| 椿の花咲く頃 동백꽃 필 무렵 / When the Camellia Blooms | |
|---|---|
| ジャンル | ロマンス / ヒューマン / スリラー |
| 放送期間 | 2019年9月18日 - 2019年11月21日 |
| 放送時間 | 水・木曜 22:00 |
| 話数 | 全40話(1話約35分) |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 放送局 | KBS2 |
| 配信 | Netflix |
| 制作 | |
| 演出 | チャ・ヨンフン |
| 制作 | ペン・エンターテインメント |
| 脚本 | イム・サンチュン |
| 出演者 | コン・ヒョジン、カン・ハヌル、キム・ジソク、キム・ガンフン |
| その他 | |
概要[編集]
『椿の花咲く頃』(原題:동백꽃 필 무렵)は、2019年9月18日から11月21日まで韓国KBS2で放送された全40話(地上波の30〜35分×2本立て形式)のドラマ。架空の港町オンサンを舞台に、シングルマザーのトンベク(コン・ヒョジン)と、彼女に一直線に惚れ込む純朴な巡査ヨンシク(カン・ハヌル)のロマンスを軸に、町の人間模様と連続殺人鬼「カブリ」の影が交錯する。
ロマンス・コメディ・家族ドラマ・スリラーを一つの鍋に放り込んだうえで全部成立させるという離れ業で、最終回は最高視聴率23.8%を記録し2019年の地上波ミニシリーズ視聴率1位。「地上波ドラマはもう終わった」と言われていた時代に、脚本の力だけで国民ドラマを成立させた作品として語られているらしい。
あらすじ[編集]
身寄りのないトンベクは、幼い息子ピルグを連れて港町オンサンに流れ着き、居酒屋「カメリア(椿)」を開く。閉鎖的な町でシングルマザーへの陰口に耐えながら8年。そこに現れたのが、ソウルから帰郷した熱血巡査ファン・ヨンシク。彼はトンベクに出会った瞬間に恋に落ち、町中の視線も過去のしがらみも無視して猛進する。
しかしオンサンには、数年前から正体不明の連続殺人鬼「カブリ」が潜んでいた。「笑わせておいて怖がらせ、怖がらせておいて泣かせる」三段構えの構成で、トンベクの初恋、母との確執、ピルグの実父であるプロ野球スター、カン・ジョンニョルの再登場、そしてカブリの正体探しが同時進行していく。
登場人物[編集]
- オ・トンベク(コン・ヒョジン):居酒屋カメリアの店主。「可哀想なヒロイン」に見えて、最後は自分の足で立つ人。コン・ヒョジンの「生活密着ロマンス女王」の集大成と評された。
- ファン・ヨンシク(カン・ハヌル):オンサン出身の巡査。打算ゼロの求愛と方言全開の喋りで「国民の彼氏」枠を更新した。カン・ハヌルは除隊復帰作の本作で百想芸術大賞TV部門男子最優秀演技賞を受賞。
- カン・ジョンニョル(キム・ジソク):ピルグの実父である元野球スター。終盤までヘイトを集めてからの挽回がうまい役どころ。
- キム・ピルグ(キム・ガンフン):トンベクの息子。子役キム・ガンフンの演技が「終盤の涙の7割を担当した」と言われる。
- オンサンの女たち:カメリア周辺の商店街のおばちゃん軍団。陰口の加害者でありながら最終的にトンベクの最強の味方になる、本作のもう一人の主役。
評価[編集]
脚本のイム・サンチュンは『サム、マイウェイ』に続く本作で「平凡な人々の言葉で泣かせる作家」としての評価を不動にし、2020年の百想芸術大賞でTV部門大賞(作品)を含む主要賞を席巻。KBS演技大賞ではコン・ヒョジンが大賞を受賞した。「ヒロインを救うのは王子様ではなく、母と隣人と本人の勇気」という着地が、放送当時の韓国社会で大きな共感を呼んだ。
ジャンル融合と「カブリ」[編集]
本作の発明は、ほのぼのロマンスの世界に連続殺人鬼を平然と同居させた点にある。「カブリ」の犯行はコメディパートの直後に挿入され、視聴者は毎話「笑顔からの心臓発作」を経験させられた。それでいてスリラーが主役を食わないよう、事件はあくまで「トンベクが自分の人生を取り戻す物語」の触媒として機能する。この配合バランスは後続作品にも影響を与え、「庶民的な町+ロマンス+一滴のスリラー」という構成は本作以降ひとつの型になった。『海街チャチャチャ』が本作と比較されがちなのも、この型の継承者だからである。
余談[編集]
- 「カブリ」の正体当ては放送当時の国民的ゲームで、最終盤までSNS上の推理合戦が続いた。
- オンサンのロケ地は慶尚北道浦項の九龍浦日本人家屋通りで、放送後は観光客が殺到する聖地になった。
- イム・サンチュンは2025年にNetflixで世界配信された『おつかれさま』(IU主演)も手がけ、「庶民の言葉の魔術師」路線を突き進んでいる。
- 視聴率23.8%は同年の『SKYキャッスル』ブーム以後、地上波が叩き出した数少ない20%超えとして業界に衝撃を与えた。
- 「オンサンのおばちゃんたち」を演じたベテラン女優陣はアドリブの応酬で有名になり、台本にない方言の掛け合いがそのまま本編に採用されたという。
- タイトルの椿(トンベク)はヒロインの名前と店名と花言葉の三重がけで、最終話のタイトル回収は「韓国ドラマ屈指のタイトル回収」としてよく挙げられる。