諏訪部順一
Junichi Suwabe
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台湾・第20回漫画博覧会(2019年)の「歴代名師サイン展」に展示された、『黒子のバスケ』出演声優としての諏訪部のサイン色紙(出典:ウィキメディア・コモンズ、Solomon203撮影、パブリックドメイン)
本名 諏訪部順一
誕生日 1972年3月29日
年齢 54歳
出身地 東京都
国籍 日本
ジャンル 声優、ナレーター、ラジオパーソナリティ
血液型 A型
事務所 東京俳優生活協同組合(俳協)
代表作 『テニスの王子様』跡部景吾、『呪術廻戦』両面宿儺、『僕のヒーローアカデミア』相澤消太、『黒子のバスケ』青峰大輝、『BLEACH』グリムジョー・ジャガージャック、『Fate/stay night』アーチャー、『ユーリ!!! on ICE』ヴィクトル・ニキフォロフ
関連活動 謎の新ユニットSTA☆MEN(リーダー)、フェロ☆メン(鳥海浩輔とのユニット)、UNLIMITED MOTOR WORKS
その他 第7回・第12回声優アワード助演男優賞、第13回同パーソナリティ賞、第17回同富山敬賞
リンク X(@MY_MURMUR)


概要[編集]

諏訪部順一(すわべ じゅんいち)とは、東京都出身の声優・ナレーターである。『テニスの王子様』の跡部景吾でブレイクし、『呪術廻戦』の両面宿儺、『僕のヒーローアカデミア』の相澤消太など、色気と凄みを兼ね備えた低音ボイスで20年以上第一線を走り続けている。東京俳優生活協同組合(俳協)所属。

詳細[編集]

図書館に入り浸る推理小説少年[編集]

1972年3月29日、東京都生まれ。幼少期は団地で育ち、親いわく幼稚園に入る前から字が読めていたという早熟な子どもだった。小学校の夏休みは朝から晩まで図書館にこもり、江戸川乱歩、横溝正史、シャーロック・ホームズといった推理小説を片っ端から読みふけっていた。小・中学校では放送委員を務めており、「声を使って何かを伝える」ことへの縁は、このころから始まっていたとも言える。妹が一人いる。

テレビっ子としては特撮の洗礼もばっちり受けており、『ザ☆ウルトラマン』『ウルトラマン80』をリアルタイムで視聴。シリーズの中では『ウルトラセブン』と『ウルトラマンレオ』がとくに好きだと公言している。

演出家志望の映画青年[編集]

高校・大学時代は映画制作サークルに所属し、8mmフィルムで自主映画を撮っていた。作風は『世にも奇妙な物語』のようなミステリー寄りだったという。もともと目指していたのは役者ではなく演出家で、演技を学び始めたのも「演技経験のない出演者に、こう演じてほしいと示すため」という裏方目線の理由だった。

ただ、映像制作で食べていくのは厳しいと判断し、大学卒業後は一般企業に就職。映画関連の商社、技術制作会社のカメラアシスタント、出版社、マルチメディア系企業と、映像や出版の周辺を渡り歩いた。

会社員と養成所の二刀流[編集]

会社勤めを続けながら、「平日は会社、土曜は養成所」という生活を約1年続け、俳協ボイスアクターズスタジオ第8期生として学んだ。修了後、「せっかくだから」とプロダクション所属を決意し、東京俳優生活協同組合に所属。しばらくは兼業で声の仕事をこなしていたが、両立が厳しくなって会社を辞め、声一本の道を選んだ。

親はこの転身に強く反対しており、諏訪部は「3年以内に声の仕事だけで食べていけるようにならなければやめる」(サラリーマンの年収を超えられなければやめる)と宣言して背水の陣で挑んだ。

ナレーターとしての下積み[編集]

キャリアの初期はアニメではなく、ナレーターとラジオDJが中心だった。20代のうちからゴールデン帯を含む多くのテレビ番組やCMのナレーションを担当し、テレビ東京『シネマ通信』、テレビ朝日『シネマエクスプレス』といった映画情報番組の声も長年務めた。映画少年がそのまま映画を紹介する声になったわけである。

ナレーションが軌道に乗り始めたころ、交通事故で肋骨を3本折ったことがあるが、仕事に穴を開けまいと激痛に耐えながら収録を続けたという。一方で本人は、この時期のことを「井戸に石を落としても、いつまでたっても水音が返ってこない」ような感覚だったと振り返っている。視聴者の反応が見えない仕事を5年ほど続けたあと、アニメの仕事が増えて現場の仲間と作品を作るようになり、「自分が欲していたのはコミュニケーションだった」と気づいたと語っている。

跡部景吾でブレイク[編集]

転機となったのは、2001年放送開始のテレビアニメ『テニスの王子様』で演じた跡部景吾(氷帝学園中等部テニス部部長)である。圧倒的な自信家で、指パッチンと「俺様の美技に酔いな」に象徴される唯我独尊キャラは、諏訪部の艶のある低音と完璧に噛み合い、主人公を食う勢いの人気キャラクターになった。

その人気ぶりを示すのが、2005年3月30日に跡部景吾名義でリリースされたシングル『理由/E気持』である。オリコン週間チャートで初登場9位を記録し、男性キャラクターソングとして初めてオリコンTOP10入りを果たした。キャラソン文化が今ほど一般的でなかった時代に、アニメキャラの名義でチャート上位に食い込んだのは事件だった。

跡部役はその後も劇場版3作、OVA5シリーズ、続編『新テニスの王子様』へと続き、2026年には『新テニスの王子様 U-17 WORLD CUP 決勝メンバー決定戦』でも跡部を演じている。20年以上同じキャラを担当し続けている、まさにライフワーク級の当たり役である。

両面宿儺と「呪術廻戦」[編集]

オーディションは「出たとこ勝負」[編集]

近年の代表作として外せないのが、MAPPA制作のアニメ『呪術廻戦』の両面宿儺である。主人公・虎杖悠仁の体に宿る「呪いの王」という難役で、制作側からの指名と誤解されることもあるが、実際はオーディションを経て決まった役である。

本人はインタビューで、宿儺を「本当に難しい役」と表現している。オーディションの時点でも明確なイメージがつかめず、悩んでも答えが出なかったため「出たとこ勝負」で臨んだと明かしており、放送後に好評を得てホッとしたという。

原作を読み込み、解釈は視聴者に委ねる[編集]

演じるにあたっては、できる限り原作を読み込んで考察し、自分の中のイメージを具体的にしながら芝居をしている。ただし、その解釈が正解かどうかは今でもわからないと語っており、作中のセリフの真意について聞かれても「視聴者の解釈をリードするようなことはしたくない」として自分の答えを明かさない姿勢を貫いている。

アニメのオンエアは必ずリアルタイムで見るほか、SNSのハッシュタグで視聴者の反応をリサーチしてキャラクターの解像度を上げているという。声優の仕事について「役に魂を入れるというより、絵の動きに寄り添うかたちで音を乗せる」ものだと捉えているのも諏訪部らしい職人観である。

死滅回游、そして第4期へ[編集]

アニメ第3期『呪術廻戦 死滅回游 前編』は2026年1月から放送され、宿儺の出番もますます増加。テレビ放送に先駆けて、2025年11月には劇場で『渋谷事変 特別編集版×死滅回游 先行上映』も公開された。さらにイベント「じゅじゅフェス2026」では続く第4期のビジュアルが解禁され、水中から鋭い視線を向ける宿儺が描かれた。ポッドキャスト『呪術廻戦 じゅじゅとーく ニキ』にも出演している。

アニメ!アニメ!が2026年3月29日の誕生日に合わせて実施した「好きなキャラクター」アンケート(回答503件)では、宿儺が2年ぶりに1位に返り咲き、僅差で跡部景吾が2位、相澤消太が3位に入った。

主な出演作[編集]

テレビアニメ[編集]

跡部と宿儺以外にも、看板級のキャラクターを数多く担当している。

  • 『僕のヒーローアカデミア』相澤消太(イレイザーヘッド):スピンオフ『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』でも2025年・2026年(第2期)に同役を担当。
  • 『黒子のバスケ』青峰大輝
  • 『BLEACH』グリムジョー・ジャガージャック
  • 『Fate/stay night』アーチャー(劇場版『Heaven's Feel』3部作でも担当)
  • 『黒執事』葬儀屋(アンダーテイカー)
  • 『うたの☆プリンスさまっ♪』神宮寺レン
  • 『ユーリ!!! on ICE』ヴィクトル・ニキフォロフ
  • 『ONE PIECE』ヴェルゴ、緑牛(アラマキ)
  • 『ブラッククローバー』ヤミ・スケヒロ
  • 『食戟のソーマ』葉山アキラ
  • 『魔法科高校の劣等生』十文字克人
  • 『キン肉マン 完璧超人始祖編』グリムリパー

2025年〜2026年の主な新作[編集]

50代に入っても出演本数はまったく落ちていない。2025年は『天久鷹央の推理カルテ』成瀬隆哉、『真・侍伝 YAIBA』宮本武蔵、『サイレント・ウィッチ 沈黙の魔女の隠しごと』ルイス・ミラーなどに出演。2026年は『地獄楽』第2期の天仙、『黄泉のツガイ』ジン、『とんがり帽子のアトリエ』イースヒース、『終末のワルキューレIII』ヘルメス、『違国日記』笠町信吾、『MFゴースト 3rd Season』赤羽海人、『パンどろぼう』パンやのおじさんなど、ジャンルを問わない幅広い役柄で名前が並ぶ。2027年以降の放送予定作品として『姫騎士様のヒモ』マシュー役なども発表済みである。

2026年3月には「AnimeJapan 2026」で『僕のヒーローアカデミア』×『ヴィジランテ』のステージにも登壇した。

ゲーム[編集]

  • 『ファイナルファンタジーX』『X-2』シーモア=グアド
  • 『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』ツォン
  • 『ストリートファイターIV』バルログ
  • 『鉄拳』シリーズ ラース・アレクサンダーソン
  • 『Fate/Grand Order』エミヤ、ジークフリート
  • 『クッキーラン:キングダム』ダークチョコクッキー

吹き替え[編集]

洋画・海外ドラマの吹き替えでも常連で、韓国の俳優コン・ユの声を多く担当しているほか、レイ・フィッシャー(DC映画のサイボーグ役)、マハーシャラ・アリ、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世、トム・ハーディらを担当。

なかでも話題になったのが、トム・ハーディ主演のマーベル映画『ヴェノム』(2018年)の主人公エディ・ブロック役である。作品名を伏せられたままボイステストを受け、合格後に『ヴェノム』だと知らされたという。本人は文春オンラインのインタビューで、映画が大好きで学生時代は8mmで自主映画を撮っていたこと、映画館は自分にとって特別な場所であることを語っている。

音楽・ユニット活動[編集]

謎の新ユニットSTA☆MEN[編集]

2002年11月に結成された7人組の声優ユニット「謎の新ユニットSTA☆MEN」では、リーダーを務めた。結成のきっかけは飲み会での思いつきで、酒の勢いで盛り上がった話を本人が冗談半分でホームページに告知したところ、予想外の反響を呼んで本当に活動が始まってしまったという。2013年からは無期限の活動休止に入っている。

フェロ☆メン[編集]

2009年3月25日には、声優の鳥海浩輔と2人組ユニット「フェロ☆メン」を結成。ユニット名どおりの濃厚な色気を前面に出したコンセプトで、複数のシングルがオリコン6位〜9位にランクインした。

作詞・作曲も手がける[編集]

歌うだけでなく、作り手としての顔も持つ。斎賀みつきの2ndアルバムに収録された「君想うシプレ」の作詞を提供したほか、跡部景吾名義、乙女番長、乙JAPAN、フェロ☆メン名義の楽曲で作詞を担当。ドラマCD『ガッツバトラーG』の主題歌では作曲まで手がけた。演出家志望だった過去を思えば、表現の「作る側」に回るのは自然な流れなのかもしれない。

ラジオとトーク[編集]

ナレーターとラジオDJから出発しただけあって、トーク力の評価はとにかく高い。声優の石川英郎と長年続けているラジオ『ロンハールーム』は、1時間まるごとフリートークという構成で、2017年には放送500回突破記念の公開録音「ロンハーEXPO 2017」も開催された。このほか「諏訪部順一のひとてまラジオ!!」(『A&G TRIBAL RADIO エジソン』内)、『諏訪部順一の週刊オジサーチ』など多数の番組でパーソナリティを務めてきた。

アニメ!アニメ!の「ラジオパーソナリティをやってほしい声優」アンケートでも常連で、2026年7月発表の回では4位にランクイン。読者からは「話題が豊富で、出演作の深掘りだけでなくスポーツや時事ネタまでリスナーを飽きさせない」と評価されている。2019年の第13回声優アワードでパーソナリティ賞を受賞したのも納得である。

また、カードゲーム『バトルスピリッツ』の大ファンとしても有名で、アニメ『バトルスピリッツ』シリーズには7作連続で出演。2011年1月からはネットラジオ番組内で「バトスピ大好き声優の生放送!」がレギュラーコーナー化した。

SNSと私生活[編集]

X(@MY_MURMUR)[編集]

X(旧Twitter)のアカウントは@MY_MURMURで、2009年10月から利用している。フォロワーは約140万人にのぼる一方、フォロー数は0という硬派な運用。プロフィールでは、声の仕事を中心にしつつ、気づけば書く・描く・録る・撮る・企むと何でも屋のようになっている、という趣旨の自己紹介をしている。

料理が趣味で、自作の料理をたびたびXに投稿している。好物はカレーで、「美味しければ何でも食べる派」。作ってもらった料理に文句は言わない主義だという。

愛犬ゼロ[編集]

長年、スムースコートチワワ(ブラックタン)の愛犬ゼロと暮らしており、ファンにもおなじみの存在だった。血統書上の名前は「ウォールポール」。ゼロは2020年1月29日に老衰で旅立った。

クルマ好き[編集]

声優業界屈指のカーマニアとしても知られ、クルマ映像企画シリーズ『UNLIMITED MOTOR WORKS』(スワベジュンイチpresents.)を展開。2021年公開の第2弾では、相棒の三木眞一郎に加えて「社長声優」こと鈴村健一をゲストに迎え、「社長にふさわしいクルマ」を本気でプレゼンする企画が配信された。

健康面[編集]

体型については「肥えやすい」体質だとして定期的に節制を心がけている。タバコは生まれてから一度も吸ったことがない。胃カメラは苦手。2022年1月には新型コロナウイルスへの感染を公表した。

2023年12月8日、医師の勧めによる手術のため2024年1月の仕事を休むと発表。同月11日に退院し、1月22日に仕事復帰した。のちに耳下腺腫瘍の手術だったことを明かしている。休養発表の際には、仕事や生活習慣による深刻な問題ではなく、不安の種を取り除くための手術だと説明し、ファンを安心させた。

受賞歴[編集]

  • 2012年:第6回声優アワード 歌唱賞(『うたの☆プリンスさまっ♪』ST☆RISHとして)
  • 2013年:第7回声優アワード 助演男優賞
  • 2017年:テレビ番組『人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙!3時間SP』で14位
  • 2017年:Yahoo!検索大賞2017 パーソンカテゴリー声優部門賞
  • 2018年:第12回声優アワード 助演男優賞
  • 2019年:第13回声優アワード パーソナリティ賞
  • 2023年:第17回声優アワード 富山敬賞

炎上とバズ[編集]

2017年、『声優総選挙』で14位にランクインした際のお礼ツイートで、お笑い芸人サンシャイン池崎の持ちネタを肉声でパロディした音声を投稿。普段の低音イケボとのギャップが大ウケして爆発的に拡散され、Twitter Japanの「2017年話題になったツイート(1〜3月)」や「2017年もっとも使われたアカウント:声優」でトップに輝いた。同年はYahoo!検索大賞の声優部門賞も受賞しており、ネット上での存在感が際立った一年だった。

余談[編集]

  • 1995年3月20日、通勤に営団地下鉄日比谷線を使っていたが、この日はたまたま出勤が遅れたため地下鉄サリン事件に巻き込まれずに済んだという。
  • 呼ばれ方には明確な好みがあり、あだ名や「様」付け、下の名前で呼ばれるのは苦手で、「諏訪部さん」と苗字にさん付けで呼ばれたいと公言している。跡部「様」を演じる本人が様付けNGというのはちょっと面白い。
  • 高校時代からのTM NETWORKファン。
  • 人生観は「嫌いより好きが多い方が楽しい」。苦しい思い出より楽しい思い出が多い人生を目指しているという。
  • 若い世代へのメッセージとして「迷っている暇があったら走れ」という言葉を贈っている。
  • 履かなくなったスニーカーは事務所のスタッフに譲ることがあるとされる。

外部リンク[編集]

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