広津柳浪

広津柳浪
ひろつ りゅうろう
ファイル:広津柳浪.jpg
本名 広津直人
誕生日 1861年
死亡日 1928年10月15日
出身地 長崎
国籍 日本
職業 小説家
活動期間 1880年代 - 1900年代
代表的な実績 『今戸心中』『黒蜥蜴』『変目伝』
関連活動 硯友社/悲惨小説・深刻小説
別名 柳浪
その他 子は作家・広津和郎


概要[編集]

広津柳浪(ひろつ りゅうろう、1861年 - 1928年10月15日)は、明治期の小説家。尾崎紅葉の硯友社に加わり、社会の底辺に生きる人々の悲惨をえぐる「深刻小説」「悲惨小説」で一時代を築いた人物である。代表作『今戸心中』は、遊里に生きる男女の哀れを描いた名作として高く評価されている。

息子は大正・昭和の小説家・評論家として知られる広津和郎で、親子二代の文学者としても語られる。地味ながら近代リアリズムの一鉱脈を掘り当てた、玄人好みの作家らしい。

硯友社と深刻小説[編集]

博文館で尾崎紅葉を知り、硯友社の同人となった。当初は通俗的な小説を書いていたが、1895年ごろから客観描写に力を入れ、下層社会・遊里・貧困のなかでもがく人間の暗部を冷徹に描くようになる。こうした作風は「深刻小説」「悲惨小説」と呼ばれ、明治20年代後半の文壇に新風を吹き込んだ。

『今戸心中』[編集]

1896年に『文芸倶楽部』に発表された『今戸心中』は、吉原の遊女と客の男の救いのない情死を描いた代表作で、当時、樋口一葉の作品と並んで評判を取った。遊里に生きる人々の心理と諦念を、感傷に流されず突き放した筆致でとらえた点に近代小説としての達成があるとされる。『黒蜥蜴』『変目伝』『畜生腹』なども深刻小説の系譜に連なる。

晩年と息子・和郎[編集]

明治の後半、自然主義文学が台頭すると次第に流行から外れ、創作の筆は鈍っていく。それでも下層社会を見すえたその仕事は、後の自然主義・私小説の作家たちに影響を残した。息子の広津和郎は、父とは別の道を歩んで小説家・評論家となり、戦後は松川事件の裁判批判などでも知られる文筆家になった。1928年、長年の病のため没した。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]