KRAFTON
KRAFTON, Inc.
500px-KRAFTON_Logo_New_Red.svg.png
KRAFTONのロゴ(出典:Wikimedia Commons「KRAFTON Logo New Red.svg」・CC BY-SA 4.0)
略称 クラフトン
国家 韓国
種類 株式会社
市場情報 韓国取引所(KOSPI)259960
業種 ゲームの開発・パブリッシング
本社所在地 ソウル特別市江南区
設立日 2007年3月
設立者 張炳圭(チャン・ビョンギュ)
代表者 金昌漢(キム・チャンハン、CEO)
上場 2021年8月
年間売上 約3兆3300億ウォン(2025年12月期)
従業員数 3,400人以上
主要株主 張炳圭、テンセント系投資会社、国民年金公団
主要部門 PUBG IP事業、新規IP開発
主要子会社 PUBG STUDIOS、Unknown Worlds Entertainment、Tango Gameworks、ADKグループ、KRAFTON JAPAN
関係する人物 張炳圭、金昌漢、ブレンダン・グリーン
代表作品 PUBG: BATTLEGROUNDS、inZOI、Subnautica 2
別名 旧Bluehole
リンク https://www.krafton.com/


概要[編集]

KRAFTON(クラフトン)とは、韓国・ソウルに本社を置くゲーム会社である。前身は2007年創業のBluehole(ブルーホール)で、世界的ヒットとなったバトルロイヤルゲーム『PUBG: BATTLEGROUNDS』のIPを軸に成長した。近年はライフシム『inZOI』や『Subnautica 2』など、PUBG以外の柱づくりに力を入れている。

詳細[編集]

前身のBlueholeは2007年3月、実業家の張炳圭(チャン・ビョンギュ)らによってソウルで設立された。当初はPC向けMMORPG『TERA』などを手がける開発会社だったが、2017年に子会社が送り出した『PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS』(現『PUBG: BATTLEGROUNDS』)が爆発的にヒットし、会社の姿は一変した。

2018年11月、ゲームIPを束ねる持株会社としてKRAFTONが発足し、グループ名もBlueholeからKRAFTONへと改められた。旧Blueholeの名前は、開発スタジオ「Bluehole Studio」として子会社に残っている。2021年8月には韓国取引所(KOSPI)に上場した。

経営面では、売上の大半をPUBG関連が占める構造が続いてきた。同社はこれを踏まえ、海外スタジオの買収や新規IPの開発を進めている。2021年に『サブノーティカ』の開発元Unknown Worlds Entertainmentを、2024年8月には『Hi-Fi RUSH』で知られるTango GameworksとそのIPを取得した。2025年には、ドラえもんやクレヨンしんちゃんなどのアニメ事業で知られる日本の広告会社ADKグループを約750億円で買収すると発表し、大きな話題になった。

業績は右肩上がりが続いている。2025年12月期の売上高は約3兆3300億ウォン(約3659億円)、営業利益は約1兆500億ウォンで、いずれも過去最高を記録した。2026年に入ると、第1四半期に売上高1兆3714億ウォン、第2四半期に1兆2902億ウォン(前年同期比94.9%増)を計上し、上半期として過去最高益となった。

主なゲーム[編集]

PUBG: BATTLEGROUNDS[編集]

最大100人が孤島に降り立ち、最後の1人(1チーム)になるまで戦うバトルロイヤルゲーム。ディレクターは「PlayerUnknown」の名で知られるブレンダン・グリーンで、2017年3月にSteamで早期アクセスが始まり、同年12月に正式リリースされた。最後まで生き残ったときに表示される「勝った!勝った!夕飯はドン勝だ!!」という日本語ローカライズの決め台詞は、ネットミームとして定着している。

2022年1月からは基本プレイ無料に移行した。2025年12月期にはPC版の売上が前年比16%伸び、年間で過去最高を更新したとされる。2026年には新モード「Xeno Point」や「PAYDAY」とのコラボなど、運営型タイトルとしてのアップデートが続いている。

PUBG MOBILE[編集]

スマートフォン版の『PUBG MOBILE』は、中国のテンセントが開発・運営を担い、2018年に世界配信された。KRAFTONはIPホルダーとしてロイヤリティ収入を得る形で、テンセント系の投資会社はKRAFTONの大株主でもある。モバイル向けバトルロイヤルの代表格として、フォートナイトやApex Legendsとともに語られることが多い。

BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA[編集]

インドでは2020年9月、政府が安全保障上の懸念を理由に中国系アプリを一斉に禁止し、PUBG MOBILEもその対象となった。これを受けてKRAFTONは自社運営のインド専用版『BATTLEGROUNDS MOBILE INDIA』(BGMI)を開発し、2021年7月にAndroid版を配信した。

BGMIは2022年7月にアプリストアから削除され、一時提供停止となったが、2023年5月に復活した。2025年12月期にはBGMIの有料ユーザー数が前年比27%増加したとされ、インドは同社にとって重要な市場となっている。

inZOI[編集]

『inZOI』は、リアルなグラフィックで人生をシミュレーションするライフシム。2025年3月28日にSteamで早期アクセスが始まり、1週間で販売本数100万本を突破した。KRAFTONのタイトルとしては最速の100万本到達とされ、『ザ・シムズ』シリーズのライバルとして注目された。

Subnautica 2[編集]

海洋惑星を舞台にしたサバイバルゲーム『サブノーティカ』の続編。2026年5月に早期アクセス版が発売され、発売から22日で累計500万本を突破した。後述の訴訟でも焦点となった作品で、2026年第2四半期の過去最高業績を大きく押し上げた。

Unknown Worlds訴訟[編集]

KRAFTONは2021年、『サブノーティカ』の開発元Unknown Worldsを前払い5億ドルで買収し、『Subnautica 2』の売上目標達成を条件に最大2億5000万ドルの追加報酬(アーンアウト)を支払う契約を結んだ。

2025年7月、KRAFTONは創業者のチャーリー・クリーブランド、マックス・マクガイア、CEOのテッド・ギルの3人を解任した。3人は「KRAFTONはアーンアウトの支払いを避けるため、意図的に『Subnautica 2』の発売を遅らせた」と主張し、米デラウェア州衡平法裁判所に提訴した。KRAFTON側は、3人が未完成のまま早期アクセスを強行しようとしたと反論していた。

2026年3月16日、同裁判所は、KRAFTONが正当な理由なくキー従業員を解任し、スタジオの経営権を不当に掌握したとして契約違反を認定した。ギルのCEO復帰とアーンアウト期間の延長が命じられ、判決文ではKRAFTONのCEOが対応策をChatGPTに相談していた経緯にも触れられ、海外メディアで大きく報じられた。KRAFTONは判決に「敬意をもって同意しない」とコメントした。

その後、2026年7月1日に両者は和解した。KRAFTONは開発スタッフ全体に対し、当初の契約を大きく上回るボーナスを3年に分けて支払い、ギルはCEOを退任、係争中の訴訟はすべて取り下げられた。

日本での展開[編集]

日本法人は当初「PUBG JAPAN」として活動し、2023年7月1日に「KRAFTON JAPAN株式会社」へ社名変更した。本社は東京都渋谷区で、PUBGシリーズやinZOIの国内パブリッシング・マーケティング、eスポーツ大会の運営などを担っている。

2025年のADKグループ買収により、日本のアニメ制作・広告の分野にも本格的に足場を築いた。KRAFTONはADKのアニメ企画・制作力と自社のゲーム開発・運営の経験を組み合わせる方針を示している。

eスポーツとアジア競技大会[編集]

PUBG MOBILEは、2023年に開催された杭州アジア大会でeスポーツ競技として採用された。このときは大会の理念に合わせて、バトルロイヤル要素を除いた特別ルールの「アジア大会バージョン」で行われ、中国が金メダル、韓国が銀メダルを獲得した。

地元開催の2026年アジア競技大会でも、「PUBG MOBILE アジア大会バージョン」がeスポーツ競技の一つに選ばれた。本戦は2026年9月下旬に愛知県常滑市の会場で行われ、初日はタイが首位、中国、インドネシア、ベトナムがこれに続いた。最終結果は2026年9月29日時点で確定していない。

2026年の動向[編集]

  • 3月:Unknown Worlds訴訟で米裁判所がKRAFTONの契約違反を認定。同月にはロボティクス分野の新会社を設立し、「フィジカルAI」への進出も打ち出した。
  • 5月:『Subnautica 2』早期アクセス開始。発売直後から記録的な売れ行きとなった。
  • 7月:Unknown Worldsと和解。第2四半期決算で四半期ベースの過去最高水準の売上を発表。
  • 8月:gamescom 2026のオープニングで、PUBG STUDIOSの『PUBG: DED.NET』、Neon Giantの『NO LAW』など新作5タイトルを披露した。
  • 9月:アジアの招待大会「PUBG Asia Stars 2026」で問題が発生(後述)。

炎上とバズ[編集]

2026年9月、KRAFTONが主催した招待大会「PUBG Asia Stars 2026」で、ベトナムの選手2人が試合中に配信のチャットなど外部の情報を利用していたとする「配信スナイプ」疑惑が浮上した。韓国の出場者の告発を受けて批判が広がったが、KRAFTONの初動が遅かったことから、韓国勢が試合をボイコットする事態に発展した。

KRAFTONは最終的に2人を失格とし、大会の残りの日程を中止。賞金を参加地域に均等に分配すると発表した。その後、2人のPUBGでの活動停止措置が報じられている。本人側は、相手の配信を直接見たわけではないと説明したと報じられており、主張には食い違いもある。

一方、バズの面では『Subnautica 2』の初動が話題を呼んだ。発売後わずか12時間で200万本を売り上げたと報じられ、訴訟騒動で注目が集まっていたこともあり、「炎上していたタイトルが大ヒットした」という展開がゲーム業界で広く取り上げられた。

余談[編集]

  • 『PUBG』の「ドン勝」は、英語版の「Winner Winner Chicken Dinner」を意訳したもの。ゲーム内の和訳があまりに独特だったことから、日本のプレイヤーの間で定番フレーズになった。
  • ADKグループの買収では、韓国のゲーム会社が日本の大手広告会社を傘下に収めるという構図が注目され、アニメIPの獲得が狙いではないかという分析も相次いだ。
  • inZOIには、AIで動くキャラクターなどの技術が取り入れられているとされ、KRAFTONはAI分野への投資を今後の成長戦略の柱の一つに位置づけている。

外部リンク[編集]

💬 みんなの声

この記事を読んだ人が、ひとことつぶやく場所です。