妃英理
Eri Kisaki
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/7/7a/Tokyo_Court_Complex_Building.jpg?utm_source=commons.wikimedia.org&utm_campaign=imageinfo&utm_content=original
弁護士・妃英理の主戦場をイメージさせる東京地方裁判所などが入る裁判所合同庁舎(東京都千代田区霞が関)(出典:ウィキメディア・コモンズ、CC BY-SA 4.0)
本名 毛利英理(もうり えり)※仕事では旧姓「妃」を使用
誕生日 10月10日
国籍 日本
家族 夫・毛利小五郎(別居中)、娘・毛利蘭、飼い猫・ゴロ
学歴 帝丹高校卒業、東都大学
職業 弁護士
肩書 妃法律事務所 所長
代表的な実績 初公判以来の無敗記録を持つ「法曹界のクイーン」
事務所 妃法律事務所(秘書:栗山緑)
関連活動 『名探偵コナン』原作・テレビアニメ・劇場版
別名 妃弁護士、妃先生
あだ名 法曹界のクイーン(女王)、帝丹高校のクイーン(高校時代)、英理おばさん(コナンからの呼び名)
その他 声優:高島雅羅/実写:大塚寧々/名前の由来はエラリー・クイーン/年齢38歳


概要[編集]

妃英理(きさき えり、Eri Kisaki)とは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』(週刊少年サンデー連載)に登場する弁護士で、毛利蘭の母親、毛利小五郎の妻である。初公判以来負けなしの敏腕ぶりから「法曹界のクイーン」と呼ばれるが、夫の小五郎とは10年にわたって別居中。離婚はしておらず、今も結婚指輪を外さない「素直になれない妻」として、毛利家のドラマの中心にいる人物だ。

詳細[編集]

基本プロフィール[編集]

年齢は38歳、誕生日は10月10日。戸籍上の名前は「毛利英理」だが、弁護士としての仕事の都合から旧姓の「妃」を名乗っている。別居後に「妃法律事務所」を構え、所長として秘書の栗山緑とともに事務所を切り盛りしている。

外見は長身のモデル体型の美女で、腰まで届く茶髪のロングヘアをアップにまとめ、メガネをかけたクールなスタイルがトレードマーク。ちなみにテレビアニメでは2003年から2007年ごろの一時期、髪の色が黒で描かれていた。夜に美容院へ通うのは、昼間は仕事で手が離せないからだとされる。

「法曹界のクイーン」[編集]

英理の代名詞が「法曹界のクイーン(女王)」という異名である。弁護士として初公判以来の無敗記録を更新し続けており、法曹界で知らない者はいないレベルの有名人だ。本人はこの記録について「まぐれが続いているだけ」と謙遜している。

民法や刑法の条文を暗唱できるほどの知識量に加え、推理力も相当なもの。現場で証拠の矛盾にいち早く気づき、コナンと並んで真相に迫る場面も少なくない。アニメオリジナルの「法廷の対決」シリーズでは、検察官・九条玲子と法廷で3度ぶつかり、すべて勝利している。

才女すぎる学生時代[編集]

英理の頭脳は学生時代から規格外だった。高校1年生のときに東都大学の入試問題を満点で解いてしまい、ハーバード大学への留学まで勧められたという。高校時代のあだ名は「帝丹高校のクイーン」。

その帝丹高校で同級生だったのが、工藤新一の母・工藤有希子である。二人は「ミス帝丹高校」コンテストで美貌を競い合ったライバルだったが、現在は互いを「親友」と呼ぶほどの仲良し。有希子は英理を「英理ちゃん」と呼んでいる。

意外な身体能力と弱点[編集]

知性派のイメージが強いが、身体能力も高い。柔道の心得があり、犯人を一本背負いで投げ飛ばして制圧したこともある。愛車はミニクーパー(4速マニュアル)で、自分で運転して移動する。

一方で弱点も分かりやすい。編み物は得意なのに、料理だけは壊滅的。家族や知人から恐れられるレベルで、この料理下手は毛利家の夫婦関係を左右するほどの大問題になっている(後述)。また、しっかり者に見えて脇が甘いところがあり、無防備に事務所の扉を開けて誘拐されたこともある。

毛利小五郎との関係[編集]

幼馴染から夫婦へ[編集]

英理と小五郎は幼馴染で、10代のころから互いに惹かれ合っていた。そのまま大学在学中に結婚し、一人娘の蘭が生まれた。ガサツでお調子者の小五郎と、理知的でプライドの高い英理という正反対の二人だが、作中では何度も「似た者夫婦」ぶりが描かれている。

小五郎のプロポーズの言葉は、劇場版第4作『瞳の中の暗殺者』(2000年)のエンディング後で明かされた。蘭と鈴木園子が英理にプロポーズの言葉を尋ねるという流れで、その中身が、作中でコナンが蘭に告げた「この地球上の誰よりも」という告白とそっくりだったことが判明。コナンが「あのオッチャンと同じセリフを言ってしまった」と頭を抱えるオチがつき、ファンの間で語り草になっている。

別居の理由[編集]

二人は結婚から7年後に別居し、作中時点で別居生活は約10年に及ぶ。そのきっかけが描かれたのが劇場版第2作『14番目の標的』(1998年)である。

10年前、まだ刑事だった小五郎が逮捕した殺人犯・村上丈が逃走を図り、英理を人質に取った。射撃の名手だった小五郎は拳銃を発砲し、弾は英理の脚をかすめて左大腿部に傷跡が残った。周囲は「小五郎が人質を撃った」と見たが、真相は「脚を怪我した人質は逃走の足手まといにしかならない」と踏んで、わざと英理の脚を撃ったというもの。英理自身もこの真意をちゃんと理解していた。

では何が問題だったのか。決定打は料理である。英理は怪我の痛みをこらえながら、感謝の気持ちを込めて手料理を作った。ところが小五郎はそのあまりの不味さに「こんなもん作るくらいならさっさと寝てろ!」と酷評。これに英理が激怒して大喧嘩となり、別居へと発展した。小五郎なりの「無理をするな」という気遣いだったともとれるが、言い方が最悪だったわけだ。

今も続く「別居婚」[編集]

別居から10年経った今も二人は離婚していない。英理は結婚指輪を着け続けており、小五郎も英理が絡むと普段以上に真剣になる。蘭は両親のよりを戻そうとあの手この手で二人を引き合わせるが、毎回どちらかの意地っ張りで台無しになるのがお約束だ。

それでも、関係修復をうかがわせる場面は多い。「スキューバダイビング殺人事件」では、英理がわざと外した結婚指輪を小五郎が砂浜で見つけ出し、ちゃんと自分を見ていたことを知った英理が彼を見直している。「容疑者・毛利小五郎」では、小五郎が「戻って来てくれないか」と告げるも英理は聞き逃していたが、実はその声をMDに録音しており、後でこっそり聴き返してにやけていた。ツンデレの極みである。

「妃弁護士SOS」での小五郎[編集]

単行本93巻収録の「妃弁護士SOS」(アニメ第901〜902話)では、英理が「被害者の会」を名乗るグループに誘拐されてしまう。ここで小五郎は珍しく本気を出し、「英理の裸を見ていいのはこの世で唯一オレだけだ」という名(迷)言を放って救出に向かう。普段はだらしない小五郎が妻のために体を張るこの回は、夫婦推しのファンにとって屈指の神回とされる。

蘭・コナンとの関係[編集]

娘・蘭へのまなざし[編集]

蘭にとって英理は自慢の母であり、英理も一人娘を深く愛している。劇場版『瞳の中の暗殺者』では、事件のショックで記憶喪失になった蘭の世話をするため、一時的に毛利探偵事務所で同居し、小五郎と協力して娘を支えた。

一方で、恋愛については娘にちょっとシビアな助言もしている。蘭に対して「幼馴染と探偵には気をつけなさい」と忠告したことがあり、まさに幼馴染で探偵の小五郎と結婚した本人の言葉だけに説得力(と皮肉)がたっぷりだ。もちろん、蘭の想い人である新一もこの両方に当てはまる。

コナン(新一)にとっての天敵[編集]

江戸川コナンにとって英理は大の苦手な相手である。新一が幼いころ、蘭と一緒にこっぴどく叱られた経験があるためで、今でもコナンは英理の前では緊張してしまう。初登場時、新一は英理とおよそ10年会っておらず、顔を完全に忘れていたという描写もある。

英理はコナンの正体が新一だとは知らないが、「普通の子供ではない」ことは見抜いている。また「眠りの小五郎」の推理を誰がしているのかについても、コナンが関わっているとまでは考えていないものの、疑いを強めているとされる。コナンからは「英理おばさん」、時に「妃先生」と呼ばれる。

主な登場エピソード[編集]

原作・アニメの代表回[編集]

英理の初登場は原作単行本11巻「コーヒーショップ殺人事件」(アニメ第32話)。蘭と待ち合わせていた喫茶店で殺人事件に遭遇し、コナンと協力して事件を解決した。その後も毛利家の行事や事件のたびに登場し、特に夫婦関係が動く回はファン人気が高い。

タイトル 原作 アニメ 見どころ
コーヒーショップ殺人事件 11巻 第32話 初登場。コナンと協力して事件解決
追いつめられた名探偵 連続2大殺人事件 14巻 第96話 英理が事件に絡む
スキューバダイビング殺人事件 17巻 第114〜115話 小五郎が砂浜で結婚指輪を発見
容疑者・毛利小五郎 27巻 第199〜200話 小五郎の「戻って来てくれないか」とMD録音
法廷の対決 妃vs小五郎 アニメオリジナル 第264〜265話 法廷で夫と対決
似た者プリンセス 40〜41巻 第333〜334話 工藤有希子と高校時代のミスコンを回想
ロシアンブルーの秘密 51巻 第445話 愛猫ゴロの名前の秘密
弁護士妃英理の証言 59巻 第505〜506話 友人のアリバイを証言
柔よく謎を制す 62巻 第528〜529話 柔道家の依頼人のストーカー被害に対応
博士の動画サイト 74巻 第656〜657話 阿笠博士と絡む回
ギスギスしたお茶会 84巻 第770〜771話 盲腸で入院中の英理と小五郎
妃弁護士SOS 93巻 第901〜902話 誘拐された英理を小五郎が救出

アニメオリジナル「法廷の対決」シリーズ[編集]

アニメでは、弁護士という職業を生かしたオリジナルシリーズ「法廷の対決」が作られている。第264〜265話「法廷の対決 妃vs小五郎」では夫婦が法廷で対決し、第297〜298話「法廷の対決II 妃vs九条」では検察官・九条玲子とのライバル関係が描かれた。続く第489話「法廷の対決III 目撃者は検察官」、裁判員制度を題材にした第606〜607話「法廷の対決IV 裁判員小林澄子」まで続く、英理が主役級で活躍する人気シリーズである。

このほかアニメオリジナルでは、第474話「妃英理弁護士の恋」や第540〜541話「毛利小五郎探偵廃業の日」などでも重要な役回りを担っている。

コンマが決め手になった誘拐事件[編集]

「妃弁護士SOS」では、英理の文章のクセが事件解決の鍵になった。英理は横書きの文章で読点に「、」ではなく「,」(コンマ)を使うクセがある。犯人が英理になりすましてメッセージを送ったものの、このコンマの有無で、コナンは本物の英理が書いたメッセージを見分けることができた。プロとしての書き癖がそのまま命綱になった、英理らしいエピソードだ。

劇場版での活躍[編集]

『14番目の標的』(1998年)[編集]

劇場版初登場作。トランプになぞらえて名前に数字を持つ人物が狙われる連続事件で、「妃(クイーン)」=「12」として標的にされる。事務所に届いたチョコレートを小五郎からのプレゼントだと勘違いして口にし、仕込まれた毒で倒れてしまうが、すぐに毒に気づき秘書がそばにいたため命に別状はなかった。夫婦の別居の真相が語られる、英理にとって最重要の劇場版である。

『瞳の中の暗殺者』(2000年)[編集]

小五郎とともに婚約パーティーに出席。事件に巻き込まれて記憶を失った蘭の世話をするため、一時的に探偵事務所で同居する。傘をさす英理の姿が蘭の記憶を刺激する場面もある。そしてエンディング後には、前述の小五郎のプロポーズの言葉が明かされる。英理は本作でポスタービジュアルにも登場した。

『銀翼の奇術師』(2004年)[編集]

蘭の計らいで小五郎と同じ飛行機で函館に向かうことに。機内で事件が起き、コナンが小五郎を狙って撃った腕時計型麻酔銃が、機体の揺れで誤って英理に命中してしまう。やむなくコナンは英理を探偵役に仕立てて推理を披露した。「眠りの小五郎」ならぬ「眠りの英理」が見られる、シリーズでもかなり珍しい回である。

『探偵たちの鎮魂歌』(2006年)[編集]

横浜を舞台に、蘭たちが人質同然の状況に置かれる本作では、小五郎からの連絡で娘たちの危機を察し、情報収集のために動く。秘書の栗山緑も英理の指示で裏事情の調査に奔走した。

『ゼロの執行人』(2018年)[編集]

第22作『ゼロの執行人』では、第10作以来12年ぶりに劇場版に登場し、ポスタービジュアルへの登場も第4作以来18年ぶりとなった。小五郎が爆破事件の容疑者として公安警察に逮捕され、英理のもとには女性弁護士・橘境子が現れて小五郎の弁護を申し出る。英理は夫の無実を証明するため奔走し、普段は見せない「妻」としての顔をのぞかせた。本作は安室透人気もあって興行収入91.8億円の大ヒットとなった。

『天国へのカウントダウン』『ハロウィンの花嫁』など[編集]

英理が登場する劇場版は、上記の第2作・第4作・第8作・第10作・第22作が中心である。『天国へのカウントダウン』(2001年)には登場していない。『ハロウィンの花嫁』(2022年)以降の作品でも主要キャストには名を連ねておらず、小五郎が主役級となった『隻眼の残像』(2025年)の登場人物にも英理は含まれていない。

声優・実写キャスト[編集]

高島雅羅[編集]

アニメで英理の声を担当しているのは高島雅羅。1996年の初登場時から一度も交代することなく英理を演じ続けている。知的で凛とした声色に、小五郎の前でだけ見せる照れや苛立ちを織り交ぜた演技は、まさに英理そのものだ。

高島は1954年3月2日生まれ、東京都台東区浅草出身。劇団薔薇座で野沢那智から演技指導を受け、1978年の『新・エースをねらえ!』で初レギュラーを獲得した。『タッチ』『めぞん一刻』などの1980年代アニメや『それいけ!アンパンマン』に出演したほか、デミ・ムーア、ジュリア・ロバーツ、シャロン・ストーンらの吹き替えでも知られる大ベテランで、2018年から青二プロダクションに所属している。

英語吹き替え版では、FUNimation版をJulie Mayfield、Bang Zoom!版をMari Devonが担当した。

実写版・大塚寧々[編集]

実写ドラマ版では大塚寧々が英理を演じた。出演したのは、2011年4月放送の単発ドラマ『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状〜怪鳥伝説の謎〜』と、同年7〜9月放送の連続ドラマ『名探偵コナン 工藤新一への挑戦状』。単発作では「嘘をつかれると左目が痒くなる」という職業病の設定が付け加えられていた。

名前の由来[編集]

英理の名前の由来は、アメリカの推理作家(2人の作家の合作ペンネーム)でもあり名探偵の名でもあるエラリー・クイーンである。「英理(えり)」が「エラリー」、「妃(きさき)」が「クイーン」に対応している。異名の「法曹界のクイーン」もここにかけたものだ。

この「妃=クイーン」という設定は、劇場版『14番目の標的』でトランプの「Q(12)」として狙われる展開にも生かされた。作者の青山剛昌は、トランプの数字を題材にした同作のトリックを考える際、新一(1)や小五郎(5)、英理(クイーン=12)など既存キャラの名前に数字が含まれていることに気づいたとされる。なお、作中で酒の名前をコードネームに持つ黒の組織とは一切関係がない。

余談[編集]

  • 飼い猫の名前は「ゴロ」。現在のゴロはロシアンブルーで、先代のゴロはスノーシューだったが老衰で亡くなっている。英理本人は「いつもゴロゴロしているから」と名付けの理由を説明するが、コナンは「小五郎」から取ったのではないかと推察しており、「ロシアンブルーの秘密」で猫と小五郎の性格がそっくりなことが示されている。
  • 好物は高級チョコレートブランド「ジゴバ」のチョコレート。『14番目の標的』では、事務所に届いた毒入りチョコレートを小五郎からのプレゼントだと思い込んで口にしてしまった。
  • プロ野球チーム「ジャガーズ」のファンとされる。考えごとをまとめるときは音楽を聴く派。
  • 英理の父親は、小五郎の回想シーンに後ろ姿だけ登場している。
  • 服部平次や遠山和葉とは、OVA『16人の容疑者!?』以外で直接の面識がないとされる。毛利家の重要人物なのに、大阪組との絡みは意外と少ない。
  • 呼び名は相手によってさまざまで、蘭からは「お母さん」、小五郎からは「英理」、有希子からは「英理ちゃん」、目暮警部からは「妃弁護士」、阿笠博士からは「英理さん」と呼ばれている。
  • 料理下手は作者の青山剛昌も認める公式設定で、作中では「特徴的な味」「一風変わった味」などとやんわり表現されることが多い。

外部リンク[編集]

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