伊達航
Wataru Date
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伊達ら「警察学校組」が学んだ警視庁警察学校のモデルとされる、東京都府中市の警視庁警察学校(出典:ウィキメディア・コモンズ、撮影:Kentin、CC BY-SA 3.0)
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伊達が刑事として勤務した警視庁の本部庁舎(東京都千代田区霞が関)(出典:ウィキメディア・コモンズ、CC BY-SA 4.0)
本名 伊達航(だて わたる)
死亡日 ― 年2月7日
国籍 日本
家族 父(元警察官)、婚約者ナタリー・来間
学歴 警視庁警察学校(鬼塚教場)
職業 警察官(警視庁)
肩書 警視庁刑事部捜査一課強行犯三係 刑事
代表的な実績 警察学校で降谷零に次ぐ成績2番、同期5人のまとめ役「班長」、高木渉の教育係
関連活動 『名探偵コナン』『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』
あだ名 班長(警察学校の同期からの呼び名)、ワタル・ブラザーズ(高木渉と合わせての呼び名)
その他 声優:藤原啓治(初代)→東地宏樹(二代目)/警察学校組の一人/故人(享年28)


概要[編集]

伊達航(だて わたる)とは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』に登場する警視庁捜査一課の刑事で、降谷零らと警視庁警察学校の同期だった「警察学校組」の一人である。本編開始時点ですでに交通事故で亡くなっている故人で、高木渉の教育係だった先輩としても知られる。

詳細[編集]

人物像[編集]

警視庁刑事部捜査一課強行犯三係に所属していた刑事。太い眉にあごひげ、そして同期5人の中でいちばんガタイがいいという、見るからにタフガイな風貌で、いつも口に爪楊枝をくわえているのがトレードマークである。周囲からは「殺しても死なない」と言われるほど頑丈な男だったとされる。

性格は豪快で面倒見がよく、正義感が強い。警察学校時代は、外見をからかわれていた降谷に対して「見た目で決めつけるな」とたしなめるなど、包容力のある兄貴分だった。5人の中では最年長で、自然とリーダー役に収まっていたため、同期からは「班長」と呼ばれていた。

警察学校組のまとめ役[編集]

警視庁警察学校の鬼塚教場で、降谷零、松田陣平、萩原研二、諸伏景光と同期になった。成績は常に首席の降谷に次ぐ2番。とくに逮捕術に長けており、訓練では降谷から一本を取ったこともある。教官の鬼塚八蔵からはリーダーシップを高く評価され、クセが強すぎる同期たちのまとめ役を任されていた。

警察学校組の5人は、ファンの間で「不世出の才能を持った5人」として語られることが多いが、その中で伊達は唯一、尖った天才ではなく「全員をつなぐ役」を担っていた存在といえる。ケンカっ早い松田と降谷の間に入り、教官に対しては機転を利かせて仲間をかばう。そんなポジションが、彼の人気の土台になっている。

同期唯一の彼女持ち[編集]

伊達には警察学校に入る前から交際していた恋人、ナタリー・来間がいた。北海道出身のアメリカ人とのハーフで、英会話講師をしていた女性である。伊達は同期の中で唯一の彼女持ちで、関係は順風満帆。いずれ結婚するつもりで、婚約指輪まで用意していた。

伊達が同じくハーフである降谷を自然にかばっていたのも、ナタリーの存在があったからではないかとファンの間では語られている。見た目や出自で人を判断しない伊達の姿勢は、彼の人柄を象徴するエピソードとして繰り返し取り上げられている。

伊達の死[編集]

居眠り運転の車に[編集]

本編の1年前の2月7日、伊達は後輩の高木とともに詐欺事件の張り込みを終え、詐欺師を逮捕した帰り道にいた。そこで伊達は、恋人ナタリーの写真を高木に見せようとして、警察手帳を落としてしまう。拾おうとかがみ込んだその瞬間、居眠り運転の車にはねられ、帰らぬ人となった。享年28歳とされる。

殉職というよりは、職務の帰り道に起きた事故死だった点が、このエピソードのやるせなさを際立たせている。「殺しても死なない」と言われたタフガイが、あまりにもあっけなく命を落としたことは、読者に強い衝撃を与えた。

託された指輪とナタリー[編集]

伊達は死の間際、ナタリーに渡すはずだった婚約指輪を高木に託した。しかしナタリーは、伊達の死を知ったのち自ら命を絶っており、指輪が彼女の手に届くことはなかった。このすれ違いは『名探偵コナン』の中でも屈指の悲劇として語られている。

命を賭けた恋愛中継[編集]

伊達とナタリーの過去が明かされたのが、原作76〜77巻に収録された「命を賭けた恋愛中継」である。アニメでは第681〜683話として放送された。ナタリーの知人が、同じ「ワタル」という名前の高木を伊達本人と誤解して拉致するという事件で、高木は先輩の因縁に巻き込まれる形になった。

このエピソードこそが伊達の初登場回で、回想シーンの中で生前の姿が描かれた。この時点では「高木の亡き先輩」という位置づけだったが、のちに降谷らの警察学校同期だったことが明かされ、キャラクターとしての重みが一気に増していく。

高木渉との関係[編集]

ワタル・ブラザーズ[編集]

伊達は捜査一課で、新人だった高木の教育係としてコンビを組んでいた。伊達は高木より3歳上で、二人は非常に仲がよく、名前の読みがどちらも「わたる」であることから、自分たちを「ワタル・ブラザーズ」と名乗って周囲に触れ回っていた。命名したのは伊達のほうで、後輩を全力でかわいがる兄貴肌がよく表れたエピソードである。

ちなみに伊達によれば、降谷と高木は背格好が似ているという。警察学校の同期と職場の後輩を自然に重ね合わせていたあたり、伊達の中ではどちらも「守るべき仲間」だったのかもしれない。

遺品の黒い手帳[編集]

高木が普段から使っている黒い手帳は、伊達の遺品である。事故の原因になった手帳を、高木はずっと持ち歩いているわけで、この設定が明かされたことで高木の何気ない「手帳をめくる仕草」にまで意味が生まれた。

高木と伊達と手帳の約束[編集]

伊達が遺した手帳には、実は暗号が記されていた。その謎を江戸川コナン、安室透、高木、佐藤美和子が解き明かしていくのが、原作101巻収録・アニメ第1109〜1110話の「高木と伊達と手帳の約束」である。暗号は「日曜昼12時、米花町5の6、ポアロ、窓際、赤い蝶ネクタイをつけて待て」という内容で、安室が働く喫茶ポアロへとつながっていく。

伊達は生前、高木に「お前を男にしてやる」と言い残していた。この言葉と暗号がどう結びつくのかが物語の焦点で、伊達・高木・降谷という三者の関係に新しい光が当たる回として、警察学校組ファンからも高木ファンからも注目を集めた。原作では劇場版『ハロウィンの花嫁』の公開を控えた時期に掲載されている。

警察学校編 Wild Police Story[編集]

スピンオフ作品[編集]

伊達の生前の姿を本格的に描いたのが、公式スピンオフ漫画『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』である。原作は青山剛昌、作画は新井隆広。小学館の『週刊少年サンデー』で2019年第44号から2020年第51号まで不定期連載され、単行本は2020年に刊行された。降谷零と同期4人の警察学校時代を、一人ずつスポットを当てる形で描いている。

物語の舞台は警視庁警察学校。問題児ぞろいの5人の訓練生が、反発し合いながらも事件を通じて信頼を深め、かけがえのない仲間になっていく青春群像劇である。スピンオフ内の伊達は22歳の訓練生として登場し、すでにクラスの班長として描かれている。

CASE.伊達航[編集]

伊達が主役となるエピソードは「CASE.伊達航」。逮捕術の授業で降谷と伊達が対戦し、伊達が勝利したあと「誰よりも強くなければ、正義は遂行できない」といった趣旨の言葉を口にする場面から始まる。その夜、外出していた降谷と鉢合わせた伊達は、昼間の発言を謝り、元警察官だった父親との過去を語り始める。

父と爪楊枝[編集]

伊達は子どものころ、父親と一緒に入ったコンビニで強盗に遭遇した。そのとき警察官だった父は抵抗せず、土下座して犯人に懇願した。幼い伊達にはその姿が情けなく見え、「強くなければ意味がない」という信念を抱くようになる。

しかし後に、店の周辺には強盗の仲間が大勢潜んでおり、父は周りの客に危害が及ばないよう、あえて土下座していたことが分かる。この真相を伊達に伝えたのは萩原だった。父の本当の強さを知った伊達は、細身で弱そうに見える自分を強く見せるために爪楊枝をくわえていた父をまねるようになった。あの爪楊枝は、父への敬意そのものなのである。

5人の初めてのチームワーク[編集]

「CASE.伊達航」では、教官の危機をきっかけに、降谷・松田・萩原・諸伏・伊達の5人が初めて本格的なチームワークを発揮する。コンビニ強盗事件の場面では、伊達と降谷が機転を利かせた作戦を立て、仲間の助けも借りて事態を鎮圧した。ばらばらだった5人が「チーム」になる起点として、シリーズの中でも重要な回である。

アニメと声優[編集]

初代・藤原啓治[編集]

伊達の声を最初に担当したのは藤原啓治である。「命を賭けた恋愛中継」で伊達を演じた。藤原は『クレヨンしんちゃん』の野原ひろし役などで知られた声優だったが、2020年4月に亡くなった。

二代目・東地宏樹[編集]

2021年からのアニメ版『警察学校編 Wild Police Story』では、東地宏樹が伊達を演じている。起用発表の際、東地は「本当なら藤原啓治さんがやられるはずの伊達航役」と前任者に触れたうえで、「とても光栄なことと思い、自分なりに出来ることを精一杯やりたい」と意気込みを語った。

アニメ『警察学校編』は日本テレビ系(読売テレビ制作)で、2021年12月4日放送の第1弾「CASE.松田陣平」からスタートし、以降は不定期に放送された。第1弾は放送時にTwitterの世界トレンド1位を記録している。伊達が主役の「CASE.伊達航」は第2弾として2022年3月12日に放送された。降谷役の古谷徹、諸伏役の緑川光、萩原役の三木眞一郎、松田役の神奈延年とともに、警察学校組5人の声がそろった。

劇場版『ハロウィンの花嫁』[編集]

3年前の爆弾事件[編集]

2022年4月15日公開の劇場版第25作『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』では、伊達が警察学校組の一人として回想シーンに登場する。描かれるのは本編の3年前、松田が殉職する前日にあたる11月6日の出来事である。

廃ビルで起きたガス漏れ騒ぎの現場に駆けつけた降谷と松田は、拘束されたロシア人男性を発見する。そこへペストマスクの人物、すなわち爆弾犯プラーミャが現れ、伊達と諸伏の加勢もあって松田が爆弾の解除に成功した。伊達は格闘の場面で諸伏をサポートするなど、腕っぷしの強さを見せている。

高木とのつながり[編集]

同作では伊達の後輩である高木が、佐藤とともにメイン級で活躍する。警察学校組と高木・佐藤という二つのファン層が重なる作品になったことで、「伊達の後輩」としての高木にもあらためて注目が集まった。

降谷零との関係[編集]

「班長」と呼ぶ男[編集]

安室透こと降谷零は、警察学校卒業後、公安警察官として黒ずくめの組織に潜入している。降谷は伊達のことを親しみを込めて「班長」と呼んでいた。卒業後の二人は長らく音信不通だったが、互いに気にかける友人同士だったとされる。

墓前の爪楊枝[編集]

伊達の墓に爪楊枝を供えたのは降谷である。伊達のトレードマークであり、父から受け継いだ「強さ」の象徴でもある爪楊枝を、言葉もなく墓前に置いていく。正体を隠して生きる降谷が、亡き同期にだけ見せた素の部分として、ファンの涙腺を刺激するシーンになっている。

警察学校組5人のうち、松田・萩原・諸伏・伊達の4人はすでに亡くなっており、存命なのは降谷ただ一人である。降谷が同期たちの記憶を背負いながら戦っているという構図が、安室透というキャラクターに独特の陰影を与えている。

余談[編集]

  • 名前の「航」と高木の「渉」はどちらも「わたる」と読む。二人がワタル・ブラザーズを名乗ったのはこのため。高木渉という名前自体は、演じる声優の高木渉に由来している。
  • 体格については、ファンの間で身長2メートル近いとも言われるほどの大柄として語られることが多いが、作中で明確な数値が示されているわけではないとされる。
  • 『週刊少年サンデー』公式の『名探偵コナン』X(旧Twitter)アカウント「江戸川コナン(@conan_file)」は、フォロワー75万人超を抱える作品の公式発信窓口で、警察学校編のアニメ放送時なども最新情報を告知してきた。
  • 降谷・松田・萩原・諸伏・伊達の「警察学校組」は5人セットでの人気が非常に高く、スピンオフ漫画、アニメ、劇場版と、伊達の出番はむしろ本編で故人になってから増え続けている。
  • アニメ『警察学校編』は、松田編の放送時にTwitterの世界トレンド1位を記録するなど、本編の過去編としては異例の盛り上がりを見せた。伊達が主役の回もその流れの中で放送され、Blu-rayもリリースされている。

外部リンク[編集]

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