| BOOTH(ブース) BOOTH | |
|---|---|
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運営元pixivのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 略称 | ブース |
| 国家 | 日本 |
| 種類 | 創作物の総合マーケット(オンラインマーケットプレイス) |
| 市場情報 | 非上場(運営会社ピクシブ株式会社は非上場) |
| 業種 | 電子商取引・情報通信業 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区(運営会社の所在地) |
| 設立日 | 2013年12月19日 |
| 年齢 | 12周年 |
| 設立者 | ピクシブ株式会社 |
| 所有者 | ピクシブ株式会社 |
| 主要株主 | ピクシブ(運営会社) |
| 主要部門 | BOOTH倉庫、あんしんBOOTHパック、ゆうゆうBOOTHパック、pixivFACTORY連携 |
| 別名 | ブース、booth.pm |
| リンク | https://booth.pm/ |
| コミュニティ | https://x.com/booth_pm |
概要[編集]
BOOTH(ブース)とは、ピクシブ株式会社が運営する、イラスト・同人誌・グッズ・音楽・電子書籍・3Dモデルなどを個人が無料でショップを開いて売買できる「創作物の総合マーケット」である。2013年12月19日にサービスを開始し、いまやVRChat向け3Dアバターの流通でも国内最大級の市場になっている。
詳細[編集]
どんなサービスか[編集]
BOOTHでは、クリエイターが「○○.booth.pm」形式の独自URLを持つショップを初期費用・月額費用なしで開設できる。売れたときだけサービス利用料がかかる成果報酬型で、無料配布の商品には手数料がかからない。紙の同人誌やアクリルキーホルダーのような物理グッズから、イラスト集PDF、音楽データ、フォント、ゲーム、Unity用の3Dモデルといったダウンロード商品まで、ジャンルは極めて幅広い。
pixivとの連携[編集]
最大の特徴は、イラスト投稿SNS「pixiv」とアカウントが共通で、作品ページから商品へ導線を張れること。開始当初から「pixivの作品と商品をつなぐ」ことが売りで、コミックマーケットなどの即売会で頒布する予定の新刊を事前登録してpixivで告知できる機能なども用意された。ファンがpixivで作家を見つけ、BOOTHで本やグッズを買い、pixivFANBOXで継続支援する、というピクシブ経済圏の「物販担当」がBOOTHである。
誰が使っているのか[編集]
サービス開始時の利用者は約5万人だったが、2018年5月には出品者と購入者を合わせた累計利用者数が100万人を突破した。5周年の2018年12月時点ですでに約20万ショップ・80万点以上の商品が登録されていたとされる。同人作家だけでなく、VTuberの公式グッズ、技術系同人誌(いわゆる技術書典系の本)、アパレル、TRPGシナリオ、ボードゲームなど「想定外」の使われ方が次々に生まれたのもBOOTHらしさである。
歴史[編集]
誕生(2013年)[編集]
BOOTHは2013年12月19日に正式オープンした。当時のサービス利用料はクレジットカード決済で「3.6%+10円」程度と非常に低く、倉庫保管6か月無料・全国一律700円での代行発送といった「倉庫サービス」も最初から用意されていた。当時のメディアでは「収益度外視のクリエイター向け無料ECサイト」と報じられ、他の委託販売に比べ破格の安さが話題となった。
匿名配送と機能拡張(2017〜2019年)[編集]
2017年3月6日にはヤマト運輸と連携した匿名配送サービス「あんしんBOOTHパック」が始まった。出品者と購入者が互いの名前や住所を知らずに取引でき、コンビニ端末でQRコードを読み込むだけで伝票が出る仕組みで、個人で自宅発送する同人作家にとって大きなハードルを取り除いた。購入時に好きな額を上乗せして作家を応援できる「BOOST」機能も人気で、5周年時点では全注文の1割以上で使われていたという。
手数料改定と海外対応(2020年)[編集]
2020年5月には、海外向け購入代行サービス「Buyee」(tenso運営)とのシステム連携を開始し、海外の購入者がBuyeeカート経由で商品を買えるようになった。一方で同年6月25日、「現状の3.6%という決済手数料では健全なサービス運営は難しくなった」として手数料改定を発表し、2020年8月26日から「5.6%+22円」に引き上げた。倉庫拡張やサーバー強化、人員増強のコストが理由とされた。
VRChat特需(2021年〜)[編集]
2020年代に入ると、VRChatなどのソーシャルVR向けアバターや衣装、ギミックの販売が急増。BOOTHの3Dモデルカテゴリ取扱高は2021年に14億円、2022年に24億円、2023年に31億円と右肩上がりで伸びた。さらに2024年夏以降、VRChatを取り上げた動画が話題になったことで新規ユーザーが急増し、2024年は58億円、2025年には約104億円と初めて100億円を突破した。
2025〜2026年[編集]
2025年10月28日にはサービス利用料が「5.6%+45円」に再改定され、倉庫発送手数料も見直された。2025年12月にはVRoid Studioとのライブラリ連携、2026年1月にはWebとVRChatワールドが連動する即売会「BOOTH Festival VRChat Edition」、同年3月には日本郵便と連携した新匿名配送「ゆうゆうBOOTHパック」が登場。そして2026年9月9日、ピクシブはVRChat Inc.との資本業務提携を発表した。
仕組み・配送サービス[編集]
自宅発送とダウンロード販売[編集]
もっともシンプルなのは、出品者が自分で梱包・発送する「自宅発送」。売れた後に自分で送るので在庫リスクが小さく、少部数の同人誌やハンドメイド品に向く。データ商品の場合は、購入者が決済を終えると購入履歴から即座にダウンロードできる。VRChatアバターのような3Dモデルは基本的にこのダウンロード販売で、ZIPファイルにUnityパッケージやテクスチャ一式が入っている形が一般的である。
あんしんBOOTHパック・ゆうゆうBOOTHパック[編集]
「あんしんBOOTHパック」はヤマト運輸との連携で、ネコポス・宅急便コンパクト・宅急便などを使った匿名配送ができる(開始時の料金はネコポス全国一律310円など)。2026年3月23日に始まった「ゆうゆうBOOTHパック」は日本郵便との連携版で、梱包資材に貼ったQRコードを使い、小さな荷物なら自宅近くのポストに投函するだけで匿名発送が完結する。薄い本やアクスタのような小物を扱う作家にとって「コンビニに行かなくていい」のは地味に大きい。
BOOTH倉庫[編集]
「BOOTH倉庫」は、出品者が商品をピクシブの倉庫へ納品しておけば、注文が入るたびに倉庫側が梱包・発送してくれるフルフィルメントサービス。即売会の新刊を大量に刷った大手サークルや、発送作業に手が回らない作家に重宝されている。購入者側は、同じ倉庫から出荷される複数ショップの商品をまとめて送ってもらう「倉庫おまとめ発送」も使える。2026年9月には、一部の入浴剤・化粧品類も倉庫で取り扱えるようになると告知された。
pixivFACTORYとの連携[編集]
グッズ制作サービス「pixivFACTORY」と連携すると、在庫を持たずに受注生産でグッズを販売できる。注文が入ってから抱き枕カバーやTシャツ、アクリルグッズなどを製造して発送する仕組みで、2026年も「ガラスマウスパッド」「4カットフォトキーホルダー」などの新アイテムが追加されている。
料金・手数料[編集]
サービス利用料の変遷[編集]
BOOTHの手数料は「安いけれど段階的に上がってきた」歴史がある。
| 時期 | サービス利用料(1取引あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 2013年12月〜 | 3.6%+10円程度(クレジットカード) | サービス開始時 |
| 〜2020年8月25日 | 3.6% | 商品代金+送料が対象 |
| 2020年8月26日〜 | 5.6%+22円 | 倉庫・システム強化のため |
| 2025年10月28日〜 | 5.6%+45円 | 物価高騰による運営コスト増のため |
2025年の改定は、固定部分が22円から45円へ23円増えたのがポイント。ITmediaは「1回23円増」と報じた。定額部分の比重が大きいため、低価格商品ほど実質負担率が上がり、たとえば500円の商品だと手数料は約73円(約14.6%)、5,000円の商品なら約325円(約6.5%)という試算がある。小数点以下は切り上げ処理となる。
倉庫発送手数料・振込手数料[編集]
BOOTH倉庫の発送手数料は、以前の1件26円の定額から、2025年10月以降「商品代金の2.5%+数量×25円」に変更された(告知後に一部内容の変更もアナウンスされている)。売上を銀行口座に振り込む際の振込手数料は、3万円未満が200円、3万円以上が300円(いずれも税込)。PayPalでの受け取りは手数料なしで、他の方法が使えない場合の代替としてWiseも用意されている。
購入者側の支払い方法[編集]
購入者は、クレジットカード(Visa・Mastercard・JCB・American Express)、PayPal、楽天ペイ、pixivかんたん決済、ペイジー、ゆうちょ、コンビニ払いなどを選べる。2026年8月には後払い決済「atone」にも対応した。ピクシブの電子マネー「pixivcoban」はBOOTHとpixivFANBOXで使え、2024年5月からはクレジットカードでのチャージも可能になった。キャンペーンでpixivcobanが上乗せされる施策もたびたび行われている。
VRChat・3Dアバター市場[編集]
アバター改変文化の中心地[編集]
いまBOOTHを語るうえで外せないのが、VRChatを中心とするソーシャルVR向け3Dモデル市場である。VRChatユーザーはBOOTHで「素体」となるアバターを買い、別売りの衣装・髪型・アクセサリーを組み合わせて自分だけの姿に仕立てる「アバター改変」を楽しむ。人気アバターが発売されると、それに対応した衣装が他のクリエイターから大量に出品される「対応衣装エコシステム」が回っており、1体のアバターを中心に数百〜数千の関連商品が生まれることも珍しくない。
数字で見る急成長[編集]
ピクシブが毎年公開している「BOOTH 3Dモデルカテゴリ取引白書」によると、2023年の取扱高は31億円・販売件数198万件・顧客数14.8万人だった。これが2025年には取扱高約104億円(前年58億円から約79%増)、注文件数約774万件(前年402万件)、ユーザー数28.1万人へと拡大した。1人あたりの注文件数も18.4件から27.4件に増え、年間10万円以上使うヘビーユーザー層が5〜10万円のミドル層を上回ったという。もっとも売れる価格帯は5,000〜6,999円とされる。
Vketやイベントとの関係[編集]
VR空間上の大型即売会「バーチャルマーケット」(Vket)とも縁が深く、BOOTHには過去回の特集ページやVket公式ショップ、2026年夏開催回のイベントページも設けられている。2026年1月16日〜25日にはBOOTH主催の「BOOTH Festival VRChat Edition」が開かれ、VRChatワールド内で商品を「袋詰め」してそのままBOOTH(Web)で購入できるという新しい買い物体験が試みられた。2026年9月には、VRSNSオンリーのリアルイベント「出張版!VRCくりえいてぃ部3」への協賛も発表されている。
VRChat Inc.との資本業務提携[編集]
2026年9月9日、ピクシブはVRChat Inc.との資本業務提携を発表した(出資額は非公表)。「つくる(制作)」「届ける(流通)」「体験する」の3領域で協力するとし、東京ゲームショウ2026のVRChatブース支援や、初心者向けの「アバター×衣装チュートリアルワールド」の共同制作が予定されている。ピクシブ側は制作と流通、VRChat側は体験の場を担うという役割分担で、日本はVRChatにとって北米に次ぐ第2の市場であり、日本人クリエイターの数は他国の合計を上回るとも語られた。VRChat公式のアバターマーケットとは「買ってすぐ着られる公式」と「改変で深く遊べるBOOTH」として共存する方針とされる。
規約・騒動[編集]
成人向け商品と決済規制[編集]
BOOTHは成人向け作品の販売も認めているが、クレジットカードの国際ブランドや決済代行会社の規制とは常に綱引きが続いてきた。2021年8月には、実写作品の過度な露出などを巡って禁止商品が増えたことを受けてガイドラインを改定。2022年12月15日には、決済代行会社やカード会社からの要請を受け、BOOTH・pixivFANBOX・pixivリクエストに共通する「禁止商品」「要修正商品」の区分を設けるサービス共通利用規約改定が行われた。実写で公序良俗に反する商品や、国際ブランドの規約・各国法令に抵触しうる表現が対象で、ネット上では大きな議論を呼んだ。
PayPal・決済まわりの変化[編集]
2023年10月には、成人向け商品の購入時にPayPalが使えなくなったと報じられた。2024年8月1日にもクレジットカード決済システムへの「決済情報転送サービス」導入に伴う利用規約改定(決済手続の条文追加)が行われている。2025年には海外でMastercardなどのカード会社による成人向けゲーム規制がSteamなどで大きな問題となり、国内の同人・クリエイター向けプラットフォーム全体が決済リスクを意識せざるを得ない状況が続いている。
生成AI作品への対応[編集]
生成AIによる作品についても、BOOTHは段階的にルールを強化してきた。2023年5月16日には、AI生成作品を低コストで大量出品するショップについて「該当ショップの全出品物を検索結果に掲載しない」措置を発表し、健全性が保てなければAI生成作品の多く、またはすべてを禁止する可能性にも言及した。2025年7月18日には対応をさらに強化し、特定の作品・作家への依拠性が高い商品の出品や、類似商品の大量連続出品を監視対象として、商品の強制非公開、ショップの非公開、アカウント停止といった段階的措置を取ると告知。過去に処分を受けた人が別アカウントで再出品した場合は即時対応するとした。
他サービスとの比較[編集]
| サービス | 形態 | 手数料の目安 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| BOOTH | 個人ショップ型マーケット | 5.6%+45円 | 初期費用ゼロ、pixiv連携、匿名配送・倉庫あり、3Dモデルに強い |
| とらのあな | 同人ショップへの委託販売 | 販売価格の約30%前後が相場とされる | 実店舗・通販網、発送はショップ任せ |
| メロンブックス | 同人ショップへの委託販売 | 同上 | 実店舗と通販、商業・同人の両方に強い |
| DLsite | ダウンロード販売サイト | 価格帯に応じた卸価格方式 | 同人ゲーム・音声作品・ASMRに強い、海外向けも展開 |
| Gumroad | 海外の個人販売プラットフォーム | 10%+0.50ドル(自サイト経由の販売) | 英語圏向け、デジタル商品中心 |
委託販売型のとらのあな・メロンブックスは、手数料は高めだが発送や在庫管理を丸ごと任せられ、店頭に並ぶ宣伝効果もある。BOOTHは手数料の安さと自由度が魅力で、「即売会→BOOTHで自家通販→売れ行きが大きければ委託も併用」という使い分けがよく紹介される。デジタル作品ではDLsiteが同人ゲームや音声作品の定番で、海外クリエイターの間ではGumroadがBOOTHに近いポジションにある。VRChat用アバターは海外勢もGumroadや独自ストアで売るが、日本製アバターの多くはBOOTHが主戦場となっている。
よくある質問[編集]
BOOTHとは何?[編集]
ピクシブ株式会社が運営する創作物の総合マーケット。誰でも無料でショップを開設し、同人誌・グッズ・イラスト・音楽・3Dモデルなどを販売でき、購入者はpixivアカウントで買い物ができる。
BOOTHは安全?[編集]
運営は大手のピクシブ株式会社で、支払いはBOOTHを介して行われるため、出品者に直接カード情報が渡ることはない。匿名配送も用意されている。ただし商品そのものは個人の出品なので、ダウンロード商品の内容や利用規約(改変可否など)は購入前にしっかり確認するのが無難。
匿名配送はできる?[編集]
できる。ヤマト運輸連携の「あんしんBOOTHパック」と、日本郵便連携の「ゆうゆうBOOTHパック」を出品者が設定していれば、出品者と購入者が互いの住所・氏名を知らずに取引できる。BOOTH倉庫から発送される商品も、出品者に購入者の住所は伝わらない。
手数料はいくら?[編集]
2025年10月28日以降、販売1件あたり「販売価格の5.6%+45円」。無料配布の商品にはかからない。売上の振込時には、3万円未満で200円、3万円以上で300円の振込手数料がかかる(PayPal受け取りは無料)。
海外から買える?海外発送は?[編集]
BOOTHの商品ページには海外向け購入代行サービス「Buyee」のカートボタンがあり、Buyee経由で10言語の案内のもと購入し、DHLやEMSなどで海外に届けてもらえる。ダウンロード商品は海外からでも直接購入可能。英語表示にも対応している。
VRChatのアバターはどこで買える?[編集]
日本製アバターの大半はBOOTHの「3Dモデル」カテゴリで販売されている。購入後はUnityでアップロードする必要があり、2025年12月からはVRoid Studioとのライブラリ連携で一部形式のアイテムをワンクリックで取り込めるようになった。
現在のBOOTHはどうなっている?[編集]
2026年9月時点では、3Dモデル市場が年間100億円規模に成長し、VRChat Inc.との資本業務提携、後払い決済atoneの導入、商品タグ上限の100個への引き上げ予告など、サービス拡充が続いている。
炎上とバズ[編集]
- 2020年と2025年の手数料値上げはいずれもX上で大きな話題になり、「代替プラットフォームまとめ」的な記事が多数書かれた。特に2025年は定額部分がほぼ倍になったため、数百円の小物を扱う作家から悲鳴が上がった。
- 2022年の「禁止商品」「要修正商品」規約改定は、成人向け二次創作を扱う作家の間で「どこまでがアウトなのか」を巡る議論が過熱した。
- 2024年夏以降、VRChatを紹介する動画がYouTubeなどでバズったことで「BOOTHで何万円もアバター改変に溶かした」という報告がネタとして定番化。ユーザー自身が「BOOTH買いすぎ問題」をテーマにした記事を書くほどである。
余談[編集]
- 5周年時点の分析では、即売会ではなくBOOTHで即日発売される「メカ小説」(技術系の電子書籍)が600作以上あり、運営も予想していなかった使われ方として紹介された。
- ピクシブ自身もVRChat向けに無料アバター「ウルフちゃん」を配布しており、pixivがVRChat上で展開する3つのワールドは累計300万訪問を超えたという。
- お知らせ欄を見ると、台風や大雨の配送遅延案内から、ドットの位置が特殊なメールアドレスへの送信終了まで、とにかく細かい告知が多い。巨大マーケットの裏方の苦労がしのばれる。
- 2025年の3Dモデル取扱高約104億円は、単純計算で1日あたり約2,800万円がアバターや衣装に使われている計算になる。