SpankBang
SpankBang
国家 アメリカ合衆国(商標権者の所在地)
種類 動画共有型アダルトサイト(チューブサイト)
市場情報 非上場
業種 インターネット・アダルトエンターテインメント
設立日 2011年
上場 非上場
所有者 BigBang Media LLC(商標権者)
主要部門 SpankBang Live(ライブ配信)
別名 スパンクバン、スパンクバング
リンク https://spankbang.com/


概要[編集]

SpankBang(スパンクバン)とは、2011年頃から運営されている海外の無料アダルト動画共有サイト(チューブサイト)である。高画質な動画の多さや、登録会員向けのダウンロード機能などで知られ、アクセス解析上は日本が国別トラフィックの首位になるほど日本の利用者が多い。

詳細[編集]

名前の由来[編集]

サイト名は英語の「spank(お尻を叩く)」と「bang(強くぶつかる、転じて俗語で性行為)」を組み合わせた造語。日本では「スパンクバン」「スパンクバング」などと読まれる。韓国のナムウィキでも「Spank+Bang」の合成語として説明されている。

運営主体[編集]

アメリカ特許商標庁(USPTO)の記録によると、「SPANKBANG」の商標は2018年1月24日にBigBang Media LLCが出願しており、その書類上の最初の使用日は2011年3月1日とされている。商標の対象サービスは、音声・映像の配信サービス、インターネットを通じたアダルトエンターテインメントの提供、ユーザー生成コンテンツのホスティングなど。カナダでも同名の商標出願が確認できる。一方、運営者個人の名前や本社所在地は公表されておらず、企業情報データベースのChampSignalは、親会社を持たない独立系の小規模企業(従業員2〜10人程度)と推定している。

開設時期をめぐる情報[編集]

開設時期は、商標記録の「2011年」とする説が最も根拠が明確である。ロゴ解説サイトLogos-Worldは、2010年代前半にBigBang Media LLCが立ち上げ、本格的なサイト公開は2014年、2015年までに20万本以上のHD動画をそろえていたと紹介しているが、裏付けとなる一次資料は示されていない。後述する2015年の著作権訴訟の時点で、すでに訴えられるほどの規模になっていたことは確かである。

規模感[編集]

Similarwebの2026年時点の推計では、SpankBangの世界順位は150位前後、直近3か月の訪問数は約1億5,800万回。国別の流入は日本が約27.2%で1位、アメリカが約19.4%で2位、カナダが約3.9%で3位と続く。日本国内のサイト順位でも80位前後、アダルト部門で14位前後に入っている。平均滞在時間は約8分、1訪問あたりの閲覧ページ数は約8.5ページとされる。似ているサイトとしてはPornhub、XNXX、XVIDEOSが挙げられている。

特徴・機能[編集]

高画質の動画[編集]

SpankBangは、ほかの無料チューブサイトと比べて画質の高い動画が多いことで知られている。多くの動画で解像度を選択でき、HD以上の動画が中心になっている。Logos-Worldは、現在のライブラリーは100万本以上のフルHD動画に上ると紹介している。VR(仮想現実)や360度動画など、新しい形式にも対応していると紹介されている。

ダウンロード機能[編集]

日本で特に注目されるのが、サイト公式のダウンロード機能である。ユーザー名・パスワード・メールアドレスを登録して無料アカウントを作ると、動画ページのボタンから画質を選んでダウンロードできる仕組みがある。ストリーミングしか提供しない大手サイトが多いなか、この機能はSpankBangの大きな特徴とされてきた。一方で、日本の著作権法との関係では、違法にアップロードされたと知りながら動画をダウンロードする行為は刑事罰の対象になるため、この機能が日本の利用者にとって法的なリスクを伴う点も解説記事でたびたび指摘されている(詳しくは後述)。

その他の機能[編集]

  • プレイリスト:お気に入りの動画をまとめてリストにできる。
  • 多言語対応:英語のほか日本語などのインターフェースを選べる。
  • SpankBang Live:ライブ配信(カムサイト)のコーナー。
  • 有料プレミアム:広告の削減などが受けられる有料プランがあり、決済手段としてPayPalの導入も確認されている。
  • 投稿機能:アカウントを作れば一般ユーザーやクリエイターも動画を投稿できる。

検索の不思議な挙動[編集]

ナムウィキによると、SpankBangの検索窓に英語以外の言語で入力すると、入力したものとまったく違う、同じ文字数の単語で検索されてしまう現象が起きることがあるという。

日本での利用状況[編集]

日本がトラフィックの首位[編集]

前述のとおり、Similarwebの推計では国別流入で日本がアメリカを上回って1位になっている。英語圏の海外サイトでありながら、日本がこれほど大きな割合を占めるのは珍しい。海外サイトであるにもかかわらず日本のアダルト作品が大量に見つかることが、日本の利用者が多い理由の一つとされる。

知恵袋での相談[編集]

Yahoo!知恵袋には、「SpankBangは安全ですか? 以前は普通に見られていたのに、iPhoneで突然赤い『詐欺サイト』の警告が出た」という相談が2024年5月に投稿されている。回答では「サイト自体は比較的安全だが、表示される広告が危ない」「広告をクリックしなければ被害は起きにくい」「最近ページ構成が変わり、外部リンクや広告が増えた」といった意見が寄せられた。日本の利用者の関心は、サイトの合法性よりも「広告や警告画面が安全かどうか」に集まっている傾向がある。

まとめサイトとの関係[編集]

国内の解説サイトによると、2ちゃんねる系のまとめ文化の流れをくむ日本のアダルト系まとめブログ(いわゆるエロブログ)やリンク集のなかには、SpankBangの動画を埋め込んだりリンクしたりして記事を作っているものが多いという。Googleなどの検索エンジンやまとめサイト、Xの投稿などを経由してSpankBangにたどり着く日本人ユーザーも多く、Similarwebでも流入の半分以上は直接アクセスだが、残りは検索や外部サイトからの流入とされる。

日本作品の無断転載問題[編集]

何が起きているか[編集]

SpankBangはユーザー投稿型のため、日本のAV女優が出演する国内メーカーの作品が、権利者の許可なく投稿される例が多いとされる。エスワン ナンバーワンスタイルやMOODYZ、プレステージといった大手メーカーの作品も、海外サイト全般での無断転載の対象として例外ではないとされる。日本のアダルト動画系ブロガーの間でも「日本作品が大量に上がっている」ことが知られており、FANZAやMGS動画で販売されている作品が転載されているという指摘がある。モザイク処理された国内版のほか、モザイクのない動画が混在している点も国内サービスとの大きな違いである。

日本の法律ではどうなるか[編集]

日本の著作権法では、違法にアップロードされた動画と知りながらダウンロードする行為は2010年から違法、2012年からは刑事罰(2年以下の懲役または200万円以下の罰金、またはその併科)の対象になっている。ストリーミング視聴のみであればこの規定の対象外とされるが、SpankBangには公式のダウンロード機能があるため、無断転載された作品をダウンロードすれば、この規定に該当する可能性がある。海賊版サイト全般と同様、「見ること」と「保存すること」で法的な扱いが分かれる。

業界の対応[編集]

日本のアダルトビデオメーカーや業界団体の知的財産振興協会(IPPA)は、海外サイトに対する削除要請などの海賊版対策を続けている。SpankBangにもアメリカのDMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づく削除申請の窓口があり、権利者からの通知で削除される動画もある。ただし、削除されても別のアカウントから再投稿されるケースがあり、MissAVやJable.tv、SupJavなど日本作品を扱う海外サイトや、XVIDEOS・XNXXなどの大手チューブサイトと同じく、根本的な解決には至っていないとされる。

著作権訴訟[編集]

Hydentra対SpankBang(2015年)[編集]

2015年、アメリカのアダルト写真・動画ブランドMetArtの運営会社Hydentra HLP Int. Limitedが、ワシントン州西部地区連邦地裁(シアトル)でSpankBang.comの運営者を訴えた(事件番号2:15-cv-00199)。TorrentFreakの報道によると、訴えの内容は著作権侵害、商標権侵害、不正競争で、「海賊版の動画を掲載し、プレミアム会員制度や多額の広告契約で利益を上げている」と主張していた。損害賠償に加えて、ドメイン名の移転や、ドメイン登録業者(Enom)、プライバシー保護サービス(Whoisguard)、CDN(Cloudflare)への情報開示請求も求めていた。当時のSpankBangは運営者の身元が伏せられていたため、被告は「Spankbang.com」とされた。

AMA Multimedia対SpankBang(2016年)[編集]

2016年には、アメリカのアダルトコンテンツ企業AMA Multimediaも同じシアトルの連邦地裁でSpankBang.comを相手取った訴訟(事件番号2:16-cv-00435)を起こしている。訴状は商標権侵害などを主張する内容として公開されている。

訴訟の結末[編集]

どちらの訴訟も、判決で大きく報じられた形跡は見当たらず、公開情報からは最終的な結末(和解・取り下げなど)ははっきりしない。同時期にHydentraが別のチューブサイト運営者を訴えた訴訟では、2016年にマイアミの連邦地裁が「サイトは受動的なサービス提供者で、通知を受けて削除していた」としてサイト側の勝訴を認めており、ユーザー投稿型サイトの責任を問う難しさが指摘されている。

年齢確認規制への対応[編集]

アメリカの州法[編集]

アメリカでは2023年頃からルイジアナ州、ユタ州、テキサス州などで、アダルトサイトに年齢確認を義務づける州法が相次いで施行された。Pornhubが抗議の意味で複数の州からのアクセスを遮断したことが大きく報じられたが、SpankBangについても2024年7月頃、テキサス州など一部の州からアクセスできなくなった、あるいは別のサイトに転送されるようになったという利用者の報告がある。2026年時点の報道では、テキサス州などでは動画がロックされて見られず、年齢確認法がある25以上の州で同様の措置がとられているとされる。

イギリスのオンライン安全法[編集]

イギリスでは2025年7月25日から、オンライン安全法に基づきアダルトサイトに「高い効果を持つ」年齢確認が義務づけられた。2026年の検証記事によると、SpankBangは英国からのアクセスに対して、年齢確認を済ませるまで動画がロックされる仕組みを導入している。確認方法は、公的身分証、デジタルIDサービス、顔画像による年齢推定など、地域の法律に応じて異なるとされる。英国の通信規制当局Ofcomは2025年9月、「アクセス数上位10のアダルトサイトはすべて英国向けの年齢確認を導入した」と説明しており、英国から完全にアクセスを遮断するのではなく、年齢確認を導入する形で対応したとみられる。

フランス・ドイツ・オーストラリアなど[編集]

同じ検証記事では、フランス、ドイツ、オーストラリアからのアクセスでも年齢確認を済ませるまで動画がロックされるとされる。一方、アメリカの年齢確認法がない州やインドなどでは、「18歳以上ですか」と尋ねるポップアップで入場できる形式だったという。つまりSpankBangは、国や州ごとに法律の要件に合わせて入口を変える「地域別対応」をとっている。

広告面のリスク[編集]

表示される広告の種類[編集]

SpankBangは広告収入を主な収益源としており、無料で見られる代わりに多くの広告が表示される。国内の解説記事や利用者の報告でよく挙がるのは次のような事例である。

  • 再生ボタン付近をタップすると、登録・課金・アプリインストールのページへ転送される。
  • 警告音や全画面表示で「ウイルスに感染した」と表示する偽警告(サポート詐欺型)。
  • 「動画プレーヤーの更新が必要」と称して不審なアプリやソフトのインストールを求める。
  • ブラウザの通知を許可すると、以後スパム通知が届く。
  • 偽の登録・請求画面でカード情報やアカウント情報の入力を求める。

起きること・起きないこと[編集]

偽警告や不正課金の画面の多くは、サイト本体ではなく広告枠やそのリンク先で表示される。画面が出ただけで契約が成立することはなく、表示された連絡先に電話したり、アプリを入れたり、カード情報を入力したりした場合に実際の被害につながる。広告やアクセス解析タグを通じて、IPアドレスや端末情報、閲覧傾向などが収集される点も指摘されている。また、家族と共有している端末では、ブラウザの履歴や予測変換、通知から閲覧がわかってしまうこともある。

有料プランの解約トラブル[編集]

国内のブログのコメント欄には、望まない有料プランの登録を解約するのに手間取ったという声も見られる。有料プランに登録する場合は、SpankBang公式の決済画面か、広告から転送された別サービスの画面かで、請求元や解約方法が異なる。

余談[編集]

  • 商標の書類上では「2011年3月1日から使用」とされているが、商標の出願自体は2018年と、7年近く後になってから行われている。
  • 2015年の訴訟では運営者の身元が不明だったため、被告名が人名や会社名ではなく「Spankbang.com」というドメイン名そのものになっていた。
  • 英語圏のサイトなのにアクセスの国別1位が日本という、ちょっと珍しいサイトである。
  • ナムウィキには、英語以外で検索すると「同じ文字数の全然違う単語」で検索されるという謎の挙動が記録されている。
  • Yahoo!知恵袋では、iPhoneで急に赤い「詐欺サイト」警告が出て驚いたという相談に対し、「翌日には表示されなくなった」という回答も寄せられている。

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