり、のちに日本の出版社と正式契約を結んで2015年に全コンテンツを正規ライセンス化した英語圏の成人向け漫画パブリッシャーである。
後の報道によると、Papa HHは2016年ごろからFAKKU創業者のジェイコブ・グレイディとサブスクリプション事業の構想について連絡を取り合っており、2018年8月には「HHは行き止まりだ。もうやめる」という趣旨のメッセージを送っていたという。最終的にPapa HHは、サイト・Discord・Twitterアカウントの権限をグレイディに引き渡し、その見返りとしてFAKKU側が著作権侵害に関する法的責任から彼を「免責」する、という取引が成立したとされる。
2019年5月の再開[編集]
譲渡後、サイトは約5か月間「閉鎖中」の表示のままだった。2019年5月11日にカウントダウンが始まり、5月12〜13日に元のドメインで再開。アクセスが殺到してサーバーが落ちるほどの盛り上がりを見せ、SNSでは「HH復活」を祝うミームが大量に投稿された。
2019年7月の「#HHisDead」声明[編集]
再開から約2か月後の2019年7月7日、Papa HHが一時的にアカウントの操作権を取り戻し、「#HHisDead」のハッシュタグとともに声明を投稿した。その内容は「FAKKUが完全に乗っ取り、自分を追い出した」「資格情報を渡した途端に連絡が来なくなった」「サイトを失うと知っていたら、自力で(法的問題と)戦っていた」というもので、さらに他の海賊版サイトに向けて「早く合法化の道を探せ。日本はこれまで以上に取り締まりを強めてくる」と警告する一文もあった。
これに対しグレイディは、DMCAリスクを強調しすぎた面はあると認めつつも、「Hentai Havenのような存在を通じて『公式の作り手を支援する選択肢』を示すのは良い戦略だと思っていた。昨日まではね」とコメント。騒動の中でFAKKUの従業員に殺害予告が届く事態にまでなった。また、元スタッフが未払い報酬を訴え、Papa HHが後から支払ったという話も報じられている。
和解とその後[編集]
騒動は短期間で収束し、7月8〜9日には両者が非公開で話し合い和解したことが発表された。7月12日、Papa HHは一連の件を「誤解」だったとし、Hentai Havenは「独立した存在として継続し、FAKKUは合法化という目標の達成を手助けする」と説明した。
しかし、構想された「成人向けアニメ版Crunchyroll」は結局実現しなかった。米公共放送系メディアKQEDの取材では、FAKKUがHentai Havenのライブラリを正規ライセンス版に置き換えることはなかったと伝えられている。その後のHentai Haven本家の運営状況については、信頼できる公式発表が乏しく、はっきりしたことはわかっていない。
ファンサブ文化と海外での日本成人アニメ受容[編集]
ファンサブとは[編集]
ファンサブ(fansub)は、ファンが日本のアニメに自分たちで字幕を付けて流通させる文化のこと。1980〜90年代のVHSテープ交換から始まり、ネット時代になってデジタル配信へと形を変えた。Hentai Havenのコンテンツの多くも、こうしたファン翻訳の字幕付き映像だった。一般向けアニメの世界では、かつてファンサブ動画を集めていたCrunchyrollが正規ライセンス配信へ転換して大成功した例が知られており、FAKKUのグレイディもこの「Crunchyrollモデル」を成人向けアニメで再現しようとしたとされる。
海外での受容の歴史[編集]
日本の成人向けアニメが海外で注目された歴史は古く、1990年代には『うろつき童子』が過激な表現をめぐる論争によってかえって国際的な知名度を得た例が語られる。英語圏では「Hentai」という日本語がそのままジャンル名として定着し、Media Blasters社の成人向けレーベル「Kitty Media」(1997年設立)などがDVDの正規販売を行ってきた。
正規ビジネスが育たなかった事情[編集]
米国の成人向け映像業界の賞であるAVNアワードは、2013年にアニメ部門を廃止した。加えて2018年の米国の法律(FOSTA-SESTA)以降、企業がアダルトコンテンツに関わることを避ける風潮が強まったとされる。決済会社やプラットフォームの規制も厳しく、正規ビジネスが成長しにくい一方で、海外サーバーに置かれた無許諾サイトは摘発されにくい――という構図が、Hentai Havenのようなサイトを生んだ土壌だと指摘されている。
「無料が当たり前」の壁[編集]
FAKKUのグレイディは、「ある作品名でGoogle検索すると、正規の配信元が出てくる前に20個くらい海賊版サイトが並ぶ」と嘆いている。Hentai Haven自体は代表的存在だったが、同種のサイトはほかにも数多くあり、HanimeやNhentaiのように月間数億アクセス規模とされるサイトも挙げられている。一つのサイトを正規化しても、ユーザーが別の無料サイトへ流れるだけ、という問題がつきまとった。
権利者・日本の制作会社側の動き[編集]
日本側の権利者[編集]
Hentai Havenで流通していた成人向けアニメの多くは、日本の中小アニメ制作会社・レーベルが国内向けにDVDやダウンロード販売で発売した作品である。こうした作品は国内ではDLsiteやFANZAなどの正規販売サイトで流通しており、海外の無許諾サイトで無料公開されると、その分だけ国内外の売上機会が奪われることになる。2018年の閉鎖の背景として「日本の権利者からの圧力」が最有力視されたのも、こうした構造があるためである。ただし、どの会社がどのような措置を取ったかについて、具体的な公式発表は確認されていない。
業界全体の海賊版対策[編集]
日本のコンテンツ業界は、2010年代後半から海賊版対策を強めてきた。業界団体のコンテンツ海外流通促進機構(CODA)は、検索エンジンへの削除申請や、違法サイトへの広告出稿を断つための広告業界への協力要請などを進めている。2018年4月には、日本政府が漫画村・Anitube・MioMioの3サイトを対象にしたブロッキングの考え方を示し、大きな議論になった。Hentai Havenの閉鎖が同じ2018年に起きたのは、こうした「日本の本気の取り締まり」ムードと重なっている。Papa HHが声明で「日本はこれまで以上に取り締まりを強める」と書いたのも、この流れを意識したものと見られる。
FAKKUとKitty Mediaの試み[編集]
FAKKUは2017年、Media BlastersからKitty Mediaレーベルのデジタル配信権を取得し、正規ライセンスの成人向けアニメ配信に乗り出していた。しかし2020年後半、同社CEOは配給と権利処理の複雑さを理由に、Kitty Media作品の動画配信を「無期限で優先度を下げる」と発表。2023年1月には約6年続いた提携が終了し、Kitty MediaはMedia Blastersの単独管理に戻った。Hentai Havenの「合法化」構想とあわせ、英語圏で成人向けアニメの正規配信を根付かせる試みは難航したといえる。
後継・偽サイト問題と利用リスク[編集]
名前を騙るサイトの乱立[編集]
Hentai Havenが2018年12月に閉鎖した直後から、ロゴや名前を流用して「移転先」「公式ミラー」を名乗る偽サイトが次々に出現した。当時の公式サイト自身が「偽のDiscordサーバーの報告がある」「Hentai Havenを名乗るサイトや、移転したと主張するサイトは偽物だ」と警告し、偽サイトは「セキュリティを危険にさらす可能性がある」と注意を呼びかけていた。その後も「Hentai Haven」の名前は検索で集客しやすいブランドとして使われ続け、現在も名前を騙るサイトが多数存在する。本記事では、それらのURLやアクセス方法は扱わない。
マルウェア・詐欺広告のリスク[編集]
無許諾の動画サイトは、正規の広告ネットワークから締め出されやすいため、質の悪い広告業者に頼る傾向がある。その結果、次のようなリスクが一般に指摘されている。
- 偽の「ウイルス感染」警告や偽のアップデート画面を表示する詐欺広告
- クリックすると別サイトへ強制的に飛ばされるポップアップ・リダイレクト
- マルウェアや不要なアプリのダウンロード誘導
- ログイン情報やクレジットカード情報を盗むフィッシングページ
- 成人向けサイトであることにつけ込んだ脅迫型の詐欺メール・ワンクリック請求
特に「本家の後継」を名乗るサイトは、運営者も目的も不明であることが多く、安全性を判断する手がかりがほとんどない。
著作権上のリスク[編集]
日本の著作権法では、違法にアップロードされたものと知りながら動画をダウンロードする行為は違法とされ、有償で提供されている作品の場合は刑事罰の対象にもなりうる。ストリーミング視聴そのものの扱いは国や状況によって異なるが、少なくとも海賊版サイトを利用すること自体が、作り手に対価が届かない構造を支えることになる点は押さえておきたい。また、日本では成人向けコンテンツは18歳以上を対象としたものであり、年齢制限のない無許諾サイトはこの点でも問題がある。
合法な代替(正規配信サービス)[編集]
日本国内の正規ルート[編集]
日本の成人向けアニメは、国内ではFANZA(旧DMM.R18)やDLsiteといった大手の正規販売・配信サイトで購入・視聴できる。いずれも成人の年齢確認を前提とし、売上の一部が制作会社や権利者に還元される仕組みになっている。DVD・Blu-rayのパッケージ販売も引き続き行われている。
海外向けの正規ルート[編集]
英語圏では、Media BlastersのKitty Mediaなどが成人向けアニメのパッケージを正規販売してきた歴史がある。漫画分野では、FAKKUが日本の出版社と契約して英訳版を正規に販売・配信しており、作者にきちんと対価が支払われるビジネスとして定着している。FAKKUは2025年時点では成人向けアニメの直接配信は行っていないとされる。
作り手を応援する方法[編集]
同人・インディー系のクリエイターであれば、作品販売サイトやPatreonなどの支援サービスを通じて直接応援できる場合もある。「無料で観られるから海賊版」ではなく、正規ルートでお金を払うことが、次の作品が作られる原動力になる、というのは一般向けアニメでも成人向けアニメでも同じである。
炎上とバズ[編集]
- 2018年12月の閉鎖:突然の閉鎖は英語圏のネットで「追悼祭り」状態になり、PewDiePieまでが反応した。Redditなどでも大量の惜別投稿・ミームが生まれた。
- 2019年5月の復活:カウントダウンからの再開でサーバーがダウンするほどアクセスが集中し、「祝復活」ミームが拡散した。
- 2019年7月の「#HHisDead」:創設者による「乗っ取られた」告発は、FAKKU側への殺害予告にまで発展する大炎上となった。ただし数日で和解が発表され、創設者自身が「誤解だった」と撤回する形で一応の決着を見た。
余談[編集]
- 閉鎖時のメッセージ「every journey must come to an end」は、英語圏ではそのままミームの決め台詞として使われた。
- 譲渡先のFAKKU自身も、もとは2006年に無許諾の漫画サイトとして始まり、2015年に全面正規化した「元・海賊版からの転身組」である。だからこそHentai Havenの正規化に乗り出したとされる。
- 2019年7月の騒動でグレイディが言った「良い戦略だと思っていた。昨日まではね」は、海外メディアで繰り返し引用された名(迷)セリフになった。
- 閉鎖直後の2019年1月には、Hentai Havenの動画を大量にクラウドストレージに保存して共有する動きも報じられ、「ファンによるアーカイブ」と「著作権侵害」の境界が改めて議論された。
外部リンク[編集]
- (本記事では、当該サイトおよび名前を騙るサイトのURLは掲載しない)