地上100階~脱出確率0.0001%~

地上100階~脱出確率0.0001%~(ちじょうひゃっかい だっしゅつかくりつ0.0001パーセント)とは、原作・黒井嵐輔、作画・桃田テツによる日本のデスゲーム漫画。命懸けの国営ギャンブルの舞台となる巨大な塔「バベルダンジョン」を舞台に、記憶を失った男子高校生が“脱出確率0.0001%”のサバイバルへ身を投じる姿を描く。2017年にLINEマンガで連載が始まり、一度は連載中断・単行本発売停止となりながらも、2021年にピッコマへ舞台を移して『地上100階~奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン~』と改題のうえフルカラー縦スクロールウェブトゥーンとして復活した、“伝説的デスゲーム系マンガ”として知られる作品である。

概要[編集]

本作は、近未来の東京を舞台に、人類史上最大級の超巨大タワーへ集められた男女が命を賭けて脱出を目指す、いわゆる「デスゲーム」ジャンルの漫画である。原作を務める黒井嵐輔は東京都出身の小説家・漫画原作者で、本作のほかにも複数の作品を手がけている。作画は桃田テツが担当し、緊迫感のある演出と容赦のない展開で、連載当時からコアなデスゲームファンの支持を集めてきた。

タイトルにある「0.0001%」という数字は、参加者がこの塔から生きて脱出できる確率を象徴的に示したもので、その絶望的な低さがそのまま物語全体のトーンを決定づけている。単なる運試しではなく、参加者同士の心理戦・頭脳戦・肉体的サバイバルが複雑に絡み合う点が特徴で、イカゲーム以降に世界的な人気を得たサバイバル・デスゲーム系作品の系譜に連なる一作として語られることが多い。同じくLINEマンガ発のサバイバル・アクション系ウェブトゥーンである更生島鉄槌教師星剣のソードマスターなどと並んで、韓国式縦読み漫画が浸透した日本市場を象徴する作品群の一つに数えられる。

あらすじ[編集]

未曽有の財政危機に直面した近未来の東京。その中心には、各フロアが東京・千代田区ほどの広さを持つとされる100階建ての超巨大タワー「バベルダンジョン」がそびえ立っていた。塔の内部では、参加者(チャレンジャー)の命そのものを賭けの対象とする、国営のギャンブルが繰り広げられている。参加者に課された目的はただひとつ——塔を攻略してゴールへたどり着き、賞金100億円を手にすることである。

自らの記憶を失い、訳もわからぬままダンジョンへ放り込まれた男子高校生・黒海樹(くろうみたつき)は、塔の中で自分の過去を知る少女・小石絹代(こいしきぬよ)と運命的な出会いを果たす。執拗に絹代を狙う謎の男・佐鳥アスマから彼女を守るため、樹はルール無用のサバイバルバトルへと身を投じていく。数々の理不尽な試練を潜り抜けるなかで少しずつ取り戻されていく記憶の中で、樹は自分がかつて「最強」と呼ばれた存在であったことを知る。

設定・世界観[編集]

物語の舞台となる「バベルダンジョン」は、財政破綻の危機を打開するために国家が主導して建設・運営する巨大施設という設定である。各階が一つの区ほどの広大な空間になっており、フロアごとに異なる過酷なミッションが用意されている。参加者はこれらを一つずつクリアしなければ上の階へ進むことができず、ミッションの失敗はしばしば死に直結する。物語が進むにつれて多くの参加者が命を落としていく容赦のない構成が、本作の“絶望感”を支えている。

このゲームには、参加者の生死や攻略の成否に賭ける富裕層の存在も描かれる。彼らはBDC(バベルダンジョンセンター)と呼ばれる会員制クラブに属し、どの参加者がダンジョンをクリアするかを予想して莫大な金を動かす。命を賭ける側と、それを娯楽として消費する側という構図が、社会の格差や人間の残酷さを浮き彫りにするテーマ性として機能している。

主な登場人物[編集]

  • 黒海樹(くろうみたつき) - 本作の主人公。記憶を失った状態でバベルダンジョンに参加することになった男子高校生。戦いの中で徐々に記憶を取り戻し、かつて「最強」と称された自らの過去に迫っていく。
  • 小石絹代(こいしきぬよ) - 樹が塔の中で出会う少女。樹の過去を知る鍵を握る人物であり、物語の中心的な存在。何者かに執拗に狙われている。
  • 佐鳥アスマ - 絹代を執拗に狙う謎の男。樹の前に立ちはだかる脅威として描かれる。

連載の経緯[編集]

本作は2017年8月にLINEマンガで連載がスタートした。黒海樹たちの死闘とダンジョンに張り巡らされた伏線が話題を呼び、デスゲーム系作品の中でも根強い人気を獲得したが、2020年6月ごろに連載が中断され、単行本(LINEコミックス、全6巻)も一時発売停止となる異例の事態となった。この“未完のまま止まってしまった伝説作”という経緯が、後の復活劇への期待を高めることになる。

その後、2021年10月4日より、作画の桃田テツは掲載媒体をピッコマへと移し、タイトルを『地上100階~奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン~』と改題したうえで連載を再開した。再開にあたっては、従来のモノクロ・横読み形式から、ピッコマの縦スクロールカラー作品ブランドSMARTOON仕様のフルカラー縦スクロールウェブトゥーンへと全面的にリニューアルされている。LINEマンガ版で描かれなかった74話以降の物語も新たに描き下ろされ、これまでの伏線回収と新たな謎の提示が進められた。ピッコマ版でも一時休載を挟むなど紆余曲折はあったものの、“あの伝説作の復活”として大きな注目を集めた。なお本作を含むLINEマンガ発のアクション系縦読み作品はLINEマンガアクションウェブトゥーン一覧にまとめられている。

評価・反響[編集]

本作は「伝説的デスゲーム系マンガ」と評されることが多く、連載中断を経てなお根強いファンを抱え続けた点が特徴的である。過酷なミッションと多数の犠牲者を描く徹底したサバイバル描写、記憶を巡るミステリー要素、そして命を賭ける参加者と賭けを楽しむ富裕層という社会風刺的な構図が、読者から高い評価を受けてきた。特に、一度は打ち切り同然に止まった作品が媒体とフォーマットを変えて復活した経緯は、日本のウェブ漫画の柔軟な展開を象徴する事例としてもしばしば言及される。

余談[編集]

  • 原作の黒井嵐輔は東京都出身で、小説家・漫画原作者として活動している。1987年生まれとされ、本作は代表作の一つに数えられる。
  • タイトルの「脱出確率0.0001%」という数値は具体的な計算根拠が作中で厳密に示されているわけではなく、あくまで“ほぼ脱出不可能”という絶望的状況を印象づけるための象徴的な数字として機能している。
  • LINEマンガ版とピッコマ版でタイトル・作画フォーマットが大きく異なるため、検索時には旧題『地上100階~脱出確率0.0001%~』と新題『地上100階~奴隷に堕ちた女と絶望ダンジョン~』の両方で情報が分散している点に注意が必要である。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

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