| 海に眠るダイヤモンド | |
|---|---|
| ジャンル | ヒューマンドラマ、ラブストーリー |
| 放送シーズン | 2024年10月期 |
| 放送期間 | 2024年10月20日 - 12月22日 |
| 放送時間 | 日曜 21:00 - 21:54 |
| 話数 | 全9回放送(最終回は2時間スペシャル。配信版は全10話) |
| 放送国家 | 日本 |
| 言語 | 日本語 |
| 放送局 | TBS系 |
| 配信 | U-NEXT、TVer ほか |
| 平均視聴率 | 8.27%(世帯・関東地区とされる) |
| 制作 | |
| プロデューサー | 新井順子 |
| 演出 | 塚原あゆ子、福田亮介、林啓史、府川亮介 |
| 制作 | TBSテレビ |
| 脚本 | 野木亜紀子 |
| 音楽 | 佐藤直紀 |
| 出演者 | 神木隆之介、斎藤工、杉咲花、池田エライザ、清水尋也、土屋太鳳、宮本信子 ほか |
| その他 | |
| 原作 | なし(オリジナル) |
| エンディング曲 | King Gnu「ねっこ」(主題歌) |
概要[編集]
海に眠るダイヤモンドとは、2024年10月期にTBSテレビの日曜劇場枠で放送された連続テレビドラマである。1955年からの長崎・端島(軍艦島)と2018年の東京を舞台に、70年にわたる愛と友情と家族の物語を描く。主演は神木隆之介で、一人二役を演じた。
詳細[編集]
脚本は野木亜紀子、演出(監督)は塚原あゆ子、プロデューサーは新井順子。『アンナチュラル』『MIU404』、映画『ラストマイル』を手がけてきた3人のトリオが、初めて日曜劇場に挑んだ完全オリジナル作品だ。制作陣は2018年に長崎を訪れ、元島民の話に心を動かされたことが企画の出発点になったとされる。
物語の軸は二つ。ひとつは高度経済成長期、石炭産業で栄えた端島で生きる青年・鉄平と仲間たちの青春。もうひとつは現代の東京で希望を持てずに暮らすホスト・玲央と、彼に突然プロポーズする謎の老婦人・いづみの物語だ。いづみの語りを通して二つの時代がつながり、「いづみは誰なのか」「鉄平はどこへ消えたのか」という謎が最終回まで視聴者を引っ張った。
放送は2024年10月20日から12月22日まで。初回は25分拡大で、最終回は2時間スペシャルとして放送され、配信ではディレクターズカット版として第9話・第10話に分割された。視聴率は初回11.0%が最高で、全話平均は世帯8%台前半とされる。数字の面では前クールの日曜劇場を下回ったが、評価の面では2024年を代表するドラマの一本となり、各種ドラマ賞を総なめにした。
舞台・制作[編集]
舞台となった端島は、長崎港の沖合に浮かぶ炭鉱の島。最盛期には約5,300人が暮らし、当時世界一とも言われる人口密度を誇った。日本初の高層鉄筋コンクリートアパートが建てられた島としても知られ、良質な石炭で日本の近代化を支えた。外観が軍艦に見えることから「軍艦島」の通称で呼ばれる。
現在の端島は無人島で、1950年代の街並みをそのままロケで撮ることはできない。そこで制作チームは、島をピースに分けてレゴブロックのように組み合わせる形でCGを制作し、ドローン撮影の映像と合成する手法で当時の島を再現した。島の商店街「端島銀座」などはセットで組まれている。炭鉱の描写については研究者の黒沢永紀が監修を務め、坑内は気温35℃・湿度80%超という過酷な環境だったことなどが作中に反映された。
音楽は佐藤直紀が担当し、オリジナル・サウンドトラックもリリースされている。主題歌はKing Gnuの書き下ろし曲「ねっこ」。
あらすじ[編集]
※この節は最終回までの結末を含む。
2018年、東京。歌舞伎町のホスト・玲央(神木隆之介)は、先の見えない日々を送っていた。ある日、謎の老婦人・いづみ(宮本信子)に出会い、いきなり「結婚しない?」とプロポーズされる。いづみに連れられて長崎を訪れた玲央は、彼女が語る端島の昔話に引き込まれていく。
1955年、端島。炭鉱員の家に生まれた青年・鉄平(神木隆之介)は、大学を卒業して島に戻り、炭鉱会社・鷹羽鉱業の外勤職員として働き始める。幼なじみで食堂の看板娘・朝子(杉咲花)、親友でありライバルの賢将(清水尋也)、同級生の百合子(土屋太鳳)、そして島に流れ着いた謎の歌手・リナ(池田エライザ)。若者たちの恋と友情、炭鉱員の兄・進平(斎藤工)が抱える秘密が、島の発展とともに描かれていく。
物語が進むにつれ、玲央は鉄平と瓜二つの容貌を持つことが明かされ、いづみの正体をめぐる謎が深まる。1964年には坑内で大規模な火災が発生し、炭鉱長となった辰雄は坑道への注水という苦渋の決断を下す。この事故が島と登場人物たちの運命を大きく変えることになる。
最終回では、いづみの正体が朝子であったこと、そして鉄平が島から姿を消した理由が明かされる。鉄平は兄の子・誠とリナを守るため自ら罪をかぶり、二人を島から逃がした。追っ手からいづみ=朝子を守るため、彼は彼女に会うことなく生涯を終えたのだった。鉄平と玲央のあいだに血縁関係はない。玲央といづみは長崎・野母崎で鉄平が晩年を過ごした家にたどり着き、そこで端島を望む一面のコスモス畑を目にする。
登場人物[編集]
1955年〜・端島パート[編集]
- 鉄平(演:神木隆之介)
- 端島生まれ端島育ちの青年。「大好きな端島のために働きたい」と大学卒業後に帰郷し、鷹羽鉱業の外勤職員となる。
- 進平(演:斎藤工)
- 鉄平の兄で炭鉱員。戦争を経て心を閉ざしていたが、リナとの出会いで変わっていく。
- 朝子(演:杉咲花)
- 鉄平の幼なじみで、銀座食堂の看板娘。幼いころから鉄平に想いを寄せているが、まったく気づかれていない。
- リナ(演:池田エライザ)
- 博多のヤクザから逃れて端島に渡ってきた歌手。後に進平の妻となる。
- 賢将(演:清水尋也)
- 鉄平の同級生で親友かつライバル。父は鷹羽鉱業の幹部。
- 百合子(演:土屋太鳳)
- 鉄平の同級生。戦時中に被爆した過去を持つ。のちに賢将と結婚する。
- 一平(演:國村隼)
- 鉄平と進平の父で、ベテラン炭鉱員。
- ハル(演:中嶋朋子)
- 鉄平と進平の母。
- 辰雄(演:沢村一樹)
- 賢将の父で、鷹羽鉱業の幹部。のちに炭鉱長となる。
- 寿美子(演:山本未來)
- 百合子の母。
- 和尚(演:さだまさし)
- 島の寺の和尚。
2018年・現代パート[編集]
- 玲央(演:神木隆之介・二役)
- 歌舞伎町のホスト。
- いづみ(演:宮本信子)
- 玲央にプロポーズする謎の老婦人。会社「IKEGAYA」の社長を務める資産家で、現代と過去をつなぐキーパーソン。
- 澤田(演:酒向芳)
- いづみの秘書。その正体は物語終盤で明かされる。
- 千景(演:片岡凜)
- いづみの孫。
- 星也(演:豆原一成)
- いづみの孫。
ほかに尾美としのり、美保純、宮崎吐夢、片桐はいりらが出演し、最終回には滝藤賢一、中村獅童、田中圭らも顔を見せた。
評価・受賞[編集]
当時の端島を忠実に再現した映像と、伏線を張り巡らせた脚本が高く評価された。ザテレビジョンドラマアカデミー賞では、読者票・記者票でともに1位を獲得。新井順子プロデューサーは受賞時、本作を「家族、恋愛、友情、青春…全てを入れ込んだ“ちゃんぽん”のようなドラマ」と表現している。
主な受賞は以下のとおり。
- ギャラクシー賞 2024年12月度月間賞(日曜劇場としては約9年半ぶりの受賞と報じられた)
- 第122回ザテレビジョンドラマアカデミー賞:最優秀作品賞、主演男優賞(神木隆之介)、助演女優賞(杉咲花)、監督賞(塚原あゆ子、福田亮介、林啓史、府川亮介)、ドラマソング賞(King Gnu「ねっこ」)の5冠
- 第15回ロケーションジャパン大賞 準グランプリ
- 東京ドラマアウォード2025:作品賞〈連続ドラマ部門〉グランプリ、助演女優賞(杉咲花)、演出賞(塚原あゆ子)、主題歌賞(King Gnu「ねっこ」)の4冠。授賞式は2025年10月28日
炎上とバズ[編集]
いづみの正体をめぐる考察は、放送のたびにSNSで大きく盛り上がった。第1話ではリナ説、第2話では百合子説、第3話では朝子説が優勢になり、視聴者自身が「見事に踊らされてる」と書き込むほどだった。最終回では鉄平のプロポーズシーンや一面のコスモス畑の場面に「大号泣」「涙が止まらない」といった声があふれた。
一方、東京新聞は、戦時中に端島で働かされた朝鮮人労働者の歴史が作中で描かれなかったことを取り上げる記事を掲載した。なお作中の時代設定は1955年以降である。
余談[編集]
- いづみ役の宮本信子と朝子役の杉咲花は、同一人物の老年期と若年期を演じ分けた。
- 本作の後、大泉洋主演の『ちょっとだけエスパー』(2025年)で野木亜紀子はテレビ朝日の連続ドラマに初めて脚本を書いている。
- 端島は2015年、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産のひとつとして世界遺産に登録されている。