NewJeans

概要[編集]

NewJeans(ニュージーンズ)は、韓国のADOR(HYBE傘下レーベル)所属の5人組ガールズグループ。2022年7月に「Attention」でデビューし、第4世代K-POPに革命を起こしたグループとして一躍世界的人気を獲得した。メンバーはミンジ、ハニ、ダニエル、ヘリン、ヘインの5人。グループ名には「新しいジーンズ(デニム)のように世代を超えて長く愛される存在に」「Newなgenes(遺伝子)=新時代の象徴に」というダブルミーニングが込められているらしい。

ファンダム名はBunnies(バニーズ)。爆発的なサビや派手な演出に頼らず、ゆったりとしたイージーリスニング的なサウンドと、90〜2000年代を彷彿とさせるレトロで自然体なビジュアルで、それまでのK-POPの「足し算の美学」を真っ向から覆した。プロデューサーのミン・ヒジン(ミン・ヒージン)が手がけた洗練された世界観は「K-POPの常識を変えた」と高く評価され、デビューからわずかな期間で社会現象を巻き起こした。デビュー曲「Attention」「Hype Boy」がいきなり大ヒットし、「新人なのに完成されすぎている」と業界に衝撃を与えたのは語り草である。

一方で、2024年から表面化したADORとHYBEの経営権をめぐる対立は、グループの活動にも影響を及ぼす大きな騒動へと発展し、現在もその動向が国内外で注目されている。音楽的革新と、業界の構造を揺るがすスキャンダルの両面で、NewJeansは「2020年代のK-POPを語る上で外せないグループ」となっている。

メンバー[編集]

  • ミンジ(キム・ミンジ、2004年生):リーダー。落ち着いた雰囲気とビジュアルでグループの軸を担う。クールでありながら親しみやすいキャラ。
  • ハニ(ファム・ゴック・ハン、2004年生):ベトナム系オーストラリア出身。明るく愛嬌のある性格で、多言語を操る。日本の昭和歌謡をカバーしたステージが大きな話題になった。
  • ダニエル(カン・ダニエル=モ・ジへ、2005年生):韓国系オーストラリア出身。天真爛漫なムードメーカーで、英語も堪能。
  • ヘリン(イ・ヘリン、2006年生):透明感のあるビジュアルと安定したパフォーマンスが魅力。
  • ヘイン(イ・ヘイン、2008年生):末っ子(マンネ)。デビュー時はまだ中学生だったが、堂々としたステージングで注目された。

音楽性[編集]

NewJeans最大の特徴は、その独自の音楽性にある。ヒップホップ、UKガラージ、ジャージークラブ、ボルチモアクラブといったクラブミュージックの要素を、聴きやすくキャッチーなポップスへと昇華させた「イージーでありながら中毒性のある」サウンドが持ち味。代表曲「Hype Boy」「Ditto」「OMG」「Super Shy」「ETA」「Cool With You」「Supernatural」などは、いずれも派手なフックに頼らず、じわじわと耳に残る「スルメ曲」として世界中で愛されている。

「Ditto」のミュージックビデオは、エモーショナルでノスタルジックな映像表現が話題となり、Y2K(2000年代)リバイバルの象徴的作品として若者文化に大きな影響を与えた。サウンド面でのもうひとつの特徴は、ヴォーカルを過度に張り上げず、ささやくように歌うことで生まれる「気だるさ」と「親密さ」。この距離感の近さが、リスナーに「自分だけに歌ってくれている」ような感覚を与え、強い愛着を生んでいると分析される。一度聴いただけでは地味に感じても、気づけば何度もリピートしてしまう——そんな中毒性こそがNewJeansサウンドの真骨頂だとファンは口を揃える。

スタイル・影響[編集]

NewJeansは音楽だけでなく、ファッション・ビジュアル面でもZ世代のトレンドを決定づけた。過度な装飾を排した自然体のスタイリング、ハイティーンの瑞々しさをそのまま映し出したコンセプトは、「飾らない可愛さ」として共感を集めた。これは過剰な完璧さを求められがちだったアイドル像へのアンチテーゼでもあり、「等身大の魅力」という新たな価値観をK-POPに持ち込んだ。彼女たちが身につけるアイテムは即完売し、グローバルなハイブランドが次々とアンバサダーに起用。アップル、ナイキ、コカ・コーラなど世界的企業のCMにも多数出演し、その影響力はK-POPの枠を大きく超えている。

ミン・ヒジンとの関係[編集]

NewJeansの世界観を一から作り上げたのが、クリエイティブディレクターのミン・ヒジンである。彼女のセンスがグループの成功の核であったことは広く認められており、ビジュアル・サウンド・MV・ファッションのすべてを統括する総合プロデューサーとして、NewJeansという作品を作り上げた立役者である。メンバーとミン・ヒジンの間には強い信頼関係があると報じられてきた。しかしこの「プロデューサーとアーティストの絆」が、後の経営権騒動において複雑な火種となっていく。

来歴[編集]

NewJeansは、SM出身の名物クリエイティブディレクター、ミン・ヒジンがHYBE傘下に新設したレーベルADORの第1号グループとして誕生した。デビュー方法からして異例で、ティーザーや事前プロモーションをほとんど行わず、ある日突然「Attention」のミュージックビデオを公開する「ノー・ティーザー戦略」を採用。この型破りな登場が逆に大きな話題を呼び、デビュー曲はあっという間に各種チャートを駆け上がった。

デビューEP『New Jeans』、シングル『OMG』、EP『Get Up』と立て続けにヒットを飛ばし、特に『Get Up』はアメリカ・ビルボード200で1位を獲得するという、デビュー1年目のK-POPガールズグループとしては前例のない快挙を成し遂げた。デビューからわずか1年で「世界が注目するグループ」へと一気に駆け上がったスピードは、K-POP史に残る伝説的なスタートと言われている。

受賞歴と記録[編集]

NewJeansはデビューイヤーから韓国の主要音楽授賞式で新人賞を総なめにし、その後も大賞クラスの賞を多数受賞してきた。ビルボード、ストリーミング各社のチャートでも数々の記録を打ち立て、SpotifyやYouTubeでの再生数は新人離れした数字を叩き出した。米『TIME』誌の「次世代のリーダー」的な特集で取り上げられるなど、音楽の枠を超えて「新世代のアイコン」として国際的に評価された。短期間でこれほどの実績を残したグループは稀で、その勢いは「NewJeansシンドローム」とも呼ばれた。

日本での活動[編集]

NewJeansは日本でも絶大な人気を誇り、東京ドームでのファンミーティングを成功させるなど、日本市場でも別格の存在感を示した。特にハニが昭和の名曲をカバーしたパフォーマンスは、日本のお茶の間にまで届く話題となり、世代を超えて「NewJeansって何者?」という関心を呼んだ。日本のファッション・美容シーンにも影響を与え、彼女たちの自然体なスタイルは「NewJeansっぽい」という形容詞として定着しつつある。

第4世代での位置づけ[編集]

IVELE SSERAFIM、aespaなどと並ぶ「第4世代ガールズグループ」の代表格でありながら、NewJeansはその中でも明確に異質な存在だった。爆発力よりも余白、派手さよりも自然体——他のグループとは正反対のベクトルで頂点に立ったことで、「K-POPの多様化」を象徴する存在となった。彼女たちの成功は、その後のK-POP業界全体のサウンドやコンセプトの方向性に大きな影響を与え、「NewJeans以後」という言葉が使われるほどのパラダイムシフトを起こしたと評価されている。

炎上とバズ[編集]

  • 2024年、ADORの代表だったミン・ヒジンと親会社HYBEの間で、経営権をめぐる深刻な対立が表面化。記者会見やSNSを通じた応酬が連日報じられ、K-POP業界全体を揺るがす大騒動となった。
  • この対立を受けて、NewJeansのメンバーたちは記者会見やライブ配信で自らの立場を表明し、専属契約をめぐる法的な動きにも発展。グループの今後をめぐって国内外のファンが固唱を呑んで見守る事態となった。
  • 一方で「Super Shy」「ETA」などのSNSダンスチャレンジは世界的にバズり、TikTokを中心に膨大なカバー動画が生まれた。
  • ハニが日本の昭和歌謡「青い珊瑚礁」をカバーしたステージは、日本でも大きな話題となり、世代を超えて拡散された。
  • デビュー当初から「広告塔としての完成度が異常」と評され、企業タイアップのたびにSNSがざわつく存在になっている。
  • 経営権をめぐる一連の騒動では、双方の主張が真っ向から対立し、報道のたびにSNSのトレンドを席巻。K-POPファンのみならず一般メディアまで巻き込む社会的関心事となった。
  • メンバーが自らの言葉で心境を語る場面が度々あり、「アイドルが組織に対して声を上げる」という構図そのものが、業界の力関係を問い直す象徴的な出来事として受け止められた。

余談[編集]

  • メンバーの多くがオーストラリアやベトナムにルーツを持ち、多国籍・多言語であることがグローバル人気の一因になっている。
  • 「Ditto」「OMG」はデビュー翌年にビルボードのメインチャートにランクインし、新人離れした実績を残した。
  • ファンダム名「Bunnies」にちなみ、ウサギのモチーフがグループの公式マスコット的に使われている。
  • レトロでフィルムカメラ的な質感のMVは、Y2Kブームと完璧に合致し、「エモい」の象徴として若者に支持された。
  • NewJeansの登場以降、K-POP業界全体で「引き算の美学」「イージーリスニング志向」のサウンドが増えたと言われ、後続グループに与えた影響は計り知れない。
  • メンバーは全員が10代でデビューしており、「等身大のティーンエイジャー」という親近感が世界中のファンを惹きつけた。
  • 経営権騒動は法廷闘争にまで発展し、K-POPアイドルとレーベルの契約のあり方そのものを問う前例として、業界で大きく注目されている。
  • それでも音楽そのものへの評価は揺るがず、楽曲のクオリティとコンセプトの完成度は「世代を代表するグループ」としての地位を確固たるものにしている。
  • メンバー同士の自然体な仲の良さや、ファンとの距離の近い交流も、Bunniesに長く愛される理由になっている。
  • メンバーのダニエルとハニは英語が堪能で、海外メディアのインタビューでも物怖じせず受け答えする姿が「グローバルアイドル」として評価された。
  • 「Hype Boy」は収録曲でありながらタイトル曲級の人気を獲得し、複数のメンバーごとに異なるバージョンのMVが作られるという凝った試みが話題になった。
  • NewJeansの登場は、それまで「より派手に、よりド派手に」と進化してきたK-POPの潮流に、あえて逆行する「ミニマリズム」を持ち込んだ点で革命的だったと語られる。
  • 経営権騒動の渦中でも、メンバーへの同情とグループの音楽への評価は揺るがず、「アーティスト本人たちに罪はない」という声が世界中のファンから上がった。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]