ファイブプロモーション

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ファイブプロモーション
Five Promotion
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2013年6月にマークスグループ公式YouTubeチャンネルで公開された座談会動画のサムネイル(出典:YouTube)
略称 ファイブ、5プロ
国家 日本
市場情報 非上場
業種 サービス業(芸能プロダクション)
本社所在地 東京都渋谷区
設立日 2004年5月
上場 非上場
主要部門 企画単体女優を中心としたAV女優・モデルのマネジメント
別名 マークスグループ ファイブプロモーション


概要[編集]

ファイブプロモーション(Five Promotion)とは、かつて東京都渋谷区に拠点を置いていた日本のAV女優専門の芸能事務所(いわゆるAVプロダクション)である。2004年5月に設立され、大手プロダクション「マークスグループ」の中で企画単体女優を中心に扱う部門として機能した。2016年のマークスグループ摘発と再編を境に、所属女優の多くが別事務所へ移り、事実上その歴史に幕を下ろした。

詳細[編集]

マークスグループの「企画単体」担当[編集]

ファイブプロモーションを語るうえで欠かせないのが、親組織であるマークスグループの存在である。マークスグループは500名以上の女優・モデルを抱えたとされる業界大手のプロダクションで、その内部は大きく三つの部門に分かれていた。単体女優を中心に扱う「マークスジャパン」、熟女系を中心とする「バルドエージェンシー」、そして企画単体女優を中心に扱う「ファイブプロモーション」である。

つまりファイブプロモーションは、メーカー専属の看板女優を担うマークスジャパンと、ジャンル特化型のバルドエージェンシーの間で、「名前で売れるけれど一社専属ではない」層を受け持つポジションだった。グループ内での役割分担がはっきりしていたため、所属女優が売れ行きやキャリアに応じてファイブからマークスジャパンへ「昇格」するような動きも見られた。

「企画単体」とはどういう立ち位置か[編集]

アダルトビデオ業界の女優は、おおまかに「単体」「企画単体」「企画」の三つに分けて語られることが多い。単体女優は一つのアダルトビデオメーカーと専属契約を結び、パッケージの主役を一人で張る存在。企画女優は作品の企画内容が主役で、名前が前面に出にくい存在である。

企画単体はその中間に位置し、特定メーカーの専属にはならずに複数のメーカーを渡り歩きながら、パッケージに名前が大きく載る主演作にも出る女優を指す。出演本数が多くなりやすく、ファンにとっては「いろいろなメーカーで見かける人気女優」という印象になる。ファイブプロモーションはまさにこの層の女優を多く抱え、業界に供給していた。

新人募集と「座談会」動画[編集]

ファイブプロモーションは全国から新人の女優・モデルを募集していた。2013年6月19日には、マークスグループの公式YouTubeチャンネル「MARKS GROUP(マークスグループ)」で「AVプロダクション『ファイブプロモーション』AV女優・モデル座談会」と題した動画が公開されている。

出演したのは、当時ファイブプロモーション所属だった有村千佳、羽月希、湊莉久、窪塚みいなの4名。仕事を始めたきっかけや、始める前に抱いていた不安などを語り合う内容で、応募を検討している人に向けた事務所紹介の役割を担っていた。プロダクション側が所属女優の生の声を動画で発信する試みとしては、比較的早い時期のものといえる。

移籍の「受け皿」としての顔[編集]

ファイブプロモーションは、新人のデビューだけでなく、他事務所から移ってくる女優の受け皿としても機能していた。シネマユニット・ガスの専属を離れた女優、バンビプロモーションやマインズといった他プロダクションでデビューした女優が、ファイブへ移籍して活動を続けるケースがいくつも確認できる。

移籍に合わせて芸名を変える例もあれば、名前をそのまま引き継ぐ例もあった。企画単体という「複数メーカーに出る」スタイルは、専属契約が終わった女優が仕事を続ける場としても都合がよく、こうした移籍組の存在がファイブのラインナップを厚くしていた。

沿革[編集]

設立(2004年)[編集]

ファイブプロモーションは2004年5月に設立された。本社は東京都渋谷区に置かれていた。マークスグループ自体はもともと企画系の事務所として出発し、のちに著名な単体女優やグラビアアイドルも抱える大手へ成長したとされる。ファイブプロモーションはその成長の過程で、企画単体部門を担う存在として位置づけられていった。

所属女優の拡大期(2010〜2015年)[編集]

2010年代前半は、ファイブプロモーション所属の女優が目立った時期である。2010年には有村千佳がファイブ所属としてデビューし、のちに人気女優へと成長した。2011年11月には、シネマユニット・ガスとの専属契約を解消した杏美月がファイブ所属で活動すると自身のブログで発表している。

2013年には聖菜アリサ(のちの乙アリス)や湊莉久らがデビュー。2014年にはバンビプロモーションでデビューした水瀬姫香が移籍と同時に七海りこへ改名し、同年10月にはマインズを離れた吉川いとが芸名を変えずにファイブへ移籍したことをTwitterで報告した。2015年6月には、湊莉久がファイブプロモーションからマークスジャパンへの移籍を発表しており、グループ内での「格上げ」を象徴する出来事となった。

2016年の摘発と家宅捜索[編集]

2016年6月、マークスジャパンの元社長ら幹部3名が、所属女優をアダルトビデオに出演させたことが労働者派遣法違反(公衆道徳上有害な業務への派遣)にあたるとして、警視庁に逮捕された。この際、グループ企業であるファイブプロモーションも、AVメーカー2社とともに家宅捜索を受けている。

同年7月1日、東京区検は3名と法人を労働者派遣法違反の罪で略式起訴し、東京簡裁が罰金の略式命令を出した。この容疑は業界の慣行全体に当てはまり得るものだったため、AV業界は構造の見直しを迫られることになった。

再編とLINXへの移行[編集]

摘発を受けてマークスグループは解散・再編へと向かい、ファイブプロモーションに所属していた女優の多くは、新たに設立されたプロダクション「LINX」へ所属を移した。葉山美空、彩奈リナ、城崎桐子、月本愛といった、当時ファイブに所属していた女優のプロフィールには、いずれも「事務所の解散(再編)によりLINXへ移籍」という経緯が記されている。

マークスグループの法人は2017年8月に清算結了の手続きを行い、解散した。

現在(2026年)[編集]

2026年10月時点で、ファイブプロモーションとしての活動は確認できない。一方で、かつての所属女優の中には、アイドル活動や撮影会モデル、ファンクラブサイトでの発信など、形を変えて活動を続けている人もいる。2016年の摘発は、その後の業界の自主規制強化や、2022年のAV出演被害防止・救済法(いわゆるAV新法)へとつながっていく業界の変化の、早い段階の出来事の一つと位置づけられる。

主な所属女優[編集]

報道や本人の発信、各種プロフィールで「ファイブプロモーション所属(経験あり)」と確認できる主な女優を挙げる。所属時期は判明している範囲で記す。

名前 ファイブ所属の経緯 その後
杏美月 2011年11月、シネマユニット・ガスとの専属契約解消後に所属 2013年にBRW108へ加入
有村千佳 2010年のデビュー時から所属 2015年5月に引退
羽月希 2013年の座談会動画に所属女優として出演 ―
湊莉久 2013年デビュー後に所属 2015年6月にマークスジャパンへ移籍
窪塚みいな 2013年の座談会動画に所属女優として出演 ―
乙アリス(聖菜アリサ名義) 2013年のデビュー時に所属 2016年7月にDINOへ移籍し水嶋アリスに改名
高梨あゆみ 2013年デビュー、ファイブ所属として活動 ―
七海りこ 2014年、バンビプロモーションから移籍と同時に改名 ―
吉川いと 2014年10月、マインズから芸名そのままで移籍 ―
葉山美空 2015年デビュー、ファイブ所属として活動 2016年の再編でLINXへ
城崎桐子 2015年12月デビュー、ファイブ所属 再編でLINXへ
彩奈リナ 2016年3月に移籍し、七原あかりから改名 再編でLINXへ
月本愛 2016年デビュー、ファイブ所属 再編でLINXへ、2018年5月に引退
黒木いくみ(あさひ奈々名義) 2016年のデビュー時に所属 同年5月にオールプロモーション所属で活動再開

有村千佳[編集]

2010年にファイブプロモーション所属としてデビュー。2014年8月、龍が如くシリーズの新作へのキャラクター出演権をかけた「セクシー女優人気投票」で24万票あまりを集めて1位を獲得し、ゲーム出演を勝ち取った。2015年3月にはスカパー!アダルト放送大賞2015で作品賞と東京スポーツ賞を受賞している。ファイブ出身者の中でも、業界外にまで名前が届いた代表的な存在である。同年5月に引退した。

湊莉久[編集]

2013年4月にデビュー。2015年6月にファイブプロモーションからマークスジャパンへ移籍し、同年9月には恵比寿マスカッツへの加入が発表された。2018年12月の卒業ライブまでグループで活動し、冠番組を持つなど、セクシー女優の枠を超えてタレントとして活躍した。ゲーム『龍が如く0 誓いの場所』にも出演している。2016年7月にはティーパワーズへの移籍が発表された。

乙アリス[編集]

2013年に「聖菜アリサ」名義でファイブプロモーションからデビュー。デビュー前はコスプレモデルとして撮影会に参加していた経歴を持つ。2016年7月に事務所を移って「水嶋アリス」に改名し、さらに2020年9月には「乙アリス」へと改名した。アイドルグループ「マシュマロ3d+」ではリーダーも務め、2023年3月に卒業。歌やライブ活動にも力を入れている。

杏美月[編集]

2006年12月にシネマユニット・ガス専属でデビューし、同メーカーの看板として多数の作品に出演した。2009年にいったん引退したのち2011年6月に復帰し、同年11月にマークスグループ傘下のファイブプロモーション所属となったことを自身のブログで発表した。専属を離れたベテランが企画単体として再出発する、ファイブの「受け皿」としての性格をよく示す例である。

月本愛[編集]

2016年にファイブプロモーション所属でデビューし、同年の再編でLINXへ移った。2017年には上野の成人映画館の3代目マスコットガールに選ばれ、同年5月からはAVメーカーの営業部員としても働くという異色の兼業で話題になった。映画出演もこなし、2018年5月31日をもって引退した。

マークスグループ内の三部門[編集]

部門名 主な担当
マークスジャパン 単体女優(メーカー専属女優)中心
ファイブプロモーション 企画単体女優中心
バルドエージェンシー 熟女系女優中心

三部門体制は、女優のタイプごとに営業先や売り出し方を分ける仕組みだったと考えられる。単体女優はメーカーとの専属契約交渉が中心になり、企画単体女優は多数のメーカーへの売り込みと出演スケジュールの管理が中心になる。こうした違いに合わせて看板を分けていたことが、ファイブプロモーションという名前が存在した理由といえる。

業界への影響[編集]

2016年の事件が残したもの[編集]

マークスグループの摘発は、AVプロダクションが女優をメーカーの撮影現場に送り出すという、業界ではごく一般的だった仕組みそのものが労働者派遣法違反に問われ得ることを示した。報道では、最大手メーカーにまで家宅捜索が及んだことが業界に衝撃を与えたとされる。

事件をきっかけに、業界では第三者機関による自主規制の枠組みづくりが進んだ。メーカー団体の再編や、プロダクション側の団体の設立、女優の権利を守るためのルール整備などが相次ぎ、作品の審査・管理を担う知的財産振興協会の取り組みや「適正AV」という考え方が広まっていった。ファイブプロモーション自身は表舞台から消えたが、その名前は業界の転換点となった事件の当事者の一つとして記録に残っている。

所属女優にとっての転機[編集]

所属女優の側から見ると、2016年は事務所の解散と移籍が一斉に起きた年だった。多くはLINXへ移って活動を継続したが、別の事務所へ移る、改名して再出発する、あるいは引退を選ぶなど、その後の道はさまざまだった。同じ事務所に所属していた女優たちのプロフィールに「2016年」「再編」「LINX」という同じキーワードが並ぶのは、この時期の業界の大きな揺れを物語っている。

炎上とバズ[編集]

有村千佳の人気投票1位[編集]

2014年夏に行われた、ゲーム『龍が如く』シリーズへのキャラクター出演をかけたセクシー女優人気投票では、ファイブ所属の有村千佳が1位を獲得した。同じ企画には、のちにファイブへ移籍する吉川いとも参加していた。ゲームファンの間でも話題となり、ファイブ所属女優の知名度が一般層にまで広がるきっかけとなった。

2016年の摘発報道[編集]

2016年6月のマークスジャパン幹部逮捕は、一般紙やネットニュースでも大きく報じられた。AV出演強要問題が社会的に注目されていた時期と重なり、ファイブプロモーションへの家宅捜索も含めて、業界全体のあり方が問われる大きなニュースとなった。

余談[編集]

  • 2013年の座談会動画に出演した4名のうち、羽月希と湊莉久はのちにそれぞれ長く知られる存在となった。新人募集のための動画が、結果的に人気女優の初期の姿を記録した資料にもなっている。
  • 移籍の際に改名するケースが多いのもファイブの特徴の一つで、水瀬姫香から七海りこ、七原あかりから彩奈リナへの改名は、いずれもファイブへの移籍と同時に行われた。
  • 吉川いとはファイブへの移籍を、自身のTwitterで「事務所が変わりました」と簡潔に報告している。芸名を変えずに移籍した珍しいパターンである。
  • 所属経験者の中には、ファンクラブサイトのFantiaを中心に活動したり、アイドルグループや撮影会モデルとして活動したりと、AV以外のフィールドへ進んだ人も少なくない。
  • 同じ「〜プロモーション」という名前のAVプロダクションは多く、バンビプロモーション、オールプロモーションなど、ファイブと女優が行き来した事務所も同様の名前を持っている。混同に注意。

外部リンク[編集]

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