| 豊臣兄弟! BROTHERS IN ARMS | |
|---|---|
| ジャンル | 大河ドラマ、時代劇 |
| 放送期間 | 2026年1月4日 - (放送中) |
| 放送時間 | 日曜 20:00 - 20:45(NHK総合) |
| 放送国家 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 放送局 | NHK総合 |
| 配信 | NHK ONE(同時・見逃し配信) |
| 平均視聴率 | 放送中(初回13.5%) |
| 制作 | |
| 演出 | 渡邊良雄 ほか |
| 制作 | NHK |
| 脚本 | 八津弘幸 |
| 音楽 | 木村秀彬 |
| 出演者 | 仲野太賀、池松壮亮、吉岡里帆、浜辺美波、白石聖、宮﨑あおい、小栗旬 ほか |
| その他 | |
| 原作 | オリジナル |
概要[編集]
豊臣兄弟!(とよとみきょうだい)とは、2026年1月4日からNHK総合で放送されている大河ドラマ第65作である。天下人・豊臣秀吉の弟である豊臣秀長を主人公に、兄弟が尾張の農家から天下統一へ駆け上がる姿を描く。主演は仲野太賀、脚本は八津弘幸が務めるオリジナル作品。
詳細[編集]
大河ドラマで戦国時代が正面から描かれるのは2023年の『どうする家康』以来3年ぶり。これまで秀吉の物語の「脇役」として扱われることが多かった秀長にスポットを当て、「秀長が長生きしていれば豊臣家の天下は安泰だった」と評される人物像を、兄弟の絆と「調整力」を軸に描く成功譚となっている。主人公は幼名の「小一郎」として登場し、第35回「秀長誕生」で「秀長」の名を名乗る展開となった。
英語タイトルは「BROTHERS IN ARMS」。2026年1月26日に発表されたもので、「戦友」を意味する慣用句に、秀長と秀吉が文字どおり戦場を共にした兄弟であることを重ねている。
何話まで・いつまで放送?[編集]
2026年1月から12月まで、年間を通して放送される予定。2026年9月27日放送の第37回「秀長の国」までが放送済み(2026年9月時点)。放送中は2度の休止があり、2月8日は「衆院選開票速報 2026」のため、8月2日は『ダーウィンが来た!』20周年特番のため、それぞれ放送が休止された。近年の大河ドラマは2022年以降全48回前後で推移しているが、本作の最終的な話数は本記事時点で公式に確定した情報を確認できていない。
どこで見れる?[編集]
NHK総合での本放送(日曜夜8時)のほか、BSやBSP4Kでも先行・同時間帯で放送される。ネットでは「NHK ONE」で同時配信・見逃し配信が行われている。海外向けには後述のとおり複数の配信・放送ルートが用意された。
制作[編集]
企画・発表[編集]
2024年3月12日、東京・渋谷のNHK放送センターで制作発表が行われ、2026年の大河ドラマが『豊臣兄弟!』に決まったこと、主人公・秀長役に仲野太賀が起用されることが明らかになった。仲野は「これまであまりフィーチャーされてこなかった豊臣秀長」という役の自由度に触れ、「最高に面白い大河ドラマを作りたい」と意気込みを語った。
脚本の八津弘幸は1999年に脚本家デビューし、『半沢直樹』『下町ロケット』『陸王』などのヒット作で知られる。NHKでは連続テレビ小説『おちょやん』やドラマ『家康、江戸を建てる』を手がけており、発表時には「若い人たち、子どもたちにも楽しんでもらえたら」とコメントしていた。
なお仲野本人は、主演決定を映画『十一人の賊軍』のロケ帰りの車中でマネージャーから紙を渡されて知ったといい、「漫画でよくある丸・バツ・四角が口から出た感じになった」と振り返っている。
撮影[編集]
2025年6月5日、山形県寒河江市の慈恩寺でクランクイン。最初に撮影されたのは、8年ぶりに故郷へ戻った藤吉郎(秀吉)が小一郎に「清須で一緒に侍になろう」と誘う場面だった。仲野は「これから1年半の撮影がより楽しみになった」、秀吉役の池松壮亮は「感慨深い」とコメントしている。
音楽・語り・ビジュアル[編集]
音楽は木村秀彬。テーマ曲はNHK交響楽団の演奏、沼尻竜典の指揮で2025年11月にNHK放送センターで録音された。木村は「若々しいエネルギー、農民出身の土っぽさ、上昇志向」を込めたと説明しており、アップテンポな曲調に和の旋律や祭りのような明るさ、兄弟が東奔西走する様子を表す足踏み(ストンプ)風の打楽器が取り入れられている。
語りは安藤サクラ。2025年11月の発表時には、初めて冒頭映像を見た際に「太賀くんの躍動感と安心感に心震えて涙がでました」とコメントした。また第3回から、冒頭のアバンタイトルでNHKアナウンサーの谷口慎一郎による男性ナレーションが入るようになり、「語りが替わった?」と視聴者を驚かせたが、クレジットで「アバンタイトルナレーション」と「語り」は別枠であることが判明している。
キービジュアルは写真家の川島小鳥とアートディレクターの坂脇慶が制作。天気雨の中で兄弟が笑う一枚で、作品のポジティブな世界観を打ち出した。
キャスト変更[編集]
小一郎の幼なじみ・直(なお)役には当初永野芽郁が発表されていたが、2025年に出演を辞退。NHKは同年5月22日、代役として白石聖の起用を正式発表した。放送開始後、白石の直は「違和感ない」「めっちゃハマり役」と好意的に受け止められる一方、物語上の退場が早かったことから、一部では脚本変更を推測する声も上がった。
あらすじ[編集]
※ここでは放送済みの範囲を、史実に沿った大筋のみ記す。
尾張編[編集]
尾張中村の貧しい農家に生まれた小一郎は、田畑を耕して土と共に生きる暮らしに満足していた。そこへ8年ぶりに兄・藤吉郎が帰郷し、織田信長に仕える侍になろうと誘う。第1回「二匹の猿」(15分拡大)で始まった物語は、第4回「桶狭間!」で兄弟初の大戦である桶狭間の戦いを迎える。藤吉郎は寧々と夫婦になり、第8回「墨俣一夜城」では美濃攻略の拠点づくりに挑む。
上洛・浅井朝倉編[編集]
兄弟は知恵者・竹中半兵衛を調略して味方につけ、信長は美濃を攻略して上洛を果たす。信長の妹・お市は浅井長政に嫁ぐが、やがて浅井・朝倉と織田の対立が深まり、朝倉攻めからの命がけの撤退戦(第14回「絶体絶命!」)、姉川の戦い、比叡山焼き討ち、小谷城の落城へと物語が進む。小一郎は第13回で慶をめとる。
長浜・中国攻め編[編集]
秀吉は織田家の重臣に取り立てられ長浜城を築く(第18回「羽柴兄弟!」)。第21回「風雲!竹田城」では小一郎が初めて総大将として城攻めを担当。荒木村重の謀反や黒田官兵衛の幽閉を経て、第23回「さらば半兵衛」で竹中半兵衛が世を去る。
本能寺の変から天下取りへ[編集]
第27回「本能寺の変」(7月12日放送)で明智光秀が信長を討ち、秀吉は「中国大返し」で京へ急行して光秀を破る。続く清須会議、賤ヶ岳の戦い、北庄城でのお市と柴田勝家の最期までを8月中に描いた。
家康との対決・四国・大和編[編集]
9月からは徳川家康との対立が本格化し、小牧・長久手の戦いが描かれる。第35回「秀長誕生」で小一郎が「秀長」を名乗り、第36回「姫若子と鬼若子」では長宗我部元親との四国攻めで秀長が総大将を任される。四国平定の恩賞として大和を与えられた秀長は、第37回「秀長の国」で郡山を拠点に大和の統治に乗り出し、年貢の適正化をめぐって強大な寺社勢力と向き合うことになる。
史実の秀長は1591年(天正19年)に病没しており、第37回で「あと5年」を意識させる台詞が出た際には視聴者から悲鳴が上がった。
キャスト[編集]
豊臣家[編集]
| 役名 | 俳優 |
|---|---|
| 小一郎/豊臣秀長(主人公) | 仲野太賀 |
| 藤吉郎/豊臣秀吉(兄) | 池松壮亮 |
| 慶(ちか)(秀長の妻) | 吉岡里帆 |
| 寧々(秀吉の妻) | 浜辺美波 |
| 直(なお)(小一郎の幼なじみ) | 白石聖 |
| なか(兄弟の母) | 坂井真紀 |
| とも(兄弟の姉) | 宮澤エマ |
| あさひ(兄弟の妹) | 倉沢杏菜 |
織田家とその周辺[編集]
- 織田信長:小栗旬
- お市:宮﨑あおい
- 前田利家:大東駿介
- 柴田勝家:山口馬木也
- 明智光秀:要潤
- 丹羽長秀:池田鉄洋
- 佐々成政:白洲迅
- 浅井長政:中島歩
羽柴家臣団[編集]
- 竹中半兵衛:菅田将暉
- 黒田官兵衛:倉悠貴
- 石田三成:松本怜生
- 藤堂高虎:佳久創
- 加藤清正:伊藤絃
その他の武将[編集]
- 徳川家康:松下洸平
- 朝倉義景:鶴見辰吾
- 武田信玄:高嶋政伸
- 長宗我部元親:磯部寛之
- 太田垣輝延(竹田城主):中野英雄(第21回)
視聴率[編集]
視聴率はいずれもビデオリサーチ調べ・関東地区の報道値。
初回(1月4日)は世帯13.5%、個人8.2%を記録し、前作『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』の初回12.6%を上回った。第2回から第3回にかけて12.2%→12.9%と数字が上がる「逆転現象」も起き、近年の大河では珍しいとして報じられた。
夏以降は緩やかな下降傾向となり、第33回(8月30日)で9.2%と初めて1桁に。第35回は9.9%、第36回(9月20日)は10.1%(個人5.9%)で2桁に戻したが、第37回(9月27日)は9.4%(個人5.6%)だった。第37回時点で各回の報道値を平均すると11%台前半とする集計もある。ただし近年は見逃し配信やBSでの視聴が増えており、地上波の世帯視聴率だけでは視聴の実態を測りにくい点もしばしば指摘される。
話題になった点[編集]
初回冒頭のアニメ演出[編集]
第1回の冒頭には、サブタイトル「二匹の猿」にちなんだ約1分のアニメーション演出が挿入され、大河らしからぬ幕開けとしてネットで驚きの声が上がった。
小栗旬の信長[編集]
小栗旬の信長は、首を傾ける独特の仕草などが注目を集め、小栗自身が視聴者の反応も役作りに反映させたと語っている。一方で存在感の強さから「主人公が脇役みたい」という声や、アドリブを交えた演技に対して史実との距離を問う賛否も報じられた。信長が兄弟に託した草履が後の回で絆の象徴として回収される演出は「感動のロングパス」と話題になった。
菅田将暉の半兵衛[編集]
第23回で描かれた竹中半兵衛の最期は、「見事な死に顔」「あまりに美しい」と菅田将暉の演技に称賛が集まった。
同情を集めた光秀[編集]
第27回「本能寺の変」では、足利義昭から「もう、わしを巻き込むな」と突き放され追い詰められていく光秀像に「気の毒」「あまりにも不憫」と同情が集まった。その一方で「動機が薄すぎではないか」という指摘もあり、評価は割れた。光秀役の要潤がSNSに投稿した「2文字」も話題となった。
時代考証[編集]
時代考証は、駿河台大学教授で『真田丸』の考証も担当した黒田基樹と、『どうする家康』の考証を務めた柴裕之の2人。近年の研究成果が積極的に取り入れられており、主な例として以下が挙げられる。
- 秀吉と寧々の結婚時期 ― 従来の通説(永禄4年)ではなく、永禄8年とする新説を採用。秀吉が織田家中で一定の地位を得てからの結婚という位置付けになった。
- 兄弟の生家 ― 貧農というイメージに対し、「古びてはいるが広い家」として描写。父の死後に没落した村の有力者層の家だったとする研究を反映したもの。
- 桶狭間の戦い ― 今川義元の上洛戦という古い図式ではなく、信長側から仕掛けた戦いとする近年の見方を取り入れた。
- 墨俣一夜城 ― 考証陣も「発想に驚いた」と語るドラマならではの解釈で描かれた。
考証陣は秀長について、他大名との取次をほぼ一手に担い、別働隊を率いて戦い続けた人物であり、秀吉の天下統一の「半分」を担ったとも言える存在と評している。
舞台の地域[編集]
放送に合わせて、兄弟ゆかりの3か所に「大河ドラマ館」が開設された。
- 名古屋会場 ― 兄弟生誕の地とされる名古屋市中村区の中村公園内に「豊臣ミュージアム」を整備し、「豊臣兄弟! 名古屋中村 大河ドラマ館」として2026年1月24日から2027年1月11日まで開館。衣装や小道具の展示に加え、「戦国めし」と現代の名古屋めしを結び付けた展示もある。
- 長浜会場 ― 秀吉が初めて城持ち大名となった滋賀県長浜市の長浜別院大通寺総会所で、「豊臣兄弟! 北近江長浜 大河ドラマ館」として2026年2月1日から12月20日まで開館。
- 大和郡山会場 ― 秀長が晩年に居城とした奈良県大和郡山市のDMG MORIやまと郡山城ホールで、「豊臣兄弟! 大和郡山 大河ドラマ館」として2026年3月2日から2027年1月22日まで開館。
第37回で物語の舞台が大和に移ると、奈良県民からは「いよいよ奈良編」「ついに来た」と歓迎の声が上がった。このほか、クランクインの地となった山形県寒河江市の慈恩寺も撮影ゆかりの地として知られる。
海外の反応[編集]
英語タイトル「BROTHERS IN ARMS」の発表と同時に海外展開も明らかにされ、日本国外向けのNHKワールド・プレミアム、台湾のLINE TV、Hami Video、MODでの配信、米国のケーブル局NGNでの放送が決まった。海外向けのプロモーション映像も公式サイトとSNSで公開されている。
英語圏の日本史ファン向けメディアでは、秀吉の物語で何度も描かれてきた戦国時代を、成功の鍵を握った弟の視点から描く点に期待を寄せる紹介記事が出た。英字紙「ジャパンタイムズ」も放送開始前に、大河ドラマが戦国時代のスペクタクルに回帰する作品として取り上げている。一方で、アジアドラマの国際的なレビューサイトMyDramaListではウォッチ登録が数百件規模にとどまり、2026年9月時点でユーザー評価やレビューはほとんど集まっていない。韓国ドラマや配信オリジナル作品に比べると、海外での認知はまだ日本史ファン中心の限られた範囲にとどまっているといえる。
余談[編集]
- 主演の仲野太賀の名前は、父で俳優の中野英雄が「大河ドラマに出られるように」と願い、字を変えて「太賀」と名付けたものとされる。父の約30年越しの願いが、息子の大河主演という形で実現した。
- その父・中野英雄も第21回に竹田城主・太田垣輝延役で出演し、小一郎が初めて総大将として攻める城の城主として親子共演を果たした。中野は当初「作品の邪魔になる」と迷ったが、息子に「やってよ」と背中を押されたという。
- 仲野は2011年の大河『江〜姫たちの戦国〜』で豊臣秀頼を演じたことがあり、15年後に秀頼の叔父にあたる秀長を演じることになった。
- キービジュアルを撮影した川島小鳥は、仲野と以前から写真連載でコラボしてきた写真家でもある。
- 第37回では興福寺一乗院の僧・磐覚役で坂口涼太郎が登場し、2年連続の大河ドラマ出演となった。