| 奇皇后 기황후(キファンフ)/Empress Ki | |
|---|---|
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『奇皇后』のメインビジュアル(2025年、BS日テレでの放送告知記事より。出典:シネマカフェ) | |
| ジャンル | 時代劇、宮廷ロマンス |
| 放送期間 | 2013年10月28日 - 2014年4月29日 |
| 放送時間 | 月・火曜 21:55 -(韓国時間) |
| 話数 | 全51話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 放送局 | MBC(月火特別企画ドラマ枠) |
| 配信 | U-NEXT、FOD ほか(日本、時期により変動) |
| 平均視聴率 | 最高29.2%(第37話、ニールセン・コリア全国) |
| 制作 | |
| 演出 | ハン・ヒ、イ・ソンジュン |
| 脚本 | チャン・ヨンチョル、チョン・ギョンスン |
| 音楽 | キム・ジャンウ |
| 出演者 | ハ・ジウォン、チュ・ジンモ、チ・チャンウク、ペク・ジニ、チン・イハン ほか |
| その他 | |
| 関連番組 | 日本での放送:衛星劇場、NHK BSプレミアム(2014年 - 2015年、邦題『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』)ほか |
概要[編集]
奇皇后(きこうごう、原題:기황후)とは、2013年10月から2014年4月まで韓国MBCで放送された全51話の時代劇である。高麗から元に貢女として送られ、ついには元の皇后にまで上り詰めた実在の女性・奇皇后をモデルに、ハ・ジウォン、チュ・ジンモ、チ・チャンウクの三角関係と宮廷の権力闘争を描いた。最高視聴率29%台の大ヒット作である一方、「歴史歪曲」論争もセットで語られる作品だ。
詳細[編集]
「ほぼ創作」と宣言して始まった大河ロマン[編集]
脚本は夫婦脚本家のチャン・ヨンチョルとチョン・ギョンスン、演出はハン・ヒとイ・ソンジュン。中国の横店影視城でもロケが行われ、元の皇宮や草原のシーンにはかなりの予算が投じられた。英語版の資料によれば、企画段階の仮題は「花闘(ファトゥ)」だったが、同名の花札と紛らわしいため変更されたという。
制作陣は放送前の制作発表会で、主人公の名前「キ・スンニャン」すら史料にない創作であり、登場人物の7割以上が架空の人物だと明かした。初回の冒頭には「このドラマは高麗末期の物語をモチーフにしているが、一部の架空の人物と出来事は創作であり、実際の歴史とは異なる」という趣旨の字幕まで入れている。つまり「史実の再現」ではなく「史実を借りたロマンス活劇」として作られたドラマである。
11%から29%へ、右肩上がりの視聴率[編集]
初回の視聴率はニールセン・コリア全国で11.1%と、決して派手なスタートではなかった。しかし男装のヒロインが弓を引き、腑抜けを装う皇子と亡国の王が彼女を取り合うという分かりやすい構図がハマり、放送のたびに自己最高を更新。2014年3月11日放送の第37話で全国29.2%(首都圏32.4%)の最高記録を出し、最終回も全国28.7%と高い水準を保った。全話平均はニールセン全国で21.9%である。
韓国メディアは、三角関係が女性視聴者を、宮廷の陰謀と権力闘争が男性視聴者を引きつけたと分析している。ナムウィキでは、MBCの平日ドラマとして視聴率30%・20%を超えた最後の作品として扱われており、地上波の平日ドラマが高視聴率を取れた時代の「最後の大物」の一つとも言える。
日本でも「NHKの日曜夜の顔」に[編集]
日本ではまずCSの衛星劇場で放送され、続いてNHK BSプレミアムで2014年8月3日から2015年8月2日まで、日曜21時の「韓国ドラマシリーズ」枠で全51回が日本語吹替版で放送された。邦題は『奇皇后 〜ふたつの愛 涙の誓い〜』。この枠の前作は『馬医』で、日曜夜にNHKで韓国時代劇を見る、という習慣を持つ視聴者層にしっかり刺さった。
その後もBS各局で何度も再放送されており、2024年にはBS松竹東急、2025年4月からBSフジ、2025年12月からBS日テレ、2026年8月からはJ:COM BSで放送されるなど、放送から10年以上たっても「BSの韓国時代劇の定番」として回り続けている。
あらすじ[編集]
序盤:男装の少女スンニャン(ネタバレ注意)[編集]
14世紀、元の支配下にある高麗。少女キ・ヤンは、元へ送られる貢女の一行に加えられそうになったところを、高麗の世子ワン・ユに救われる。しかし母や連れ去られた女性たちは殺され、ヤンは追われる身となる。彼女は少年「スンニャン」として生きることを選び、成長すると弓の名手となって、ならず者たちを率いるまでになっていた。
同じころ、元の皇太子タファンは権力闘争に敗れ、高麗の大青島へ流刑となる。父を殺された過去を持つタファンは、生き延びるために腑抜けを装っていた。スンニャンはその監視・護衛役として彼と出会い、二人の間には奇妙な友情が芽生える。一方、高麗王に即位したワン・ユは、スンニャンが男装した女性だと知りながら彼女に惹かれていく。やがて正体が露見したスンニャンは、貢女として元へ送られてしまう。
中盤:後宮での復讐劇(ネタバレ注意)[編集]
元の宮廷では、丞相ヨンチョルが皇帝をも傀儡にする絶大な権力を握り、その娘タナシルリが皇后の座にあった。皇帝となったタファンは相変わらずヨンチョルに怯え、身動きが取れない。スンニャンは家族を奪ったヨンチョル一族への復讐のため、自ら後宮に入ることを決意する。
スンニャンが毒を飲まされて倒れる事件をきっかけに、タファンは「お前のためにすべてを懸ける」と皇帝として立つ覚悟を固め、彼女と夜ごと学び始める。一方、スンニャンが死んだと聞かされたワン・ユは、復讐のためにヨンチョルの姪と婚礼を挙げてまでヨンチョルの側近に入り込む。スンニャンが生きていて、しかも自ら後宮入りしたと知ったワン・ユの絶望が、中盤の大きな見どころである。
後半:皇后への道(ネタバレ注意)[編集]
スンニャンの活躍もあってヨンチョル一族は没落し、タナシルリは死を賜る毒杯を拒んで激しく抵抗した末に最期を迎える(2014年3月放送分)。ところがスンニャンの皇后冊封は、ヨンチョルに代わって権力を握ったペガンと皇太后の反対で実現せず、ペガンの姪バヤンフトが新たな皇后に立てられる。かつての味方が次々と離れていく中、スンニャンは息子アユシリダラを守りながら、宮廷での地位を固めていく。
ワン・ユは流刑の途中で襲撃を受け、背中に矢を受けて崖下に転落。物語から退場する(2014年4月放送の第44話前後)。スンニャンの初恋の人であり、物語の「もう一人の主人公」だったワン・ユの最期は、視聴者の間でも大きな反響を呼んだ。
最終回(ネタバレ注意)[編集]
最終盤、闇の組織「メバク商団」の頭が宮中に出入りしていることが判明し、その正体が皇帝の側近の宦官コルタだったと明らかになる。コルタは皇太后と結託して新皇帝の擁立を企み、タファンに少しずつ毒薬を飲ませていた。正体を突き止めたタファンだったが、毒はすでに全身に回っていた。
自らの死期を悟ったタファンは、スンニャンとアユを脅かす勢力を一掃するために最後の策を巡らせ、スンニャンに愛を告げて息を引き取る。スンニャンも「愛しています、心から」と応える。タルタルもまた命を落とし、スンニャンだけが生き残る悲恋の結末である。ラストシーンは、男装時代のスンニャンが馬に逃げられ、ワン・ユとタファンがそれぞれ「自分の馬に乗れ」と手を差し伸べる若き日の場面で締めくくられる。
登場人物[編集]
主要人物[編集]
- キ・ヤン/キ・スンニャン(演:ハ・ジウォン)
- 主人公。高麗出身で、幼いころ貢女として連行されかけ、男装の少年「スンニャン」として生きる。弓の名手で、ならず者集団を率いる度胸の持ち主。やがて元の後宮に入り、奇皇后となる。ハ・ジウォンは本作で2013年のMBC演技大賞の大賞を受賞した。
- ワン・ユ(演:チュ・ジンモ)
- 高麗の世子、のち高麗王。幼いヤンを救った人物で、成長したスンニャンに惹かれていく。国を守るために退位し、元へ送られる。当初は実在の忠恵王として設定されていたが、論争を受けて架空の王「ワン・ユ(王有)」に変更された。
- タファン(演:チ・チャンウク)
- 元の皇太子、のち皇帝。父を殺された過去から、身を守るために腑抜けを装っている。高麗への流刑中にスンニャンと出会い、友情はやがて愛情に変わる。モデルは元の最後の皇帝トゴン・テムル(順帝)。チ・チャンウクは本作で長編時代劇を背負える主演俳優として評価を高め、のちに『ヒーラー〜最高の恋人〜』などで主演を重ねていく。
元の宮廷[編集]
- タナシルリ(演:ペク・ジニ)
- ヨンチョルの娘で、タファンの最初の皇后。わがままで嫉妬深く、スンニャンを目の敵にする前半最大の悪役。ペク・ジニは本作などでMBC演技大賞の新人賞を受賞した。
- ヨンチョル(演:チョン・グクファン)
- 元の丞相。皇帝をも傀儡にする最大の権力者で、スンニャンにとっては一族の仇。
- タンギセ(演:キム・ジョンヒョン)、タプジャヘ(演:チャ・ドジン)
- ヨンチョルの息子たち。
- 皇太后(演:キム・ソヒョン)
- タファンの叔母。先帝の死に疑いを抱き、後宮の長として妃たちを管理する。終盤ではコルタと手を組む。
- ペガン(演:キム・ヨンホ)
- ヨンチョルの忠臣だったが、独占的なやり方に失望して離反。ヨンチョル失脚後に権力を握る。
- タルタル(演:チン・イハン)
- ペガンの甥。頭脳明晰な策士で、終盤にはスンニャンとの淡い感情も描かれる。チン・イハンは本作で一気にブレイクした。
- バヤンフト(演:イム・ジュウン)
- ペガンの姪。タナシルリ亡き後、皇后の座に就く。
- オ・ソルファ(演:チョン・セヒョン)
- タファンの側室。
- コルタ(演:チョ・ジェユン)
- タファンに仕える宦官。忠臣に見えて、実は闇の組織メバク商団の頭という最終盤の黒幕。
- ヨンファ(演:ユン・アジョン)
- 高麗出身の宮女で、のちに後宮となる。
高麗側[編集]
- ワン・ゴ(演:イ・ジェヨン)
- 高麗王の座を狙う王族。スンニャンは少年時代、母の仇である彼の配下に潜り込む。
- ヨン・ビス(演:ユ・インヨン)
- ワン・ユを慕う女性。流刑中のワン・ユが襲われる場面では、涙ながらに彼を案じる。
- チェ・ムソン(演:クォン・オジュン)
- 武官の家系に生まれたワン・ユの護衛長で、右腕的存在。
- キ・ジャオ(演:キム・ミョンス)
- ヤンの父。実在の奇皇后の父の名前でもある。
視聴率[編集]
ニールセン・コリア調べで、主な数字は次のとおり。
| 回 | 放送日 | 全国 | 首都圏 | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 第1話 | 2013年10月28日 | 11.1% | 13.3% | 初回 |
| 第37話 | 2014年3月11日 | 29.2% | 32.4% | 最高視聴率 |
| 第44話 | 2014年4月7日 | 24.3% | - | ワン・ユ退場回とされる |
| 第51話 | 2014年4月29日 | 28.7% | 31.7% | 最終回 |
全話平均は全国21.9%、首都圏24.7%。TNmS調べでは最終回の首都圏視聴率が33.9%に達した。放送期間を通じてほぼ同時間帯1位をキープしている。
なお、2013年末にはMBC演技大賞と歌謡祭の生中継のために2日連続で放送が休止され、年をまたいだ「おあずけ」状態になったこともある。
海外でも人気を集め、フィリピンのGMAネットワーク(タガログ語吹替、全100回に再編集)、ベトナムのVTV3などで放送された。台湾でも2014年の外国番組でトップクラスの視聴率を記録したとする報道がある(出典の信頼性には議論がある)。
歴史歪曲論争[編集]
何が問題視されたか[編集]
企画が明らかになった2013年夏の時点から、本作は「歴史歪曲」の批判を浴びていた。主な論点は次の二つである。
- 奇皇后の美化 … 実在の奇皇后は、一族が高麗国内で権勢を振るい、のちには元の軍を動かして故国・高麗の王を廃そうとした人物でもある。その奇皇后を、民を守る勇敢な女戦士として描くのは問題だという批判。英語圏の資料でも、歴史家が「実在の奇皇后が故国への攻撃に関わったことを視聴者が忘れてしまう」と懸念したことが紹介されている。
- 忠恵王の扱い … 当初チュ・ジンモが演じる予定だった高麗第28代王・忠恵王は、史書で「暴君」とされる人物である。それを野性味あふれる魅力的な男性として描くことに批判が集中した。また、記録上は忠恵王の被害者とされる景華公主を悪役にすることにも異論が出た。
韓国学中央研究院の研究者は「ドラマ的な面白さのために多少変えるのは構わないが、現存する史料と大きく異なれば問題だ」と述べ、文化評論家からは「題材を扱うこと自体ではなく、どう再解釈するかが問われている」という意見も出た。
制作側の対応[編集]
論争の高まりを受け、制作陣は放送開始前に大きく舵を切った。
- 忠恵王を架空の高麗王「ワン・ユ(王有)」に変更した。
- 初回冒頭に「実際の歴史とは異なる」ことを明示する字幕を入れた。
- 脚本家のチャン・ヨンチョルは「史料が少ないので多くを創作せざるを得ない。最初から架空の歴史だと明示する」と説明。チョン・ギョンスンは「奇皇后には明と暗がある。負の面も隠さず、終盤で描く」と語った。
- 演出のハン・ヒも「歴史歪曲の指摘には耳を大きく開いて聞く」とコメントしている。
ただし、出演者の発言が火に油を注いだ場面もあった。チュ・ジンモの「時代劇で史実を問うならドキュメンタリーであってドラマではない」という趣旨の発言や、ハ・ジウォンの「奇皇后は韓流の元祖だから出演を決めた」という発言は、それぞれ批判を受けている。
評価は今も分かれる[編集]
放送が始まると、議論の中心は「史実かどうか」から「人物たちの駆け引きが面白いかどうか」へ移っていった。韓国メディアには「歴史歪曲論争を見事にひっくり返した」と評する記事も出ており、「ドラマはドラマ」「史実を完璧に求めたら『大長今(宮廷女官チャングムの誓い)』も生まれなかった」という擁護の声も多かった。
一方で、「史実とかけ離れた設定が誤った歴史認識を植え付ける」「権力者同士の争いが美化されて見える」という批判は放送終了まで消えなかった。2014年に放送されたKBSの正統派時代劇『鄭道伝』と比較して、本作の創作の多さを惜しむ論評もある。教育現場からは「ドラマを拒否する必要はないが、生徒が歪んだ歴史認識を持たないよう史実との違いを示すべきだ」という提言も出ている。韓国の時代劇で歴史歪曲論争が起きるたびに、比較対象として名前が挙がる作品の一つになった。
実在の奇皇后[編集]
史実として分かっていること[編集]
奇皇后は実在の人物で、高麗の幸州奇氏の出身、キ・ジャオ(奇子敖)の娘である。モンゴル名はオルジェイ・クトゥク(完者忽都)。高麗が元に対して定期的に若い女性を差し出していた「貢女」として元の宮廷に入り、宮女として皇帝トゴン・テムル(順帝)に仕えた。『元史』では、飲食の世話をする宮女として皇帝の寵愛を受けたとされる。
その後、皇帝の子アユシリダラを産み、1340年前後に第二皇后に立てられた(年については資料によって1337年とするものもある)。アユシリダラは1353年に皇太子となる。1365年に正皇后バヤンフトが亡くなると、奇皇后は正皇后に昇った。1368年、朱元璋の明軍が大都に迫ると、皇帝・皇太子とともに北へ逃れ、元の中国支配はここで終わる。1370年に順帝が死去するとアユシリダラが北元の皇帝として即位した。奇皇后自身の没年は資料によって扱いが分かれ、はっきりしない。
ドラマとの違い[編集]
ドラマの登場人物の多くには実在のモデルがいる。ヨンチョルは元の権臣エル・テムル(燕鉄木児)、タナシルリはその娘で実在の皇后ダナシリ(答納失里)、ペガンはバヤン(伯顔)、タルタルはその甥トクト(脱脱)、バヤンフトは実在の皇后バヤン・クトゥクがモデルである。一方で、主人公の幼少期や男装、弓の腕前、高麗王との恋といった要素は、脚本家自身が認めるとおりほぼ創作である。そもそも「キ・スンニャン」という名前も史料にはない。
また、ドラマのワン・ユは架空の王だが、モデルとされた忠恵王は実在し、実際に元に連行されて廃位されている。タファン(トゴン・テムル)が若き日に高麗へ流されていたのは史実とされ、ドラマはこの「接点」を膨らませてロマンスに仕立てた。
歴史上の評価[編集]
実在の奇皇后への評価は功罪が分かれる。元の高麗に対する無秩序な要求を抑えたなど、高麗に有利に働いた面を評価する見方がある一方、高麗国内では兄の奇轍をはじめとする奇氏一族が元の威光を背景に権勢を振るい、元の内政干渉も強まった。1356年、恭愍王が反元政策に転じて奇轍ら奇氏一族を粛清すると、奇皇后はこれを恨み、1363年には元が高麗王を挿げ替えようとして徳興君を王に立て、軍を高麗へ送った(この遠征は失敗に終わる)。この「故国への攻撃」が、韓国で奇皇后が単純な英雄として語られにくい最大の理由である。
受賞[編集]
2013年 MBC演技大賞[編集]
本作は2013年のMBC演技大賞で主要部門をほぼ総なめにした。
- 大賞:ハ・ジウォン
- 放送3社ドラマPDが選ぶ今年の演技者賞:ハ・ジウォン
- 人気賞:ハ・ジウォン
- 特別企画部門 最優秀賞:チュ・ジンモ
- 特別企画部門 優秀賞:チ・チャンウク
- 新人賞:ペク・ジニ(『金のごとく、トゥクタク』と合わせての受賞)
- 作家賞:チャン・ヨンチョル、チョン・ギョンスン
ハ・ジウォンにとっては、2006年の『ファン・ジニ』でのKBS演技大賞に続く2度目の大賞だった。授賞式でベストカップル賞の候補として並んだ際には、共演の二人について「一人は頼りたい男性、もう一人は抱きしめてあげたい男性」と語って会場を沸かせた。なお、放送はまだ前半の途中であり、結末を迎える前の受賞ラッシュだった。
その他[編集]
2014年の第9回ソウル国際ドラマアワードでは、連続ドラマ部門の作品賞を受賞したとされる(ノミネートにとどまったとする資料もある)。ほかにコリアドラマアワード、APANスターアワーズなどでもハ・ジウォン、チュ・ジンモ、チ・チャンウク、ペク・ジニらがノミネートされた。
日本での放送・配信[編集]
テレビ放送[編集]
| 時期 | 放送局 | 備考 |
|---|---|---|
| 2014年 | 衛星劇場(CS) | 日本初放送 |
| 2014年8月3日 - 2015年8月2日 | NHK BSプレミアム | 日曜21時「韓国ドラマシリーズ」枠。日本語吹替版、全51回。総集編・特番を含め8月23日まで |
| 2024年 | BS松竹東急 | 放送決定が同年5月に報じられた |
| 2025年4月13日 - | BSフジ | 毎週日曜12時台、3話程度ずつ。字幕版 |
| 2025年12月16日 - | BS日テレ | 平日17時台に2話連続。放送後にTVerで見逃し配信 |
| 2026年8月5日 - | J:COM BS | 平日11時30分 |
NHK BSプレミアム放送中の2015年2月25日には、東京・渋谷のNHKでハ・ジウォンを招いた公開収録が行われ、観覧枠60人に約6000人が応募した。ハ・ジウォンはここで、撮影中は1週間のうち5日が徹夜、食事は果物とヨーグルトだけだったと明かし、「生涯で最もつらかった現場」と振り返った。この模様を含む特別番組『もっと楽しむ!奇皇后』が同年3月1日に放送されている。
日本語吹替版の声優として、木下紗華、勝杏里、花輪英司、うえだ星子らが参加している。BS日テレのプロデューサーは2025年の再放送にあたり、本作が日本での初回放送時に高視聴率を獲得したことを紹介し、「低い身分から皇后へ上り詰める本格時代劇」とアピールした。
配信[編集]
配信状況は頻繁に変わるため、視聴前に各サービスで確認してほしい。記事作成時点で確認できた主な配信先は次のとおり。
- 見放題 … U-NEXT、FOD、TELASA、J:COM STREAM
- レンタル(1話ごとの課金) … Amazon Prime Video、music.jp
- 宅配レンタル … TSUTAYA DISCAS(DVD)
- 2024年時点の情報ではHulu・ABEMAでも配信されていたとする番組情報サイトがある一方、同時期の別の調査では配信なしとされており、時期によって出入りがある。Netflixでは2024年10月時点で配信なしとされていた。
炎上とバズ[編集]
放送前からの「歴史歪曲」炎上[編集]
上記のとおり、企画発表の段階から歴史歪曲論争が起き、主要人物の設定変更にまで発展した。チュ・ジンモの「史実を問うならドキュメンタリー」発言、ハ・ジウォンの「韓流の元祖」発言も批判の的になり、初回放送前から「炎上中のドラマ」として注目を浴びた。結果的には、その注目度がそのまま初期の視聴者獲得につながったという見方もある。
「朴槿恵大統領を連想させる」という指摘[編集]
2013年当時、韓国では朴槿恵大統領が就任したばかりだった。文化評論家からは「女性が最高権力者に上り詰める物語であり、大統領を連想させるため論争が大きくなっている」という分析も出た。
「ワン・ユ・ロス」と「タファン・ロス」[編集]
第44話前後でワン・ユが退場した際、最終回でタファンが息を引き取った際には、それぞれ韓国のポータルサイトで関連語がリアルタイム検索の上位に並んだ。最終回の翌朝になっても「奇皇后 最終回」が検索上位に残り続けたと報じられている。
余談[編集]
- 主演のハ・ジウォンは本作が個人事務所設立後の第1作。撮影は約1年間続き、本人は後に「生涯で最もつらかった現場」と語っている。
- 2014年にはハ・ジウォンがファンへの感謝としてデジタルシングル「私、今この場所に」を発表している。
- タナシルリ役のペク・ジニは、退場の際に所属事務所を通じて「良い作品と俳優たちに出会えて幸せだった」とコメントした。
- 日本ではNHKでの放送をきっかけに講談社から『奇皇后 韓国ドラマ・ガイド』が刊行されており、NHKの韓国時代劇の中でも人気の高い作品だったことがうかがえる。
- 放送から10年以上たった2025年〜2026年にも、BSフジ、BS日テレ、J:COM BSと立て続けに放送されている。2025年4月と12月に別々のBS局で放送が始まり、同じ年に2局で流れるという珍しい状況になった。
- Filmarksでは5点満点で4.2点(2026年時点)と高評価。衣装や宮殿のセットの豪華さ、壮大な音楽を挙げる感想が多い。
- 『トンイ』『イ・サン』などMBCの時代劇とともに、日本の韓国時代劇ファンの「入門作」として名前が挙がることが多い。