妄想族
Mousouzoku
国家 日本
種類 アダルトビデオメーカーグループ
市場情報 非上場
業種 映像制作・販売(アダルトビデオ)
設立日 2006年4月
上場 非上場
主要部門 素人ホイホイ、ブロッコリー、かぐや姫Pt、かつお物産、ABC、DIVA、ハイカラ ほか
主要子会社 エマニエル系各レーベル(香澄企画、熟女塾、美人魔女、フォーディメンション 等)
関係する人物 コンピューター園田(CP田園)、野崎あんにん(ケチャラパチャラ)、ささきうずまき(まるかあの)
代表作品 「ホイホイぱんち」シリーズ
別名 AVメガサイト[妄想族]
リンク 公式アダルトサイト


概要[編集]

妄想族(もうそうぞく)とは、日本のアダルトビデオメーカーが多数集まって形成されたメーカーグループである。2006年4月創立とされ、素人系・フェチ系・熟女系・洋物まで幅広いジャンルを扱う。キャッチコピーは「あなたのモヤモヤに『どストライク!』」。

詳細[編集]

「メーカー」ではなく「メーカーの集合体」[編集]

妄想族は、ひとつの制作会社がひとつのブランドで作品を出す、というタイプのメーカーではない。中小の制作レーベルが「妄想族」という大きな看板の下に集まり、流通・販売・宣伝を共有するグループ体である。FANZAなどの配信サイトでは作品のメーカー欄に「ブロッコリー/妄想族」「かぐや姫Pt/妄想族」「美人魔女/エマニエル」のように、各レーベル名+グループ名の形で表記されるのが特徴で、これを見れば「この作品は妄想族ファミリーの一員だな」と判別できる。

公式サイトのタイトルは「AVメガサイト[妄想族]公式アダルトサイト」。年齢確認ページには「参加メーカー、対応ジャンル、作品数すべてNo.1!!」という強気のコピーが掲げられており、メタ情報では「エマニエル・美人魔女・HEROなど有力メーカー勢揃い」とうたっている。数で勝負する「メガサイト」路線がこのグループの基本スタンスだといえる。

扱うジャンル[編集]

作品の傾向をひとことで言えば「素人・企画もの・フェチを中心とした何でもあり」。日本語版Wikipediaではジャンルとして「フェチ、盗撮、素人」が挙げられているが、実際には熟女系(エマニエル系)、SM系(アートビデオSM、赤ほたるいか)、外国人出演の洋物(DIVA、ハイカラ)、ホラー仕立て(青鬼の「裏メシ屋」)、監督の個性を前面に出したドキュメンタリー系(CP田園)など、レーベルごとにまったく違う色を持つ。

ひとつのレーベルが一つのニッチを深掘りし、その集合体として全体のカバー範囲を広げる――という構造で、「どんな好みの人にも何かしら刺さる(=どストライク)」というキャッチコピーはまさにこのビジネスモデルを表している。

運営体制[編集]

グループ全体を統括する運営会社名や代表者名は、公式サイトの年齢確認ページ等では明示されておらず、フッターの著作権表記も「Mousouzoku」となっている。各レーベルは独立した制作チーム・制作会社として活動しており、レーベルごとに公式X(旧Twitter)アカウントを持っているケースも多い(例:ブロッコリーの公式アカウントなど)。

業界構造の上では、日本語版Wikipediaの「アダルトビデオメーカー」の項目で、北都(CA)グループに関係するメーカーの一覧の中に妄想族の名が挙げられている。公式サイトの年齢確認で「いいえ」を押すとDMM.comのトップページに飛ばされる仕様になっているのも、DMM/FANZA圏との結びつきを感じさせる小ネタである。

歴史[編集]

前史と創立(2006年〜)[編集]

妄想族の創立は2006年4月とされる。ちょうど同じ2006年4月に始動したレーベルとして「style art(スタイルアート)」が記録されており、グループ黎明期からのメンバーと見られる。一方で、2005年11月開始の「CROSS」や2007年6月開始の「VALDEe」など、グループ創立前後から活動していたレーベルも名簿に並んでいる。既存の制作レーベルを次々に取り込みながら規模を広げていったことがうかがえる。

2000年代後半から2010年代初頭にかけては、竜宮城(2008年7月〜)、趣向+(2008年10月〜)、ABC(2008年12月〜)、フォーディメンション(2009年2月〜)、DIVA(2009年10月〜)など、のちの主力を含む多数のレーベルが立ち上がった。この時期のアダルトビデオ業界はDVDのセル市場からネット配信への移行期にあたり、小規模レーベルが看板を共有して販路を確保するグループ方式は、その流れに合ったものだったといえる。

3グループ体制から統合へ(2012年)[編集]

初期の妄想族は「妄想族」「妄想族BLACK LABEL」「妄想族インターナショナル」の3つのカテゴリに分かれていた。名前の通り、BLACK LABELはよりマニアックな路線、インターナショナルは外国人出演作品などを担う枠だったと考えられる。

2012年8月31日、この3グループに「五右衛門グループ」を加えた4者が統合され、現在に連なる一本化された「妄想族」が誕生した。

他グループの吸収と253メーカー体制(2014年〜2016年)[編集]

統合後の妄想族は、さらに他グループ系のメーカーを取り込んでいく。

  • 2014年4月10日:東京マニGUN'SとHEROが統合
  • 2014年9月12日:美人魔女が統合
  • 2014年10月17日:エマニエルが統合

とくにエマニエルの合流は大きく、香澄企画、熟女塾、美人魔女、フォーディメンション、婦人社、プレミアム熟女、ミセスの素顔、KSB企画など「○○/エマニエル」表記の熟女系レーベル群がまとめて妄想族の傘下に入った。これにより、素人・フェチ系に強かった妄想族は熟女ジャンルでも一大勢力となった。

その結果、2016年3月時点でグループ内のメーカーは計253メーカーに達したとされる。250を超えるブランドを抱えるグループは業界でも異例の規模で、公式サイトの「参加メーカー数No.1」というコピーはこの数字に裏打ちされている。

レーベルの新陳代謝(2015年〜2020年代)[編集]

大所帯ゆえに、レーベルの入れ替わりも激しい。2015年前後には、ROUGE PLANET(2015年3月終了)、CROSS(2015年5月終了)、ゴールドエンペラー(2015年9月終了)、style art(2015年12月終了)など黎明期のレーベルが相次いで幕を下ろした。その一方で、ハイカラ、バミューダ(ともに2015年4月〜)、チキチキカマー(2015年11月〜)、かつお物産(2016年4月〜)、1113工房(2016年4月〜)、チェリーズれぼ(2016年6月〜)、パコパコ団とゆかいな仲間たち(2017年2月〜)、かぐや姫Pt(2017年5月〜)、ティーチャー(2017年7月〜)、素人ホイホイ(2018年9月〜)と、現在の主力を担う新レーベルが続々誕生した。

2019年にはボンボンチェリー(同年9月終了)、エンペラー(同年12月終了)といった10年選手が終了。代わってブロッコリーの作品が2019年のFANZA年間ランキング1位を獲得し、グループの顔ぶれが世代交代したことを印象づけた。

2020年代[編集]

2020年代に入ると、監督個人の名前や作風を看板にしたレーベルが目立つようになる。コンピューター園田監督のドキュメンタリー路線「CP田園」(2020年11月〜2024年5月)、人妻の女性AV監督・野崎あんにんを中心に制作する「ケチャラパチャラ」(2021年10月〜)、ささきうずまき監督作品の「まるかあの」(2024年3月〜)などがその例である。

また、2022年〜2023年にはFANZA動画フロアの週間ランキングで素人ホイホイ、かぐや姫Pt、かつお物産の作品がたびたび1位を獲得しており、複数のレーベルがそれぞれヒットを出せる「層の厚さ」がグループの強みとして表れている。

レーベル[編集]

主な現行レーベル[編集]

日本語版Wikipediaなどに記録されている、終了の記載がない主なレーベルは以下の通り(開始年月順の一部)。

レーベル 開始 特徴(中立的な一言)
ABC 2008年12月 ロゴに「ART BODY COLLECTION」の表記
フォーディメンション/エマニエル(FD) 2009年2月 熟女系
香澄企画/エマニエル 2009年6月 熟女系
DIVA 2009年10月 世界各国の外国人女性が出演
アートビデオSM 2010年6月 SM系
ゑびすさん 2011年1月
熟女塾/エマニエル 2011年3月 熟女系
ブロッコリー 2011年6月 2019年FANZA年間1位作品を輩出
キチックス 2011年8月
ゴールド 2011年11月 六本木のキャバクラとのコラボ企画
姦乱者 2012年5月
山と空 2013年8月
美人魔女/エマニエル 2013年12月 熟女系
F-FACTORY 2014年6月
SEX Agent 2014年11月
ハイカラ 2015年4月 アメリカを中心とした洋物
バミューダ 2015年4月
チキチキカマー 2015年11月
かつお物産 2016年4月 大型ベスト盤・福袋型タイトルでヒット
1113工房 2016年4月
チェリーズれぼ 2016年6月 巨乳もの
パコパコ団とゆかいな仲間たち 2017年2月
かぐや姫Pt 2017年5月 人気作を集めた作品集でヒット
ティーチャー 2017年7月
素人ホイホイ 2018年9月 素人系。「ホイホイぱんち」シリーズ
ケチャラパチャラ 2021年10月 女性監督・野崎あんにん中心
まるかあの 2024年3月 ささきうずまき監督作品

このほか、婦人社、プレミアム熟女、ミセスの素顔、KSB企画など、開始時期が明記されていないエマニエル系レーベルも存在する。

主な終了レーベル[編集]

  • CROSS(2005年11月〜2015年5月):グループ創立前から続いた最古参クラス。
  • style art(2006年4月〜2015年12月):創立と同時期に始動。
  • VALDEe(2007年6月〜2014年4月)
  • 竜宮城(2008年7月〜2010年11月)
  • 趣向+(2008年10月〜2014年4月)
  • 熟ドラ/エマニエル(2009年2月〜2017年3月)
  • エンペラー(2009年7月〜2019年12月):10年以上続いた長寿レーベル。
  • Close Market AAV(2009年7月〜2016年2月)
  • 無言(2009年7月〜2016年4月)
  • ゴールドエンペラー(2010年3月〜2015年9月)
  • ボンボンチェリー(2010年7月〜2019年9月):本物素人の超乳作品を中心に100本以上をリリース。
  • FETISH BOX(2010年9月〜2016年4月)
  • 桃源郷(2010年10月〜2012年9月)
  • 色眼鏡(2010年11月〜2019年2月)
  • ROUGE PLANET(2010年12月〜2015年3月)
  • 赤ほたるいか(2011年1月〜2016年3月):緊縛作品が多い。
  • ALL(2011年2月〜2014年7月)
  • ぽちゃぷり(2011年8月〜2013年6月)
  • 黒羊(2011年12月〜2018年5月)
  • 熟女JAPAN(2012年11月〜2016年4月)
  • 青鬼(2013年〜2017年):エロホラー専門レーベル「裏メシ屋」を展開。
  • 滝山ポリエステル(2019年6月〜2021年8月)
  • ぽかぽか(2019年8月〜2020年2月):わずか半年ほどの短命レーベル。
  • CP田園(2020年11月〜2024年5月):コンピューター園田監督のドキュメンタリー・ハメ撮り路線。

代表シリーズとヒット作[編集]

ホイホイぱんち(素人ホイホイ)[編集]

2018年9月に始動した素人ホイホイの看板シリーズ。素人系の作品群で、ナンバリングを重ねている。2022年6月27日の週には『ホイホイぱんち 12』が、2023年7月10日の週には『ホイホイぱんち 23』が、それぞれFANZA動画フロアの週間ランキングで1位を獲得した。ランキングを紹介した双葉社のWebメディア「夕やけ大衆」では「唯一無二の王道素人」といった見出しで取り上げられている。

かぐや姫Ptの作品集[編集]

かぐや姫Ptは2017年5月開始のレーベル。2022年12月5日の週には、人気作品だけを厳選して収録した作品集タイトルがFANZA動画フロアの週間ランキング1位を獲得。夕やけ大衆の見出しで「もはや神袋!」と形容された。

かつお物産の大容量ベスト[編集]

かつお物産は2016年4月開始のレーベル。2023年5月15日の週に、人気15タイトルをノーカットで収録した総尺2130分(約35時間半)という超大容量タイトルがFANZA動画フロアの週間1位となり、その後も同年8月・9月に別タイトルで再び1位を獲得した。複数作品をまとめた「福袋」型の商品でランキングを席巻するのは、作品ストックが膨大な妄想族ならではの戦い方といえる。

2019年の年間1位[編集]

2019年8月発売のブロッコリー/妄想族の作品が、FANZAの2019年年間ランキング(ビデオ部門)で1位を獲得したとされる。単体女優を前面に出す大手専属メーカーがひしめく中で、企画系のグループレーベルが年間首位を取ったことは、業界的にも話題性のある出来事だった。

出演した主なAV女優[編集]

妄想族の作品は企画・素人系が中心で、特定の女優と長期の専属契約を結ぶスタイルではないため「所属女優」という概念は薄い。ここでは、ランキング上位となった作品集などで出演が確認できる女優を、名前のみ挙げる。

また、2019年に「FANZAで最も売れたAV女優」となった佐藤りこは、テレビ東京の番組『じっくり聞いタロウ』の取材で、ブレイクのきっかけがパッケージに名前の出ない企画ものだったと紹介されている。

業界内の位置づけ[編集]

「数」で戦う巨大グループ[編集]

日本のAV業界には、北都(CA)系、ソフト・オン・デマンド(SOD)系、プレステージ、ケイ・エム・プロデュースなど、多数のメーカーやレーベルを抱える大手グループが存在する。その中で妄想族は、専属女優を擁する単体系メーカーとは対照的に、中小の企画・素人・フェチ系レーベルを大量に束ねることで存在感を示してきた。2016年時点の253メーカーという数字は、その「量」の象徴である。

FANZAでの存在感[編集]

妄想族グループの作品は、主にFANZA(旧DMM.R18)で配信・販売されている。日本語版Wikipediaの外部リンクには、DMMの月額見放題チャンネルも掲載されている。前述のとおり、2019年の年間1位、2022年〜2023年の週間1位連発など、FANZAのランキングでは常連の一角を占めている。

メディア露出[編集]

2011年には集英社の「週プレNEWS」にインタビューが掲載され、2020年には『週刊プレイボーイ』2020年2月24日号でも取り上げられた。DMMのグループ誌「月刊DMM」や、夕やけ大衆のFANZAランキング記事などにもたびたび登場している。

2026年の現況[編集]

2026年10月時点でも、公式サイト「AVメガサイト[妄想族]」は運営が続いており、年齢確認ページには「エマニエル・美人魔女・HEROなど有力メーカー勢揃い」の文言が掲げられている。エマニエル系レーベルについては、ファン作成の作品データベースで2024年〜2025年のリリースまで記録が続いていることが確認でき、熟女系の柱は健在とみられる。

2024年3月には新レーベル「まるかあの」が立ち上がる一方、同年5月には「CP田園」が終了するなど、レーベルの新陳代謝は近年も続いている。素人ホイホイ、ブロッコリー、かぐや姫Pt、かつお物産といった2010年代後半からの主力レーベルも、各レーベル公式Xなどで情報発信を続けている。

なお、2022年に施行されたAV出演被害防止・救済法(いわゆるAV新法)以降、業界全体で制作・公開のルールが厳格化しており、妄想族のような多レーベル型グループもその枠組みの中で作品を出している。2026年時点でグループ全体の新たな統合・分裂などの大きな動きは報じられていない。

余談[編集]

  • グループ名の「妄想族」は、「暴走族」をもじったような響きのネーミング。キャッチコピーの「どストライク!」とあわせて、ユーモア寄りのブランディングがなされている。なお、同名・類似名の音楽作品やアーティストも存在するため、検索時には混同に注意。
  • レーベル名のセンスが独特なことでも知られ、「ブロッコリー」「かつお物産」「チキチキカマー」「パコパコ団とゆかいな仲間たち」「滝山ポリエステル」「ケチャラパチャラ」など、一見しただけではAVレーベルと分からない名前が多い。ちなみに「ブロッコリー」は、同名の上場企業(ゲーム・キャラクター商品会社のブロッコリー)とは無関係。
  • 2016年3月時点の253メーカーという数字は、1日に1レーベルずつ作品を見ても8か月以上かかる計算になる。
  • かつお物産の総尺2130分のタイトルは、ぶっ通しで再生すると約35時間半。週末2日間を丸ごと費やしても見終わらない長さである。
  • レーベル「ゴールド」は六本木のキャバクラとのコラボ、「青鬼」は「裏メシ屋」というホラー専門レーベルを展開するなど、企画の切り口がとにかく多彩。
  • 公式サイトの年齢確認で「いいえ」を選ぶと、なぜかDMM.comの一般トップページに案内される。

外部リンク[編集]

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