| トラック野郎 Torakku Yarō(Truck Guys) | |
|---|---|
![]() 主人公・星桃次郎の愛車「一番星号」(第10作『故郷特急便』仕様、ジャパントラックショー2016で展示)(出典:Wikimedia Commons) | |
| 監督 | 鈴木則文(全10作) |
| 製作 | 企画:高村賢治、天尾完次(第2作以降) |
| 脚本 | 鈴木則文、澤井信一郎、野上龍雄、中島信昭、掛札昌裕、中島丈博、松島利昭(作品により共同脚本) |
| 原作 | なし(オリジナル) |
| 出演 | 菅原文太、愛川欽也、春川ますみ、せんだみつお(第7〜9作) ほか |
| 撮影 | 仲沢半次郎、飯村雅彦、中島徹、中島芳男、出先哲也 |
| 音楽 | 木下忠司(主に担当)、菊池俊輔(第3作)、津島利章(第6作) |
| ジャンル | 喜劇、アクション、ロードムービー |
| 撮影期間 | 1975年 - 1979年 |
| 制作会社 | 東映東京撮影所 |
| 配給 | 東映 |
| フォーマット | カラー |
| 劇場公開 | 1975年8月30日(第1作)- 1979年12月22日(第10作) |
| 配信 | U-NEXT、Hulu ほか(2026年10月時点) |
| 上映時間 | 96分 - 110分(各作) |
| 興行収入 | 配給収入:第2作『爆走一番星』14億9384万円(シリーズ最高) |
| 言語 | 日本語 |
| リンク | 東映ビデオ |
概要[編集]
トラック野郎(トラックやろう)とは、1975年から1979年にかけて東映が製作・配給した、菅原文太と愛川欽也主演、鈴木則文監督による全10作の喜劇映画シリーズである。電飾と極彩色の絵でギラギラに飾った長距離トラック「デコトラ」を駆る「一番星」こと星桃次郎と、相棒「やもめのジョナサン」こと松下金造が日本中で恋と喧嘩と爆走を繰り広げる、盆と正月の東映のドル箱だった。
詳細[編集]
「寅さん」への東映からの回答[編集]
シリーズの骨格は、ライバル会社松竹の看板『男はつらいよ』を意識して作られている。主人公が毎回マドンナに一目惚れして振られる、という型はそっくりで、当時のマスコミは同じ盆・正月に公開される両シリーズを「トラトラ対決」と呼んだ。主人公の名前「桃次郎」も、渥美清演じる車寅次郎に対抗する意図で決められたとされる。
ただし中身は正反対。寅さんが「静・雅」なら、桃次郎は「動・俗」。下ネタ、殴り合いの大喧嘩、パトカーをなぎ倒すカーアクションと、寅さんには絶対にできないことを全部盛り込んだのが『トラック野郎』だった。菅原文太自身も後年、寅さんのスタイルを踏襲していたことを認めている。
実録やくざ俳優が三枚目に[編集]
主演の菅原文太は、直前まで『仁義なき戦い』シリーズで広能昌三を演じ、深作欣二監督らと「実録路線」を背負っていた強面スターである。その文太が腹巻き姿で便意をこらえ、マドンナの前では「僕」と言って職業を詐称する三枚目を演じたギャップが、観客に大受けした。
文太は当初、喜劇と聞いて出演を迷ったが、かつて鈴木監督と組んだ「関東テキヤ一家」シリーズが喜劇だったこともあり、「続いても二、三作だろう」と引き受けたとされる。ところが結果は5年・10作のロングラン。のちに本人は「早くやめたいと思っていた」と苦しい胸の内も明かしている。
デコトラという主役[編集]
本作のもう一人の主役は、トラックそのものである。電飾、ステンレスのパーツ、荷台いっぱいに描かれた絵で飾ったトラックは当時から一部の運転手の間で存在していたが、本作の大ヒットで一気に全国区になった。「デコトラ」という略語は、映画のヒットに合わせて発売された青島文化教材社のプラモデルの商品名としても広まった。
撮影にはトラック運転手のグループ「哥麿会(うたまろかい)」が全面協力し、実在のデコトラが多数登場する。劇中のトラックのデザインと箱絵は、全10作の美術を担当した桑名忠之が手がけた。
「トラック野郎」という言葉[編集]
「トラック野郎」は東映が作った造語だったが、映画のヒットで長距離トラック運転手の俗称としてすっかり定着した。いまでもトラック運転手を指して普通に使われるこの言葉は、この映画シリーズが生みの親である。
誕生の経緯と制作[編集]
愛川欽也の持ち込み企画[編集]
企画の出発点は、ジョナサン役の愛川欽也だった。愛川は吹き替えを担当していたアメリカのテレビドラマ『ルート66』のようなロードムービーを作りたいと考え、東映に企画を持ち込んだとされる。ただ『ルート66』は若者2人がスポーツカーで旅する話で、40歳になっていた愛川がそのまま演じるのは無理があった。
そこへヒントを与えたのが、1975年5月にNHKで放送されたドキュメンタリー『カメラリポート 走る街道美学』。電飾トラックが夜の街道を走る映像を見た愛川が「これだ」と思い、菅原文太に相談した、というのが定説である。ただし、文太が大型免許取得に約2か月かかったという記録から逆算すると、番組放送前に製作が決まっていたことになり、時系列が合わないという指摘もある。
一度は社長に一蹴された[編集]
監督の鈴木則文が企画を出すと、当時の東映社長・岡田茂は「トラックの運ちゃんの映画なんて誰が見るんだ」と一蹴したという。ところがお盆に予定していた別作品が頓挫し、急きょ穴埋めとして本作の制作が決定。宣伝部の福永邦昭が電飾トラックの雑誌記事を集め、NHKの番組フィルムを借りて社内試写を行い、社長の承認を取りつけた。
企画決定から公開までわずか2か月ほどという突貫工事で、文太は1975年7月12日に大型免許に合格し、7月21日のクランクインにぎりぎり間に合ったとされる。第1作はもともと単発の予定だった。
星桃次郎という名前[編集]
主人公の名前は、鈴木監督と助監督の澤井信一郎が青森県下北半島へ取材に出かけた際、書店で桃太郎の弟「桃次郎」が出てくる本を見つけたことに由来する。車寅次郎に対抗して下の名前を「桃次郎」に決め、苗字は「車より星の方がいいだろう」と「星」に。こうして「一番星桃次郎」が生まれた。
一方ジョナサンの苗字「松下」は、愛川が出演していた松下電器のラジカセCMのセリフにちなむ命名。行灯の「やもめのジョナサン」は、当時ヒットした映画『かもめのジョナサン』のパロディである。
撮影の裏側[編集]
鈴木監督と澤井は第1作の脚本執筆前に、長距離トラックに同乗する5日間の取材旅行を敢行した。一番星号の正面下部にある「雪の下北」「はぐれ鳥」の文字は、そのとき最初に同乗したトラックの装飾をそのまま引き継いだものだという。
マドンナ登場シーンでマドンナの周りに無数の星がキラキラと輝く、シリーズおなじみの演出を考案したのは、撮影技師の仲沢半次郎である。また、トラックの「違法改造」問題や、文太が当初大型免許を持っていなかったことなどから、撮影中は警察との摩擦が絶えなかったとされる。
あらすじ・お約束[編集]
基本の型[編集]
川崎を拠点に日本全国を走る長距離トラック運転手、一番星こと星桃次郎(菅原文太)。相棒は子沢山の元警察官、やもめのジョナサンこと松下金造(愛川欽也)。二人は毎回、日本のどこかの祭りや名所を舞台に騒動を巻き起こす。
桃次郎はたいてい、トイレ中など情けない姿のときにマドンナと出会い、一目惚れ。相手の趣味に合わせた付け焼き刃の知識で猛アタックするが、空回りする。そこへ個性の強いライバルトラッカーが現れ、トラックでの「ワッパ勝負」や一対一の殴り合いを繰り広げ、最後には友情が芽生える。
クライマックスの爆走[編集]
恋は結局実らない。失恋した桃次郎は「天下御免のトラック野郎」に戻り、時間的に無理な条件の仕事を引き受けて、荷物(ときには人)を目的地へ届けるために爆走する。追ってくるパトカーや白バイを蹴散らし、検問を突破し、仲間のトラッカーたちの協力を得て、一番星号を満身創痍にしながら時間内に届け切る。
ラストは修理を終えた一番星号とジョナサン号が並んで走り去るのが定番。ただし激走の代償で自走できなくなったため、第1作では一番星号がジョナサン号を牽引し、第3作では逆にジョナサン号が一番星号を牽引して終わる。
全国の祭りが舞台[編集]
青森ねぶた、仙台七夕、長崎くんち、唐津くんち、高山祭、よさこい祭りなど、各地の有名な祭りが毎回のように登場するのも特徴。ロケ地は北海道から九州・四国まで全国に及び、当時の地方の風景を記録したご当地映画としての価値も高い。
各作品とマドンナ一覧[編集]
第10作のみダブルマドンナ。配給収入は各作の資料による。
| No. | サブタイトル | 公開日 | マドンナ(役名) | ライバル(ニックネーム) | 主なロケ地 | 配給収入 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 御意見無用 | 1975年8月30日 | 中島ゆたか(倉加野洋子) | 佐藤允(関門のドラゴン) | 盛岡、青森、下関、仙台 | 約4億1900万円(封切配収) |
| 2 | 爆走一番星 | 1975年12月27日 | あべ静江(高見沢瑛子) | 田中邦衛(ボルサリーノ2) | 姫路、長崎、福岡、天草 | 14億9384万円 |
| 3 | 望郷一番星 | 1976年8月7日 | 島田陽子(三上亜希子) | 梅宮辰夫(カムチャッカ) | 広島、釧路、静内、札幌 | 12億2779万円 |
| 4 | 天下御免 | 1976年12月25日 | 由美かおる(我妻和歌子) | 杉浦直樹(コリーダ) | 倉敷、宇和島、松山、境港、京都 | 12億8197万円 |
| 5 | 度胸一番星 | 1977年8月6日 | 片平なぎさ(乙羽水名子) | 千葉真一(ジョーズ) | 新潟、佐渡、金沢、山形 | 10億9647万円 |
| 6 | 男一匹桃次郎 | 1977年12月24日 | 夏目雅子(小早川雅子) | 若山富三郎(子連れ狼) | 唐津、鹿児島、東京、熊本 | 12億1800万円 |
| 7 | 突撃一番星 | 1978年8月12日 | 原田美枝子(月田えり子) | 川谷拓三(なし) | 鳥羽、下呂温泉、東京 | 8億3000万円 |
| 8 | 一番星北へ帰る | 1978年12月23日 | 大谷直子(北見静代) | 黒沢年男(Big99) | 花巻、会津若松、いわき、福島 | 10億6000万円 |
| 9 | 熱風5000キロ | 1979年8月4日 | 小野みゆき(西沢夏) | 地井武男(ノサップ) | 木曽上松、松本、安曇野、長野、魚津 | 10億5000万円 |
| 10 | 故郷特急便 | 1979年12月22日 | 石川さゆり(小野川結花)、森下愛子(西尾風美子) | 原田大二郎(龍馬號) | 高知、大阪、高松、銚子、東京 | 約7億円 |
各作のみどころ[編集]
- 第1作『御意見無用』:青森ねぶた祭りが舞台。ジョナサンの養女となる少女・由美の父親探しと、ドライブインのウエイトレス洋子への恋。クライマックスは盛岡から下北の港まで、普通なら8時間の道のりを桃次郎いわく3時間で走り抜ける。同時上映は志穂美悦子主演の『帰って来た女必殺拳』。
- 第2作『爆走一番星』:長崎くんちが舞台の正月映画で、配給収入はシリーズ最高を記録。クライマックスは岡山から長崎まで、元日0時までに父親を子どもの元へ届ける爆走。
- 第3作『望郷一番星』:シリーズ初の北海道ロケ。フェリーで出会った亜希子に一目惚れ。名馬ハイセイコーが登場することでも知られる。ライバルは梅宮辰夫演じる「カムチャッカ」こと大熊田太郎次郎左衛門。
- 第4作『天下御免』:四国・宇和島の闘牛が登場。マドンナは西野バレエ団出身の由美かおる。ライバル「コリーダ」は杉浦直樹。
- 第5作『度胸一番星』:佐渡と新潟が舞台。千葉真一がタンクローリー軍団を率いる「ジョーズ」こと新村譲治を怪演し、八代亜紀が女トラッカー「紅弁天」として出演。同時上映は『サーキットの狼』。
- 第6作『男一匹桃次郎』:唐津くんちと鹿児島が舞台。夏目雅子が女子大生マドンナを演じ、若山富三郎が「子連れ狼」ことライバル袴田太一に扮する。若山の代表作『子連れ狼』をもじったニックネームが笑いを誘う。
- 第7作『突撃一番星』:当時の『未知との遭遇』ブームに乗って、冒頭で一番星号が宇宙へ飛び出しUFOと交信するという異色作。「三番星」こと桶川玉三郎(せんだみつお)がここから登場し、樹木希林も出演している。
- 第8作『一番星北へ帰る』:マドンナが子持ちの未亡人という、シリーズでも異色のシリアス作。常磐ハワイアンセンターや輓馬大会が登場。主題歌「一番星ブルース」が使われなかった唯一の作品で、同時上映は東野英治郎主演の映画版『水戸黄門』。
- 第9作『熱風5000キロ』:信州・木曽が舞台。マドンナは運転手を仕切る「山猫お夏」。桃次郎が一目惚れしない珍しい回とされる。同時上映はジャッキー・チェン主演の『ドランクモンキー 酔拳』。
- 第10作『故郷特急便』:高知の闘犬とよさこい祭りが舞台。石川さゆりと森下愛子のダブルマドンナで、石川はドサ回りの歌手役で劇中歌も披露。ライバルは原田大二郎の「龍馬號」。結果的にこれがシリーズ最終作となった。
登場人物とキャスト[編集]
星桃次郎(菅原文太)[編集]
主人公。独身の長距離トラック運転手で、オープニングのクレジットは「一番星桃次郎」。短気で喧嘩っ早いが、情に厚く卑怯なことを嫌う。酒好き・女好きの大食漢で、仲間からの人望は厚い。腹巻きやライターには必ず「☆」マークが入り、右肩には「☆一番星」の刺青がある。
住所不定のため、手紙は川崎の行きつけの店宛てに届く。マドンナの前では一人称が「俺」から「僕」に変わり、「運輸省関係」「学者」などと見栄を張って職業を詐称するのがお約束。腹が弱く、運転中に便意をもよおすのも定番ギャグである。
松下金造/やもめのジョナサン(愛川欽也)[編集]
桃次郎の相棒。「やもめ」を名乗りながら実は妻帯者で、子どもは作品が進むごとに増えていく子沢山。津軽出身の元警察官で、かつては過積載を容赦なく取り締まる「花巻の鬼台貫(おにだいかん)」と恐れられたが、不祥事で懲戒免職となりトラック野郎に転身した。
性格は温厚で人情家。男女の仲を取り持つのが得意だが、肝心の桃次郎とマドンナの仲だけは取り持てない。普段の衣装は虎縞の腹巻き。警察を風刺する描写には、戦争を体験した愛川の反権力的な姿勢が反映されていたともいわれる。
松下君江(春川ますみ)[編集]
ジョナサンの妻で、通称「母ちゃん」。全10作中8作に出演。夫が長距離輸送から帰ると栄養満点の料理を並べて迎えるのがシリーズの恒例ギャグ。夫が病気やケガのときは代わりにジョナサン号のハンドルを握る、パワフルな肝っ玉母ちゃんである。
桶川玉三郎/三番星(せんだみつお)[編集]
第7作から第9作に登場するお調子者。オープニングで役名がクレジットされるのは一番星とジョナサン以外では玉三郎だけ。桃次郎たちに弟子入りするが失敗ばかり。第10作にも出演予定だったが、せんだの急病で取りやめになったとされる。
哥麿(宮崎靖男)[編集]
口ひげのトラック運転手で、第3作以降の全作に登場する。演じた宮崎靖男は俳優ではなく本職のトラック運転手で、企画のきっかけとなったNHKのドキュメンタリーにも登場した人物。本作のために哥麿会を立ち上げ、劇中のトラック手配に尽力した。
主題歌・音楽[編集]
主題歌「一番星ブルース」は、菅原文太と愛川欽也のデュエット。作詞・阿木燿子、作曲・宇崎竜童、編曲はダウン・タウン・ブギウギ・バンドという、当時の最先端の顔ぶれである。第8作を除く9作品でオープニングとエンディングに使われた。
文太がこのバンドを起用したのには伏線がある。当時文太は会社の酷使に反発し、「ダウン・タウン・ブギウギ・バンドとの共演映画を会社が認めなければ、他の映画に出ない」と言っていたとされる。製作が初めて公表されたのも、1975年6月に開かれた同バンドのコンサート会場で、東映の企画製作部長が「ダウン・タウンvs.菅原文太で長距離トラック運転手の映画製作を内定した」と発表したときだった。
挿入歌「トラックドライビングブギ」は第1作と第2作で使用。第1作のガソリンスタンドの場面では、店員をバンドのメンバーが演じている。音楽は主に木下忠司が担当した。
評価・興行[編集]
東映を救ったドル箱[編集]
単発のはずだった第1作がヒットし、すぐにシリーズ化。第2作『爆走一番星』は配給収入約14億9千万円を記録し、以後もほとんどの作品で10億円を超えた。盆と正月に公開される東映の興行の柱となり、第3作から第8作までは4週間のロングラン興行が組まれた。
当時の東映は、京都と東京の二つの撮影所のどちらかを閉鎖する案が取り沙汰されていたが、京都の東映太秦映画村の成功と、東京撮影所が手がけた『トラック野郎』の大ヒットにより、両撮影所が存続したといわれる。2016年には当時の東映社長が「『トラック野郎』のような映画は、東映が長年プログラムピクチャーを作ってきたからこそ生み出された」と語っている。
批判と警察からのクレーム[編集]
毎回のクライマックスでパトカーや白バイが横転・大破するなど、警察を風刺した描写が多かったため、警察庁からクレームが入ったとされる。また、トルコ風呂(現在のソープランド)の場面など、現在の目で見ると過激な描写も多い。ただし未成年のファンが増えたことへの配慮から、シリーズ後半ではそうした場面はほとんど描かれなくなった。
シリーズの終了[編集]
第10作『故郷特急便』は、併映作の不振もあって予定より4日早い24日間で打ち切られ、配給収入も前作から大きく落ち込んだ。以後、続編は作られていない。終了の理由には諸説ある。
- 東映が盆・正月の稼ぎ時を大作路線に切り替えたため(1980年1月の日本経済新聞が「動員力の頭打ち」を理由に大作に置き換えると報道)。
- 菅原文太本人がやめたがっていた説。文太は「10億円を切ったって嫌みを言われたから俺の方からやめた」「『仁義なき戦い』みたいなのが楽なんだよ、地でやれる」と語っている。
- 文太が1980年のNHK大河ドラマ『獅子の時代』の主演に決まり、スケジュールが拘束されたため。
- 映画が流行させたデコトラが逆に交通取締りの強化を招き、ブームに水を差したという説。
一方で、鈴木監督は打ち切り直前まで第11作のロケ地を打診していたとされ、第10作公開前には記念パーティーも開かれていたことから、公開前から終了が決まっていたわけではないとみられている。
その後と現在[編集]
一番星号は今も走る[編集]
シリーズ終了後、一番星号は売却されてパチンコ店の看板車両になるなど流転し、1980年代半ばには廃車同然の状態だった。1990年前後に大阪の個人オーナーが購入して復活させ、2014年に全国哥麿会へ譲渡。映画当時の姿を目指して長期の修復が行われ、2020年に修復完了を哥麿会の公式YouTubeで宣言した。修復では当時のデザインを手がけた美術監督の桑名忠之が監修したとされ、現在は哥麿会の看板車としてイベントや慈善活動に参加している。一方、ジョナサン号は解体され現存しない。
派生作品と再評価[編集]
1981年には黒沢年男主演で後継作『ダンプ渡り鳥』が作られたが、ヒットには至らなかった。1996年には工藤静香主演の『爆走!ムーンエンジェル -北へ』が東映配給で公開されている。
2014年には監督の鈴木則文(5月)と主演の菅原文太(11月)が、2015年には愛川欽也が相次いで死去し、テレビ東京などで追悼放送が行われた。2012年にはテレビ朝日の『マツコ&有吉の怒り新党』で「新・3大トラック野郎の男気あふれる爆走」として取り上げられ、若い世代にも再発見された。2025年には公開50周年を記念してTOKYO MXで放送され、トークショーも開かれた。
関連商品[編集]
DVD・Blu-rayは東映ビデオから全10作が発売されており、2014年には全10作を収めたBlu-ray BOXが2巻に分けて発売された。このほかバンダイや青島文化教材社のプラモデル、タカラのチョロQ、ニューギンのパチンコ機『CRトラック野郎』(2014年)など、グッズも数多い。2013年にはスズキの軽トラックのCMで文太が「軽トラ野郎」を演じるパロディも話題になった。
余談[編集]
- 『男はつらいよ』の寅さんと同じく、桃次郎も「兄を若くして亡くした次男坊」という設定である。
- 文太はトラック野郎のために大型免許を取ったが、普段は電車通勤で、免許取得後も自分の車は買わなかったと、元東映宣伝部の福永邦昭が証言している。
- 2008年の特撮ドラマ『炎神戦隊ゴーオンジャー』には、デコトラをモチーフに広島弁でしゃべる怪人が登場し、セリフにシリーズのタイトルが多数織り込まれた。断末魔は「最終作は…故郷特急便…」だったという。
- 2017年には相模原市で愛川欽也の三回忌チャリティーイベントが開かれ、全国から550台のデコトラが集まったとされる。
- デコトラを題材にしたゲーム『爆走デコトラ伝説』シリーズの第2作では、菅原文太が監修を務めた。
- 第6作の同時上映は、せんだみつお主演の実写映画版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』だった。
