仮釈放審査官 イ・ハンシン

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仮釈放審査官 イ・ハンシン
가석방 심사관 이한신 / Parole Examiner Lee
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主人公イ・ハンシン役のコ・ス(2023年、Marie Claire Korea撮影。出典:Wikimedia Commons)
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刑事アン・ソユン役のクォン・ユリ(2019年。出典:Wikimedia Commons)
略称 イ・ハンシン(韓国では「이한신」)
ジャンル リーガル / 復讐サスペンス / コメディ
放送期間 2024年11月18日 - 2024年12月24日
放送時間 月・火曜 20:50(韓国時間)
話数 全12話
放送国家 韓国
言語 韓国語
配給 CJ ENM
放送局 tvN
配信 韓国:TVING、Netflix、Genie TV/日本:Amazon Prime Video「韓国ドラマ&エンタメ Channel K」ほか
平均視聴率 5.5%(ニールセン・コリア、全国)
制作
演出 ユン・サンホ
制作 コートップメディア(Kortop Media)
脚本 パク・チヒョン(박치형)
音楽 パク・セジュン
出演者 コ・ス、クォン・ユリ、ペク・ジウォン、イ・ハクジュ、ソン・ヨンチャン ほか
その他
原作 なし(オリジナル脚本)

概要[編集]

『仮釈放審査官 イ・ハンシン』(かしゃくほうしんさかん イ・ハンシン/原題:가석방 심사관 이한신)とは、2024年11月から12月にかけて韓国のtvNで放送された全12話のリーガル復讐サスペンスコメディである。元刑務官から弁護士を経て「仮釈放審査官」になった男が、カネとコネで早期出所を狙う悪徳受刑者を片っ端から「不適格」にしていく痛快劇で、韓国ドラマで仮釈放審査官を正面から主人公にした初の作品とされる。

詳細[編集]

「仮釈放審査官」という新ジャンル[編集]

弁護士・検事・判事が主人公の法廷ものは韓国ドラマの定番ジャンルで、『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のように社会現象級のヒットも珍しくない。そこへ本作は「仮釈放を審査する人」という、ほぼ誰も描いてこなかったポジションを持ち込んだ。韓国メディアは放送前から、同じtvNの『ジョンニョン』(女性国劇の世界を描いた作品)に続く「異色題材ドラマ」として紹介している。裁判で判決が出た「その後」、刑務所の中から外へ出るかどうかの最終関門を舞台にしたことで、判決では裁ききれなかった悪人をもう一度ふるいにかける、という独特のカタルシスが生まれている。

ダビデとゴリアテ[編集]

演出のユン・サンホ監督は制作発表会で、本作を旧約聖書の「ダビデとゴリアテの戦い」にたとえ、小石のような普通の人々が巨大な岩を砕く痛快な物語だと説明した。監督が企画に惹かれた理由のひとつがタイトルで、主人公の名前「イ・ハンシン」が、韓国の国民的英雄である李舜臣(イ・スンシン)を思わせる響きだったからだという。さらに主演コ・スの昔からのあだ名「コビド(고비드=コ・ス+ダビデ像のダビデ)」と作品のテーマが重なったことも、キャスティングの決め手になったと語っている。

1話完結+縦軸の構成[編集]

物語は、毎回新しい受刑者の仮釈放審査を1件ずつ片づけていく「1話(または2話)完結」の事件パートと、巨大財閥・オジョングループの会長親子を追い詰めていく縦軸のストーリーが並行する形式。主演のコ・スは「この作品は仮釈放審査官という職業そのものより、出所を望む受刑者たちのそれぞれの事情に焦点を当てている」と語っており、悪徳受刑者を叩き落とす回と、更生しようとする受刑者の背中を押す回が交互に登場する。人間ドラマ、社会風刺、アクションを全部盛りにしたエンタメ寄りのつくりである。

あらすじ[編集]

元刑務官のイ・ハンシン(コ・ス)は、父のように慕っていた上司チョン・スボムが、ある財閥の御曹司の仮釈放を阻もうとしたことで濡れ衣を着せられ、逮捕されるのを目の当たりにする。刑務官の立場では何もできなかったハンシンは、法律を学んで弁護士になり、やがてオジョングループ会長チ・ドンマン(ソン・ヨンチャン)の個人弁護士として仕えるまでになる。

周囲からは財閥の忠犬に見えたハンシンだが、彼が手段を選ばず目指していたのは、受刑者の出所を最終判断する「仮釈放審査官」の椅子だった。第1話のラストで明かされるその真の目的は、収監中のチ・ドンマン本人の仮釈放を阻止すること。審査官は5人、仮釈放を止めるには過半数の反対票が必要だが、チ・ドンマンはメディアや市民団体、さらには他の審査官まで買収して出所ムードを作り上げていた。

ハンシンは、妹を殺された過去を持つ広域捜査隊のエース刑事アン・ソユン(クォン・ユリ)、そして「闇金業界の伝説」と呼ばれる金貸しチェ・ファラン(ペク・ジウォン)と、はじめはぎこちなく、やがて本格的に手を組む。彼らの前に立ちはだかるのは、何人もの命を奪いながら父の力で罰を逃れてきたオジョングループの2世、チ・ミョンソプ(イ・ハクジュ)だった。

登場人物とキャスト[編集]

主要人物[編集]

イ・ハンシン(演:コ・ス)
本作の主人公。元刑務官→弁護士→仮釈放審査官という異色の経歴を持つ。書類の山に「適格」「不適格」のハンコを高速で押していくティーザー映像が象徴するように、ブレない判断と口のうまさが武器。本人いわく「英雄ではなく、完璧ではない人物」。財閥会長の執事のような弁護士を演じていた頃には、キラキラ衣装でトロットを披露する場面まであり、二枚目俳優コ・スのイメージを良い意味で崩したと話題になった。
アン・ソユン(演:少女時代のクォン・ユリ)
凶悪犯罪を担当する広域捜査隊(광수대)のエース刑事。鋭い観察力と強い責任感の持ち主で、妹をチ・ミョンソプに殺されたことからオジョングループに強い恨みを抱く。最初はハンシンの型破りなやり方を警戒していたが、やがて最強の相棒になる。
チェ・ファラン(演:ペク・ジウォン)
「闇金業界の伝説」と呼ばれる金貸し。氷を持ち歩き、痕跡を残さない取り立てをすることで知られる強面だが、根は情に厚い。ハンシンとは過去に因縁があり、当初は敵意むき出しだったが、「あなたのお金を取り戻してあげる」という彼の提案をきっかけに協力関係へ。裏社会の情報網でチームを支える。
チ・ミョンソプ(演:イ・ハクジュ)
オジョングループの2世で、怖いもの知らずの傲慢な御曹司。アン・ソユンの妹を死なせた張本人でありながら、父の権力で処罰を逃れてきた本作最大の悪役。かつてハンシンの上司チョン・スボムを陥れ、全会一致で仮釈放を勝ち取った過去を持つ。

オジョングループと周辺人物[編集]

チ・ドンマン(演:ソン・ヨンチャン)
オジョングループ会長でミョンソプの父。官僚を買収して違法行為を隠し、ハンシンの上司に麻薬の濡れ衣を着せた黒幕。息子を守るためにさらに罪を重ねていく。
チェ・ウォンミ(演:ファン・ウスルヘ)
女優でチ・ドンマンの元妻。元夫と息子に脅かされ、ハンシンに助けを求める。オジョングループ崩しの鍵となる情報をもたらす。
チョン・ウク(演:パク・ジョンハク)
ハンシンの同僚の仮釈放審査官。冷徹で冷たい人物として描かれ、ハンシンとはまったく違うタイプの審査官。
キム・ジュモク(演:ナ・ヒョヌ)
アン・ソユンの後輩刑事。クォン・ユリは撮影中もっとも長い時間を一緒に過ごし、互いに支え合った共演者として名前を挙げている。

特別出演[編集]

  • ファン・ヨンヒ:受刑者の母親役で特別出演。
  • オク・ジャヨン:最終回で重要な役どころとして特別出演した。

主な事件エピソード[編集]

第1〜2話:会長の仮釈放を止めろ[編集]

初回の審査対象はいきなりボス、チ・ドンマン会長本人。5人の審査官のうち3人が「適格」とし、仮釈放が確実視されるなか、ハンシンが「不適格!」と声を上げて審査会場は大混乱に陥る。ハンシンはチ・ドンマンが獄中から元妻を誹謗中傷する書き込みをしていた疑いを示し、アン・ソユンに自分を名誉毀損で告訴させるという奇策まで使って新たな容疑を浮かび上がらせる。最後は制服姿で現れたソユンが「釈放は捜査に影響する」と訴え、ふたりの連携で仮釈放は阻止された。

第3〜4話:400億ウォンの行方[編集]

大型投資詐欺の主犯の仮釈放をめぐる回。ハンシンはチェ・ファランとソユンに共闘を持ちかけ、隠された400億ウォンの犯罪収益を探し出して被害者に返すことに成功する。第4話のラストではハンシンが正体不明の男に襲われ階段から転落し、チ・ドンマンの関与がほのめかされるという引きで終わった。この第4話で全国視聴率6.3%を記録し、自己最高を更新している。

第7〜8話:因縁の再会[編集]

ハンシンの過去が本格的に描かれる回。刑務官時代、ハンシンは何度も意見書を出してチ・ミョンソプの仮釈放の不当性を訴えたが、ミョンソプは全会一致で出所し、恩人チョン・スボムは濡れ衣で逮捕された。そのミョンソプが突然ハンシンの前に現れ、握手を求めてくる。並行して、未婚の母である受刑者ホ・ウンジの審査では、出所後も働けるよう韓国料理の調理師資格を取らせるという、悪人退治とは逆方向の「更生支援」エピソードも描かれた。

終盤[編集]

終盤ではハンシン自身が濡れ衣で逮捕されるが、ソユンやファラン、チョン・スボムらが嘆願運動を起こして釈放される。「真実は必ず明らかになる」とオジョングループに宣戦布告したハンシンたちは、ミョンソプの犯罪の証拠を握って最後の勝負に挑む。(結末の詳細はここでは伏せる)

制作[編集]

スタッフ[編集]

演出のユン・サンホは、『カーテンコール』『月が浮かぶ川』などを手がけたベテラン監督。脚本のパク・チヒョン(박치형)は本作がデビュー作級の新人作家で、監督は「新人作家の台本でもキャラクターの力が十分だった」ことを演出を引き受けた理由に挙げている。制作はコートップメディア、音楽はパク・セジュンが担当した。

キャスティングと撮影[編集]

2024年8月26日にコ・ス、クォン・ユリ、ペク・ジウォン、イ・ハクジュの出演が正式発表され、当初は10月放送開始と報じられたが、9月30日に11月18日スタートが確定した。監督はクォン・ユリについて「少女時代でいちばんエネルギッシュなメンバー」と評し、刑事役にぴったりだと起用理由を語っている。クォン・ユリはアクションのために体重を増やし、体力づくりにも取り組んだという。放送前には主演4人そろって雑誌『Singles』2024年11月号のグラビアにも登場した。

OST[編集]

劇伴とは別に、挿入歌(OST)が3曲シングルとして先行リリースされた。

  • Part 1:LUCY「Daylight」(2024年11月19日)
  • Part 2:ナクサル(넉살)「Back On The Game」(2024年11月26日)
  • Part 3:D82のハン・スンユン「Megalomania」(2024年12月3日)

2024年12月23日には劇伴を含む全27曲のOSTアルバムがまとめて配信された。

評価・反響[編集]

視聴率[編集]

ニールセン・コリア調べで、初回は全国4.6%、第2話5.4%と好スタート。第4話で6.3%に跳ね上がり、この時点で2024年のtvN月火ドラマ歴代2位に浮上した。この年のtvN月火枠1位は『私の夫と結婚して』(自己最高12.0%)で、社会現象級の人気を呼んだ『ソンジェ背負って走れ』の最高5.8%を、放送開始わずか4話で上回ったことが韓国メディアで話題になった。もっとも『ソンジェ背負って走れ』はSNSや動画配信での話題性が桁違いで、主演のビョン・ウソクをグローバルスターに押し上げた作品なので、単純な視聴率比較だけで優劣をつけるのは野暮というものである。

最高視聴率は第10話の6.5%、最終回は5.8%で、全12話の平均は約5.5%。初回から最終回まで12話連続でケーブル・総合編成チャンネルを含む同時間帯1位を守り、平均視聴率はこの年のtvN月火ドラマで2番目の高さだった。1話あたりの視聴者数は平均約114万人と推計されている。

演技評価[編集]

もっとも大きな収穫とされたのがコ・スの「再発見」である。長年「コビド」と呼ばれるほどの彫刻のような美貌がかえって演技評価の邪魔をしてきた俳優だが、本作では飄々ととぼけたコミカルな演技で、ユーモア・賢さ・決断力・情を併せ持つキャラクターを成立させたと評された。重厚な役が多かった『ハート・サージャン』(2018年)や『マネーゲーム』(2020年)とは真逆の軽やかさで、韓国メディアからは「シーズン2を呼ぶコビドの魔法」とまで書かれている。

クォン・ユリにとっては本格アクション初挑戦作。本人は「少女時代時代の群舞のために受けた振付訓練が、格闘の動きを合わせたり、とっさに反応したりするのに役立った」と語り、アイドル出身らしい身のこなしの良さが生きたかたちになった。

ジャンル的な位置づけ[編集]

「法で裁けない悪をチームで懲らしめる」痛快路線という点では、『模範タクシー』や『ヴィンチェンツォ』、財閥への逆襲という点では『財閥家の末息子』、復讐劇という点では『ザ・グローリー』と並べて語られることが多い。刑務所が重要な舞台になる点では、同じtvNの『賢い監房生活』とは塀の「中」と「出口」を描いた作品同士という関係にあるとも言える。

放送・配信[編集]

韓国[編集]

2024年11月18日から12月24日まで、tvNの月火ドラマ枠(毎週月・火曜20時50分)で放送。配信はTVINGのほか、韓国国内ではNetflix、Genie TVでも視聴できたと報じられている。海外向けには英題『Parole Examiner Lee』として配信サービスで提供された。

日本[編集]

日本では以下の順で紹介されている(2026年11月6日時点で確認できた範囲)。

  • 2026年5月15日〜:CS「衛星劇場」で日本初放送。毎週金曜23時ほか。宣伝文句は「『オクニョ 運命の女(ひと)』コ・ス×少女時代のクォン・ユリ共演!」。
  • 2026年7月〜:Amazon Prime Videoのチャンネル「韓国ドラマ&エンタメ Channel K」で配信開始(同チャンネルのプレスリリースでは「仮釈放捜査官イ・ハンシン」と表記されている)。
  • 2026年11月13日〜:CS「ホームドラマチャンネル」でベーシックチャンネル初放送。毎週金曜14時から2話連続ほか、本編中ノーCM。

日本語タイトルは衛星劇場・ホームドラマチャンネルともに「仮釈放審査官 イ・ハンシン」で統一されている。Netflix・U-NEXT・Lemino・Disney+などでの日本向け配信は、2026年11月6日時点では確認できなかった。配信状況は時期により変わるので、視聴前に各サービスで確認したい。

よくある質問[編集]

Q. 仮釈放審査官 イ・ハンシンはどこで見れる?[編集]

2026年11月6日時点では、日本ではAmazon Prime Videoのサブスクリプションチャンネル「韓国ドラマ&エンタメ Channel K」での配信、またはCSのホームドラマチャンネル(2026年11月13日から放送)・衛星劇場での放送で視聴できる。CSはスカパー!やケーブルテレビ、ひかりTVなどで加入する形になる。

Q. 全何話?いつの作品?[編集]

全12話。韓国では2024年11月18日から12月24日まで放送された。日本での初放送が2026年なので「2026年の新作」と思われがちだが、本国では2024年の作品である。

Q. 原作はある?[編集]

ない。小説やウェブトゥーンが原作のドラマが多い昨今には珍しく、新人作家パク・チヒョンのオリジナル脚本である。

Q. クォン・ユリって少女時代のユリ?[編集]

そう。少女時代のメンバー、ユリ(本名クォン・ユリ)である。役者としてはこれが初の本格アクション作で、刑事役のために体重を増やして撮影に臨んだ。

Q. 仮釈放審査って実在の制度?[編集]

実在する。韓国では法務部に仮釈放審査委員会が置かれ、法務部次官を委員長に、判事・弁護士・大学教授・法務部幹部などで構成される。報道によると毎月約1,000人もの受刑者が審査され、年齢・犯行動機・刑期・矯正成績・再犯の危険性などを考慮し、各委員が「適格・不適格・審査保留」を判断して出席委員の過半数で決める。ドラマの「審査官5人・過半数で決定」という設定はこれをエンタメ向けにアレンジしたものである。

Q. シーズン2はある?[編集]

放送中から韓国メディアで続編を期待する声が上がり、コ・スが『ミッシング』でシーズン2を経験していることも引き合いに出されたが、2026年11月6日時点で公式なシーズン2の制作発表は確認できない。

Q. 視聴率はどのくらいだった?[編集]

ニールセン・コリア全国基準で平均約5.5%、最高6.5%(第10話)。ケーブル局のtvNとしては堅調な数字で、12話すべてが同時間帯1位だった。

余談[編集]

  • ティーザー映像では、ハンシンが審査官就任の記念カップを飾ったオフィスでトーストをかじっている。海外のドラマレビューサイトでは、刑務所を指す韓国語の俗語にかけた小ネタだと指摘されている。
  • クォン・ユリは、元のアクション段取りを現場で即興で組み直した逮捕シーンがいちばん印象に残っていると語っている。練習室ではもっと派手な振付を準備していたが、時間の都合ですべては放送に乗らなかったという。
  • ペク・ジウォンとクォン・ユリは本作で2度目の共演。クォン・ユリはペク・ジウォンの細やかな演技に感嘆したとコメントしている。
  • 監督が語った「コビド」というあだ名は、コ・スがグラビア撮影でもたびたび使われる定番の愛称で、韓国の雑誌メイキング映像のタイトルにも登場するほど定着している。
  • 日本の衛星劇場の宣伝では、コ・スの日本での代表作として『オクニョ 運命の女(ひと)』が挙げられた。韓流時代劇ファンにはこちらの印象が強いようだ。

外部リンク[編集]

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