株式会社ブシロード
Bushiroad Inc.

2017年から使われているコーポレートロゴ(出典:Wikimedia Commons「Bushiroad Logo.svg」、パブリックドメイン)

創業時〜2017年頃まで使われた旧ロゴ。『熱風海陸ブシロード』のタイトルロゴを流用していた(出典:Wikimedia Commons「Logo Bushiroad.png」、パブリックドメイン)
略称 ブシロード、ブシ
国家 日本
種類 株式会社
市場情報 東証グロース 7803
業種 その他製品(TCG・デジタルゲーム・MD・ライブエンタメ・出版ほか)
本社所在地 東京都中野区中央1丁目38-1 住友中野坂上ビル
設立日 2007年5月18日
年齢 19周年
設立者 木谷高明
代表者 木谷高明(代表取締役会長)
根本雄貴(代表取締役社長)
資本金 57億8958万1000円(2026年6月末時点)
上場 2019年7月 東証マザーズ上場(2022年4月よりグロース市場)
年間売上 578億2354万5000円(2026年6月期・連結)
従業員数 850名(2026年6月末時点・連結)
主要株主 三井住友信託銀行(信託口)、株式会社中野坂上、木谷高明、グリーホールディングス ほか
主要部門 トレーディングカードゲーム、デジタルゲーム、ライブエンタメ、MD、メディアコンテンツ、スポーツ
主要子会社 ブシロードミュージック、スターダム、ブシロードクリエイティブ、ブシロードワークス、ブシロードムーブ、劇団飛行船、ゲームビズ ほか
関係する人物 木谷高明、根本雄貴
代表作品 ヴァイスシュヴァルツ、カードファイト!! ヴァンガード、バンドリ!、少女☆歌劇 レヴュースタァライト
別名 Bushiroad
リンク 公式サイト
コミュニティ 公式X


概要[編集]

株式会社ブシロード(Bushiroad Inc.)とは、木谷高明が2007年に創業した日本のエンターテインメント企業である。『ヴァイスシュヴァルツ』『カードファイト!! ヴァンガード』などのトレーディングカードゲーム(TCG)と、『バンドリ!』に代表されるライブ連動型IPを二本柱とし、女子プロレス「スターダム」も運営している。東証グロース上場(証券コード7803)。

詳細[編集]

「カードゲームで世界一」から始まった会社[編集]

ブシロードは2007年5月18日、ブロッコリーの創業者として知られる木谷高明が新たに立ち上げた会社である。木谷は社員がわずか4人だった頃から「カードゲームで世界一になる」と言い続けていたと語っており、実際に翌2008年には看板TCG『ヴァイスシュヴァルツ』を発売。2011年には自社オリジナルTCG『カードファイト!! ヴァンガード』をスタートさせ、アニメと連動させる手法で一気に知名度を上げた。2026年現在でもカードゲームは事業全体の約6割を占める屋台骨である。

TCG会社から「IPデベロッパー」へ[編集]

創業初期は「TCGカンパニー」を名乗っていたが、2018年10月に木谷は「IPデベロッパー」への転換を宣言した。自社でキャラクターや作品世界を生み出し、アニメ・ゲーム・音楽・ライブ・グッズへ多面展開するという方針で、その代表例が2015年始動の『バンドリ!』である。声優が実際に楽器を弾いてバンド活動を行う「リアルとキャラクターの連動」は、のちに『MyGO!!!!!』『Ave Mujica』の大ヒットへとつながった。2026年6月期の時点で、年商100億円以上の「Sランク」IPに位置づけられているのはこの『BanG Dream!』だけである。

プロレスまで抱える異色の総合エンタメ企業[編集]

ブシロードの特殊さを語るうえで外せないのがプロレス事業だ。2012年1月に経営難にあった新日本プロレスを買収し、テレビCMや電車広告を大量に打つ派手なプロモーションで観客動員をV字回復させた。2019年には女子プロレス団体スターダムも傘下に収めている。ただし2026年6月30日付で新日本プロレスの全株式をテレビ朝日とサイバーエージェントへ譲渡し、14年続いた「ブシロードの新日」時代は幕を閉じた。一方のスターダムは引き続きブシロードグループで運営されている。

歴史[編集]

創業者・木谷高明とブロッコリー時代[編集]

創業者の木谷高明は1960年生まれ、石川県金沢市出身。武蔵大学経済学部を卒業後、1984年に山一證券へ入社し、アメリカ勤務も経験した。1994年3月にブロッコリーを設立し、キャラクターグッズ店「ゲーマーズ」の展開や『デ・ジ・キャラット』のヒットで同社を2001年のJASDAQ上場に導いた。しかしその後業績が悪化し、2003年にタカラ(現タカラトミー)の傘下入り。木谷は2005年に社長を退き、2007年4月にブロッコリーの経営から完全に離れた。そしてその翌月、ブシロードを設立することになる。

2007年〜2011年:ヴァイスとヴァンガードの誕生[編集]

2008年3月29日、『D.C.』と『リトルバスターズ!』の構築済みデッキでヴァイスシュヴァルツが始動。複数のアニメ・ゲーム作品のキャラクターを同じ土俵で戦わせられる「クロスオーバー型TCG」として支持を集め、2010年9月生産分でシリーズ累計生産枚数2億枚を突破した。2010年には同社初のゲームソフト『探偵オペラ ミルキィホームズ』を発売し、声優ユニットとしての活動も含めたメディアミックスを展開。2011年2月26日には『カードファイト!! ヴァンガード』のトライアルデッキが発売され、「ブシロード史上最大の作戦」と銘打ってアニメ・漫画・CMを総動員する戦略をとった。イメージキャラクターにはBREAKERZのDAIGOを起用している。

2012年〜2018年:新日本プロレス買収と拡大期[編集]

2012年1月に新日本プロレスリングを買収し、子会社化した。同年にはロサンゼルスに現地法人Bushiroad USAを設立し、モバイルゲームブランド「ブシモ」も立ち上げている。2013年には『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』の配信が始まり、ブシモブランドで大ヒットを記録した。木谷は2014年頃から拠点をシンガポールへ移して海外事業を統括し、2016年9月にはグリーと資本業務提携。2017年5月の創立10周年を機にコーポレートロゴを刷新し、同年10月には木谷が社長を退任して橋本義賢が社長に就いた。

2019年〜2025年:上場と組織再編[編集]

2019年7月29日、東京証券取引所マザーズに上場。同年7月にはKADOKAWA・キネマシトラスと包括的業務提携を結び、12月にはキネマシトラスを持分法適用会社化、サンジゲンにも出資した。同年10月には女子プロレス団体スターダムの買収を発表している。2020年6月に木谷が代表取締役会長として経営の第一線に復帰し、2022年7月には社長に再任。2023年1月には新ゲームレーベル「ブシロードゲームズ」を設立してブシモを統合した。2024年にはプロ野球カードゲーム『DREAM ORDER』の販促を兼ね、プロ野球12球団すべてとスポンサー契約を結んで話題を呼んだ。

2026年:新日本プロレス売却と新社長就任[編集]

2026年は会社の形が大きく変わった年である。5月27日、新日本プロレスの全株式をテレビ朝日(約12億1600万円)とサイバーエージェント(約23億8000万円)へ合計約36億円で譲渡すると発表し、6月30日付で完了した。新日本プロレスはテレビ朝日の連結子会社となり、木谷は「今後は一ファンとして応援する」との姿勢を示している。続く7月28日には、木谷が代表取締役会長に、『バンドリ!』総合プロデューサーの根本雄貴が代表取締役社長に就く新体制を発表。根本は1994年2月生まれの32歳で、上場企業の社長としては異例の若さとなった。

事業内容[編集]

トレーディングカードゲーム[編集]

ブシロードの売上の中心はTCGである。版権作品のキャラクターが入り乱れて戦う『ヴァイスシュヴァルツ』、自社オリジナルの『カードファイト!! ヴァンガード』を両輪に、『Shadowverse EVOLVE』『hololive OFFICIAL CARD GAME』『ゴジラ カードゲーム』『プロ野球カードゲーム DREAM ORDER』などを次々と投入してきた。2026年7月30日には『パルワールド オフィシャルカードゲーム』を日本語・英語・中国語の3言語で世界同時発売。同社のTCGとしては初の3言語同時展開で、ブースターパック第1弾は同年9月までに累計世界出荷440万パックを突破した。2026年6月期のTCG売上は国内149億円、海外114億円で、公認店舗は世界で約4,300店にのぼる。

デジタルゲーム[編集]

スマートフォン向けリズムゲーム『バンドリ! ガールズバンドパーティ!』(2017年3月配信開始)は2026年3月に9周年を迎えたロングラン作品。2026年2月には『HUNTER×HUNTER NEN×SURVIVOR』を世界同時配信し、同年9月24日にはフロムトーキョーと共同開発した新作『BanG Dream! Our Notes(バンドリ!アワーノーツ)』を世界同時リリースした。2021年以降は家庭用ゲーム機向けタイトルにも再参入しており、2026年6月期だけで『HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT』など7本のコンソールタイトルを発売している。

ライブエンタメ・音楽[編集]

子会社ブシロードミュージックが音楽制作とライブ運営を担う。『バンドリ!』のライブとCDが好調で、2026年6月期のライブエンタメユニットは過去最高売上を記録した。2026年4月11日・12日には台北の大佳河濱公園でプロジェクト初の海外野外合同ライブ「BanG Dream! Special LIVE in TAIPEI」を開催し、MyGO!!!!!×Ave Mujica、Poppin'Party×Roseliaの組み合わせで2日間約2万6千人を動員した。ほかにも『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』のミュージカルなど、舞台を起点にしたIP展開も得意とする。

MD・出版・メディア[編集]

グッズ事業はブシロードクリエイティブが担当し、フィギュアブランド「PalVerse」は2026年6月期に通期売上の過去最高を更新した。2026年4月には直営店「BanG Dream!STORE」をオープン。出版事業のブシロードワークスは『魔法使いの嫁』を主力に電子書籍で伸びている。ゲーム業界ニュースサイト「gamebiz」を運営する株式会社ゲームビズもグループ企業であり、声優事務所「響」はブシロードムーブが運営している。

スポーツ(プロレス)[編集]

スターダムは2026年4月17日付でブシロードが全株式を直接保有する形に戻り、同年4月26日の横浜アリーナ大会「ALL STAR GRAND QUEENDOM 2026」で団体史上最多の8,015人を動員した。新日本プロレスも売却前最後の大舞台となった2026年1月4日の東京ドーム大会「WRESTLE KINGDOM 20」(棚橋弘至引退試合)で46,913人を集め、28年ぶりの超満員札止めを達成している。

業績と最新動向[編集]

2026年6月期決算[編集]

2026年8月13日に発表された2026年6月期の連結決算は、売上高578億2300万円(前期比2.9%増)で過去最高を更新した。営業利益は47億5400万円(同2.3%減)とほぼ横ばいだったが、新日本プロレス株式の売却益を特別利益に計上したことで、最終利益は45億6500万円(同33.6%増)と大幅増益になった。会社側はこの期を、次の成長に向けた「仕込みの年」と位置づけている。

2027年6月期の予想[編集]

2027年6月期は売上高580億円、営業利益53億円(11.5%増)、最終利益42億円を見込む。『パルワールド オフィシャルカードゲーム』と『バンドリ!アワーノーツ』の収益貢献を予定しているが、予想は保守的に見積もられている。新日本プロレスは連結から外れたため、売却益がなくなるぶん最終利益は減益予想となっている。

中期ビジョン2030[編集]

2026年9月28日に公表した「事業計画及び成長可能性に関する事項」では、2030年に売上高1,000〜1,200億円、営業利益120〜150億円という強気の目標を掲げた。柱は「自社IPの活性化・新規IP創出」「カードゲーム世界一」「海外進出の加速」の3つで、TCGプレイヤー数を34万人から50万人へ、海外売上高比率を29.1%から50%へ引き上げる計画である。基本コンセプトは「LIVE-MIXED ENTERTAINMENT」で、ライブを起点とする大型IPを2030年までに少なくとも3本立ち上げるとしている。

経営体制の世代交代[編集]

新体制発表時のインタビューで木谷は、当初は創立20周年の2027年を想定していた世代交代を、AIなど世の中の変化の速さを理由に1年前倒ししたと説明した。今回の交代を「ロケットの二段目に点火する」ことにたとえ、「創業者経営」から「経営チームによる経営」へ移行する考えを示している。根本は『MyGO!!!!!』『Ave Mujica』を主導した人物で、社長就任後はライブエンタメやMDをカード以外の収益の軸に育てる方針を示した。新体制は2026年9月の株主総会を経て正式に発足している。

主なコンテンツ[編集]

  • TCG:ヴァイスシュヴァルツ(2008年〜)、カードファイト!! ヴァンガード(2011年〜)、Shadowverse EVOLVE、hololive OFFICIAL CARD GAME、ゴジラ カードゲーム、プロ野球カードゲーム DREAM ORDER、パルワールド オフィシャルカードゲーム ほか
  • 自社IP:バンドリ!(MyGO!!!!!・Ave Mujicaほか)、少女☆歌劇 レヴュースタァライト、アサルトリリィ、ミルキィホームズ(プロジェクト終了)、ZERO RISE ほか
  • デジタルゲーム:バンドリ! ガールズバンドパーティ!、BanG Dream! Our Notes、HUNTER×HUNTER NEN×SURVIVOR ほか
  • スポーツ:スターダム(新日本プロレスは2026年6月に譲渡)

炎上とバズ[編集]

「安売りに腹が立つ」発言(2011年)[編集]

2011年6月24日、木谷はTwitterで「某カードゲームチェーン店の非常識なオープニング価格には本当に腹が立つ」と投稿し、定価150円のカードが50円で売られていたことを批判した。コンテンツ制作のコストを訴える趣旨だったが、「販売価格は小売店が決めるもの」「メーカー社長の発言は店への圧力になる」と批判が殺到。木谷は6月27日付で自社サイトに謝罪文を掲載した。

ロッシー小川の契約解除(2024年)[編集]

2024年2月、ブシロードはスターダム創設者でエグゼクティブプロデューサーだったロッシー小川との契約を解除した。理由は「スターダムの選手やスタッフを多数引き抜いた」ことだと発表され、プロレスファンの間で大きな騒動となった。

プロ野球12球団スポンサー(2024年)[編集]

『プロ野球カードゲーム DREAM ORDER』のプロモーションとして、2024年にプロ野球12球団すべてとスポンサー契約を結んだ。福岡ソフトバンクホークスの関連施設「王貞治ベースボールミュージアム」のネーミングライツまで取得し、「カード会社がそこまでやるのか」と話題になった。

余談[編集]

  • 創業から2017年頃までの社名ロゴは、『熱風海陸ブシロード』の作品タイトルロゴをそのまま流用していた。創立10周年の2017年にようやく新ロゴへ切り替わった。
  • 木谷はメガネ・スーツ・七三分けがトレードマーク。「キッダーニ男爵」名義でブシロード関連の番組やイベントにレスラーとして登場することがあり、『ヴァンガードTV』でレギュラー出演者に正体を明かされたことがある。
  • 2012年4月9日、ダルビッシュ有のメジャーデビュー戦と同日のMLBの試合で、木谷が始球式を務めた。
  • 新日本プロレス時代には、内藤哲也からリング上で口撃の対象にされることがたびたびあった。
  • 2026年の新体制インタビューで木谷は、新規コンテンツの立ち上げは「ホラを吹くところ」から始まると語り、大きな構想で人を惹きつけるのが創業者の役割だとしている。
  • 新日本プロレス売却発表の際、ブシロード公式X(@bushi_PR)には「14年間共に歩んだ」新日本プロレスの未来に向けた木谷のメッセージが掲載された。

外部リンク[編集]

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