猪狩ともか
Tomoka Igari
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車椅子で活動する猪狩ともか(出典:ORICON NEWS)
誕生日 1991年12月9日
年齢 34歳
出身地 埼玉県
国籍 日本
学歴 管理栄養士養成の専門学校
職業 アイドル、タレント、講演者、文筆家
肩書 仮面女子メンバー(2027年春卒業予定)、東京都パラ応援大使
活動期間 2014年 -
代表的な実績 車椅子でステージに立つアイドルとして活動/著書『100%の前向き思考』
事務所 アリスプロジェクト
関連活動 仮面女子(スチームガールズ)、OZ、アレアガールズ、トッピング☆ガールズ
あだ名 いがとも、いがともちゃん、ともかちゃん
その他 資格:管理栄養士、栄養士、栄養教諭、災害備蓄管理士、普通自動車免許(講演者プロフィールより)
リンク X / ブログ


概要[編集]

猪狩ともか(いがり ともか、1991年12月9日 - )とは、埼玉県出身のアイドル・タレントで、仮面女子のメンバーである。2018年に強風で倒れた案内板の下敷きになり脊髄損傷を負ったが、約4か月半後に車椅子でステージ復帰。以降「車いすアイドル」として歌・講演・執筆・パラスポーツ普及などで活動している。2026年10月、2027年春での仮面女子卒業を発表した。

詳細[編集]

管理栄養士からアイドルへ[編集]

子どもの頃からモーニング娘。が大好きで、アイドルへの憧れをずっと抱えていた。一方で進路は堅実で、高校卒業後は管理栄養士の専門学校に進み、国家試験に合格して管理栄養士の資格を取っている。中学ではソフトテニス部、習い事はピアノと水泳。高校時代には球場でアイスクリームの売り子のアルバイトをしていたという、いかにも野球好きらしいエピソードもある。

ところが21歳ごろの就職活動では「心ときめく就職先」が見つからず、そのつまずきをきっかけに封印していたアイドル願望が表に出てきた。本人いわく、21歳という年齢で受けられたのは年齢制限の緩い現在の事務所アリスプロジェクトのオーディションくらいだったという。初期のブログでは自らを「管理栄養士アイドル」と名乗っていた。

「車いすアイドル」になるまで[編集]

2014年に研究生からスタートし、下積みを経て2017年に念願の仮面女子正規メンバー(スチームガールズ)に昇格。2018年1月には3代目リーダーにも就任した。まさに「やっとスタートラインに立てた」タイミングの2018年4月、通勤途中の歩道で事故に遭う。

緊急手術、ICUでの絶対安静を経て「脊髄損傷による両下肢完全麻痺」と公表されたが、彼女は「アイドルを続けるかどうか」ではなく「車いすでどう活動するか」を考えたと振り返っている。入院中から作詞に取り組み、同年8月に車椅子でステージへ戻った。この復帰は大きく報道され、「車椅子アイドルがいたっていい」というエールが殺到した。

当事者としての発信[編集]

復帰後はアイドル活動に加え、パラスポーツの普及、東京2020パラリンピック関連の番組・イベント出演、講演、雑誌連載、著書の出版など、活動の幅を一気に広げた。東京都のパラ応援大使や「東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会」のメンバーにも選ばれている。

X (SNS)では車椅子ユーザーの日常や不便さを率直に書くほか、時事ネタにも積極的に意見を述べる。そのコメントは東京スポーツなどがたびたび記事化しており、「ネットニュースでよく見かけるアイドル」としても知られるようになった。目標は「障がいに関係なく、いちタレントとして起用されること」だと語っている。

経歴[編集]

研究生時代(2014年 - 2016年)[編集]

  • 2014年5月 - アリスプロジェクトに所属し、5月23日に研究生グループ「スライムガールズ」でステージデビュー。
  • 2014年7月 - 仮面女子候補生ユニット「OZ」に加入し、ユニット内でリーダーを務める。
  • 2015年7月 - 自身のブログで「初!グラビア撮影!」と報告。久しぶりの水着撮影だったという。当時、仮面女子はスマホゲーム『元気種!』と連動した企画を行っており、ファンの応援で撮影の機会をつかんだ形だった。
  • 2015年9月 - 「アレアガールズ」に加入。同年11月、仮面女子はさいたまスーパーアリーナでワンマンライブ「地球のおへそ」を開催した。

この時期の仮面女子は、インディーズ女性アーティストとして初めてオリコン週間ランキング1位を獲得(2015年「元気種☆」)するなど、地下アイドル界の最大手として勢いに乗っていた。同じ事務所には、のちに別分野へ転身する月野もあや、議員に転身した橋本ゆきらも在籍していた。

仮面女子昇格とリーダー就任(2017年 - 2018年)[編集]

  • 2017年2月 - アレアガールズを卒業し、OZを経て仮面女子・スチームガールズに昇格。2月26日に加入式。メンバーカラーは黄色。
  • 2017年9月8日 - 熱烈なファンである埼玉西武ライオンズの試合(対日本ハム戦)で始球式。アンダースローで投げた。
  • 2018年1月 - 仮面女子の3代目リーダーに就任(2019年9月まで)。

事故と復帰[編集]

2018年4月11日の事故[編集]

2018年4月11日、東京都文京区の湯島聖堂外周の歩道を歩いていたところ、強風で倒れた大型の木製案内板の下敷きになった。病院で約6時間に及ぶ緊急手術を受け、ICUで絶対安静となったことが所属事務所から発表された。

報道によれば、案内板は国の史跡に設置されたもので、土台部分が腐食していたとされる。本人は後に、医師から説明を受ける前に携帯電話で「脊髄損傷」を調べ、車椅子生活になるかもしれないと察したこと、家族に「治らないの?」と自分から尋ねたことを明かしている。

公表と入院生活[編集]

2018年5月7日、「脊髄損傷による両下肢完全麻痺」と公表し、今後は車椅子で生活することになると明かした。5月には原因不明の痛みや体調不良を訴える投稿もあり、ファンの心配を集めた。入院中は芸人・タレントの武井壮が見舞いに訪れてパラスポーツの話をし、これが彼女のパラスポーツへの関心のきっかけになったという。

入院中、プロデューサーに勧められて病院のベッドで作詞を始め、仮面女子の楽曲「ファンファーレ☆」の歌詞が生まれた。この時期の心境を本人は「やっとスタートラインに立てたと思ったのに、これからどうしよう」と語っているが、同時に事務所からは早い段階で「戻ってきてほしい」と言われており、辞めるという選択肢はなかったという。

ステージ復帰[編集]

2018年8月26日、秋葉原の仮面女子カフェでのライブで約4か月ぶりに活動を再開。9月9日には西武対ロッテ戦で車椅子に乗って始球式を務め、9月下旬には約5か月半に及んだ入院生活を終えて退院を報告した。10月には全国障害者スポーツ大会の開会式に出演し、12月にはTOKYO FMのクリスマス特番でメインパーソナリティーを務めている。

2019年5月1日、舞浜アンフィシアターのワンマンライブでは、武井壮から贈られた電飾付きの車椅子で登場して話題に。同年6月には体内の金属を取り除く抜釘手術のため入院した。2020年12月のワンマンライブでは改造車椅子も披露しており、「車椅子をステージ衣装の一部として見せる」という仮面女子ならではの演出を確立していった。

体のこと(本人の公表範囲)[編集]

本人が取材で語ったところでは、へその下あたりから感覚がなく、温度や痛みも感じないため、知らないうちに怪我をしていることもあるという。排泄のコントロールが難しいことも公表している。また、朝から晩まで活動する日は1時間でも横になって休まないと体力がもたないこと、移動中は足がむくむため足を上げているが行儀が悪く見えないようタオルで隠していることなど、車椅子ユーザーならではの事情を発信している。

リハビリとしては2021年7月から、装着型サイボーグ「HAL」を使ったプログラムに月数回取り組み、2023年9月にはその様子を公開した。腹部の感覚や体幹に変化を感じていると語っている。事故から約6年が経った2024年の取材では、体力がついて復帰当初より出演回数を増やせるようになったと話した。

国を相手取った訴訟[編集]

2021年3月9日、本人と両親は、案内板が設置されていた史跡の管理をめぐり、国を相手に計1,000万円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した。案内板を管理していた公益財団法人とはそれ以前に和解しており、国が管理状況を確認すべきだったという主張だった。本人は取材に対し、提訴が報じられた後の世間の批判が精神的にこたえたとも語っている。2022年6月、東京地裁は請求を退けた。

卒業発表・撤回と新生仮面女子[編集]

一度目の卒業発表と撤回[編集]

2019年から2020年にかけて、猪狩はアイドル以外の活動を広げるため仮面女子を卒業し、個人活動へ移行する意向を表明。2020年2月にはYouTubeチャンネルも開設し、パラスポーツの紹介などを始めた。ところが新型コロナウイルス感染症の流行でライブの延期が相次ぎ、アルバム発売なども重なるなか、「車いすで舞台に立つ見せ方は仮面女子だからこそできる」と思い直し、2021年9月19日に卒業撤回を発表した。

新生仮面女子(2023年 - )[編集]

2023年2月、仮面女子は選抜7人体制の「新生・仮面女子」として再始動し、猪狩もその一員となった。同年4月にはユニット「トッピング☆ガールズ」にも加入。7月には長年の夢だった埼玉西武ライオンズの本拠地ベルーナドームでのイベントにも出演している(以前から「西武ドームでライブをするのが夢」と公言していた)。

2度目の卒業発表(2026年)[編集]

2026年10月1日、仮面女子の公式YouTubeで11月19日のワンマンライブ「Genesis」(Zepp Shinjuku)を告知するなかで、2027年春に仮面女子を卒業することを発表した。本人はXで「私、猪狩ともかは来春 仮面女子を卒業します。たくさん悩み、この決断をしました」と綴り、ファンへの感謝を述べた。「Genesis」は仮面女子として臨む最後のワンマンとなり、本人は「ぜひ来てください」と呼びかけている。卒業日程や理由は10月20日の秋葉原P.A.R.M.S.での劇場公演で語られる予定とされ、卒業後はタレントとして活動していく予定と報じられている。

公的活動・パラスポーツ[編集]

事故後、猪狩の活動の大きな柱になったのがパラスポーツと障がい理解の啓発である。

  • エラビバ スペシャルアンバサダー(2019年5月)- 障がい者向け求人サイトのアンバサダー。発表会では「障がいを持った側も、持っていない側の意見も言える」と意気込みを語った。
  • 東京2020パラリンピックの成功とバリアフリー推進に向けた懇談会(2019年5月)- 東京都の懇談会メンバーに委嘱。
  • 東京都パラ応援大使(2019年6月 -)- パラリンピックを応援する東京都の大使。2024年12月の東京都主催「都民向け講演会 冬を元気に!今すぐできる感染予防」にもパラ応援大使の肩書でゲスト出演している。
  • TEAM BEYONDメンバー - 東京都のパラスポーツ応援プロジェクト。
  • ヒューマンライツ・フェスタ東京2019アンバサダー
  • 一日消防署長(2019年11月11日、埼玉西部消防局)ほか、各地の警察署・消防署で一日署長や一日刑事課長を務める。
  • SAITAMA PRIDE スペシャルPRサポーター(2020年1月)- 地元・埼玉県のPR役。
  • 東京パラリンピック聖火リレー(2021年8月)- 聖火リレー関連の映像に登場。
  • 第1回ePARA CHAMPIONSHIPアンバサダー、障がい者eスポーツ大会「バリアブレイクカップ」公式アンバサダー(2023年)
  • 埼玉西武ライオンズ主催の車椅子ソフトボール大会スペシャルナビゲーター

2020年の東京スポーツの連載「パラヒーローズ」では、「障がい者はかわいそう」という見方がまだ根強いこと、パラリンピックを一過性のブームでなく出発点にしてほしいことを語り、「障がい者と健常者の懸け橋になりたい」と抱負を述べた。

メディア出演・著書・グラビア[編集]

著書・連載[編集]

  • 『100%の前向き思考 生きていたら何だってできる! 一歩ずつ前に進むための40の言葉』(東洋経済新報社、2020年7月31日)
    • 電子版などでは「55の言葉」とした版も出ている。講演の代表テーマもこのタイトルである。
  • 雑誌『ゴールデンライフ』連載「猪狩ともかの車いすJourney」(2020年9月号 - 2022年7月号)

テレビ・ラジオ[編集]

NHKのパラスポーツ番組「パラマニア」に2年間レギュラー出演したほか、『ハートネットTV』『バリバラ』、フジテレビ『ザ・ノンフィクション』(2019年)、東京パラリンピック中継(2021年)、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』(2023年)などに出演。ラジオではFMやまと『猪狩ともかのアリスタ!』(2022年)、TBSラジオ『井上貴博 土曜日の「あ」』(2023年 -)などに出ている。

映画[編集]

『いま、ダンスする』(2017年)、『リスタート:ランウェイ〜エピソード・ゼロ』(2019年)、『片袖の魚』(2021年)、『満腹探偵クウコ』、『キセキのバトン』など。

グラビア[編集]

研究生時代の2015年に初のグラビア撮影を経験し、仮面女子の公式モバイルサイトなどで水着カットが公開された。仮面女子はグラビアアイドル的な活動もこなすグループで、撮影会文化にも馴染みが深い。本人は2024年、撮影会をめぐる議論に当事者として発言している(後述)。

講演[編集]

講演依頼サイトにも登録されており、「人生」「逆境」「障がい」「安全・事故防止」「命」など幅広いテーマで講演・トークショーを行っている(オンライン対応可)。2014年に夢を追ってアイドルになった経緯、事故、車椅子での再出発までを自分の言葉で語れるのが強みである。

資格[編集]

講演者プロフィールなどで公表されている資格は次のとおり。

  • 管理栄養士(国家資格。専門学校卒業時に取得)
  • 栄養士
  • 栄養教諭
  • 災害備蓄管理士
  • 普通自動車免許

「アイドルの中でも珍しい国家資格持ち」として以前から知られ、デビュー当初は「管理栄養士アイドル」の肩書を使っていた。2025年12月にはコメ価格高騰について「5キロ2000円だったのが4000〜5000円」とXで指摘するなど、食に関する話題への反応が早いのも栄養のプロらしいところ。

SNSでの発信[編集]

X (SNS)(@igari_tomoka3)が主な発信の場で、車椅子ユーザーの日常に加え、社会ニュースへの率直なコメントが多い。2024年には「車いすユーザーになって思うこと」という投稿が反響を呼び、時間に余裕を持って行動するようになったこと、バリアフリールートは遠回りが多いこと、人の手を借りる場面が増えて「ありがとうございます」と言う回数が増えたことなどを綴った。本人は「当事者には当たり前のことが他の人には驚きになる」と感じ、当事者以外にも分かりやすく伝えることを意識しているという。

東京スポーツなどに取り上げられた主な投稿には次のようなものがある。

  • 2024年6月 - 東京都知事選挙の過激露出ポスター問題について、ひろゆきの投稿を引用しつつ「拡散されたこと自体を成功と捉えているのでは」と分析。供託金300万円は広告費と考える人もいると指摘しつつ、供託金を上げると真剣な候補者が不利益を受けると懸念した。
  • 2024年6月 - 下半身まひを公表した体操のお兄さん・佐藤弘道に「今は絶望の淵にいるかもしれませんが…」とエールを送った。
  • 2025年8月 - 迷惑系インフルエンサー対策として「広告収入の即時停止、全SNSアカウントもBANで」と提言。
  • 2025年10月 - 電車内で詐欺の受け子にされかけた女性に気づき通報した大学生を「素晴らしいです」と称賛。
  • 2025年12月 - コメ価格の高騰について、パンや麺類に切り替える人もいると指摘。
  • 2026年8月 - 夏休みの宿題に生成AIを使う子どもが増えたというニュースに「自分で考えるということをしなくなっちゃいそう」と疑問を呈した。
  • 2026年9月 - 赤い羽根共同募金の使途不明金問題に「信用はどこまで落ちるのでしょうか…」と嘆いた。

ほかにAmebaの公式ブログ「猪狩ともかオフィシャルブログ」も研究生時代から続けており、YouTubeではパラスポーツなどを紹介するチャンネルを運営してきた。

炎上とバズ[編集]

撮影会「性的興行」論争への発言(2024年)[編集]

2024年8月、埼玉県内の廃校で予定されていた制服・浴衣の撮影会に対し、地域住民らから「子どもが使っていた学校で性的な興行はふさわしくない」と反対の声が上がった件について、Xで「制服撮影会を性的興行って…。反対してる人たちは制服姿の子を性的な目で見てるってこと?」と投稿。さらに「この手のクレームでどんどん仕事失っていくの?」と、同業のアイドルの仕事が失われることへの疑問を呈した。主催側は水着撮影を禁止していたと報じられており、前年に埼玉県のプール撮影会が中止になった経緯もあって、ネット上でも賛否を含めて大きな議論になった。

時事コメントへの反響[編集]

政治家の発言や迷惑行為、事件などに対して歯に衣着せぬコメントをすることが多く、ネットニュース化されるたびに賛同と反発の両方が寄せられる。国を相手取った訴訟が報じられた際も批判が寄せられ、本人は精神的に負担だったと語っている。

余談[編集]

  • 大の埼玉西武ライオンズファン。事故の前年(アンダースロー)と事故後(車椅子)の両方で西武戦の始球式を務めており、その後も2024年にかけて何度もセレモニアルピッチに登場している。
  • 特技には動画編集・ピアノ・料理に並んで「マシュマロをいっぱい口に詰めること」を挙げている。
  • メンバーからの呼び名がバラバラで、雪乃しほりからは「猪狩さん」、小島夕佳からは「いがちょん」、窪田美沙からは「いがともちぃ」と呼ばれていた。
  • 2025年2月には、強風の日に自身の事故を振り返り、強風への注意を呼びかけた投稿がニュースになった。
  • 会場の多くはバリアフリーではなく、階段ではスタッフに車椅子ごと持ち上げてもらうこともある。ステージは平らに見えて微妙な傾斜があり、車椅子が勝手に動かないよう固定が必要なのだとか。メンバーは振付や構成で移動に配慮してくれるという。
  • アイドルを続ける原動力はファンの「元気でた」という言葉。車椅子の娘を持つ親から「勇気をもらっています」と言われたことも励みになっていると語っている。

外部リンク[編集]

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