概要[編集]

キャバクラ(きゃばくら)とは、「キャバレー」と「クラブ」を組み合わせた和製語で、女性キャストが客席で男性客の隣に座って会話や酒の相手をする、時間制料金の接待飲食店の業態である。1980年代半ばに誕生した。法律上は風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風営法)の「1号営業」にあたり、営業には公安委員会の許可がいる。

詳細[編集]

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新宿・歌舞伎町に並ぶホストクラブとキャバクラの看板(2016年・撮影:Dick Thomas Johnson/出典:ウィキメディア・コモンズ)

名前の由来[編集]

「キャバクラ」は、フランス語由来のキャバレー(cabaret)と、英語由来のクラブ(club)をくっつけた和製外来語である。大箱で生バンドやショーがある昭和のキャバレーと、銀座や北新地のような会員制の高級クラブ。この二つのあいだを狙った業態で、「キャバレーの気軽さと料金」と「クラブの雰囲気」の両方をうたったことからこの名前になったといわれる。

働く女性はキャバ嬢、最近はキャストと呼ばれる。店側の男性スタッフは黒服、ボーイ、内勤などと呼ばれ、席にどのキャストをつけるかを決める「付け回し」、会計、送迎、スカウト対応などを受け持つ。

基本的な仕組み[編集]

キャバクラの一番の特徴は、料金が時間制のセット料金で決まっていることである。昭和の高級クラブは会計がわかりにくく、「時価」「その場の判断」のところも多かった。これに対してキャバクラは「1セット60分○○円、ハウスボトル(焼酎・ウイスキーなど)飲み放題」と料金表をはっきり出すスタイルで広まった。サラリーマンが自腹で行けるようにした「大衆版クラブ」といえる。

セット料金に、指名料、キャストが飲むキャストドリンク代、シャンパンなどの追加注文、そしてTAX・サービス料が加算されて会計になる。キャストには売上に応じたバック(歩合)が入るため、指名やドリンク、ボトルの注文を取ることが重要な仕事になっている。

キャストの仕事[編集]

キャストの業務は、感情労働の代表例としてよく取り上げられる。席では会話を盛り上げ、酒を作り、タバコに火をつけ、客を楽しませる。勤務時間外にもLINEや電話、Instagram、X (SNS)で客と連絡を取り合う「営業」が大事で、来店につなげる力が売上を左右する。

出勤前に客と食事してから一緒に店に入る同伴、閉店後に客と食事やカラオケに行くアフターも、多くの店で給与やノルマに組み込まれている。法律上、キャバクラでの「接待」は会話や歓待であり、性的サービスは含まれない。体に触れるサービスを行う店は、別に「セクシーパブ(セクキャバ)」と呼ばれる。

呼び方の地域差[編集]

同じような業態でも、地域によって呼び方が違う。北海道のすすきのや北東北では「ニュークラブ」、九州(中洲など)や関西では「ラウンジ」と呼ばれることが多い。中洲ではキャバクラにあたる店を「ラウンジ」や「ニュークラブ」と呼ぶ。そのため、「中洲のラウンジ」と「東京の会員制ラウンジ」は同じ名前でも中身がまったく違うことがある。

歴史[編集]

前史:キャバレーの時代[編集]

日本のキャバレーは、終戦直後の1945年11月、特殊慰安施設協会(RAA)がキャバレー部をつくり、銀座の松屋地下に「オアシス・オヴ・ザ・ギンザ」を開いたところから始まる。昭和30〜40年代が全盛期で、1960年3月には「キャバレー太郎」と呼ばれた福富太郎が新橋に「ハリウッド」を開業し、最盛期には44店舗まで増やした。赤坂の「ミカド」はホステス500人が在籍、新宿の「クラブハイツ」は床面積が1,000坪を超えるなど、とにかく規模の大きな業態だった。

しかし1971年のドルショック、1973年のオイルショックで客足が落ち、1970年代後半にはディスコブームに若者を取られた。さらに1980年代半ばからは、小さな店でも始められて料金もわかりやすいキャバクラに客を奪われていく。2010年代にはキャバレーは「ほぼ絶滅状態」といわれるまで減った。

年表[編集]

年 出来事
1945年 終戦直後、銀座に「オアシス・オヴ・ザ・ギンザ」開業。戦後キャバレーの始まり
1960年 福富太郎が新橋に「ハリウッド」を開業。キャバレーが全盛期へ
1970年代 ドルショック・オイルショック・ディスコブームでキャバレーが衰えはじめる
1984年 風俗営業等取締法を大改正し、現在の「風営法」に(1985年2月施行)
1980年代半ば キャバクラが誕生。初期のキャッチコピーは「3回通えば店外デート」だったとされる
1980年代後半 バブル景気。六本木ではディスコが数十軒並ぶ
1990年代 バブル崩壊後、六本木などのディスコがカラオケ店やキャバクラに変わっていく
2003年 石原慎太郎都知事のもとで「歌舞伎町浄化作戦」が始まる
2004年 八王子市に「girls bar Mcorols」が開店。ガールズバーの始まりとされる
2005年 東京都が客引き規制を強化。ドラマ『嬢王』放送開始。「名古屋嬢」が全国で話題になる
2006年 『小悪魔ageha』が月刊化。キャバ嬢が読者モデルとして誌面を飾る
2008年 『小悪魔ageha』の発行部数が40万部(実売30万部)に。「盛り髪」ブームがピークに
2009年 キャバクラで働く人の労働組合「キャバクラユニオン」が結成される
2012年 都が歌舞伎町・六本木などを、客引きやスカウトの待機行為まで禁止する区域に指定
2014年 『小悪魔ageha』の版元が事業を停止し、休刊(2015年に復刊)
2016年 改正風営法が施行され、接待飲食店の区分が「1号営業」に整理される
2019年 愛沢えみり、エンリケ(小川えり)など有名キャバ嬢の引退イベントが話題に
2020年 新型コロナの流行。「夜の街」がやり玉にあがり、休業要請を受ける
2021年 時短営業・酒類提供停止の要請がくり返される。『小悪魔ageha』が雑誌として復刊
2025年 風営法改正。料金のウソ説明や恋愛感情につけこんだ営業などを禁止(6月28日施行)

キャバクラ誕生と1980〜90年代[編集]

キャバクラは、1984年の風営法の大改正(1985年施行)の前後に出てきた新業態である。客にとっては、「明朗会計でクラブ気分が味わえる」ことがウリだった。一方の経営者にとっても、大箱のキャバレーより少ない投資で開店でき、若い女性を短時間のアルバイトとして集めやすいというメリットがあった。バブル期には全国の繁華街に一気に広がった。

2000年代:「小悪魔ageha」と名古屋嬢ブーム[編集]

2000年代は、キャバ嬢がファッションの発信源になった時代である。2005年に創刊(2006年に月刊化)した雑誌『小悪魔ageha』は、現役キャバ嬢を読者モデルに起用し、巻き髪を高く盛り上げた「盛り髪」、つけまつげを重ねたデカ目メイク、ドレスファッションを全国の10〜20代女性に広めた。2008年には発行40万部・実売30万部に達したとされる。

同じ時期、分厚い前髪と太い縦巻きカールの「名古屋巻き」で知られる「名古屋嬢」が、2005年の愛知万博前後から全国に知られるようになった。もともと名古屋嬢は、名古屋の名門女子校出身のお嬢様ファッションを指す言葉だった。それが盛り髪ブームと結びつき、名古屋・錦三丁目(錦)のキャバクラ文化とも重ねて語られるようになっていく。この時代には「キャバ嬢=憧れの職業」というイメージもメディアで広く取り上げられた。

2010年代:SNSとカリスマキャバ嬢[編集]

2010年代になると、ブログ、Instagram、Twitterを使ってキャバ嬢本人が発信し、ファンや客を集めるスタイルが当たり前になった。誌面の読者モデルから、本人がメディアになる時代に変わったといえる。売上記録やバースデーイベントの「シャンパンタワー」がSNSで拡散され、アパレルブランドを立ち上げるなど起業するキャバ嬢も増えた。

2020年代:コロナ禍と法改正[編集]

2020年の新型コロナウイルス流行では、接待を伴う飲食店が「夜の街」とひとまとめに呼ばれ、感染源として何度も報道された。2020年4月には東京都が接待を伴う飲食店に休業を要請し、歌舞伎町の人通りは激減した。その後も時短営業や酒類提供停止の要請がくり返され、閉店や移転する店、オンライン営業やYouTubeでの発信に軸足を移すキャストが出た。また、感染者が出たことを公表しない店があったため、濃厚接触者を特定しにくいという問題も指摘された。

コロナ後は、ホストクラブの高額な売掛金が社会問題になったことをきっかけに、2025年に風営法が改正された。改正法の主なターゲットはホストクラブだが、キャバクラを含む接待飲食店すべてが対象になっている(後述)。

システムと料金[編集]

主な用語[編集]

  • セット料金:基本料金。40〜60分が1セットで、ハウスボトル飲み放題がつくことが多い。
  • フリー:指名せずに入ること。店がキャストを順番に席につける。
  • 本指名:特定のキャストを指名して来店すること。指名料がかかる。
  • 場内指名:フリーで入ったあと、席についたキャストを店内で指名すること。本指名より安いことが多い。
  • 同伴:キャストと店の外で待ち合わせて一緒に来店すること。同伴料がかかる店もある。
  • アフター:閉店後にキャストと食事などに行くこと。店のサービスではないため、基本的に料金は客の自腹になる。
  • 延長:セット時間を過ぎても居続けること。30分単位などで自動延長されるかどうかは、店のルールによる。
  • キャストドリンク:キャストが飲む1杯ごとに料金がかかる。キャストのドリンクバック対象になる。
  • TAX・サービス料:会計の合計に何割かを上乗せする仕組み。店頭の料金表と会計がずれる最大の原因になっている。
  • ボトル:シャンパンやブランデーなどを注文すること。高額なシャンパンではドン・ペリニヨンやアルマンドがよく知られる。
  • 枝:指名客が連れてきた友人などのこと。

料金の目安[編集]

料金は地域、店の格、曜日、時間帯で大きく違う。以下は東京の繁華街の大衆店から中級店を想定した、あくまで目安である。高級店や地方の店では数字がまったく変わる。

項目 目安 備考
セット料金(60分) 5,000〜15,000円 時間帯で変わる店が多い(開店直後は安い)。六本木・銀座の高級店はもっと高い
延長(30分) 3,000〜8,000円 自動延長の有無は入店前に確認する
本指名料 2,000〜5,000円
場内指名料 1,000〜3,000円
同伴料 0〜5,000円 同伴料を取らない店もある
キャストドリンク 1杯1,000〜2,000円
シャンパン 数万円〜数百万円 店頭価格は酒屋価格の数倍から10倍以上が普通
TAX・サービス料 10〜40%前後 地域差が大きい。東京の繁華街では20〜40%とする店も

たとえば「セット1万円+場内指名2,000円+キャストドリンク2杯3,000円」で小計1万5,000円の場合、TAX・サービス料が35%なら会計は約2万円になる。これに消費税が別にかかる店もある。料金表の「1セット○○円」だけを見て予算を組むと、予想よりかなり高くなることが多い。

ぼったくり問題[編集]

客引きに連れられて入った店で、法外な料金を請求される「ぼったくり」は昔からの問題で、六本木や歌舞伎町ではたびたび摘発や報道がある。東京都は2000年に通称「ぼったくり防止条例」を制定し、不当な料金の取り立てや料金表示の不備を規制している。2025年の風営法改正では、料金についてウソの説明をすることが全国一律で禁止された。

キャストの給与体系[編集]

時給とバック[編集]

キャストの給料は、時給(保証時給)に各種バックを足すのが基本である。時給は地方で2,000〜4,000円程度、東京の繁華街では4,000〜1万円以上と幅がある。売上の多いキャストは、売上や指名本数に応じて翌月以降の時給が上下する「スライド制」で、時給がさらに上がる。

項目 内容
保証時給 入店時に決める時給。一定期間をすぎると実績で見直されることが多い
指名バック 本指名・場内指名1本ごとに数百〜数千円
ドリンクバック キャストドリンク1杯ごとに数百円、または売上の一定割合
ボトルバック・売上バック ボトルの売上の10〜50%前後など、店によりさまざま
同伴バック 同伴1回ごとの手当
永久指名・担当制 担当客の来店はすべてそのキャストの売上になる制度。高級クラブの「係」の考え方に近い

ノルマとペナルティ[編集]

多くの店に、「月○回の同伴」「指名○本」「売上○万円」といったノルマがある。達成できないと時給が下がったり、罰金を引かれたりする場合がある。遅刻、当日欠勤(当欠)、ノルマ未達成で給料からペナルティ(罰金)を引く慣行もある。ただし、キャストが労働者として扱われる場合、労働基準法は損害賠償額をあらかじめ決めておくこと(第16条)や、減給の制裁を一定額以上にすること(第91条)を制限している。行きすぎたペナルティは違法になる可能性があり、裁判や労働組合の交渉で争われた例もある。

天引きと税金[編集]

給料からは「厚生費」「雑費」「ヘアメイク代」「送り代(送迎代)」などが天引きされる店が多く、額面と手取りの差が大きいことがよく問題になる。キャストへの報酬は源泉徴収の対象で、所得税法では「ホステス等の報酬」として、1日5,000円×勤務日数を差し引いた残りに10.21%の源泉徴収税率がかかる仕組みになっている。多くの店ではキャストを雇用ではなく業務委託(個人事業主)として扱っており、社会保険に入っていない例が多いこと、自分で確定申告をする必要があることも指摘されている。

体験入店[編集]

入店前に1日だけ試しに働く「体験入店(体入)」が一般的で、日払いされることが多い。求人サイトやSNS経由での応募のほか、スカウトを通じた紹介もある。ただし後述のとおり、スカウトをめぐる金銭のやりとりは規制が厳しくなっている。

類似業態との違い[編集]

「女性が接客する夜の店」にはいくつか種類があり、法律上の扱いが異なる。ポイントは、法律でいう「接待」(隣に座っての談笑やお酌など、特定の客を個別にもてなすこと)をするかどうかである。

業態 接客スタイル 法律上の扱い 料金の傾向 営業時間
キャバクラ キャストが隣に座って接待 風営法1号営業(許可制) 時間制セット料金+指名・TAX 原則0時まで(条例で1時まで延長できる地域あり)
キャバレー ホステスの接待+ショー・ダンス 風営法1号営業 時間制 同上。現在はほとんど残っていない
クラブ(高級クラブ) ママとホステスによる接待。担当(係)制 風営法1号営業 料金表示がないことも多く高額。社用族向け 同上
ラウンジ 隣に座る接待をする店から、しない店まで 接待をするなら1号営業。しないなら深夜酒類提供飲食店 店によって大きく違う 業態による
ガールズバー カウンター越しの接客。隣に座らない 飲食店(深夜酒類提供飲食店営業の届出) 1時間3,000円前後〜 深夜営業ができる
スナック ママがカウンター越しに接客。カラオケなど 接待をしないなら飲食店。接待をするなら1号営業 比較的安い 業態による
セクシーパブ(セクキャバ) 接待+体に触れるサービス 風営法1号営業として許可を取る店が多い キャバクラと同程度か高め 原則0時まで

ガールズバーはあくまで「女性バーテンダーのいるバー」という建前なので、隣に座るなどの接待をすると無許可営業になる。2008年に警視庁が新宿のガールズバーを接待行為で摘発して以来、同じような摘発が続いている。逆にいえば、キャバクラが深夜0時(地域によって1時)で閉まるのに、ガールズバーが朝まで営業できるのはこの法律上の違いがあるからである。

そのほかの派生業態として、昼に営業する昼キャバ、朝に営業する朝キャバ、2003年に神田で生まれたとされるコスプレキャバクラ、宮古島が発祥とされるリゾートキャバクラ、熟女キャバクラ、ぽっちゃり系の店など、コンセプト型の店舗が数多くある。

風営法と規制[編集]

1号営業と許可[編集]

キャバクラは、風営法第2条第1項第1号の「キャバレー、待合、料理店、カフェーその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」、いわゆる1号営業にあたる。開業するには、店の所在地を管轄する都道府県の公安委員会(窓口は警察署)の許可が必要で、保健所の飲食店営業許可も取らなければならない。客席の広さ、照明の明るさ(5ルクス超)、見通しを妨げる仕切りの禁止、営業できる地域(用途地域や学校・病院からの距離)など、細かい基準がある。

営業時間[編集]

1号営業の営業時間は原則として深夜0時から午前6時まで禁止されている。ただし、都道府県の条例で指定された繁華街などでは午前1時まで延長できる。「キャバクラは1時で閉店」というイメージがあるのはこのためである。深夜も営業を続ける店は無許可営業や営業時間違反として摘発の対象になる。

年齢制限[編集]

  • 18歳未満を客として店に入れることは禁止されている。
  • 18歳未満の者に接待をさせることも禁止で、違反すると重い罰則がある。
  • 20歳未満に酒を出すことは、別に二十歳未満飲酒禁止法で禁止されている。
  • 店側は従業員の年齢を確認し、記録しておく義務がある。

18〜19歳のキャストは法律上働くことはできるが、酒を飲むことはできない。店によっては、20歳以上しか採用しないルールにしているところもある。

客引き規制[編集]

風営法は、風俗営業者が路上で客引きをすることや、客引きのために人につきまとうことを禁止している。さらに、各都道府県の迷惑防止条例や区の条例で、客引きやスカウト、そのための待機まで禁止している地域が多い。東京都は2012年に、歌舞伎町や六本木などを待機行為まで禁止する区域に指定した。2013年には新宿区も客引き防止条例を施行している。繁華街で「キャバクラどうですか」と声をかけてくる人は、多くの場合この規制に違反していることになる。

2025年改正の影響[編集]

2025年(令和7年)3月に国会へ提出された風営法改正案は同年に成立し、主な部分が2025年6月28日に施行された。ホストクラブの高額な売掛金と、それに関わるトラブルがきっかけだが、規定はキャバクラを含むすべての接待飲食店に適用される。主な内容は次のとおり。

  • 料金のウソ説明の禁止:料金について事実と異なる説明をすることを禁止。
  • 恋愛感情などにつけこんだ営業の禁止:客が抱いている好意につけこんで、関係が壊れるかもしれないと思わせて困らせ、飲食させたり支払わせたりする、いわゆる「色恋営業」を禁止。
  • 頼んでいないものを出す行為の禁止:注文前に飲食物を出し、客を困らせて支払わせる行為を禁止。
  • 威迫による支払い要求の禁止:脅して注文させたり、料金を払わせたりすることを禁止。売春や性風俗店で働かせて代金を払わせようとするような要求も禁止。
  • スカウトバックの禁止:性風俗店がスカウトに女性紹介の見返りとしてお金を払う「スカウトバック」を禁止(キャバクラなどの接待飲食店は直接の対象ではないが、スカウト業界全体に大きく影響した)。
  • 無許可営業の罰則強化:無許可営業の罰則が大幅に引き上げられ、法人に対する罰金の上限は3億円になったと報じられている。
  • 許可を取れない人の範囲を広げる:親会社が処分を受けた法人や、許可取り消しの前に許可を返した人などは一定期間許可を取れなくなった(この部分は公布から6か月後に施行)。

キャバクラ業界でも、料金表示の見直しや、行きすぎた色恋営業・売掛の取り立てをやめるなどの対応が取られたといわれる。ただし、改正法の運用状況や摘発の実例は、施行から日が浅いため今後の動きを見る必要がある。

主な繁華街[編集]

地域 都市 特徴
歌舞伎町 東京都新宿区 「日本最大の歓楽街」。キャバクラ、ホストクラブ、ガールズバーなど3,000軒ほどが集まるとされる。全国の売れっ子キャストが集まり、大型店が多い
六本木 東京都港区 バブル期のディスコが、のちにカラオケ店やキャバクラに変わった。外国人客が多く、高級志向の店が多い。ぼったくりや客引きで知られた時期もある
銀座 東京都中央区 高級クラブの街。最近はキャバクラとクラブの中間的な店も増えている
北新地 大阪市北区 「東の銀座、西の北新地」。高級クラブやラウンジが中心で、風俗店はない「大人の街」
ミナミ 大阪市中央区 北新地に比べてカジュアルな店が多い
錦(錦三) 名古屋市中区 中部地方最大の歓楽街。クラブやラウンジと並んで、キャバクラの大型店が多い
中洲 福岡市博多区 九州最大の歓楽街。歌舞伎町・すすきのと並ぶ三大歓楽街とされる。キャバクラは「ラウンジ」「ニュークラブ」と呼ばれる
すすきの 札幌市中央区 東京より北で最大の歓楽街。キャバクラ型の店は「ニュークラブ」と呼ばれる

なかでも名古屋・錦のキャバクラは、店舗が大きく売上の規模も大きいことで知られている。後述のエンリケ(小川えり)が栄で記録的な売上を出したこともあり、「名古屋のキャバクラはレベルが高い」と語られることが多い。

有名なキャバ嬢[編集]

※報道や本人の発信で公表されている活動名・経歴のみを記載する。

愛沢えみり[編集]

愛沢えみりは、新宿・歌舞伎町の「ジェントルマンズクラブ」などに在籍し、「キャバ嬢のカリスマ」と呼ばれた人物である。2011年に『小悪魔ageha』に初登場し、2012年から専属モデル、2016年には単独で表紙を飾った。2013年にアパレルブランド「EmiriaWiz」をネットで立ち上げ、2015年には月商1億5,000万円に達したとされる。2016年に新宿で開いた1号店は、初日に5時間待ちの行列ができた。2019年3月末にキャバクラを引退し、2日間の引退イベントでは2億5,000万円を超える売上があったと報じられた。引退後は実業家として活動し、アイドルグループのプロデュースなども手がけた。

エンリケ(小川えり)[編集]

エンリケこと小川えりは、名古屋・栄の「アールズカフェ」に13年間在籍した。2019年11月の引退イベントでは、4日間で約600人が来店し、売上は約5億円だったと報じられて大きな話題になった。『日本一売り上げるキャバ嬢の指名され続ける力』(2018年)などの本を出したほか、テレビ出演やYouTubeでも活動している。2022年11月には同じ店に復帰した。

進撃のノア[編集]

進撃のノアは、大阪・ミナミでデビューし、2015年から北新地の店に在籍しているキャバ嬢である。2018年に「4日間で1億円を売り上げた」ことがテレビで紹介され、最高月収3,000万円とも報じられた。全国から客が来るといわれ、著書『好かれる力』を出したほか、SNSやYouTubeでも発信している。

その他[編集]

  • 一条りおな:2010年代に雑誌やテレビで取り上げられた人気キャバ嬢の一人として名前が挙がる。
  • 桃華絵里:静岡市でキャバクラに勤めながら『小悪魔ageha』の専属モデルになり、ageha初期の顔として人気を集めた。2007年に起業し、アパレルブランドを展開した。
  • 『小悪魔ageha』には、桃華絵里や荒木さやかなど、キャバクラ経験があるモデルが多く登場した。「キャバ嬢がモデルになり、ブランドを立ち上げて社長になる」というキャリアのルートは、この雑誌がつくったともいわれる。

メディアでの扱い[編集]

ドラマ・漫画[編集]

  • 『嬢王』:倉科遼が原作、紅林直が作画を担当した漫画。『ビジネスジャンプ』で連載された。キャバ嬢たちの売上No.1争いを描き、2005年にテレビ東京系「ドラマ24」の第1弾としてドラマ化された。2009年には原幹恵の主演で『嬢王 Virgin』、2010年には『嬢王3』も放送された。
  • 『女帝』:同じく倉科遼原作の夜の世界を描いた漫画で、2007年にテレビ朝日系でドラマ化された。
  • 『キャバすか学園』(2016年、日本テレビ):AKB48グループの「マジすか学園」シリーズ第6作。主演は宮脇咲良。廃校を防ぐため、生徒たちが2,000万円の借金返済を目指してキャバクラを経営するという設定だった。
  • そのほか、テレビのドキュメンタリーやバラエティ番組で、人気キャバ嬢の密着企画や引退イベントがたびたび取り上げられている。

YouTube・SNS[編集]

2010年代後半からは、現役・元キャバ嬢のYouTuberが増えた。売上の裏側、出勤前のヘアメイク、シャンパンタワーのあるバースデーイベント、給料の話など、「夜の仕事の裏側」を見せる動画が人気ジャンルになっている。TikTokやInstagramで集客するキャストも多く、「SNSのフォロワー数が指名に直結する」時代といわれる。店がキャストを採用するときにSNSの影響力を見ることも珍しくない。

雑誌[編集]

『小悪魔ageha』は2014年の休刊から復刊・休刊をくり返し、2021年にWebと雑誌で復活した。ほかにもキャバ嬢向けの雑誌や、ナイトワークに特化した求人メディアが存在する。

余談[編集]

  • 誕生したばかりのキャバクラは、「3回通えば店外デート」という、今では考えられないキャッチコピーを使っていたとされる。
  • 『小悪魔ageha』全盛期の2000年代後半には、若い女性の「なりたい職業」ランキングにキャバ嬢が入ったと報じられ、話題になったことがある。
  • 「キャバレー太郎」と呼ばれた福富太郎は、キャバレー経営で得たお金で美術品を集めたコレクターとしても知られ、彼のコレクション展が開かれたこともある。
  • 錦や栄の大型店では、引退イベントやバースデーイベントの売上が億単位になることがある。エンリケの引退イベントの約5億円は、その中でも伝説として語られている。
  • 「シャンパンタワー」は、もともとホストクラブでよく見られた演出だが、キャバクラのバースデーイベントでも定番になった。
  • 料金表でよく見る「TAX」は税金ではなく、店が決めたサービス料である。消費税が別にかかる店もあるので、明細の「TAX」と「消費税」を見分けておくとよい。

外部リンク[編集]

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