| VRChat VRChat Inc. | |
|---|---|
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VRChatのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ) | |
| 略称 | VRC、ブイチャ |
| 国家 | アメリカ合衆国 |
| 種類 | 非上場企業(Inc.) |
| 市場情報 | 非上場 |
| 業種 | ソーシャルVRプラットフォームの開発・運営 |
| 本社所在地 | アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ |
| 設立日 | 2014年 |
| 設立者 | Graham Gaylor(グラハム・ゲイラー)、Jesse Joudrey(ジェシー・ジョードリー) |
| 代表者 | Graham Gaylor(CEO) |
| 上場 | 非上場 |
| 主要株主 | Anthos Capital(2021年シリーズDのリード投資家)、ピクシブ(2026年9月に出資)ほか |
| 主要部門 | VRChat、VRChat+、Creator Economy |
| 関係する人物 | Graham Gaylor、Jesse Joudrey |
| 代表作品 | VRChat |
| 別名 | ブイチャ |
| リンク | https://hello.vrchat.com/ |
| コミュニティ | https://x.com/VRChat_JP |
概要[編集]
VRChat(ブイアールチャット)とは、アメリカのVRChat Inc.が運営する、アバターの姿で3D空間(ワールド)に集まり、会話や遊び、イベントを楽しむソーシャルVRプラットフォームである。2014年に最初のバージョンが公開され、2017年にSteamで早期アクセスを開始。ユーザーが自作・購入したアバターやワールドがコンテンツの中心で、「メタバース」の代表格として扱われる。基本無料で、VRゴーグルがなくてもPCやスマホから参加できる。
詳細[編集]
「ゲーム」ではなく「場所」[編集]
VRChatには、ストーリーもクリア条件もレベル上げもない。運営が用意するのは「人が集まれる仕組み」と「アバターやワールドを作るための開発キット(SDK)」で、遊ぶ場所も着る体も、そのほとんどをユーザーが作っている。サービスとしてはメタバースの文脈で語られることが多いが、利用者の実感としては「Discordのボイスチャットに、体と部屋がついたもの」と説明されることもある。
ユーザーはゲームエンジンUnityで3Dモデルを組み立て、VRChat用のSDKでアップロードする。アップロードされた空間は「ワールド」、その中に立てられる部屋(セッション)は「インスタンス」と呼ばれ、誰でも入れるPublic、フレンドだけのFriends、招待制のInviteといった公開範囲を選べる。見知らぬ人と出会うのも、仲間内でだけ遊ぶのもこの設定次第である。
数字で見るVRChat[編集]
VRChatは月間アクティブユーザー数を公表していないため、規模は同時接続数(CCU)で語られることが多い。2020年のハロウィンで約2万4,000人、同年大晦日で4万人超だった同時接続は、2025年の元日(日本時間1月1日14時54分)に13万6,567人を記録。2026年2月15日には、サンリオの「SANRIO Virtual Festival 2026」内で行われたNetflixアニメ『超かぐや姫!』の3Dライブの時間帯に15万6,716人まで伸び、最高記録を更新した。
2026年9月にピクシブが出した発表では、アクティブなコミュニティは25万以上、1日平均の同時接続は約10万人、ピーク時の同時接続は約16万人と紹介されている。PC(Steam)、Meta Quest、PICO、iOS、Androidで基本無料で遊べる、というのが公式の説明である。
VRゴーグルは必須ではない[編集]
名前に「VR」とつくものの、PC版には「デスクトップモード」があり、キーボードとマウスだけで参加できる。さらに2025年10月(日本時間25日)にはiOS版とAndroid版が正式リリースされ、スマホ1台でもワールドに入れるようになった。公式ブログによれば、iOS版はiOS 17以上、Android版はAndroid 10以上が条件で、メモリ6GB未満の端末には制限がかかる。
一方で「体を動かすとアバターが同じように動く」「目の前に相手がいる」という没入感はVRゴーグルならではで、デスクトップ勢・スマホ勢・VR勢が同じワールドに混在しているのがVRChatの日常風景である。
歴史[編集]
誕生(2014年)[編集]
VRChatは、Graham GaylorとJesse Joudreyの2人によって作られた。最初のバージョンは2014年1月16日、Oculus Rift(開発者キットDK1)向けにWindowsで公開されている。当時はまだ一般向けのVRヘッドセットが存在せず、VRそのものが開発者と一部のマニアのものだった時代である。
2017年2月1日にはSteamで早期アクセスを開始し、同年9月にはHTC Viveにも対応。ここから「誰でもダウンロードして入れるソーシャルVR」として知名度を上げていく。
「ウガンダナックルズ」と最初のブーム(2018年)[編集]
2018年1月ごろ、ソニック・ザ・ヘッジホッグシリーズのナックルズを崩した赤いアバター「ウガンダナックルズ(Ugandan Knuckles)」が大量発生し、奇声を上げながら他ユーザーに群がる動画が海外のYouTubeやTwitchで拡散した。VRChatの名前が一気に広まった一方、アフリカ系の人々への差別的表現だとして批判も集まった。
同じ時期、日本でもVTuberブームと重なって「バーチャル美少女受肉」(通称「バ美肉」)といった言葉とともにVRChatが話題となり、日本人ユーザーの流入が始まった。
Quest対応とコロナ禍(2019〜2021年)[編集]
2019年に一体型VRヘッドセット「Oculus Quest」(のちのMeta Quest)が発売されると、VRChatもQuest向けに対応。PCなしで遊べるようになり、ユーザー層が一気に広がった。PC版とQuest版は同じワールドで一緒に遊べるクロスプラットフォームだが、Quest版は処理性能の都合でアバターやワールドに軽量版(いわゆる「Quest対応」)が必要となる。
2020年には新型コロナウイルスの流行で外出が制限され、仮想空間での交流需要が急増。同年、独自のプログラミング言語「Udon」が導入され、ワールドにギミックやゲームを組み込めるようになった。12月には初の有料サブスクリプション「VRChat Plus」が始まり、2021年6月にはAnthos Capitalをリード投資家とする8,000万ドルのシリーズD資金調達を発表している。
EAC導入と反発(2022年)[編集]
2022年7月、不正改造対策ツール「Easy Anti-Cheat」(EAC)の導入が発表され、同月27日のアップデートで実装された。これにより、他人のアバターを盗む・嫌がらせをするといった悪質なMODだけでなく、聴覚障害者向けの字幕系など便利なMODもまとめて使えなくなった。詳しくは後述の「炎上とバズ」を参照。
人員削減とスタンミブーム(2024年)[編集]
2024年6月13日、VRChat Inc.は従業員の約30%を削減すると発表した。CEOのGraham Gaylorは、2021年のコロナ特需を前提に人を増やしすぎた一方で、ユーザー数の伸びが想定より遅かったと説明している。
同じ2024年6月ごろから、日本では人気ゲーム配信者のスタンミじゃぱんがVRChatの配信を始め、既存の住人やイベントを紹介する配信が大反響を呼んだ。電ファミニコゲーマーの分析では、2024年12月のvrchat.comへのアクセスに占める日本の割合は26.8%で、前年の12.9%から約2.1倍に伸びた。
スマホ正式対応と記録更新(2025〜2026年)[編集]
2025年は、5月にVRChat内でアバターを買える「アバターマーケットプレイス」が発表され、10月にiOS版・Android版が正式リリースされた年である。2025年から2026年にかけての年越しには同時接続約14万9,000人、2026年2月の『超かぐや姫!』ライブでは15万6,716人と、記録更新が続いている。
2026年は日本展開が特に目立つ。5月にSkebとのログイン連携、9月にはピクシブからの出資受け入れと資本業務提携を発表し、同月の東京ゲームショウ2026(9月17〜21日)に初出展した。
アバター文化[編集]
BOOTHという巨大市場[編集]
VRChatを語るうえで欠かせないのが、ピクシブが運営するクリエイターズマーケット「BOOTH」である。日本のVRChatユーザーの多くは、アバター本体も衣装も髪型もアクセサリーもBOOTHで買う。ピクシブが2026年に公開した「BOOTH 3Dモデルカテゴリ 取引白書」によれば、3Dモデルカテゴリの年間流通額は2024年の58億円から2025年には104億円へと約79%増加。購入ユーザーは21.8万人から28.1万人へ、注文数は402万件から774万件へとほぼ倍増した。
1人あたりの年間注文数も18.4件から27.4件に増えており、「1体のアバターを長く使い込み、衣装を買い足していく」消費スタイルがよく表れている。白書では、年間10万円以上使うヘビーユーザーが、5万〜10万円のミドル層より多いという結果も出ている。
人気アバターと「改変」[編集]
日本のVRChatでは、BOOTHで販売されている既製の3Dアバター(いわゆる「素体」)を買い、衣装や髪型を差し替えたり、色やテクスチャをいじったりして自分好みに仕上げる「アバター改変」が一般的である。ゼロから3Dモデルを作れる人は少数派でも、改変ならUnityの操作を覚えれば手が届くため、「改変」そのものが趣味として成立している。
人気アバターの代表例として、STUDIO JINGOの「マヌカ」「セレスティア」、ぽんでろげん研究所の「桔梗」「しなの」、Cubic Closetの「萌」などがよく挙がる。2025年3月にBOOTHの人気上位60体を対象に行われた個人の調査では、対応衣装の数は「桔梗」が5,970点、「マヌカ」が5,112点、「セレスティア」が4,590点、「萌」が4,509点で、上位4体だけで3D衣装全体の1割以上を占めていたという。人気アバターほど対応衣装が増え、衣装が多いアバターほどさらに選ばれる――という循環で、同じアバターを着た人が同じワールドに何人もいる「アバター被り」もよくある光景となっている。
公式マーケットプレイスとの関係[編集]
VRChat自身も2025年、VRChat内でアバターを購入できるアバターマーケットプレイスを立ち上げた。こちらはVRChat内での利用に限られ、3Dファイル自体はダウンロードできない。改変前提のBOOTH文化とは性格が異なり、両者は競合というより役割分担の関係にある。2026年9月のピクシブとの提携でも、ピクシブ側は「制作と流通をツールとBOOTHが、体験をVRChatが担う」という整理を示している。
日本人ユーザーの多さ[編集]
日本は世界有数の市場[編集]
VRChatは国別ユーザー数を公表していないが、各種データから日本人ユーザーが非常に多いことが分かっている。Sensor Towerの2026年2月の分析では、2025年1〜12月のVRChat公式サイト訪問者(約6億5,000万)の国別シェアで、日本が37%でトップ、アメリカが27%で2位だった。2025年9月には日本からの訪問だけで約2,300万に達している。
ただしこれはウェブサイトの訪問者ベースの数字で、アプリのダウンロードでは傾向が異なる。同じ分析では、2025年10月25日〜11月30日のモバイル版ダウンロード(世界で27万以上)の国別シェアは、アメリカが1位、日本が26%で2位だった。2026年9月の報道でも、日本はVRChatにとって「世界第2位の市場」と紹介されており、「アメリカと並ぶ二大市場」と見るのが実態に近い。
なぜ日本で流行るのか[編集]
よく挙げられる理由は、アニメ調の美少女・美少年アバターとの相性の良さ、pixivやコミックマーケットで育った同人・二次創作文化、そしてVTuber文化による「アバターで生きる」ことへの抵抗感の低さである。VRChat側も、日本のユーザーはクリエイターとして参加する割合が他地域に比べて高いと説明している。
こうした事情から、VRChat Inc.は日本語公式X(@VRChat_JP)を運用し、日本の企業との公式パートナーシップも広げている。
ワールドとイベント[編集]
ワールド[編集]
ワールドは、ユーザーが作って公開する3D空間である。景色を眺めるだけの絶景ワールド、雑談用のバーやカフェ、自宅のように使う「ホーム」、ホラーゲーム、音楽ゲーム、ボードゲーム、写真撮影用のスタジオ、クラブイベント用の会場まで、ジャンルは幅広い。Udonの登場以降は、ワールドそのものがミニゲームとして成立するものも増えた。
ユーザーイベント[編集]
VRChatでは、ユーザーが主催する定期イベントが毎日のように開かれている。バーやカフェの営業、DJイベント、演劇、ダンス、学習会、写真撮影会などさまざまで、こうしたイベントをまとめたカレンダーサイトも存在する。「お気に入りのイベントに毎週通う」ことが、VRChatを続ける大きな動機の1つとなっている。
バーチャルマーケット(Vket)[編集]
VRChat発の大型イベントの代表が、株式会社HIKKYが主催する「バーチャルマーケット」(Vket)である。第1回は2018年8月26日、VRChat上で約80サークルが参加する同人即売会として始まった。出展者は3m×3m×4mのブースを借りてアバターや衣装、ワールド素材などを展示・販売し、来場者はブースを回って気に入った商品をBOOTHなどで購入する。
回を重ねるごとに企業出展も増え、100万人以上が来場するイベントとしてギネス世界記録にも認定された。2024年夏には130万人以上が来場したとされる。現在はスマホから参加できる独自プラットフォームVketCloudも使われ、VRChat専用のイベントではなくなっているが、「VRChatの即売会文化」の象徴であることに変わりはない。
企業・IPのイベント[編集]
近年は企業の公式参入も増えた。サンリオは常設の「バーチャルサンリオピューロランド」を運営し、そこで開かれた『超かぐや姫!』のライブは前述のとおりVRChat全体の同時接続記録を更新した。2026年5月にはスケブが秋葉原UDXで「超メタフェス2026」を開くなど、VRChatのコミュニティがリアル会場に出てくる動きもある。
用語[編集]
VRChatには独自の用語が多い。代表的なものは次のとおり。
- お砂糖 - VRChat内で恋人関係にあること。恋人同士を「お砂糖」、その関係になることを「お砂糖になる」などと言う。甘い関係を砂糖にたとえた表現とされ、反対に関係を解消することは「塩」などと呼ばれる。現実の交際とは切り離した「VR内だけの関係」の場合も、現実でも交際している場合もあり、中身は人によって異なる。
- フルトラ - フルボディトラッキングの略。頭と両手に加え、腰や両足などにトラッカーを付け、全身の動きをアバターに反映させること。寝転がる、座る、踊るといった動きが可能になり、ダンス系イベントや撮影でよく使われる。トラッカーの数から「6点フルトラ」のように言うこともある。
- デスクトップ勢 - VRゴーグルを使わず、PCの画面とキーボード・マウスで参加しているユーザー。
- ミラー - ワールドに置かれた鏡。自分のアバターの姿を確認できるため、鏡の前に座り込んで過ごすユーザーも多く、「ミラー勢」とも言われる。
- 改変 - 購入したアバターに衣装や髪型を着せ替える、色を変えるなどしてカスタマイズすること。
- フレンド - VRChat内で登録した友人。フレンドのいるインスタンスに「Join」することで合流できる。
- パブリック(パブ) - 誰でも入れる公開インスタンス。見知らぬ人との出会いの場。
- Quest対応 - Quest(Android)版でも表示できるよう軽量化されたアバターやワールド。対応していない場合、Quest勢からはアバターが簡易表示される。
収益化の仕組み[編集]
VRChat Plus[編集]
「VRChat Plus」(VRC+)は2020年12月に始まった有料サブスクリプションで、開始時の価格は月額9.99ドル。プロフィール画像のカスタマイズ、お気に入り枠の拡張、サポーターバッジなどの特典がある。基本機能は無料のままで、「VRChatを応援したい人が入るもの」という位置づけからスタートした。2026年6月の安全方針アップデートでは、1か月以上VRC+に加入したユーザーが年齢確認(Age Assurance)を利用できる仕組みも示されている。
Creator Economy[編集]
「Creator Economy」は、ユーザーが作ったコンテンツをVRChat内で直接売り買いできるようにする仕組みである。2021年4月に構想が明かされ、2023年11月22日にオープンベータ、同月30日に一般公開された。ユーザーはアプリ内通貨「VRChat Credits」を購入し、グループのサブスクリプションやワールド内アイテムの購入に使う。Steam版では600クレジット(4.99ドル)から12,000クレジット(99.99ドル)までの価格帯が用意されている。
2025年5月には、これを拡張したアバターマーケットプレイスが発表された。販売者になれるのは18歳以上で、アカウント作成から30日以上経ち、メールアドレスを認証しているユーザーなどに限られる。決済はThunes(旧Tilia)が担っている。
2026年のBOOTH・pixiv・Skebとの連携[編集]
ピクシブとの資本業務提携[編集]
2026年9月9日、ピクシブはVRChat Inc.への出資と資本業務提携を発表した。出資額と出資比率は非公開。BOOTHとVRChatは2022年から協力関係にあったが、今回の提携で「制作・流通・体験」の3領域で数年がかりの連携を進めるとしている。
具体的な施策としては、初心者がアバターを選び、着替えを体験しながらアバター文化を学べるチュートリアルワールド「アバター×着替えチュートリアル」(仮称)を2026年秋に共同で公開するほか、東京ゲームショウ2026のVRChatブースもピクシブが支援した。発表の中で、ピクシブ代表の丹羽康浩は「ツールやマーケットプレイス、デバイスを問わずクリエイターを支援し続ける」と述べ、VRChat CEOのGraham Gaylorは「一番難しい仕事をしているのは、いつもクリエイターの皆さん」とコメントしている。
Skebとの連携[編集]
イラストのコミッションサービス「Skeb」を運営するスケブは、2023年9月にVRChat Inc.とパートナーシップ契約を結んでいる。Skebでは、自分のアバター(うちの子)のイラストを依頼する「うちの子リクエスト」が取引の約2割を占めるとされ、その依頼主の多くがVRChatユーザーである。
2026年5月20日にはVRChatアカウントでのログイン連携が始まり、記念として5月21〜24日にVRChat連携済みユーザーの5,000円以上の取引で手数料を無料にするキャンペーンを実施した。同月23日には秋葉原UDXでリアルイベント「超メタフェス2026」も開いている。
東京ゲームショウ初出展[編集]
VRChatは2026年9月の東京ゲームショウ2026に初めて出展した。ブースのインタビューでVRChat側は「VRChatはVRゴーグルが必要だと思われがちだが、スマホなどからも遊べる」と強調しており、日本での新規ユーザー獲得に本腰を入れている様子がうかがえる。
年齢確認・安全方針[編集]
13歳以上・年齢確認の導入[編集]
VRChatの利用規約上、利用できるのは13歳以上である。2024年11月28日には、身分証とカメラによる本人確認を行う外部サービス「Persona」を使った年齢確認機能が導入された。確認を済ませた18歳以上のユーザーにはバッジが付き、インスタンスの作成者は年齢確認済みのユーザーだけが入れる部屋を作れるようになった。この機能は2025年1月ごろから広く提供されている。
2025〜2026年の安全強化[編集]
2025年、VRChatは安全対策(Trust & Safety)への投資を今後12か月でさらに倍増させると発表した。過去18か月ですでに当初の3倍に増やしていたという。グルーミング(未成年への性的な接近)やハラスメント、ヘイトスピーチへの対応強化、コンテンツのタグによる表示制限(コンテンツゲーティング)の再導入、公開インスタンスは一般向けに適した内容にすることなどが柱とされた。
2026年6月のアップデートでは、「年齢確認(Age Verification)」をより広い概念の「年齢保証(Age Assurance)」に改め、まずイギリスで数か月かけて段階的に展開する方針が示された。その後、同じくイギリスから「性的に示唆的(Sexually Suggestive)」とタグ付けされたコンテンツを、18歳未満や未確認のユーザーには表示しない仕組みを導入する予定で、クリエイターには該当コンテンツへの正しいタグ付けが求められる。オーストラリアやアメリカなど他地域での時期は明言されていない。
他サービスとの比較[編集]
| サービス | 運営 | 開始 | 対応端末 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| VRChat | VRChat Inc.(アメリカ) | 2014年(Steam早期アクセスは2017年) | PC、Quest、PICO、iOS、Android | ユーザー制作のアバター・ワールドが中心。BOOTHと結びついた改変文化、日本人ユーザーの多さ |
| Meta Horizon Worlds | Meta(アメリカ) | 2021年 | Quest、スマホ、PC(時期により異なる) | Meta公式のメタバース。2026年3月にVR版の段階的終了を発表し、6月15日にVR版アプリを終了。以降はモバイル向け「Meta Horizon」に集約 |
| cluster | クラスター株式会社(日本) | 2017年 | PC、スマホ、VR | 日本発。スマホで気軽に入れることを重視し、企業のバーチャルイベントやワールド制作に強い |
| Resonite | Yellow Dog Man Studios(チェコ) | 2023年(Steam早期アクセス) | PC(VR/デスクトップ) | NeosVRの後継。ゲーム内で直接オブジェクトやプログラムを組める自由度の高さが売り |
ざっくり言えば、VRChatは「ユーザー制作コンテンツの量と、そこで生まれた経済圏」で他を大きく引き離している。Meta Horizon Worldsは巨大企業の後ろ盾がありながらVR版から撤退し、clusterは「日本発・スマホ重視・企業イベント向き」、Resoniteは「クリエイター向けの玄人好み」という住み分けになっている。2025年のiOS・Android対応で、VRChatはclusterの得意分野だったスマホにも踏み込んだ形である。
よくある質問[編集]
VRChatとは何?[編集]
アメリカのVRChat Inc.が運営するソーシャルVRプラットフォーム。アバターの姿でワールドと呼ばれる3D空間に入り、ほかのユーザーと会話したり、イベントに参加したり、ゲームで遊んだりできる。アバターもワールドもほとんどがユーザーの手作りで、基本無料で遊べる。
VRゴーグルなしでもできる?[編集]
できる。PC版にはデスクトップモードがあり、キーボードとマウスで操作できる。2025年10月からはiOS版・Android版も正式に提供されている。ただし、手の動きや体の向きをアバターに反映させる没入感はVRゴーグルを使った場合に限られる。
無料で遊べる?[編集]
基本無料。PC(Steamなど)、Meta Quest、PICO、iOS、Androidのいずれでも無料でダウンロードして遊べる。有料要素として、サブスクリプションのVRChat Plus、クリエイターを支援したりアイテムを買ったりするVRChat Creditsがある。多くのユーザーはBOOTHなど外部のサイトでアバターや衣装を買っており、実際の出費は主にそちらになる。
スマホでできる?[編集]
できる。iOS版(iOS 17以上)とAndroid版(Android 10以上)が2025年10月に正式リリースされた。メモリ6GB未満の端末では機能が制限される、またはインストールできない。スマホでは表示できないアバターやワールドもあり、その場合は簡易的な表示になる。
お砂糖とは?[編集]
VRChatで恋人関係にあることを指すスラング。恋人のことを「お砂糖」、恋人になることを「お砂糖になる」などと言う。関係を解消することは「塩」と呼ばれることがある。VR内だけの関係の場合もあれば、現実の交際につながる場合もあり、形はさまざまである。
日本人は多い?[編集]
多い。Sensor Towerの分析では、2025年の公式サイト訪問者の国別シェアで日本が37%とアメリカ(27%)を上回り1位だった。モバイル版のダウンロードではアメリカに次ぐ2位(26%)で、日本はアメリカと並ぶ最大級の市場とされる。日本語のワールドやイベントも非常に多い。
何歳から遊べる?[編集]
利用規約上は13歳以上。18歳以上のユーザーは年齢確認を済ませることで、年齢制限付きのインスタンスに入れるようになる。
炎上とバズ[編集]
EAC導入騒動(2022年)[編集]
2022年7月25日、VRChatは不正対策ツール「Easy Anti-Cheat」の導入を発表し、27日のアップデートで実装した。運営側は、悪質なMODによってアバターの盗用、ストーカー行為、アカウントの乗っ取り、自動化された嫌がらせが横行していることや、MODが不具合の原因になり開発の負担になっていることを理由に挙げた。
これに対し、MODの利用者を中心に「聴覚障害者向けの機能など、正当な用途のMODまで使えなくなる」と反発が起きた。Steamには発表翌日までに6,709件の「おすすめしない」レビューが集まり、VRChat Plusの解約やログインのボイコットを呼びかける動きも出た。一部のユーザーはNeosVRやChilloutVRといった競合サービスへ移ったとされる。運営はフィードバックを受けて開発ロードマップを見直すとしたが、EACそのものは撤回されなかった。
ウガンダナックルズ騒動(2018年)[編集]
前述のとおり、2018年初頭に「ウガンダナックルズ」のアバターが大流行し、VRChatの知名度を押し上げた。一方で、他のユーザーに群がって奇声を上げる迷惑行為や、アフリカに対するステレオタイプを含む表現が批判され、VRChatが「無法地帯」というイメージを持たれるきっかけにもなった。
スタンミブーム(2024年)[編集]
2024年、配信者のスタンミじゃぱんがVRChatの配信を始めると、既存の住人とのやりとりやイベントの様子が配信を通じて広まり、日本で大きなブームになった。新規ユーザーが急増し、2025年元日には当時の同時接続記録(13万6,567人)が生まれている。
余談[編集]
- VRChatの最初のバージョンが出た2014年1月は、FacebookがOculusを買収する(同年3月)よりも前。VRChatは「メタバース」という言葉がブームになる7年以上前から存在していたことになる。
- 2019年から使われてきた「Quest」という表記は、2023年12月のアップデートで「Android」に統一された。QuestのほかPICOやVIVE XR Eliteにも対応が広がり、「Quest版」という呼び方が実態に合わなくなったためである。
- 2024年6月の人員削減の際、退職する社員には退職金などに加えて「VRChat Plusの永久無料」が付与されたと報じられている。
- BOOTHの3Dモデルカテゴリの流通額は、2025年に100億円を超えた。2024年の58億円から1年で倍近くに伸びた計算で、その伸びの多くはVRChat向けの需要によるものとされる。
- 2026年9月に初出展した東京ゲームショウのブースでは、VTuberのぽんぽこが着ぐるみで登場する企画なども告知された。