金城宗幸
Muneyuki Kaneshiro
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金城宗幸の母校・京都精華大学の本館(出典:Wikimedia Commons、撮影:Atelier Verde、CC BY-SA 3.0)
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代表作『ブルーロック』のロゴ(出典:Wikimedia Commons、パブリックドメイン〈文字ロゴ〉)
誕生日 1987年
出身地 大阪府
国籍 日本
学歴 京都精華大学マンガ学部マンガプロデュースコース卒業
職業 漫画原作者
活動期間 2011年 -
代表的な実績 『ブルーロック』(作画:ノ村優介)、『神さまの言うとおり』(作画:藤村緋二)、『僕たちがやりました』(作画:荒木光)、『ジャガーン』(作画:にしだけんすけ)
受賞 第45回講談社漫画賞少年部門(2021年、『ブルーロック』)
関連活動 ゲーム『転生ゲーム カルマxクロス』企画原案(2026年)
その他 漫画家志望からお笑い芸人志望を経て原作者に転身
リンク ブルーロック公式X(@BLUELOCK_WM)


概要[編集]

金城宗幸(かねしろ むねゆき、1987年 - )とは、大阪府出身の漫画原作者である。『週刊少年マガジン』連載のサッカー漫画『ブルーロック』の原作者で、『神さまの言うとおり』『僕たちがやりました』『ジャガーン』など、デスゲームや人間の欲望をむき出しにした作品で知られる。

詳細[編集]

「絵を描かない漫画家」のトップランナー[編集]

金城宗幸は、ネーム(コマ割りと台詞を含む設計図)までを担当し、作画は別の漫画家に任せる「漫画原作者」というスタイルで活動している。組んできた作画家は藤村緋二、荒木光、にしだけんすけ、ノ村優介、平本アキラなど多彩で、掲載誌も講談社と小学館をまたいでいる。デビューから15年で、映画化・ドラマ化・アニメ化された作品を複数抱える、映像化に恵まれた原作者である。

一貫したテーマは「欲」と「生き残り」[編集]

作品のジャンルはデスゲーム、青春クライム、怪人バトル、サッカーとバラバラに見えるが、根っこにあるのは「人間の根っこの欲」だ。2026年に対談した元サッカー日本代表の中田英寿からも、作品には人間の根本的な欲が詰まっていて、テーマは「生きる」ことだと指摘されている。『神さまの言うとおり』では理不尽なゲームで命を、『ブルーロック』では日本代表の座をかけて、登場人物たちはエゴむき出しで生き残りを争う。

2026年は「金城イヤー」[編集]

2026年の金城は大忙しだった。6月9日の「ブルーロックの日」にアニメ第3期『ブルーロック ネオ・エゴイストリーグ』の制作が発表され、8月6日には『ドラゴンクエスト』の生みの親・堀井雄二とタッグを組んだゲーム『転生ゲーム カルマxクロス』が発売。翌8月7日には実写映画『ブルーロック』が公開され、原作の累計発行部数は6500万部を突破した。漫画原作者の枠を超えて、ゲームや映画まで巻き込む存在になっている。

経歴[編集]

大阪でハモネプに出ていた少年時代[編集]

1987年、大阪府生まれ。中学時代は吹奏楽部に所属していた。意外な過去として、フジテレビ系のバラエティ番組『力の限りゴーゴゴー!!』の人気企画「ハモネプリーグ」に、チーム「ダーツ」の一員として出演したことがある。担当はボイスパーカッションだった。のちに大ヒット作を生む原作者が、アカペラでテレビに出ていたというのはなかなかのギャップである。

京都精華大学で漫画を学ぶ[編集]

高校卒業後は京都精華大学マンガ学部マンガプロデュースコースに進学。大学で初めて描いた漫画は、祖母の沖縄戦の体験をもとにした短編だったとされ、この作品は現在も父親の講演会で披露されているという。大学時代には、のちに原作者として活躍する久部緑郎と師弟関係にあり、2026年1月31日には母校で久部との特別対談が開かれ、原作者の仕事や漫画家との違い、プロへの道のりについて語った。

漫画家志望から芸人志望、そして原作者へ[編集]

もともとの夢は漫画家だった。2008年、『独地小学校物語』で第80回週刊少年マガジン新人漫画賞の特別奨励賞を受賞するが、担当編集から画力の向上を勧められる。ここで金城は一時期、なんとお笑い芸人を目指す方向に舵を切った。2010年には『第7位』で赤塚賞(平成22年度上半期)の佳作を受賞しており、ギャグのセンスは折り紙付き。最終的には編集者の勧めで原作者に転身し、ストーリーとネームで勝負する道を選んだ。

『神さまの言うとおり』でデビュー[編集]

2011年、藤村緋二が作画を担当する『神さまの言うとおり』で原作者デビュー。『別冊少年マガジン』2011年3月号から2012年11月号まで連載され、続編『神さまの言うとおり弐』は『週刊少年マガジン』に移籍して2013年から2017年まで続いた。2013年12月時点で単行本の累計は150万部に達し、2014年には実写映画にもなった。デビュー作でいきなり映像化までこぎつけたのである。

量産期を経て『ブルーロック』へ[編集]

デビュー後は、『ドラゴンコレクション 竜を統べるもの』(作画:芝野郷太)、『ビリオンドッグズ』(作画:芹沢直樹)、『インビジブル・ジョー』(作画:芥瀬良せら)、『週刊ヤングマガジン』の『僕たちがやりました』(作画:荒木光)と『グラシュロス』(作画:藤村緋二)、『ビッグコミックスピリッツ』の『ジャガーン』(作画:にしだけんすけ)と、複数の雑誌で連載を並行させた。そして2018年、『週刊少年マガジン』35号から、ノ村優介作画の『ブルーロック』が始まる。2021年5月には第45回講談社漫画賞の少年部門を受賞した。

代表作[編集]

神さまの言うとおり[編集]

退屈な日常に飽き飽きしていた高校生・高畑瞬の教室に、突然だるまが現れる。「だるまさんがころんだ」を皮切りに、子どもの遊びを模した理不尽な死のゲームが次々と始まるサバイバルホラーだ。かわいいモチーフと容赦のない死の落差が強烈な作品だ。シリーズは無印・弐に加え、『マガジンポケット』で『神さまの言うとおり零』も配信された。

僕たちがやりました[編集]

『週刊ヤングマガジン』で2015年から2017年まで連載。作画は荒木光。「そこそこ」の人生でいいと思っていた高校生たちが、ちょっとしたいたずらのつもりで起こした事件をきっかけに、人生が一気に転落していく青春逃亡劇である。笑えるほど情けない若者たちが、罪悪感と保身の間でもがく姿はリアルで、デスゲームとは別方向から「追い詰められる人間」を描いている。

ジャガーン[編集]

小学館『ビッグコミックスピリッツ』で2017年10号から2021年49号まで連載された怪人バトル漫画で、作画はにしだけんすけ。全14巻で、2021年7月時点で累計100万部を突破している。仏波市の空から寄生ガエル「キチガエル」が降り注ぎ、強い欲望を持つ人間が怪人に変貌する。27歳の警察官・蛇ヶ崎晋太郎は、怪人化した恋人を自らの手で殺してしまい、自身も半怪人となって右腕から弾丸を放つ能力「ジャガーン」に目覚める。恋人の蘇生を目指す彼の戦いは、ヒーロー集団「トリプルH(HEIWA HAPPINESS HEROES)」を率いる禊白斗らとの対立を経て、正義と欲望をめぐる大きな争いへ発展していく。

ブルーロック[編集]

金城の名を世界に広めた代表作。日本をワールドカップ優勝に導くストライカーを生み出すため、全国から集められた300人の高校生フォワードが、施設「青い監獄(ブルーロック)」で脱落をかけたサバイバルに挑む。主人公は潔世一。「チームプレーより個のエゴ」を前面に押し出すという、これまでのサッカー漫画とは真逆の発想が最大の特徴だ。テレビアニメはエイトビットが制作し、第1期が2022年10月から2023年3月まで、第2期『ブルーロック VS U-20 JAPAN』が2024年10月から12月までテレビ朝日系で放送された。2024年には人気キャラクター凪誠士郎(声:島﨑信長)を主人公にした『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』も公開されている。スピンオフ漫画『ブルーロック-EPISODE 凪-』は三宮宏太が作画を担当し、2023年からは舞台化もされた。

その他の作品[編集]

2022年からは小学館『ビッグコミックスペリオール』で、平本アキラ作画の『スーパーボールガールズ』を手がけた。チョコレート工場で働く平凡な男・一好瑛太が拾ったスーパーボールが、可愛い女の子に変身して4人に分裂するという導入で、公式には「ハーレムか、ホラーか、SFか」とうたわれる、一筋縄ではいかない作品だ。ほかに『ヤングマガジン増刊 カケヒキ』に読み切り『決闘者たち―明日もし君が壊れても―』(作画:藤本ケンシ)がある。

映像化作品[編集]

映画『神さまの言うとおり』(2014年)[編集]

2014年11月15日に東宝配給で公開。監督は三池崇史、脚本は八津弘幸で、上映時間117分のR15+指定作品だった。主人公・高畑瞬を福士蒼汰が演じ、山崎紘菜、神木隆之介、優希美青、染谷将太らが共演した。主演の福士は、この作品などで第38回日本アカデミー賞の新人俳優賞を受賞している。

ドラマ『僕たちがやりました』(2017年)[編集]

関西テレビ・フジテレビ系の火曜21時枠で、2017年7月18日にスタート(初回15分拡大)。主演は窪田正孝で、永野芽郁、新田真剣佑、間宮祥太朗、葉山奨之、今野浩喜、川栄李奈、水川あさみ、三浦翔平らが出演した。制作発表会見では、窪田が永野について「時々なんか生きててごめんなさいみたいな気持ちになります」と冗談めかして語り、和やかな空気だったと報じられている。

実写映画『ブルーロック』(2026年)[編集]

2026年8月7日に東宝配給で公開。監督は瀧悠輔、脚本は鎌田哲生、制作は『キングダム』『ゴールデンカムイ』の実写版を手がけたCREDEUSが担当した。潔世一を高橋文哉、凪誠士郎を&TEAMのK、御影玲王を綱啓永、剣城斬鉄を樋口幸平が演じた。2026年1月26日から2月6日まで、12日連続で毎日1人ずつ主要キャストが発表されるという、ブルーロックらしい「選抜」を思わせる演出がとられた。

全国412館+IMAX65館という大規模公開だったが、初週末の動員ランキングは8位スタート(3日間で約18万人・約2億7000万円)。『映画ちいかわ』などの話題作がひしめく激戦週だったこともあり、一部週刊誌からは厳しい評価も出た。それでも興行は粘りを見せ、8月下旬に興収10億円、公開31日間(9月6日まで)で興収12億675万円・動員83万8360人を記録。台湾でも好調と伝えられ、海外公開も拡大している。9月12日からは、作画のノ村優介描き下ろしの両面イラストカードが入場者プレゼントとして配布された。

作風と創作論[編集]

「王道では勝てない」から生まれたエゴ[編集]

『ブルーロック』を始めるにあたって、金城は既存のサッカー漫画の王道に乗ることを避けた。インタビューでは、ベテラン作家たちの正統派の手法では勝ち目がないと考えたと振り返っている。そこで選んだのが、デスゲーム的な選抜システムと「エゴイスト」を主役に据える構成だった。本人も同作を正統派のリアルなサッカー漫画ではないと自覚しつつ、サッカーへの関心の裾野を広げる手伝いが少しでもできていればうれしい、という趣旨を語っている。

『ライオン・キング』の影響[編集]

意外なルーツとして、金城はディズニー映画『ライオン・キング』から大きな影響を受けたと明かしている。物語の流れやコメディの間の取り方にまで、その影響は及んでいるという。シリアスな展開の中にも笑いを差し込む金城作品のリズム感は、このあたりに源流がありそうだ。

キャラクターの方程式[編集]

新人漫画家向けのインタビューで、金城はキャラクター作りのコツとして「こんなやついるよね」と「こんなやついるか?」を混在させることを挙げている。まず読者が共感できる身近な一面を見せ、そこに現実離れした要素を加えることで、魅力的なキャラクターが完成するという考え方だ。台詞については、自分の実体験の感情をバトルシーンなどに込めると、作り物ではない説得力が出ると語っている。

作画家の強みを引き出すネーム[編集]

原作者として重視しているのは、組む漫画家の強みを最大限に引き出すことだという。「この人ならこういう絵が来るだろう」と想定してコマ割りを組み立てるのが、自分の役割だと考えている。また、他作品を読んで「なぜこのコマ割りを気持ちいいと感じたのか」を分析するのが上達の近道だとアドバイスしている。新人へのメッセージとしては、自分が面白いと思うものより、人を面白がらせるものを描いてみてほしい、と読者目線の大切さを説いている。

サッカー愛と中田英寿[編集]

金城がサッカーにのめり込んだきっかけは、子どもの頃に観た2002年の日韓ワールドカップだった。当時の中田英寿の活躍を見てハマったといい、サッカーを「人を惹きつけるパワーのある、大きなスポーツ」として愛している。中田の大ファンを公言しており、2026年6月9日の「ブルーロックの日」には、『週刊少年マガジン』29号(6月17日発売)で中田との対談が実現することが発表された。中田は大の漫画好きとしても知られ、念願の対談を金城は大いに喜んだ。

連載初期には、作中で日本代表を見下すような台詞があったことから批判も受けた。これについて金城は、あれはあくまでキャラクターの台詞で、自分自身は日本代表を熱狂して観ていた人間だと説明している。アニメ化以降は、親戚の子どもから「学校で大人気」と聞かされたり、サッカー日本代表の選手が作品の名前を口にしたりと、本物のサッカー界にも作品が浸透していることを実感しているという。『ブルーロック』を読んでエゴイストなストライカーを目指す小学生が増えたらうれしい、とも語っている。

ゲームへの進出[編集]

2026年8月6日、Nintendo Switch用ダウンロード専用ソフト『転生ゲーム カルマxクロス』(税込3980円、Nintendo Switch 2でもプレイ可)が発売された。企画・プロデュースは株式会社Any、企画開発・発売はアルテピアッツァ。『ドラゴンクエスト』シリーズの堀井雄二と金城がタッグを組んだ「友情破壊すごろく」で、「4人のうち転生できるのは3人まで」というルールのもと、全22ターンで輪廻界の通貨「カルマ」を奪い合う。8面ダイスで進み、来世の「たましいの器」を買うのが目標だ。

金城にとってはこれが初のゲーム制作で、企画原案を担当した。プロデューサーからすごろくゲームの話を聞いて、ほぼ即答で引き受けたという。ゲーム好きで、『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』を「バイブル」と呼ぶほどの堀井ファン世代。テストプレイでは堀井からカルマを奪うなど容赦なく攻め、「新定番を作る」ことを個人的な目標に掲げていた。「生き残れるのは一部だけ」というルールは、まさに金城作品らしい発想である。

SNSと発信[編集]

金城本人のコメントは、主に『ブルーロック』の公式X(@BLUELOCK_WM)やイベントを通じて発信されることが多い。2025年9月28日のイベント「ブルーロック エゴイストフェスタ 2025」でアニメ続編の製作が発表された際には、「続編決定でございます!!!」とテンション高くコメントし、潔も自分たちもここから新たなスタートだと宣言。さらに「エゴ全開の、眼ぇグルグルの、ベロだらだらで」作っていくと、作中の表現を借りた独特の言い回しでファンを沸かせた。2026年の「ブルーロックの日」にはノ村優介と連名で、エゴイストたちに向けて「祭りの日」だと呼びかけている。

2026年10月時点の公式Xのプロフィールでは、累計発行部数6500万部突破、最新40巻発売中、実写映画ヒット中、テレビアニメ第3期制作中といった情報が並んでおり、連載は第363話まで配信されている。

炎上とバズ[編集]

  • 日本代表ディス問題 - 『ブルーロック』連載初期、作中で日本代表を見下すような台詞があり、一部のサッカーファンから批判を受けた。金城は後に、あくまでキャラクターの台詞であり、自分は日本代表を熱狂して応援してきた人間だと釈明している。
  • 実写版「大コケ」報道 - 2026年の実写映画は初週末8位スタートだったことから、週刊誌系メディアで「爆死」と厳しく書かれた。しかしその後は公開31日間で12億円超えまで数字を伸ばしている。
  • 12日連続キャスト発表 - 実写映画のキャストを1日1人ずつ12日連続で発表するという、作品の「選抜」を思わせる異例のプロモーションが行われた。

余談[編集]

  • 人気キャラクター蜂楽廻の名字の読み「ばちら」は、サッカーファンにはおなじみのネタ「QBK」を「急に蜂楽が来たから」と読み替えて仕込むために決めた、と本人が明かしている。
  • 芸人を目指していた時期があるだけあって、『ブルーロック』のシリアスな展開の中にもギャグ顔や小ネタが頻繁に差し込まれる。本人いわく『ライオン・キング』由来のコメディのテンポ感も意識しているという。
  • 2026年6月9日、講談社は「100年に一度のブルーロックの日」と銘打って、オリジナルの応援画像を作れるジェネレーターの公開や中田英寿との対談告知などの企画を展開した。
  • 『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』の制作が決まった際、スピンオフの連載が始まったばかりだったため、ありがたさと同時に不安もあったと語っている。監督には、本編よりも「エモさと青春」を強めにしてほしいと伝えたという。
  • 作画を他者に任せる原作専業スタイルで大ヒットを飛ばした作家としては、ほかに『推しの子』の赤坂アカ(2022年に作画を引退し原作に専念)がいる。

外部リンク[編集]

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