暦の上ではディセンバー

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暦の上ではディセンバー
Koyomi no Ue de wa December
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「暦の上ではディセンバー」の歌唱者として発表された当時のベイビーレイズ(2013年)(出典:映画.com)
ジャンル アイドルポップ/劇中歌
アーティスト アメ横女学園芸能コース(歌唱:ベイビーレイズ、水瀬いのり)/ベイビーレイズ(ベイビーレイズVer.)
アルバム 『あまちゃん 歌のアルバム』(2013年)
作詞者 宮藤官九郎
作曲者 大友良英、Sachiko M、江藤直子、高井康生
レーベル ビクターエンタテインメント(アメ女名義)/ポニーキャニオン(ベイビーレイズ版)
発表日 2013年6月29日(配信)/2013年9月11日(ベイビーレイズ版CD)
規格 デジタル・ダウンロード/CD+DVD
別名 アメ女の3rdシングル(劇中設定)
メディアミックス NHK連続テレビ小説『あまちゃん』挿入歌
チャート順位 レコチョク デイリー1位・週間3位、iTunes Store 1位(配信版)/オリコン週間6位(ベイビーレイズ版)


概要[編集]

暦の上ではディセンバーとは、2013年放送のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』に登場する架空のアイドルグループ「アメ横女学園芸能コース」(通称アメ女)の楽曲である。作詞は脚本家の宮藤官九郎、作曲は劇伴担当の大友良英ら4人。実際に歌っていたのはベイビーレイズと水瀬いのりで、のちにベイビーレイズが自分たちだけで録り直した版を5thシングルとして発売した。

詳細[編集]

劇中の「2009年のミリオンヒット」[編集]

ドラマの中では、アメ女が2009年に出した3rdシングルの表題曲で、ミリオンセラーになったという設定である。作詞・作曲・プロデュースは劇中の敏腕プロデューサー荒巻太一(通称・太巻、演:古田新太)ということになっている。劇中のアメ女は上野の専用劇場を拠点にするヒットメーカーで、センターは有馬めぐ(演:足立梨花)。

ドラマで設定された月の名前がつくアメ女の曲はほかにもいくつかある(1st、2nd、4thシングルとそのカップリング曲など)が、実際に作られて世に出たのはこの曲だけである。つまり「架空のアイドルの架空のヒット曲」のなかで、本曲だけが本物のヒット曲になった。

楽曲の特徴[編集]

2009年頃の大人数アイドルグループの曲らしく聞こえるよう狙って作られており、間奏にはラップパートがある。大友良英は自身のブログで、2009年に本当にあったヒット曲のように聞こえることを目指したと書いている。

イントロのコード感が他の部分と少し違うのは、江藤直子が作った最初のデモのイントロを転調せずにそのまま使ったためとされる。冬の歌なのに、配信が始まったのは真夏の6月末。大友本人も、真夏に冬の歌を出すのは変わっていると書いている。

4人の作曲クレジット[編集]

作曲は大友良英、Sachiko M、江藤直子、高井康生の4人の連名、編曲は高井康生である。大友はブログで、作曲者の名前が省略されがちなことに触れ、「4人の名前をちゃんと出してほしい」という趣旨のことを強く書いている。報道やテロップで「作曲:大友良英」とだけ書かれることも多いが、正確には4人の共作である。

制作の舞台裏[編集]

一晩でできたデモ[編集]

大友良英が放送前日の2013年6月28日に自分のブログ「JAMJAM日記」で明かした話によると、曲作りは2013年の冬、『潮騒のメモリー』のレコーディングが終わったその日に、ほぼ一晩で行われた。撮影で使うため振り付けも作らなければならず、とにかく急ぎだったという。

宮藤は「潮騒のメモリー」の詞を5分で書いたと言われており、それに張り合って大友は3分でメロディを書こうとした。だが実際にはサビだけで30分ほどかかり、疲れて寝てしまったという。大友が寝ている間にSachiko MがAメロとBメロを、江藤直子がイントロと間奏を書き、起きた大友がラップ部分を作った。デモは朝4時頃に録音され、明け方に制作チームへ送られた。

「爆笑」の一言[編集]

このデモはかなり荒い。歌はSachiko M、ラップは大友本人、伴奏は手弾きのギターだけで、夜中にビートを打ち込める人がいなかったためである。送られてきたデモに宮藤が返したのは「爆笑」の一言だけで、大友はこれを自分のラップへの反応だと受け取ったという。

荒削りなデモだったにもかかわらず曲は採用され、高井康生が撮影に間に合うよう仮のリズムトラックを作った。その後、高井が打ち込みとギターを仕上げ、ベースも加えられ、アメ女のメンバーが歌を録って、春までにミックスが終わった。大友は完成後しばらく、この曲がずっと頭の中で鳴っていたと書いている。

BGMのはずが本格レコーディングへ[編集]

もともとはBGM程度の使い方を想定していたが、宮藤から本格的な歌詞が届いたことで1曲の歌として作られることになったとされる。歌い手についても、当初はNHKが集めた若い子たちに歌わせる予定だったが、ドラマでの登場回数が多いと分かったことや曲の出来の良さから、本格的にレコーディングすることになったという。コーラスには10代のモデル5人が参加したとされる。

なお『あまちゃん』のサウンドトラックにある劇伴「奈落」は、江藤直子が本曲のBメロとサビをもとに編曲し直したインストゥルメンタルである。

劇中での使われ方[編集]

東京編とGMT47[編集]

本曲が本格的に登場するのは、ヒロイン天野アキ(演:のん、当時の芸名は能年玲奈)が上京してからの「東京編」である。2013年6月最終週の第13週(サブタイトル「おら、奈落に落ちる」)あたりから劇中で頻繁に流れるようになった。

アキが加わるのは、全国47都道府県の「地元」アイドルを集めたアメ女の妹分グループ「GMT47」。GMTは「地元」をもじった名前で、アメ女のメンバーが休んだときに代わりに舞台に立つ「シャドウ」も務める。出番のないときは劇場の舞台下にある「奈落」でダンスの練習をしており、その練習曲・持ち歌として本曲が何度も使われた。GMTのチーフマネージャー水口琢磨は松田龍平が演じた。

GMT47のメンバー[編集]

2013年6月28日に発表されたGMT47の主なメンバーは次の7人である。

  • 天野アキ(岩手県代表):のん(能年玲奈)
  • 入間しおり(埼玉県出身・リーダー):松岡茉優
  • 遠藤真奈(佐賀県出身):大野いと
  • 宮下アユミ(徳島県出身):山下リオ
  • 喜屋武エレン(沖縄県出身):蔵下穂波
  • 小野寺薫子(宮城県出身):優希美青
  • ベロニカ(ブラジル出身):斎藤アリーナ

GMTはアメ女のステージだけでなく、路上ライブなどでも本曲を歌った。NHKの制作統括・訓覇圭は、キャストはその土地の方言をネイティブに話せる人をオーディションで選んだと説明し、AKB48との関係は否定している。また、この時点ではCDデビューの予定はないとしていた。

歌っていたのは誰か[編集]

6月29日に「アメ横女学園芸能コース」名義で配信が始まったが、アーティスト名がアメ女だったため、誰が歌っているかは伏せられていた。7月9日、実際に歌っていたのがアイドルグループのベイビーレイズ5人と、アメ女メンバー成田りな役の声優・水瀬いのりの計6人だったと発表された。ドラマのアメ女の歌声を担う、いわば「シャドウ」である。劇中の設定(GMTがアメ女のシャドウを務める)と現実の構図がぴったり重なっていたのも話題になった。

ベイビーレイズ版[編集]

発表から発売まで[編集]

歌唱者の発表と同時に、ベイビーレイズが5人だけで歌い直した版を5thシングルとして出すことも発表された。当初の告知は2013年8月21日発売で、初回限定盤(CD+DVD、1,300円)と通常盤(CDのみ、1,000円)の2形態だった。その後、発売日が9月11日に延期され、仕様も「ベイビーレイズ振り付けVer.」の映像を収めたDVD付きの1形態だけに変更された。レーベルはポニーキャニオン。なおこのシングルには水瀬いのりは参加していない。

ちなみに本曲はベイビーレイズのデビュー曲ではない。グループは2012年9月26日にシングル「ベイビーレイズ」でデビューしており、本曲の直前、2013年7月31日には4thシングル「ベイビーアンビシャス!」を出している。

収録内容[編集]

  • CD:暦の上ではディセンバー(ベイビーレイズVer.)/同オリジナル・カラオケ
  • DVD:暦の上ではディセンバー(ベイビーレイズ振り付けVer.)

初回生産分にはイベント参加券と、全5種のオリジナル・トレーディングカードのうち1枚が封入された。

チャート[編集]

オリコン週間シングルランキングで初登場6位を記録した。ベイビーレイズにとって初めてのオリコンTOP10入りである。

当時のベイビーレイズ[編集]

ベイビーレイズは2012年5月6日に結成された5人組で、メンバーは大矢梨華子、傳谷英里香(リーダー)、林愛夏、高見奈央、渡邊璃生。アイドリング!!!の菊地亜美がプロデュース役・指南役となって結成され、キャッチフレーズは「乗り込み! 乗っ取り!!」。ほかのグループのファンを奪うというコンセプトで、他人のステージへの乱入やゲリラライブをしていた。「デビューから2年以内に日本武道館でライブができなければ解散」という目標を掲げていた時期にこの曲が大当たりしたことになる。

CD化決定時のコメントで、リーダーの傳谷は『あまちゃん』の流行語にちなんで驚きを表し、渡邊はレコーディング後も頭から離れないほどお気に入りの曲だと話していた。同年夏にはSUMMER SONIC 2013に出演し、8月11日の渋谷O-EASTでのワンマンライブで、発売前の本曲を披露している。

配信版のヒットと『あまちゃん 歌のアルバム』[編集]

配信チャート[編集]

アメ女名義の配信はビクターエンタテインメントから2013年6月29日に始まった。レコチョクでは配信初日にシングル部門のデイリー1位、週間シングル総合では3位。7月2日に配信が始まったiTunes Storeでもシングル総合1位を記録した。劇中の架空の曲が、現実の配信チャートでトップに立ったのである。

初CD化[編集]

アメ女名義の音源は、2013年8月28日発売のコンピレーション『あまちゃん 歌のアルバム』で初めてCDになった。このアルバムはオリコン週間アルバムランキングで初登場1位を獲得し、初週売上は約7.4万枚、日本レコード協会のゴールド認定も受けている。収録曲には潮騒のメモリー、地元に帰ろうなどドラマの名曲が並び、本曲のオリジナル・カラオケも入っている。

ブックレットには、振付師の木下菜津子による本曲の完全振り付けガイドが付いた。視聴者が自宅でアメ女・GMTのダンスを覚えられる仕様である。また、松岡茉優演じる入間しおりにちなんだ「しおり」も付いていた。

紅白歌合戦[編集]

「あまちゃん特別編」[編集]

2013年12月31日の『第64回NHK紅白歌合戦』では、宮藤官九郎書き下ろし・大友良英音楽の企画「『あまちゃん』“特別編”」が放送された。その冒頭で「GMTスペシャルユニット feat.アメ横女学園芸能コース」として本曲が披露され、ビッグバンドの生演奏をバックに11人が歌った。

出演したのは、天野アキ役ののんをはじめとするGMTのメンバー、有馬めぐ役の足立梨花、成田りな役の水瀬いのり、それにベイビーレイズ。ただし生放送の深夜出演の制限により、15歳未満の出演者は出られなかった。ベイビーレイズからは渡邊璃生が出演できず、4人での参加となった。この特別編には小泉今日子(天野春子役)、薬師丸ひろ子(鈴鹿ひろ美役)、橋本愛(足立ユイ役)らも登場した。

水瀬いのりの紅白[編集]

水瀬いのりは12月27日に自身のTwitterで出演を報告した。名前を出しての出演ではなく、あくまで成田りな役としての出演であることや、憧れの水樹奈々と同じステージに立てる喜びを語り、声優になる夢は変わらないとも書いている。声優が紅白のステージに立ったのは水樹奈々に次いで2人目とされる。

その後と10周年[編集]

ベイビーレイズJAPANの代表曲として[編集]

ベイビーレイズは2014年12月18日、目標だった日本武道館公演を実現し、そのステージで2015年から「ベイビーレイズJAPAN」に改名すると発表した。グループは2018年9月24日、山梨県の山中湖交流プラザきららでのラストライブ「全虎が啼いた!伝説の最高雷舞(クライマックス)」をもって解散した。約4000人が集まったこのラストライブでも、本曲は前半のセットリストに入っていた。

2023年の再放送と10周年コンサート[編集]

2023年4月3日から、『あまちゃん』がNHK BSプレミアムとBS4Kで再放送された。放送から10年たってドラマとともに劇中歌も再び注目を集め、本曲も「10年越し」で聴かれることになった。

同年9月には「あまちゃん10周年スペシャルコンサート」が開催された。9月14日に東京の新宿文化センター、9月23日にはドラマの舞台となった岩手県久慈市の久慈市文化会館アンバーホールで、大友良英スペシャルビッグバンドがほぼ当時のメンバーで出演し、のんもゲストとして登場した。久慈公演で大友良英スペシャルビッグバンドwithのんが披露した本曲のライブ映像は、再放送の最終回と同じ9月30日に、のんの公式YouTubeチャンネルで公開されている。かつて劇中で「GMTとしてアメ女の曲を歌う」役だったのんが、10年後に本人として歌ったわけである。

吹奏楽アレンジ[編集]

本曲はウィンズスコアから吹奏楽譜(編曲:宮川成治、グレード3.5、演奏時間約3分40秒)としても出版されている。発売は2013年9月20日で、ドラマ放送中に早くも楽譜化されたことになる。

余談[編集]

  • 大友良英がブログで明かした制作話では、デモのラップは大友本人が担当した。宮藤の返事は「爆笑」だけだったという。
  • 劇中で「GMTがアメ女のシャドウを務める」設定だったのに対し、現実では「ベイビーレイズと水瀬いのりがアメ女の歌声のシャドウ」だった。劇中設定と現実がそっくり重なる入れ子構造だったという見方もある。
  • 冬がテーマの曲なのに、配信開始は6月29日。大友も「真夏に冬の歌」を出す珍しさをブログで書いている。
  • 劇中のアメ女には月名にちなんだタイトルの持ち歌がほかにも設定されているが、実際に音源化されたのは本曲だけである。
  • 毎年12月が近づくと、曲名にかけてSNSでこの曲を思い出す投稿が増えるという話がある。
  • 紅白に出た水瀬いのりはその後、人気声優として大きく飛躍した。2013年の紅白出演は、本人名義ではなく成田りな役としての出演だった。

外部リンク[編集]

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