服部平次
Heiji Hattori
Gosho_Aoyama_Manga_Factory.jpg
作者・青山剛昌の故郷、鳥取県北栄町にある「青山剛昌ふるさと館」(出典:ウィキメディア・コモンズ)
本名 服部平次
出身地 大阪府(作中設定)
国籍 日本(作中設定)
居住地 大阪府寝屋川市(作中設定)
家族 父:服部平蔵(大阪府警本部長)、母:服部静華
学歴 私立改方学園高等部2年
職業 高校生/高校生探偵
肩書 西の高校生探偵、改方学園剣道部員
活動期間 1996年 -(原作初登場)
代表的な実績 「西の服部、東の工藤」と並び称される推理力。江戸川コナンの正体を知る数少ない人物の一人
あだ名 西の高校生探偵、平次(和葉からの呼び名)
その他 声優:堀川りょう。アニメ初登場:第48話「外交官殺人事件(前編)」。幼なじみ・遠山和葉とは原作FILE.1133で両想いに


概要[編集]

服部平次(はっとり へいじ)とは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』に登場する大阪の高校生探偵で、「西の服部、東の工藤」と工藤新一と並び称されるライバル兼親友である。色黒の肌にコテコテの大阪弁、剣道の腕前、そして幼なじみの遠山和葉との焦れったすぎる恋模様で、主人公に負けない人気を誇る作品屈指の看板キャラクターだ。

詳細[編集]

西の高校生探偵[編集]

平次は私立改方学園高等部の2年生で、剣道部に所属する高校生。父は大阪府警本部長の服部平蔵、母は服部静華という、関西警察界の大物の息子である。作中では大阪府寝屋川市に住んでいる設定になっている。

関西では「西の高校生探偵」として知られ、東京の工藤新一と何かにつけて比較される存在。推理力は新一と伯仲しているとされ、法医学や民法といった法律知識にも明るい。英語も得意で、英語教師ジョディ・サンテミリオン(FBI捜査官ジョディ・スターリングの仮の姿)とネイティブ並みの会話を交わしたこともある。一方、料理はまったくできない点は新一とそっくりだ。

誕生の経緯:灰原哀の代打だった[編集]

平次はもともと、アニメ化にあたって灰原哀を先に登場させる予定だったところ、灰原の出番が延期されたことから生まれたキャラクターである。アニメ制作側から「ライバルキャラが必要」と求められ、青山が作り出したのが西の高校生探偵・平次だった。

アニメでは第48話「外交官殺人事件(前編)」で初登場。以後、大阪を舞台にした事件や京都・関西方面の長編で必ずと言っていいほど登場する、準レギュラーの中でも最重要クラスの存在となった。

名前とキャラ設定のルーツ[編集]

名字の「服部」はテレビドラマ『探偵物語』に登場する服部刑事から、名前の「平次」は時代劇『銭形平次捕物控』の銭形平次から取られている。ちなみに工藤新一の名字の由来も同じ『探偵物語』の主人公・工藤俊作で、名前のルーツからして「東西ペア」として設計されていることが分かる。

寝屋川市在住という設定や剣道部所属という設定は、初登場時の担当編集者・浅井認が寝屋川市出身で、青山と同様に剣道少年だったことにちなむ。浅井は平次や和葉が話す大阪弁の監修も務めており、平次のリアルな関西弁は担当編集者直伝なのである。

トレードマーク[編集]

色黒の肌は本人いわく祖父譲り。天然でチョンと跳ねた前髪と、シカゴ・ホワイトソックスをもじった「SAX」ロゴの野球帽がトレードマークだ。和葉によると、帽子のツバを正面に向けている時が平次の「推理スイッチオン」、後ろに戻した時が「スイッチオフ」なのだという。

愛車はバイクのKawasaki KLX250で、普通自動二輪車免許を持っている。作中では和葉を後ろに乗せて走る場面も多く、大阪の街や郊外の事件現場へバイクで駆けつけるのが平次のスタイルだ。

人物像[編集]

熱血・負けず嫌い[編集]

性格は新一以上の負けず嫌いで、勝ち負けにこだわるあまり推理勝負で冷静さを失いやすい。コナン以上の熱血漢で短気、喧嘩っ早く、「探偵としては血の気が多く先走りしがち」とも評される。

その一方で、「現場保存より人命の救助を優先する」という確固たる信念を持つ。探偵業で報酬を受け取らない主義を徹底している点も、金にがめつい毛利小五郎とは対照的だ。

大阪弁[編集]

一人称は「オレ」。口癖は「アホ」「ボケ」で、初対面の相手や年上にもあまり敬語を使わず、対等な大阪弁で話しかける。東京式のアクセントが苦手で、標準語の発音もうまくない。

ちなみに逆にコナン(新一)は関西弁が苦手で、下手な関西弁で関西人を怒らせることがある。東西の高校生探偵は、言葉の面でもお互いの「アウェー」では苦労しているのである。

2017年に『アニメ!アニメ!』が行ったアンケート「一番好きな関西弁キャラは?」では見事1位に輝いており、アニメ界きっての「関西弁キャラ」の代表格と言ってよい。

剣道の腕前[編集]

剣道の達人である両親譲りで、剣の腕前は作中でもトップクラス。日本刀で襲いかかられた際に鞘で相手を打ち倒したエピソードや、跳び箱に食い込んだ相手の刀の上に乗るという離れ業まで披露している。大学生の間では「大阪府警の人間を1人で全員倒した」という噂まで広まっているほどだ。

剣道以外の運動神経も抜群で、水泳や潜水も得意。劇場版では剣道の腕を生かしたアクションが毎回の見どころになっており、『100万ドルの五稜星』では剣道大会出場のために函館を訪れるところから物語が始まる。

人間関係[編集]

江戸川コナン(工藤新一)[編集]

平次の初登場は、世間で自分と比較されている工藤新一と対決するため、毛利探偵事務所に乗り込んできたのがきっかけだった。最初の事件では誤った推理をしてしまうが、新一の「真実は一つしかないのだから、推理に勝敗や優劣は存在しない」という考えに感銘を受ける。

その後の「ホームズフリーク殺人事件」で、小五郎の代わりに腕時計型麻酔銃で眠らされた平次は、途中で目覚め、推理の口調や論理の組み立て方から江戸川コナンの正体が工藤新一だと見抜いた。以降、コナンの良き協力者となり、新一として接することのできる数少ない人物の一人になっている。

ただしうっかり者で、コナンのことをほぼ毎回「工藤」と呼んでしまっては慌ててごまかすのがお約束。蘭がコナンの正体に気づきかけた際には、独断で新一に変装して蘭の前に現れたこともある。なお中学時代のスキー旅行で、実は新一と対決していたのだが、平次本人はそのことに気づいていない。

遠山和葉[編集]

幼なじみで同じ改方学園に通う同級生。和葉の声は宮村優子が担当する。平次は長らく「和葉が他の男といるとなぜイライラするのか」を理解できずにいたが、戎橋での事件で「オレの和葉に何さらしとんじゃ!」と激高したことで、ようやく自分の恋心を自覚した。

その後、新一がロンドンのビッグ・ベン前で毛利蘭に告白したことを知った平次は、自分も負けじと「最高のシチュエーションで告白する」と決意。しかしここから、ファンが頭を抱えるほどの告白失敗の連続が始まる(詳しくは後述)。

父・服部平蔵[編集]

父の服部平蔵は大阪府警本部長。平次は父の肩書を話題にされることを嫌っており、大阪以外でその影響力を使ったのは小説版『京都新撰組殺人事件』くらいだという。

とはいえ地元・大阪では、父の部下である大滝警部から捜査情報を仕入れたり、大阪府警の刑事やパトカーを私用で使ったりと、ちゃっかり親の七光りに頼る場面も多い。平蔵もそれを黙認し、時には息子を捜査に利用している。普段は寡黙で厳格な父だが、その手のひらの上で転がされているのは実は平次の方、というのが服部家の構図である。

大岡紅葉[編集]

京都の女子高生で、平次を「未来の旦那様」と慕う恋敵ポジションの人物。劇場版『から紅の恋歌』で初登場し、以降は和葉と火花を散らす存在に。紅葉の執事による妨害で平次の告白が失敗した回もある。

怪盗キッド[編集]

原作では長らく直接の関わりがなかったが、劇場版やOVAでは何度も接触している。キッドが和葉に変装した際には、それと知らずにキスしかけたものの、のちに変装だったと知って愕然とした。なお『まじっく快斗』の登場人物である白馬探とは、キッドや中森警部に先がけて原作で対面している。

遠山和葉との恋の行方[編集]

告白失敗の歴史[編集]

平次の和葉への告白は、とにかく失敗続きだった。和葉の方から勇気を出して「めっちゃ好きやねん」と打ち明けた場面では、平次が聞き逃してしまう。港でのロマンチックな雰囲気の中で告白しようとすれば紅葉の執事に邪魔され、怪盗キッドが化けた偽の和葉には危うくキスしかける始末。

この「言えそうで言えない」展開はもはや作品の名物となり、ファンの間では平次と和葉のカップリングを「平和(へいわ)」と呼んで見守る文化が定着しているとされる。

『100万ドルの五稜星』の告白騒動[編集]

2024年4月12日公開の劇場版第27作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』は、平次と和葉の告白騒動が大きな見どころとなった。剣道大会のため函館を訪れた平次は、和葉への告白を計画。そこへ怪盗キッドが土方歳三ゆかりの刀を狙う予告状を出し、平次はキッドの素顔が工藤新一にそっくりであることに驚かされる。

クライマックス後、函館の夜景をバックに平次はついに長台詞で想いを伝える。ところが、スタングレネードの爆発で和葉の聴覚が一時的に奪われており、肝心の言葉は何ひとつ届いていなかった――。映画館で多くの観客がずっこけたとされる、平次らしい「あと一歩」の名場面である。

原作FILE.1133「茜色の千秋楽」でついに成就[編集]

そして2024年、『週刊少年サンデー』に掲載された原作FILE.1133「茜色の千秋楽」(単行本106巻収録)で、ついに告白が成功する。舞台は大阪の「浪速ハルカス」。夕焼けの展望台が告白スポットだと知った平次は、ここで想いを伝えようとする。

フラれたと思い込んで肩を落とした平次が「和葉に…好きやって言いたかっただけや」とつぶやいた本音を和葉が聞き、気持ちを受け入れる。二人が手をつなぐ場面で、長年の両片想いにようやく決着がついた。平次の原作初登場から約28年越しの成就に、SNSは祝福の声であふれたとされる。

声優・堀川りょう[編集]

平次の声を担当するのは堀川りょう(1958年2月1日生まれ、大阪府出身)。5歳で時代劇の子役としてデビューし、『鞍馬天狗』の杉作少年役などを演じたのち、1984年の『夢戦士ウイングマン』で声優デビューした。

代表作は何といっても『ドラゴンボール』シリーズのベジータ役。「誇り高きサイヤ人の王子」と「浪花の高校生探偵」という、まるでタイプの違う二大人気キャラを演じ分けているのは驚きで、ファンの間では「ベジータが関西弁をしゃべっている」とネタにされることもある。実用英語技能検定準一級の持ち主でもある。

2023年にはデビュー60周年を記念して初のシングルCD「BELOVED BLUE」をリリース。その際のインタビューで「65歳で『高校2年、17歳で~す』とやっても誰からも文句は言われない。リミットレスです」と語り、世代を超えて作品に携われることへの感謝を口にしている。女性を対象にした「堀川りょうが演じたアニメキャラ人気ランキング」では、平次がベジータを抑えて1位になったこともある。

劇場版での活躍[編集]

平次は劇場版第3作『世紀末の魔術師』で映画初登場。以降、登場作ではすべて和葉とペアで出演している。

作品 公開年 平次のポジション
第3作『世紀末の魔術師』 1999年 映画初登場
第7作『迷宮の十字路』 2003年 コナンとW主演。京都が舞台
第10作『探偵たちの鎮魂歌』 2006年 コナンとともにメイン
第13作『名探偵コナン 漆黒の追跡者』 2009年 別行動で捜査するサポート役
第14作『名探偵コナン 天空の難破船』 2010年 サポート役
第17作『名探偵コナン 絶海の探偵』 2013年 サポート役
第21作『から紅の恋歌』 2017年 コナンとともにメイン。大岡紅葉初登場
第27作『100万ドルの五稜星』 2024年 コナンとともにメイン。函館が舞台

第7・10・21・27作ではコナンと並んで主役級を務め、第13・14・17作ではコナンたちとは別行動で捜査を進めるサポート役として登場している。「平次が出る年の映画は剣道アクションと恋愛要素が増量される」というのがファンの共通認識だ。

特に『100万ドルの五稜星』は最終興行収入約158億円を記録し、公開当時の劇場版シリーズ歴代最高を更新。公開22日間での興収100億円突破はシリーズ最速で、女性監督(永岡智佳)による邦画として初の100億円突破作品にもなった。主題歌はaikoの「相思相愛」。エピローグで明かされた怪盗キッドと工藤新一の血縁関係も含め、平次とキッドの剣を交えた対決は大きな話題を呼んだ。

2026年の最新動向[編集]

「茜色の千秋楽」アニメ化[編集]

2026年、平次の告白成就エピソード「茜色の千秋楽」がついにテレビアニメ化された。読売テレビ・日本テレビ系で9月26日に「初日」(第1214話)、10月3日に「前楽」、10月10日に「大楽」と3週連続で放送。メインビジュアルには逆さまの浪速ハルカスを背景にした平次と和葉が描かれた。

放送を記念して、TVerでは平次と和葉が登場するエピソード全36話を1日1話ずつ無料配信する企画も実施されている。9月19日には京都国際マンガ・アニメフェアのステージに堀川りょうと宮村優子が登壇し、このエピソードについて語った。

30周年スペシャル『30号殺人事件』[編集]

アニメ放送30周年を記念して、2026年9月25日には金曜ロードショーでテレビスペシャル『名探偵コナン 30号殺人事件』が放送された。東京タワーが描かれた新一万円札の偽札事件をめぐり、各地の警察が入り乱れる「オールスターキャスト」の2時間スペシャルで、平次も大阪を舞台にコナンとともに捜査に加わる。ゲスト声優は池田エライザ、主題歌は倉木麻衣の「Hallelujah」。放送後はNetflixで独占配信されている。

告白成就エピソードのアニメ化とスペシャル番組が同じ時期に重なり、2026年秋は「平次イヤー」とも言える盛り上がりを見せている。

人気[編集]

投票・ランキング 順位
第1回キャラクター人気投票 5位(222票)
テレビ&劇場版15周年記念投票 3位
2012年 連載800回記念投票 5位
2017年『アニメ!アニメ!』「一番好きな関西弁キャラは?」 1位
2020年『ダ・ヴィンチ』「読者にしあわせを与えてくれたキャラ」 10位

炎上とバズ[編集]

  • 『100万ドルの五稜星』の「告白したのに届かない」オチは、公開当時SNSで大きな話題となった。さらにエピローグで明かされたキッドと新一の関係が重なり、試写会を行わない異例のネタバレ対策も相まって、公開直後は考察と悲鳴が飛び交った。
  • 2024年の原作FILE.1133で告白が成功すると、「平次おめでとう」「ついに平和が成就」といった祝福の投稿が相次いだとされる。

余談[編集]

  • 誕生日は作中で明かされていないが、原作者の青山は「獅子座っぽい」とコメントしている。
  • 怪盗キッドとは劇場版とOVAで計5回接触しているが、原作では長らく関わりがなかった。
  • 父の肩書を嫌う割に、大阪府警のパトカーを私用で使うなど地元では堂々と七光りに頼っている。
  • 声優の堀川りょう自身も大阪府出身で、子役時代は時代劇に出演していた。「時代劇の岡っ引き」が名前の由来である平次を、時代劇出身の大阪人が演じているという妙な縁がある。
  • 平次と新一は中学時代のスキー旅行で既に対決していたが、平次はそのことに気づいていない。

外部リンク[編集]

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