| Mariya Takeuchi たけうち まりや | |
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![]() 11年ぶりの全国アリーナツアー「souvenir2025」時の竹内まりや(2025年6月。出典:Real Sound) | |
| 誕生日 | 1955年3月20日 |
| 年齢 | 71歳 |
| 出身地 | 島根県簸川郡大社町(現・出雲市) |
| 国籍 | 日本 |
| 家族 | 夫・山下達郎(ミュージシャン)、長女 |
| 学歴 | 慶應義塾大学文学部 |
| 職業 | シンガーソングライター、歌手、作詞家、作曲家 |
| 肩書 | 「シティポップの女王」として海外でも知られる |
| 活動期間 | 1978年 - |
| 代表的な実績 | 「SEPTEMBER」(1979年)、「不思議なピーチパイ」(1980年)、「プラスティック・ラブ」(1984年)、「シングル・アゲイン」(1989年)、「純愛ラプソディ」(1994年)、「カムフラージュ」(1998年)、「いのちの歌」(2008年) |
| 受賞 | 日本レコード大賞 最優秀アルバム賞(2014年『TRAD』)、芸術選奨文部科学大臣賞(2019年)、日本レコード大賞 特別賞(2019年) |
| 事務所 | スマイルカンパニー |
| 関連活動 | Peach & Apricot(杏里とのユニット) |
| 別名 | Miyabi(作詞作曲時のペンネーム) |
| あだ名 | まりやさん |
| その他 | レーベルはワーナーミュージック・ジャパン(MOON) |
| リンク | 公式サイト |
概要[編集]
竹内まりや(たけうち まりや、1955年3月20日 - )とは、島根県出雲市(旧大社町)出身の日本のシンガーソングライターである。1978年にデビューし、「SEPTEMBER」「不思議なピーチパイ」でブレイク。1982年に山下達郎と結婚してからは作家としても活躍し、中森明菜「駅」や河合奈保子「けんかをやめて」を生んだ。1984年の「プラスティック・ラブ」は2017年以降、YouTube経由で世界的なシティポップ再評価の象徴となった。
詳細[編集]
出雲の老舗旅館の娘[編集]
生まれは出雲大社のすぐそば。実家は1877年創業の老舗旅館「竹野屋旅館」で、父は旅館を継ぐ傍ら大社町の町長も務めた人物である。旅館の娘として育った少女は洋楽、とりわけビートルズに夢中になり、高校在学中の1972年にはAFS交換留学生としてアメリカ・イリノイ州の高校に1年間留学した。英語の歌が自然に口をついて出る独特のセンスは、このころに磨かれたものとされる。
帰国後は慶應義塾大学文学部(英米文学専攻)に進学し、音楽サークルでコーラスやボーカルを担当。この大学時代の音楽仲間とのつながりから杉真理のレコーディングに参加したことがデビューのきっかけになった。筋金入りの洋楽好きの学生が、音楽仲間の縁でプロの世界に入った形である。
アイドル扱いからの「休業」[編集]
1978年11月25日、RCAレーベルからシングル「戻っておいで・私の時間」とアルバム『BEGINNING』で23歳でデビュー。翌1979年の「SEPTEMBER」がロングヒットとなり、日本レコード大賞の新人賞などを受賞した。1980年には資生堂のCMソング「不思議なピーチパイ」が大ヒットし、アルバム『LOVE SONGS』はオリコン週間アルバムランキングで3週連続1位を獲得した。
しかし当時の売り出し方はほぼアイドル歌手で、テレビの歌番組や取材に追われる日々だった。本人はのちにこの時期を「ストレスが大きかった」と振り返っており、喉の不調と疲労も重なって1981年末に休養を宣言する。ここで一度キャリアを止めたことが、のちの「作家・竹内まりや」誕生につながっていく。
「作家」としての再出発[編集]
1982年4月6日、音楽仲間だった山下達郎と結婚。表舞台を離れた期間に、他の歌手への楽曲提供を本格化させた。代表例が河合奈保子の「けんかをやめて」(1982年)で、三角関係に揺れる女の子の心を描いた歌詞は大きな話題を呼んだ。その後も中森明菜、中山美穂、松田聖子、岡田有希子、薬師丸ひろ子、広末涼子、松たか子など、時代ごとのトップ歌手に曲を書き続けている。
1984年、山下達郎も所属したMOONレーベルへ移籍し、全曲を自作した復帰アルバム『VARIETY』を発表。プロデュースは山下達郎が全面的に担当し、同作はオリコン1位を獲得した。ちょうど第1子の出産とリリース時期が重なり、本人がほとんどプロモーションできない状況でのヒットだった。この作品で、彼女は「シンガーソングライター竹内まりや」として完全に生まれ変わった。
「プラスティック・ラブ」の世界的バズ[編集]
『VARIETY』収録の「プラスティック・ラブ」は、1985年3月25日に12インチシングルとしてもリリースされたが、当時のオリコン最高位は86位と、決してヒット曲ではなかった。ところが2010年代、ヴェイパーウェイヴやフューチャー・ファンクといった80年代日本の音楽をサンプリングするネット発のジャンルで日本のシティポップが掘り起こされ、原曲にも注目が集まり始める。
決定打になったのが、2017年7月に海外ユーザーがYouTubeへ投稿した約8分の非公式音源だった。YouTubeのおすすめ機能に乗って世界中で拡散し、再生回数は2018年に2400万回、その後5000万回超にまで膨らんだ。Google Trendsでは2017年夏ごろから「takeuchi mariya」の検索が急上昇し、特に韓国での伸びが大きかったという。サムネイルに使われた1980年のシングル写真の美しさも、拡散の一因とされる。この動画はのちに著作権の申し立てで削除されたが、ブームは止まらず、2019年5月にはワーナーミュージック・ジャパンが初の公式MV(ショート版)を公開。2020年11月には公式ストリーミング配信も解禁された。
経歴[編集]
1955年 - 1977年:生い立ちと留学[編集]
1955年3月20日、島根県簸川郡大社町(現在の出雲市大社町)に生まれる。実家は出雲大社の門前にある竹野屋旅館。1970年に島根県立大社高校へ入学し、在学中の1972年にAFS交換留学生として渡米した。帰国後、慶應義塾大学文学部英文学科に入学。大学では音楽サークルに参加し、歌い手としての活動を始めた。
1978年 - 1981年:デビューとブレイク[編集]
1978年11月25日、RCAからシングル「戻っておいで・私の時間」とアルバム『BEGINNING』でデビュー。1979年には2ndアルバム『UNIVERSITY STREET』を発表し、8月発売の「SEPTEMBER」が約半年にわたってチャートに入るロングヒットとなった。同年は東京音楽祭のシルバー・カナリー賞や日本レコード大賞の新人賞など、新人賞を次々と受賞している。
1980年には「不思議なピーチパイ」が大ヒットし、アルバム『LOVE SONGS』は3週連続でオリコン1位を記録。1981年にアルバム『PORTRAIT』を発表したが、多忙と体調不良から同年末に休養を宣言した。
1982年 - 1990年代:結婚と黄金期[編集]
1982年に山下達郎と結婚し、作家活動を本格化。1984年にMOONレーベルからシングル「もう一度」とアルバム『VARIETY』を発表し、アルバムはオリコン1位・30万枚超のヒットとなった。同年に長女が誕生している。
1986年には中森明菜のアルバム『CRIMSON』に「駅」などの楽曲を提供し、翌1987年のアルバム『REQUEST』で「駅」をセルフカバー。『REQUEST』はオリコン1位を獲得し、約3年かけてミリオンセラーに到達した。
1989年には日本テレビ系『火曜サスペンス劇場』の主題歌「シングル・アゲイン」がロングヒットし、1990年の「告白」も同番組の主題歌として話題に。1992年のアルバム『Quiet Life』は発売と同時にミリオンを記録し、日本レコード大賞のベストアルバム賞を受賞した。1994年には自身最大のシングルヒットとなる「純愛ラプソディ」を発表し、同年のベストアルバム『Impressions』は350万枚以上を売り上げる国民的作品となった。
1995年のケンタッキーフライドチキンのクリスマスソング「今夜はHearty Party」では、SMAPの木村拓哉がコーラスで参加したことでも話題に。1997年には広末涼子のデビュー曲「MajiでKoiする5秒前」を手がけ、1998年にはTBS系ドラマ『眠れる森』の主題歌「カムフラージュ」で自身初のオリコン週間シングル1位を獲得した。
2000年 - 2018年:18年ぶりのステージとロングセラー[編集]
2000年、約18年ぶりとなる本格的なコンサートを日本武道館と大阪城ホールで開催し、約2万5000人を動員した。2001年のアルバム『Bon Appetit!』はミリオンセラー、2003年の『Longtime Favorites』、2007年の『Denim』もそろってオリコン1位を獲得。2003年以降はワーナーミュージック・ジャパンに所属している。
2008年には3枚組ベスト『Expressions』が3週連続1位。同年、島根県が舞台のNHK連続テレビ小説『だんだん』のために書かれた「いのちの歌」が生まれ、2010年には作詞者「Miyabi」の正体が竹内まりや本人だったことを明かした。同年には武道館と大阪城ホールで「souvenir again」を開催。2014年のアルバム『TRAD』は日本レコード大賞の最優秀アルバム賞に輝き、全国ツアー「souvenir2014」で約7万5000人を動員した。2018年にはデビュー40周年を迎え、ライブドキュメンタリー映画『souvenir the movie』が公開されている。
2019年 - 2023年:3つの時代で1位、紅白初出場[編集]
2019年は記念イヤーとなった。3月に芸術選奨文部科学大臣賞(大衆芸能部門)を受賞し、NHKの特集番組で11年ぶりにテレビに出演。8月には『MUSIC FAIR』に38年ぶりに出演した。9月発売の3枚組アルバム『Turntable』はオリコン1位を獲得し、昭和・平成・令和の3時代でアルバム1位を獲得した初の女性アーティストとなった。年末には日本レコード大賞の特別賞を受賞し、『第70回NHK紅白歌合戦』に初出場して「いのちの歌」を歌った。
2020年1月には「いのちの歌(スペシャル・エディション)」がオリコン週間シングル1位を獲得。64歳10か月での首位は、シングル1位の歴代最年長記録として報じられた。2021年には『Newsweek日本版』の「世界が尊敬する日本人100」に選出され、11月には杏里とのユニット「Peach & Apricot」で「Watching Over You」を配信。同月、「プラスティック・ラブ」の12インチシングルが再発売され、アナログ盤のみでオリコン週間5位に入った。
2023年にはデビュー45周年を迎え、未発表だったカバー曲「TOKYO WOMAN」をモチーフにしたフジテレビのドラマが4夜連続で放送された。12月にはNetflixシリーズ『ポケモンコンシェルジュ』の主題歌「君の居場所(Have a Good Time Here)」をリリースしている。
2024年:10年ぶりのアルバム『Precious Days』[編集]
2024年8月、シングル「歌を贈ろう」を発表。コーラスには生田絵梨花が参加した。10月16日には10年ぶりのオリジナルアルバム『Precious Days』を発売。全18曲で、テレビ朝日『大下容子ワイド!スクランブル』のテーマ「Brighten up your day !」、杏里とのデュエット「Watching Over You」、山下達郎とのデュエット「All I Have To Do Is Dream」、『ポケモンコンシェルジュ』の「君の居場所」、ドラマ主題歌「TOKYO WOMAN」など、近年のタイアップ曲がぎっしり詰まった一枚になった。
同作はオリコン週間アルバムランキングで1位を獲得。69歳7か月での首位獲得は女性アーティストの歴代最年長記録となり、1980年代から2020年代まで5つの年代連続でアルバム1位を獲得したのは史上4組目だった。
2025年:11年ぶりのアリーナツアー[編集]
2025年4月15日のポートメッセなごや公演から6月25日のKアリーナ横浜公演まで、11年ぶりの全国アリーナツアー「souvenir2025 mariya takeuchi live」を8都市14公演で開催。チケットには約50万人の応募が殺到し、約14万人を動員した。バンドマスターは夫の山下達郎で、ギターを弾きながらコーラスにも加わった。
7月26日には、フジロックフェスティバルに初出演した山下達郎のステージにサプライズで登場し、「プラスティック・ラブ」を披露して会場を沸かせた。10月12日には、桑田佳祐が日本武道館で主催した「九段下フォーク・フェスティバル'25」に最後のシークレットゲストとして出演し、桑田と「元気を出して」やサザンオールスターズの「涙のキッス」を歌い、原由子も加わって「静かな伝説」を披露した。12月には「歌を贈ろう」が日本プロ音楽録音賞のアナログディスク部門で最優秀賞を受賞している。
2026年:映像作品、ラジオ、新曲[編集]
2026年に入ってもタイアップが続き、1月には「シングル・アゲイン」が「2時間サスペンス THE MOVIE」シリーズの主題歌に、2月には「毎日がスペシャル」がジャパネットの40周年CMに起用された。6月にはベストアルバム『Expressions』の累積売上が100万枚を突破したことが公式サイトで発表された。
7月22日には、2025年のツアーから22曲を厳選したライブ映像作品『souvenir2025 〜mariya takeuchi live〜』(Blu-ray/DVD)を発売。これに合わせてラジオ出演が相次ぎ、7月19日・26日には山下達郎の『サンデー・ソングブック』で恒例の「夫婦放談」、7月25日にはサンドウィッチマンの『ザ・ラジオショー サタデー』に生出演し、大ファンを公言する伊達みきおの念願がかなった。8月2日にはTBSラジオ『安住紳一郎の日曜天国』にも生出演している。10月11日(東京)と18日(大阪)には、映像作品の初回封入特典から抽選で計2000人を招いたスペシャル・ファンミーティング「まりやに会おう!」を開催した。
さらに、石田ゆり子主演のWOWOW「連続ドラマW マイ・スイート・ホーム」(10月31日放送開始)の主題歌として書き下ろした新曲「あなたでなければ」を11月1日に配信リリース予定。同日にはWOWOWで特番『竹内まりや MV COLLECTION』も放送される。11月3日には「九段下フォーク・フェスティバル'25」のライブアルバム(利益は全額寄付)、11月25日には名盤『Bon Appétit!』の2026 Editionの発売も控えている。
人物[編集]
- 夫・山下達郎とは公私ともにパートナー。1984年の『VARIETY』以降、ほぼすべての作品で山下がアレンジやプロデュースを担当している。ラジオでの「夫婦放談」は山下のファンにとっても年中行事になっている。
- デビュー前から大のビートルズ好き。2025年のツアーでは「マージービートで唄わせて」の際にリバプールの映像を流し、横浜アリーナでジョージ・ハリスンとツーショットを撮った思い出もMCで語った。
- ライブは極端に少ないことで知られ、全国ツアーは2014年の次が2025年と11年も空いた。2025年のツアーでは「まだまだ頑張りたい」と宣言し、ファンを喜ばせた。
- 2025年のツアーのMCでは、2024年12月に亡くなった中山美穂を偲ぶ言葉も述べた。中山美穂には「色・ホワイトブレンド」(1986年)を提供している。
- 桑田佳祐とはデビュー年も結婚した年も同じで、「銀婚式も一緒にやった」仲だと語っている。
ディスコグラフィ[編集]
主なシングル[編集]
| 年 | タイトル | 備考 |
|---|---|---|
| 1978年 | 戻っておいで・私の時間 | デビュー曲 |
| 1979年 | SEPTEMBER | 日本レコード大賞新人賞 |
| 1980年 | 不思議なピーチパイ | 資生堂CMソング |
| 1984年 | もう一度 | MOON移籍第1弾 |
| 1985年 | プラスティック・ラブ | 12インチシングル。2021年再発でオリコン5位 |
| 1989年 | シングル・アゲイン | 『火曜サスペンス劇場』主題歌 |
| 1990年 | 告白 | 『火曜サスペンス劇場』主題歌 |
| 1992年 | マンハッタン・キス | |
| 1994年 | 純愛ラプソディ | 自身最大のシングルヒット |
| 1995年 | 今夜はHearty Party | 木村拓哉がコーラス参加 |
| 1998年 | カムフラージュ | 『眠れる森』主題歌。初のオリコン週間1位 |
| 2008年 | いのちの歌 | 『だんだん』挿入歌(作詞はMiyabi名義)。2020年にオリコン1位 |
| 2021年 | Watching Over You | Peach & Apricot(with 杏里)名義 |
| 2023年 | 君の居場所(Have a Good Time Here) | 『ポケモンコンシェルジュ』主題歌 |
| 2024年 | 歌を贈ろう | コーラス:生田絵梨花 |
| 2026年 | あなたでなければ | 「連続ドラマW マイ・スイート・ホーム」主題歌(11月1日配信予定) |
主なアルバム[編集]
- 『BEGINNING』(1978年)- デビューアルバム
- 『UNIVERSITY STREET』(1979年)
- 『LOVE SONGS』(1980年)- 3週連続オリコン1位
- 『PORTRAIT』(1981年)
- 『VARIETY』(1984年)- 「プラスティック・ラブ」収録。オリコン1位
- 『REQUEST』(1987年)- 「駅」「元気を出して」などのセルフカバー収録。ミリオンセラー
- 『Quiet Life』(1992年)- ミリオンセラー。日本レコード大賞ベストアルバム賞
- 『Impressions』(1994年)- ベスト。350万枚以上
- 『Bon Appetit!』(2001年)- ミリオンセラー
- 『Longtime Favorites』(2003年)- カバーアルバム
- 『Denim』(2007年)
- 『Expressions』(2008年)- 3枚組ベスト
- 『TRAD』(2014年)- 日本レコード大賞最優秀アルバム賞
- 『Turntable』(2019年)- 3枚組・全62曲
- 『Precious Days』(2024年)- 10年ぶりのオリジナル。女性最年長オリコン1位
映像作品[編集]
- 『souvenir the movie 〜MARIYA TAKEUCHI Theater Live〜』(2018年映画公開、2020年映像化)
- 『souvenir2025 〜mariya takeuchi live〜』(2026年)- 初のツアー単独ライブ映像作品
楽曲提供[編集]
竹内まりやのもう一つの顔が「ヒットメーカー」としての顔である。1981年の休業後、表に出ない代わりに作家として他の歌手に曲を書き始め、その活動は現在まで続いている。主な提供先と代表曲は次のとおり。
- 河合奈保子「けんかをやめて」(1982年)、「Invitation」
- 薬師丸ひろ子「元気を出して」(1984年、アルバム曲。のちに竹内自身もセルフカバー)
- 岡田有希子「ファースト・デイト」(1984年、デビュー曲)ほか
- 中森明菜「駅」(1986年、アルバム『CRIMSON』収録)
- 中山美穂「色・ホワイトブレンド」(1986年)
- 広末涼子「MajiでKoiする5秒前」(1997年、デビュー曲)
- 松たか子、松田聖子、松浦亜弥、芦田愛菜ほか
「駅」をめぐる2つのバージョン[編集]
特に有名なのが「駅」である。もともとは中森明菜の1986年のアルバム『CRIMSON』のために書かれた曲で、雨の駅で2年前に別れた恋人を見かけた女性の心の動きを描いている。翌1987年、竹内は自身のアルバム『REQUEST』でこの曲をセルフカバーし、山下達郎の編曲による竹内版は今ではまりやの代表曲の一つとして扱われている。
明菜版は低く抑えた歌い方、竹内版はしっとりした中にも温かみのある歌い方で、同じ曲なのに受ける印象がかなり異なる。そのため「どちらの駅が好きか」は昭和歌謡ファンの間で定番の話題になっている。竹内版の発表当時、山下達郎が明菜版の解釈に否定的とも取れるコメントを寄せたことが話題になったとも伝えられ、今もときどき蒸し返される逸話である。
「けんかをやめて」とセルフカバー文化[編集]
河合奈保子に提供した「けんかをやめて」は、2人の男性の間で揺れる女の子が「私のために争わないで」と歌う一曲。河合奈保子の代表曲の一つとして今も歌い継がれている。『REQUEST』は、こうした提供曲を本人が歌い直す「セルフカバー」の名盤として知られ、ミリオンセラーにまで育った。作家としてのヒット曲が、そのまま自分のレパートリーとして二度おいしい、という竹内まりやならではのスタイルを確立した一枚である。
シティポップ再評価と「プラスティック・ラブ」[編集]
「プラスティック・ラブ」は、華やかな都会の夜で恋を遊びとして楽しむ女性の孤独を描いた曲。当時は彼女のキャリアのなかでも異色の曲とされ、『VARIETY』の中でも同タイプの曲はなかった。
2017年に海外ユーザー「Plastic Lover」がYouTubeに投稿した非公式の長尺バージョンは、レコメンド機能を通じて「なぜか毎日おすすめに出てくる謎の日本の曲」として欧米・アジアのリスナーに広がり、ミーム化した。サムネイルに使われたのは1980年のシングル「Sweetest Music」のジャケット写真で、撮影した写真家から著作権の申し立てがあったが、クレジット表記を条件に取り下げられたという経緯もある。動画はその後、別の申し立てで削除された。
ブームを受け、2019年5月18日にワーナーミュージック・ジャパンが初の公式MV(約1分49秒のショート版)を公開。フルバージョンは仁村紗和と上杉柊平が出演し、2021年11月11日にYouTubeで公開された。2020年11月には公式ストリーミング配信が解禁され、2021年11月の「レコードの日」に再発された12インチは、アナログ盤だけでオリコン週間5位を記録した。
カバーも国境を越えて広がっている。1987年には香港のアニタ・ムイが中国語版「尋愛」としてカバー。近年ではFriday Night Plans(2018年)、台湾の9m88、eill、さかいゆう、tofubeatsなどが取り上げ、2021年12月にはJuice=Juiceがシングルとしてカバーしてオリコン3位を記録した。この曲をきっかけに山下達郎、大貫妙子、杏里らの作品へ遡る海外リスナーも多く、「シティポップの入口」として語られる存在になっている。
山下達郎との関係[編集]
山下達郎とは1982年に結婚。もともと山下は竹内のデビューアルバムに「夏の恋人」を提供し、3rdシングルのカップリング曲では編曲とコーラスを担当するなど、結婚前から音楽的なつながりがあった。
結婚後の作品はほぼすべて山下がアレンジ・プロデュースを手がけ、竹内が「曲と詞」、山下が「音」という役割分担が定着している。2025年のアリーナツアーでは、山下がバンドマスターとしてギターを弾き、「カムフラージュ」の冒頭では山下のアカペラコーラスから曲が始まる演出もあった。同年のフジロックでは逆に竹内が山下のステージへサプライズ出演し、夫婦共演が大きな話題を呼んだ。2024年の『Precious Days』には、2人のデュエットによる「All I Have To Do Is Dream」(エヴァリー・ブラザーズのカバー)も収録されている。
ライブ活動[編集]
竹内まりやはライブが極端に少ないアーティストとして知られる。1982年以降は長らくステージに立たず、2000年の武道館・大阪城ホール公演は約18年ぶりの本格的なコンサートだった。その後も2010年の「souvenir again」、2014年の全国ツアー「souvenir2014」(6都市9公演)と、数年おきの開催にとどまっている。2021年に予定していたアリーナツアーは新型コロナウイルスの影響で中止となり、同年には配信ライブ「LIVE Turntable」が行われた。
2025年の「souvenir2025」は、満を持しての11年ぶりのアリーナツアー。客層は60代が43%、50代が26%と約7割を占めたが、10代のファンの姿もあったと報じられた。セットリストは「アンフィシアターの夜」で幕を開け、RCA時代の「五線紙」「リンダ」なども披露。「告白」をフルサイズで歌ったのはこのツアーが初めてで、「静かな伝説」ではブルースハープも吹いた。
炎上とバズ[編集]
「謎の日本の曲」が世界のおすすめに[編集]
2017年以降の「プラスティック・ラブ」バズは、ほぼ本人の関与なしに起きた現象だった。非公式動画が数千万回再生される一方、権利者不在のまま拡散していたことから、著作権の扱いをめぐる議論も起きた。結果的には公式MV制作・ストリーミング解禁・アナログ再発と、レーベル側が後追いで正規ルートを整える形になった。
プラチナチケット化したツアー[編集]
2025年の「souvenir2025」には約50万人の応募が殺到し、チケットは入手困難なプラチナチケットとなった。本人もMCで当選した観客に「ラッキー」とユーモアを交えて語りかけている。
69歳でのオリコン1位[編集]
2024年の『Precious Days』の1位獲得は、「女性アーティスト最年長」「5年代連続1位」という記録とともに各メディアで報じられ、シティポップ再評価で入った若い世代と、昔からのファンの両方から祝福の声が上がった。
余談[編集]
- 「いのちの歌」の作詞者「Miyabi」は、2010年まで正体が明かされていなかった。正体は竹内まりや本人である。
- 「いのちの歌」がオリコン1位を獲得した際は、前回の1位(1998年の「カムフラージュ」)から21年1か月ぶりで、シングル1位のインターバル記録としても歴代1位とされた。
- 「プラスティック・ラブ」の非公式動画のサムネイル写真は、実はこの曲とは関係ない1980年のシングル「Sweetest Music」のものだった。
- 「今夜はHearty Party」のコーラスには木村拓哉が参加しており、ケンタッキーのクリスマスCMソングとしても長く親しまれている。2025年にはKFCのクリスマスCMで「すてきなホリデイ」が使用された。
- 2025年のツアーの協賛はエアウィーヴで、同社のCMソング「Days of Love」は『Precious Days』にも収録されている。
- 2023年のフジテレビドラマ『TOKYO WOMAN』は、竹内が過去に録音していた未発表カバー曲をモチーフに作られた、異例の「曲が先にあるドラマ」だった。
