鈴木祐斗
すずき ゆうと / Yuto Suzuki
Sakamoto_Days_manga_logo.svg
代表作『SAKAMOTO DAYS』のロゴ(出典:Wikimedia Commons「Sakamoto_Days_manga_logo.svg」/パブリックドメイン)
誕生日 7月6日
出身地 愛知県名古屋市(報道による)
国籍 日本
学歴 東京藝術大学日本画科卒業
職業 漫画家
活動期間 2019年 -
代表的な実績 『SAKAMOTO DAYS』(週刊少年ジャンプ連載、全世界累計1800万部超)
受賞 次にくるマンガ大賞2021 コミックス部門9位・U-NEXT賞、全国書店員が選んだおすすめコミック2022 6位(いずれも『SAKAMOTO DAYS』)
関連活動 『SAKAMOTO HOLIDAYS』原作
その他 個人の公式SNSアカウントは公開していない


概要[編集]

鈴木祐斗(すずき ゆうと)とは、日本の漫画家である。週刊少年ジャンプで連載中の殺し屋アクション『SAKAMOTO DAYS』の作者で、東京藝術大学で日本画を学んだ異色の経歴を持つ。

詳細[編集]

藝大日本画科から映像の現場へ[編集]

報道によれば、愛知県名古屋市の出身。高校時代に美術に興味を持ち始め、浪人を経て東京藝術大学の日本画科に進学した。日本画といえば岩絵具と和紙の世界で、少年漫画とはかなり距離がある……と思いきや、担当編集の石川氏は後に「日本画を学んできたバックボーンが、面白いコマ割りを生み出している」という趣旨の評価をしている。

卒業後はいきなり漫画家になったわけではなく、アーティスト系のスタジオに就職し、映像作品の絵コンテなどを手がけていたとされる。「カメラをどこに置くか」「カットをどう繋ぐか」を考える絵コンテの仕事は、のちの『SAKAMOTO DAYS』の映画的なアクション演出の下地になったと見るファンも多い。

2019年、ジャンプ+で読切デビュー[編集]

2019年4月29日、少年ジャンプ+に読切『骸区(がらく)』が掲載されて商業デビュー。敵意に反応して何でも斬ってしまう老人が登場するダークなアクション作品だった。同年9月1日には同じくジャンプ+で読切『ロッカールーム』を発表。「欲しいものが何でも出てくるロッカー」をめぐる都市伝説風の物語で、こちらは2020年11月14日放送のフジテレビ系『世にも奇妙な物語 '20秋の特別編』で「コインランドリー」として実写ドラマ化された(主演は濱田岳)。読切2本目でいきなり「世にも」入りという、なかなかの引きの強さである。

担当編集の石川氏とは、手塚賞の時期に作品を見た石川氏が声をかけたのが出会いとされ、以後は毎週の打ち合わせ(コロナ禍以降はオンライン)を重ねてきたという。

『SAKAMOTO-サカモト-』から連載へ[編集]

2020年、『ジャンプGIGA』2020 WINTERに読切『SAKAMOTO-サカモト-』を掲載。これが連載版のプロトタイプになった。本人は2023年の『ジャンプGIGA』のインタビューで「当時は読切を載せたい一心でインパクト重視だった。連載になるとは思っていなかった」という趣旨の発言をしている。

そして2020年11月発売の『週刊少年ジャンプ』2020年51号から『SAKAMOTO DAYS』の連載がスタート。デビューからわずか1年半あまりで本誌連載を勝ち取り、初の週刊連載がそのまま看板作品に化けた。

『SAKAMOTO DAYS』誕生の舞台裏[編集]

「なぜ太っているのか?」から逆算したキャラ作り[編集]

主人公・坂本太郎の「元・最強の殺し屋なのに、今はぽっちゃりした商店の店主」という設定は、鈴木の発想法をよく表している。本人は『ジャンプGIGA』2023 WINTERのインタビューで、「なぜ太っているのか? 引退したから。なぜ引退した? 結婚したからかも。そうやって作った」という趣旨で、キャラクターの外見から理由を逆算していったと明かしている。

もともと「ギャップの強いキャラクターが好き」で、「最強のおじいさん」と「最強のデブ」という両極端の案を比べた結果、描いていて面白かったのが後者だったという。デビュー作『骸区』の主役が“最強の老人”だったことを考えると、ボツ案もちゃんと過去作で回収済みといえる。特定のモデルはいないが、後から香港映画『燃えよデブゴン』(1978年)を知り「設定が近い」と思ったとも語っている。

最初は「殺す」坂本だった[編集]

担当編集の石川氏によると、連載会議に出す前の初期案では坂本は普通に人を殺していた。連載にあたり、ドラマを作るため、そして坂本が読者に好かれる主人公になるために、「妻との約束で人を殺さない」という現在の設定に変更されたという。結果としてこの「不殺」の縛りが、ボールペンや駄菓子で敵を無力化する、あの独創的なアクションを生む原動力になった。

シンとルーの生まれ方[編集]

相棒の朝倉シンは「テレパシーで会話するエスパー」というアイデアを掘り下げる中で生まれ、ヒロインのルー(陸少糖)は、キャストに幅を持たせるために中国の殺し屋の娘として構想されたとされる。坂本の「喋らない最強」とシンの「心を読む」能力が噛み合うことで、無口な主人公でも会話劇が回る仕組みになっている。

結末はかなり早くから決まっていた[編集]

英語圏の報道では、鈴木は2022年の時点ですでに物語の終わり方を決めていたとされる。行き当たりばったりではなく、ゴールから設計された長編というわけだ。

作風とルーツ[編集]

映画好きが生む「カメラの位置」[編集]

鈴木は大の映画好きで、殺し屋漫画を描きたいと思ったきっかけには『ジョン・ウィック』シリーズや『イコライザー』といった海外の殺し屋映画への愛着があるとされる。影響を受けたクリエイターとして、漫画家の大友克洋・井上雄彦・奥浩哉、映画監督のクリストファー・ノーランの名前が挙げられている。

2023年公開の『ジョン・ウィック:コンセクエンス』には応援コメントを寄せ、盲目の殺し屋ケインの戦い方を「ユーモラスで常にアイディアがあり、ワクワクした」と称賛。さらに「無駄にカメラを動かさず、長回しで魅せるアクション」や、着弾時の煙・火花・音に言及し、「アクション好きはニヤニヤすること間違い無し」と語っている。このコメント自体が、そのまま『SAKAMOTO DAYS』の作劇論として読めてしまうのが面白いところ。

「読みやすさ」優先のアクション[編集]

担当編集は鈴木を「アクションシーンを作るとき、読みやすさに重きを置く作家」と評している。スピード感のあるバトルでも、誰がどこにいて何をしたのかが一目で分かるコマ運びは、同時期のジャンプ作品の中でも評価が高い。キャラクターの作画にはアナログのペンを使い、アシスタントチームと共に週刊連載を回しているとされる。

ダークな読切から、明るい週刊連載へ[編集]

『骸区』『ロッカールーム』はどちらも暗いトーンの読切だったが、週刊連載では毎週読者に楽しんでもらう必要があることから、あえてライトでコミカルな方向に舵を切ったとされる。殺し屋が日常的に襲ってくるのにどこかほのぼのしている、という『SAKAMOTO DAYS』独特の温度感は、この方向転換の産物である。

インプットの鬼[編集]

石川氏によると、鈴木はYouTubeや新しいエンタメを積極的に楽しみ、連載中も最新の映画やドラマを観て「価値観をアップデートし続けている」という。面白いと思った映像をPinterestに集めているとも紹介されており、石川氏は彼を「面白さの理由を深く掘り下げる職人」と表現している。「かっこいい」の定義を問われた際には「落ち着いていて、強くて、努力家なキャラクター」と答えたとされる。

メディアミックスと作者コメント[編集]

アニメ化[編集]

2024年5月、『SAKAMOTO DAYS』のトムス・エンタテインメント制作によるテレビアニメ化が発表され、坂本太郎役は杉田智和に決定。鈴木は「自分の作品をテレビで見られるとは、驚きです!」「これも全て応援してくださったファンの皆様のおかげ」とコメントした。

アニメは2025年1月からテレビ東京系で放送され、Netflixで全世界配信。シン役の島﨑信長、ルー役の佐倉綾音、南雲役の花江夏樹、大佛役の早見沙織ら豪華キャストが話題になり、オープニングテーマはVaundyの「走れSAKAMOTO」だった。第2期は2027年1月放送予定で、アニメ公式X(@SAKAMOTODAYS_PR)のプロフィールでは第2期の監督が中島大輔であることが明記されている。同アカウントは2026年6月24日に第2期ティザーPVを公開しており、フォロワーは15万人を超えている。

実写映画化[編集]

2025年9月には実写映画化が発表され、2026年4月29日に東宝配給で公開された。監督・脚本は福田雄一、坂本太郎役は目黒蓮(Snow Man)、シン役は高橋文哉、葵役は上戸彩。発表時のビジュアルは、坂本がカップ麺をすすりながら割り箸で弾丸をキャッチするという、いかにも原作らしい一枚だった。

鈴木は発表に寄せて「現実世界のこんなところで、こんな風に暴れたらどうなるんだろう、という妄想を小学校の頃からずっとしていました」「それがついにスクリーンで実現する!」とコメント。小学生の頃の妄想を週刊連載にし、それがゴールデンウィーク映画になったわけで、夢の叶え方としてはかなり理想的なルートである。

2026年の動向[編集]

2026年は鈴木にとって大きな節目の年になっている。4月に実写映画が公開され、8月には単行本第28巻が発売。全世界累計発行部数は1800万部を突破したと報じられた。

さらに2026年7月、『週刊少年ジャンプ』2026年34号で『SAKAMOTO DAYS』がクライマックスに向かっていることが告知され、物語が最終局面に入ったことが明らかになった。2026年9月下旬時点で連載は276話に到達し、ジャンプの同世代作品である『呪術廻戦』の271話を上回ったと海外メディアが報じている。第29巻は2026年11月4日発売予定とされる。2026年10月時点で完結時期は正式発表されていない。

炎上とバズ[編集]

  • 死亡説デマ騒動 - 前述のとおり、作品名の似た『坂本ですが?』作者の訃報との混同と、2024年の休載が重なって「作者が亡くなった」「重病」という誤情報が拡散した。ジャンプの急な休載は珍しくないが、看板級作品だったこともあり、デマは一時かなり広く出回った。
  • アニメのアクション論争 - アニメ第1クールは、原作の圧倒的なアクションのテンポに比べて演出がおとなしいという声がSNSで上がり、原作の「コマ割りの上手さ」が逆に注目される結果になった。
  • 実写化のキャスティング - 太った坂本と痩せた坂本を一人の俳優が演じるという無茶振りに、ファンの間では発表前からキャスト予想が過熱。目黒蓮の起用は公開前から大きな話題を集めた。

余談[編集]

  • 学生時代はバスケットボール部に所属していたとされ、趣味として映画鑑賞・アート鑑賞が挙げられている。ジャンプでバスケといえば井上雄彦の『スラムダンク』だが、その井上は鈴木が影響を受けた漫画家の一人でもある。
  • 坂本太郎が『スラムダンク』の安西先生に似ている、というのは海外ファンの間でも定番のネタ。「ぽっちゃりで温厚、でも昔は鬼」という共通点がある。
  • 生年については1993年とする記事と1999年とする記事があり、ネット上の情報が割れている。
  • 巻末コメントでは一人称に「僕」を使っている。
  • 『ジョン・ウィック:コンセクエンス』の応援コメント企画では、奥浩哉や小島秀夫らと並んでコメントを寄せた。影響を受けた作家として名前の挙がる奥浩哉と、同じ企画に並んだ形になる。

外部リンク[編集]

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