| ペントハウス 펜트하우스 / The Penthouse: War in Life | |
|---|---|
| ジャンル | マクチャン / サスペンス / 復讐劇 |
| 放送シーズン | シーズン1〜3 |
| 放送期間 | 2020年10月26日 - 2021年9月10日 |
| 話数 | シーズン1全21話/シーズン2全13話/シーズン3全14話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 放送局 | SBS |
| 制作 | |
| 演出 | チュ・ドンミン |
| 制作 | スタジオS |
| 脚本 | キム・スノク |
| 出演者 | イ・ジア、キム・ソヨン、ユジン、オム・ギジュン、パク・ウンソク、ポン・テギュ |
| その他 | |
概要[編集]
『ペントハウス』(原題:펜트하우스)は、2020年10月から2021年9月まで韓国SBSで3シーズンにわたり放送された、復讐と欲望のジェットコースター・サスペンス。ソウルの架空の100階建て超高級レジデンス「ヘラパレス」を舞台に、最上階=ペントハウスを頂点とするヒエラルキーの中で、住民たちが子どもの名門芸術高校入試と財産と命を奪い合う。
韓国で「マクチャン(막장=何でもありの修羅場展開)ドラマ」というジャンルの到達点とされる作品で、シーズン1最終回は視聴率28.8%(瞬間最高31.1%)、シーズン2では29.2%まで到達。地上波ミニシリーズが軒並み一桁視聴率に沈む2020年代において、ほぼ唯一30%近くを叩き出した怪物コンテンツである。展開のあまりの荒唐無稽さに毎週ツッコミながらも視聴をやめられない「ヘイトウォッチの帝王」とも呼ばれたらしい。
あらすじ[編集]
ヘラパレス最上階に君臨する財界の帝王チュ・ダンテ(オム・ギジュン)と、その妻で元プリマドンナのシム・スリョン(イ・ジア)。その階下には、名門チョンア芸術高校の理事長令嬢で声楽家のチョン・ソジン(キム・ソヨン)、庶民出身であることを隠して上流階級にしがみつくオ・ユニ(ユジン)らが暮らす。物語は、ヘラパレスのパーティーの夜、少女ミン・ソルアが高層から転落死する事件で幕を開ける。
子どもをチョンア芸術高校とソウル大音大に入れるための入試戦争、不倫、財産強奪、偽装死、入れ替わり、記憶喪失──ありとあらゆる修羅場が3シーズン48話にわたって乱打され、主要人物の死亡回数と復活回数はもはや視聴者の集計対象になっていた。
登場人物[編集]
- シム・スリョン(イ・ジア):ペントハウスの女主人。シーズンを通じた実質的な主人公で、「復讐する聖女」枠。
- チョン・ソジン(キム・ソヨン):本作最大の悪女にして最大の人気者。キム・ソヨンの常軌を逸した怪演は「チョン・ソジンを見るためのドラマ」と言わしめ、SBS演技大賞大賞を受賞した。
- オ・ユニ(ユジン):娘ロナを音大に入れるためなら何でもする母。S.E.S.出身のユジンの代表作になった。
- チュ・ダンテ(オム・ギジュン):暴力と財力で全てを支配する本作のラスボス。
- ロガン・リー(パク・ウンソク):謎の在米富豪。スリョンの復讐の協力者。
- ペ・ロナ/チュ・ソクフン/チュ・ソッキョンら子世代:親たちの戦争に巻き込まれながら、入試戦争の最前線で殴り合う高校生たち。
人気と論争[編集]
本作は「品位より速度」と割り切った圧倒的な展開力で中毒者を量産した一方、暴力描写・いじめ描写の過激さ、因果関係を無視した蘇生展開などをめぐり放送通信審議委員会への民願が相次いだ。子役・学園パートのいじめ描写は「現実の学校暴力を娯楽化している」との批判も受けたが、それすらも話題性に変換して視聴率を伸ばし続けた点が、良くも悪くも本作のマクチャンたる所以である。
脚本のキム・スノクは『皇后の品格』などで鳴らした「視聴率請負人」で、本作で完全にブランド化。「キム・スノク世界観」という言葉は、以後「展開が常識を超えること」の代名詞になった。
シーズン構成[編集]
シーズン1(2020年10月〜2021年1月・全21話)は「ミン・ソルア転落死の真相」と「シム・スリョンの覚醒」を軸に、最終回の28.8%で幕を閉じた。シーズン2(2021年2月〜6月・全13話)は復讐の反転に次ぐ反転で29.2%まで記録を更新。シーズン3(2021年6月〜9月・全14話)は登場人物の清算がテーマとなり、主要キャラクターの大半が退場する苛烈な結末で完走した。3シーズンを通して「死んだら負け、ただし死んでも復活はありうる」という独自ルールが貫かれ、毎週の放送後にはリアルタイム検索ワードをペントハウス関連が占拠するのが恒例だった。
子世代を演じたキム・ヒョンス、チェ・イェビン、ハン・ジヒョン、キム・ヨンデらは本作で一斉にブレイクし、「ペントハウス出身」が若手俳優の経歴として機能するようになった。
余談[編集]
- チョンア芸術高校の制服とヘラパレスのエレベーターホールは、韓国のバラエティやパロディ動画で擦られ続けた定番素材。
- 劇中の声楽曲(「夜の女王のアリア」など)の使用法が強烈で、放送期間中は音大生のSNSが毎週ざわついていた。
- シーズン2への更新は放送開始前から決まっており、韓国地上波では珍しい「最初からシーズン制」の成功例になった。
- 日本でも衛星・配信で人気が出て、「韓国版『家政婦は見た』を100倍濃くしたもの」という雑な紹介が定着している。
- 「ヘラパレス」の外観は合成だが、内部セットの大理石ロビーは実在のセットで、放送終了時には「韓国で最も有名な架空の不動産」と呼ばれた。
- 劇中の入試戦争描写は『SKYキャッスル』の系譜だが、あちらが心理スリラーで攻めたのに対し、本作は物理で攻める。両者を続けて観ると韓国の教育熱がだいたい理解できるという評がある。