概要[編集]
eスポーツ(イースポーツ)とは、コンピュータゲームやビデオゲームを使った対戦を競技として捉えたものの総称である。英語の electronic sports の略で、日本では2018年前後から急速に言葉が広まり、プロ選手やプロチームが存在する産業へと成長した。
詳細[編集]
eスポーツは特定のゲームジャンルを指す言葉ではなく、「競技性のある対戦ゲームを、観戦されることを前提に運営する枠組み」を指す。したがって対象タイトルは固定されておらず、VALORANTのようなシューティング、Apex Legendsのようなバトルロイヤル、リーグ・オブ・レジェンドのようなチーム戦略ゲーム、格闘ゲーム、パズルゲーム、サッカーゲームまで幅広い。
従来のスポーツと大きく違うのは、競技の土台であるゲームソフト自体を企業が所有している点である。ルールもマップも運営会社のアップデートで変わり、タイトルのサービスが終われば競技も消える。この構造が、eスポーツ特有の不安定さと、運営会社主導のリーグ運営という形を生んでいる。
歴史[編集]
対戦ゲームの大会自体は1970年代から存在したが、産業として本格化したのは2000年代の韓国である。放送局が韓国国内でスタークラフトのプロリーグを中継し、プロ選手が芸能人並みの知名度を得たことが、現在のeスポーツの原型となった。
2010年代に入るとリーグ・オブ・レジェンドやDota 2の世界大会が賞金総額数十億円規模に達し、TwitchやYouTubeでのライブ配信が観戦の主流になった。日本での本格的な普及は、2018年に国内団体が発足しプロライセンス制度が始まったこと、2019年から国民体育大会の文化プログラムとして全国都道府県対抗の大会が開かれるようになったことが大きい。
2020年代にはVALORANTの登場と、新型コロナウイルス禍による在宅時間の増加が重なり、ゲーム実況やストリーマー文化と結び付く形で視聴者層が一気に広がった。
日本の状況[編集]
国内の統括団体である日本eスポーツ連合(JeSU)は、競技タイトルの公認、選手へのプロライセンス発行、国際大会への選手派遣などを担っている。プロライセンス制度は、高額賞金と景品表示法の関係を整理する目的があったとされ、制度の必要性については当初から賛否が交わされてきた。
市場規模は着実に拡大している。JeSUがまとめた資料によれば、2024年の国内eスポーツ市場は前年比約9.9%増の推計約161億円で、2026年には200億円を超えると予測されている。ファン数は2024年時点で約967万人、そのうち約419万人が実際に競技としてプレイする層と推計されており、2026年にはファン数が約1,500万人に迫るとみられている。
主なチームと選手[編集]
国内の代表的なプロチームには、2022年のVALORANT世界大会で3位に入ったZETA DIVISION、2012年設立で国内最古参クラスのDetonatioN FocusMe、ストリーマー中心の編成で知られるCrazy Raccoonなどがある。
競技選手とは別に、渋谷ハルやK4sen、StylishNoob、ボドカ、だるまいずごっど、ありさかといった配信者が主催・出場する大型カスタム大会が国内独自の盛り上がりを見せている点も特徴である。ホロライブやにじさんじ、ぶいすぽっ!といったVTuber勢が大会に参加することも珍しくなく、競技シーンと配信シーンの距離が近い。
課題[編集]
選手寿命の短さ、収入の不安定さ、タイトル依存のリスク、若年層の長時間プレイと健康の問題などが繰り返し指摘されている。また、部活動や教育現場への導入をめぐっては、教育的意義を評価する声とゲーム依存への懸念が並存しており、議論は続いている。