| 白鳥任三郎 Ninzaburo Shiratori | |
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![]() 白鳥が所属する警視庁の本部庁舎(東京都千代田区霞が関)(出典:ウィキメディア・コモンズ、そらみみ撮影、CC BY-SA 4.0) | |
| 本名 | 白鳥任三郎(しらとり にんざぶろう) |
| 国籍 | 日本 |
| 家族 | 妹・晴月沙羅(旧姓:白鳥)/義弟・晴月光太郎/伯父(三ツ星レストランのシェフ) |
| 職業 | 警察官(警視庁) |
| 肩書 | 警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係 警部(キャリア組) |
| 代表的な実績 | 劇場版オリジナルキャラクターから原作レギュラーへ「逆輸入」された刑事 |
| 関連活動 | 『名探偵コナン』 |
| 別名 | 白鳥警部/Nicholas Santos(英語版『Case Closed』での名前) |
| その他 | 声優:塩沢兼人(初代)→井上和彦(2代目)/幼少期:本田貴子/名前の由来は『古畑任三郎』とされる |
概要[編集]
白鳥任三郎(しらとり にんざぶろう)とは、青山剛昌の漫画『名探偵コナン』(小学館『週刊少年サンデー』連載)に登場する警視庁捜査一課の警部である。資産家の御曹司にしてキャリア組のエリート刑事で、劇場版第1作の容疑者役から原作レギュラーへと「逆輸入」された異色のキャラクターである。
詳細[編集]
人物像[編集]
白鳥は警視庁刑事部捜査第一課強行犯捜査三係に所属する警部。国家公務員I種試験に合格して警察庁に採用された、いわゆる「キャリア組」のエリートである。年齢ははっきり明かされていないが、同期の綾小路文麿警部と同い年であることなどから、ファンの間では28歳前後と推定されることが多い。
性格は生真面目で、行動パターンは基本的に慎重派。多少エリート意識が強いところもあり、登場初期はキザでどこか鼻につく言動が目立った。一方で、いざというときには大胆な行動に出ることもあり、単なる嫌味キャラでは終わらない奥行きを持っている。外見はつり目に太い眉毛、痩せ型で天然パーマという、一度見たら忘れない顔立ちである。
資産家の御曹司[編集]
白鳥家は大の資産家で、白鳥はその御曹司。鈴木園子の実家である鈴木財閥のパーティーにも出席するほどの上流階級の人間である。家には古くから仕える執事の鴨井五十吉がおり、伯父は三ツ星クラスの高級フレンチレストランのシェフ。さらに軽井沢には大きな別荘まで所有している。
趣味は建築の研究、料理、そしてワイン集め。ワインには一家言あり、ロマネ・コンティを愛好しているとされる。捜査一課の同僚たちが安い定食屋で昼食を済ませる中、さらりと高級レストランに誘ってくるのが白鳥流である。
法律家志望から刑事へ[編集]
幼いころの白鳥は法律家を目指しており、日本の法律を丸暗記するほど勉強熱心な少年だった。のちに刑事へと進路を変えることになるが、そのきっかけとなったのが、ある少女との出会いである(後述)。この経歴のおかげで、大人になった今も刑法の条文をすらすらと暗誦できる。
ただし、刑事としての腕前がすべて一流というわけではない。劇場版第2作『14番目の標的』では、上司の目暮十三から射撃の腕は「からきしダメ」と評されている。頭脳派エリートらしく、推理には自信を見せるものの、最後は江戸川コナンに一枚上手を行かれるのがお約束である。
劇場版から生まれたキャラクター[編集]
『時計じかけの摩天楼』で初登場[編集]
白鳥の初登場は、1997年公開の劇場版第1作『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』。当時の階級は警部補で、事件の容疑者の1人という、いかにも怪しげな立ち位置での登場だった。
本来は劇場版1作限りのゲストキャラクターになる予定だったとされる。ところが、声を担当した塩沢兼人の「怪しげな演技」が好評を博したことで、劇場版のレギュラーキャラクターに定着。さらに原作漫画にも登場するようになり、映画オリジナルキャラから原作への「逆輸入」という珍しいルートをたどった。
テレビアニメ・原作への進出[編集]
テレビアニメへの初登場は、1999年5月に放送された第146〜147話「本庁の刑事恋物語」。この回で白鳥は「本日付けで警部に昇進した」と語っており、ここから捜査一課の警部としての活躍が本格化する。原作漫画では21巻収録のエピソードで初登場している。
以降、白鳥は目暮班の一員として現場に出ることが多くなり、目暮・高木渉・佐藤美和子らとともに、事件の「警察側の窓口」として欠かせない存在になった。劇場版には20作以上に登場しており、すっかりシリーズの顔の1人である。
声優[編集]
初代・塩沢兼人[編集]
白鳥の初代声優は塩沢兼人。劇場版第1作から第4作まで、テレビアニメでは1999年放送の第146話から第157話までを担当した。前述のとおり、白鳥がレギュラーに昇格したのは塩沢の妖しさ漂う演技が評判を呼んだからとされ、まさに「声がキャラクターを生んだ」例といえる。
しかし塩沢は2000年5月10日、自宅の階段から転落したことによる脳挫傷で急逝した。同年4月22日に公開された劇場版第4作『瞳の中の暗殺者』が、塩沢にとって最後の白鳥役となった。公開からわずか1か月後の訃報は、多くのファンに衝撃を与えた。
2代目・井上和彦[編集]
塩沢の後を継いだのが井上和彦。テレビアニメでは第205話以降、劇場版では第5作『天国へのカウントダウン』以降を担当し、現在まで20年以上にわたって白鳥を演じ続けている。塩沢版の妖しさを受け継ぎつつ、気品あるエリートの雰囲気と、小林先生の前でのぎこちない純情さを演じ分けているのが井上版白鳥の持ち味である。
なお、回想シーンに登場する少年時代の白鳥は本田貴子が担当している。
海外版の声優[編集]
英語吹き替え版では、FUNimation版でエリック・ヴェイル(Eric Vale)、Bang Zoom!版でグレッグ・チャン(Greg Chun)が担当したほか、Macias Group版、Studio Nano版でもそれぞれ別の声優が起用されている。
佐藤美和子への想い[編集]
「本庁の刑事恋物語」の恋敵[編集]
登場初期の白鳥を語るうえで外せないのが、同じ捜査一課の佐藤美和子への片想いである。捜査一課のマドンナである佐藤に想いを寄せる刑事は多いが、白鳥はその筆頭格。佐藤のことを「運命の人」と信じ込んでいた。
佐藤と高木渉の恋を描く「本庁の刑事恋物語」シリーズでは、高木の最大の恋敵として登場。第1作(アニメ第146〜147話)では事件解決後、佐藤が白鳥の高級レストランへの誘いを断り、高木をラーメン屋に誘うというオチで、白鳥のエリートぶりが空回りする展開となった。
「佐藤美和子絶対防衛線」[編集]
その後も白鳥は、佐藤と高木のデートを邪魔する刑事たちの包囲網、通称「佐藤美和子絶対防衛線」の最高責任者として暗躍する。二人がデートしようとするたびに、白鳥率いる佐藤ファンの刑事たちが尾行・張り込みを仕掛けるのが、シリーズのお約束になった。
もっとも、白鳥はただの邪魔者ではない。アニメ第304話「揺れる警視庁 1200万人の人質」では、車に仕掛けられた爆弾の爆発に巻き込まれ、九死に一生を得る。負傷しながらも犯人からのメッセージを佐藤に託し、かつての同僚松田陣平の死を引きずる佐藤が過去を吹っ切るきっかけを後押しした。恋敵でありながら、佐藤の背中を押す役回りも担っているのである。
小林澄子先生との恋[編集]
本屋の少女と「桜は警察のマーク」[編集]
白鳥が佐藤に惹かれた理由には、実は幼少期の思い出が隠されていた。小学生のころ、白鳥は本屋で漫画を万引きしようとする学生たちに立ち向かう少女を目撃する。少女は学生たちに突き飛ばされてしまうが、そこで法律家志望の白鳥少年が刑法の窃盗に関する条文を暗唱すると、学生たちは逃げ出していった。
助けられた少女はお礼に、ストローの包み紙で桜の花の形を作って白鳥に渡し、「桜は警察のマーク」だと語ったという。この出来事こそが白鳥が警察官を志すきっかけになり、少女の面影に似ていた佐藤を「運命の人」だと思い込んでいたのである。
「白鳥警部、桜の思い出」で真相判明[編集]
転機となったのは、アニメ第568〜569話「白鳥警部、桜の思い出」(原作66巻収録)。少年探偵団の吉田歩美がストローで桜を作り、少女と同じ言葉を口にしたことから、それを教えたのが歩美たちの担任である小林澄子先生だと判明する。小林先生は眼鏡を外すと佐藤とそっくりな顔立ちで、白鳥は彼女こそが本屋の少女、つまり本当の「運命の人」だと確信した。
その後、白鳥は帝丹小学校の小林先生のもとに頻繁に電話をかけたり、足を運んだりするようになる。佐藤一筋だったエリート警部の大転換に、多くのファンが驚かされた。
「時を超える桜の恋」で結ばれる[編集]
アニメ第583〜585話「小林先生の恋/白鳥警部の失恋/時を超える桜の恋」(原作67〜68巻収録)では、事件の犯人を追い詰める場面で、白鳥が幼いころと同じ刑法の条文を暗唱する。これをきっかけに小林先生も当時の少年が白鳥だったことを思い出し、二人は晴れて交際をスタートさせた。
現在の二人は相思相愛の関係で、小林先生が白鳥に手作り弁当を用意することも。白鳥はその中でもタコさんウインナーがお気に入りとされる。白鳥が小林先生と付き合い始めてからは、佐藤と高木への妨害もいくらか落ち着いたとされ、二組のカップルが並び立つ形になった。
劇場版での活躍[編集]
『世紀末の魔術師』の正体は怪盗キッド[編集]
白鳥の劇場版エピソードで最も有名なのが、1999年4月17日公開の劇場版第3作『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(興行収入26億円)である。作中の白鳥は、休暇を取って軽井沢の別荘で休養していたが、殺人事件を聞きつけて現場に駆けつけた、という触れ込みでコナンや毛利小五郎たちに合流する。
ところが物語の終盤、コナンたちと行動を共にしていた白鳥は、すべて怪盗キッドの変装だったことが明かされる。本物の白鳥が登場するのは、事件解決後に目暮十三と対面する場面のみ。キザで気取ったキャラクターだからこそ、キッドが紛れ込んでも違和感がなかったという、白鳥のキャラ性を逆手に取った仕掛けだった。
『瞳の中の暗殺者』と妹の結婚[編集]
2000年4月22日公開の劇場版第4作『名探偵コナン 瞳の中の暗殺者』(興行収入25億円)では、白鳥の妹・沙羅の結婚祝いのパーティーが物語の舞台の一つになる。このパーティーの最中、停電に乗じて佐藤が銃撃されて重傷を負い、現場に居合わせた毛利蘭がショックで記憶喪失に陥るという衝撃の展開が描かれた。
白鳥はこの事件との関係から私情を挟まないよう、捜査にはほとんど関わらない立場を取る。警察の隠語「Need not to know」を口にして詮索を止めるよう促す場面は、エリート警察官としての白鳥の一面を印象づけた。前述のとおり、本作は初代声優・塩沢兼人が白鳥を演じた最後の作品でもある。
そのほかの劇場版[編集]
劇場版第2作『14番目の標的』では目暮警部の補佐役として登場し、射撃の腕を「からきしダメ」と評された。その後も白鳥は劇場版のほぼ常連として、警視庁側の主要メンバーとしてスクリーンに登場し続けている。
家族[編集]
白鳥家は資産家で、白鳥本人には妹の沙羅がいる。沙羅は晴月光太郎と結婚して晴月沙羅となっており、白鳥にとって光太郎は義弟にあたる。前述の劇場版『瞳の中の暗殺者』で描かれた結婚祝いのパーティーは、この沙羅の結婚を祝うものだった。
ほかに、三ツ星レストランのシェフを務める伯父がいることや、長年白鳥家に仕える執事・鴨井五十吉の存在も明かされている。家族構成からも、白鳥が絵に描いたような上流階級の出身であることがうかがえる。
名前の由来[編集]
下の名前「任三郎」は、田村正和主演のテレビドラマ『古畑任三郎』の主人公・古畑任三郎に由来するとされる。『古畑任三郎』は1994年から放送されたフジテレビの刑事ドラマで、刑事キャラクターの名前に人気刑事ドラマの主人公の名を借りた形である。
名字の「白鳥」は文字どおり「白い鳥」の意味。『名探偵コナン』には目暮十三(ジュール・メグレ由来)をはじめ、ミステリーや刑事ものの有名キャラクターから名前を取った警察関係者が多く、白鳥もその系譜に連なる。
余談[編集]
- 劇場版限りのゲストから原作レギュラーになったキャラクターは珍しく、白鳥は「逆輸入キャラ」の代表格として語られる。
- 運命を強く信じるロマンチストで、だからこそ「運命の人」探しにあれほど一途だったともいえる。
- 小林先生の手作り弁当では、タコさんウインナーがお気に入りとされる。エリート御曹司の好物が庶民的なのもポイント。
- 原作・アニメともに、長期間にわたって登場しない時期があったことでも知られる。
- キャリア組でありながら目暮班の一員として現場に出ることが多く、階級上は上司の目暮と同じ警部である。
- 作者の青山剛昌が描く刑事たちの恋模様の中でも、白鳥と小林先生のカップルは「初恋が時を超えて実る」純愛ものとして人気が高い。
