| エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち 에스콰이어: 변호사를 꿈꾸는 변호사들 Beyond the Bar | |
|---|---|
![]() 主演のイ・ジヌク(2025年9月26日、第30回釜山国際映画祭閉幕式にて。出典:Wikimedia Commons/Marie Claire Korea、CC BY 4.0) | |
| 略称 | エスクワイア |
| ジャンル | 法廷ドラマ、オフィスドラマ、成長ドラマ、ヒューマン、ロマンス |
| 放送期間 | 2025年8月2日 - 2025年9月7日 |
| 放送時間 | 土曜 22:40 - /日曜 22:30 -(韓国時間) |
| 話数 | 全12話 |
| 放送国家 | 韓国 |
| 言語 | 韓国語 |
| 放送局 | JTBC |
| 配信 | Netflix(独占配信) |
| 平均視聴率 | 7.2%(ニールセンコリア全国) |
| 制作 | |
| 企画 | パク・ジュンソ(SLL) |
| プロデューサー | パク・ギヨル(制作総括)、チャン・ウォンソク、キム・ゴンホン、ソ・ヨンヒ、ホン・ソンチャン、クォン・ナムジン |
| 演出 | キム・ジェホン |
| 制作 | SLL、BAエンターテインメント、スタジオS、ストーリーオルム(共同制作) |
| 脚本 | パク・ミヒョン |
| 音楽 | キム・ミンジ、ユ・ミノ、パク・ダヒ、アン・グァンヒョン |
| 出演者 | イ・ジヌク、チョン・チェヨン、イ・ハクジュ、チョン・ヘビン ほか |
| その他 | |
| 原作 | オリジナル |
概要[編集]
エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち(原題:에스콰이어: 변호사를 꿈꾸는 변호사들、英題:Beyond the Bar)とは、2025年8月2日から9月7日までJTBCの土日ドラマ枠で放送された全12話の韓国ドラマである。大手法律事務所「ユルリム」を舞台に、社会人としては不器用な新人弁護士カン・ヒョミン(チョン・チェヨン)が、冷徹だが実力はピカイチのパートナー弁護士ユン・ソクフン(イ・ジヌク)のもとで一人前の弁護士へ成長していく法廷ドラマ。日本を含む海外ではNetflixが独占配信した。
詳細[編集]
タイトルの意味と企画意図[編集]
タイトルの「エスクワイア(Esquire、略称Esq.)」は、英米圏で弁護士の名前の後ろに付ける敬称のこと。そこに「弁護士を夢見る弁護士たち」という、一見すると矛盾した副題をくっつけているのがミソで、資格を持っているだけの「弁護士」から、本当の意味での「弁護士」になろうとする人々の物語であることを示している。
公式の企画意図は「体に傷を負えば病院へ行くが、心に傷を負ったら? 人は傷が極限に達すると『訴訟』を考える」という一文から始まる。訴訟という名の治癒を選んだ依頼人と、他人の傷を覗き込むうちに自分の中の古い傷と向き合うことになる弁護士たちの物語、というのが基本コンセプトである。
「愛」をテーマにした一話完結型の訴訟[編集]
本作の最大の特徴は、法廷で扱われる訴訟のほとんどが「愛」にまつわるものだという点。恋人同士の愛、夫婦の愛、親子の愛、そして愛の仮面をかぶった暴力など、毎回違う形の愛が事件として持ち込まれる。基本的に1話(または2話)で1つの事件が完結するオムニバス形式なので、途中から見ても話についていきやすい。
脚本家パク・ミヒョンはインタビューで「法の空間の中で愛を探求したかった。人は感情が頂点に達したときに法を頼るが、その中でも愛は最も複雑で熱い感情だ」と語っている。監督のキム・ジェホンも、本作は法廷ものというより「愛」を探求するドラマだと説明している。
現役弁護士が書いた脚本[編集]
脚本のパク・ミヒョンは、ドラマ脚本家としては異色の経歴を持つ現役のニューヨーク州弁護士。韓国の大手法律事務所や国際的なローファームでの勤務経験があるとされ、法曹関係者が自ら執筆した韓国ドラマとしては『グッドパートナー』や、同時期にtvNで放送された『瑞草洞』に続く作品となった。
キム・ジェホン監督は脚本を初めて読んだとき「これは本物だ」と確信したといい、2025年7月31日にソウル九老区のザ・リンクホテル・ソウルで行われた制作発表会でも、高度な法律描写と「傷ついた人々を訴訟を通じて慰める弁護士たちの姿」が他の法廷ドラマとの最大の違いだとアピールした。体の一部の所有権の帰属、被害者の承諾の有効性、非接触事故の因果関係など、毎回の法的論点をどんでん返しの仕掛けに使う構成が持ち味である。
あらすじ[編集]
ソウル大学ロースクールを首席で卒業したカン・ヒョミンは、正義感が強く堂々としているが、社会生活にはどこか不器用な新人弁護士。大手法律事務所「ユルリム」の訴訟チームに入所した彼女は、初日から波乱のスタートを切るが、配属先のチームを率いるのは「全世界に冷気を放っている」と言われるほど冷徹で、しかし実力だけは最高のパートナー弁護士ユン・ソクフンだった。
ヒョミンは最初の事件でソクフンも見落としていた食い違いを見つけ出し、彼の目に留まる。以後、二人は不妊クリニックへの侵入事件、子どもが関わる非接触の交通事故、児童虐待で訴えられた企業代表の弁護、絵画の著作権訴訟など、さまざまな「愛」が絡む訴訟に挑んでいく。依頼人と向き合う中で、ヒョミンは法律だけでなく「心」で人を救う弁護士へ、ソクフンもまた自らの古傷と向き合うことになる。
一方、ユルリムの内部では創立パートナーのコ・スンチョルとその息子コ・テソプによる権力争いが進行。ソクフンを追い出そうとするテソプの策略や、新たに代表弁護士に就いたクォン・ナヨンの動きが絡み合い、物語は事務所の命運を賭けた終盤へと向かっていく。
各話サブタイトル[編集]
| 話 | 放送日 | サブタイトル(英題からの意訳) | 主な事件 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2025年8月2日 | 入所(Induction) | ヒョミンのユルリム入所と最初の事件 |
| 2 | 8月3日 | 紅茶と愛は熱湯で試される | 不妊クリニックに侵入した男の事件 |
| 3 | 8月9日 | 蝶のさなぎ | 子どもが関わる非接触の交通事故 |
| 4 | 8月10日 | 同害報復(Lex Talionis) | 児童虐待で訴えられたCEOの弁護 |
| 5 | 8月16日 | サリエリの独白 | ヒョミン初の単独担当、絵画の著作権訴訟 |
| 6 | 8月17日 | 愛は障害 | 元恋人を訴えた依頼人の「同意」をめぐる事件 |
| 7 | 8月23日 | 愛のあらゆる色 | 妻の自殺幇助で逮捕された夫の事件 |
| 8 | 8月24日 | ワンダーウーマン | 夫への暴行で起訴された有名ニュースキャスター |
| 9 | 8月30日 | 生きる権利 | 憎む男を救命しなかった医師の殺人容疑 |
| 10 | 8月31日 | 傍観者 | 殺人容疑者がヒョミンに罪をなすりつける事件 |
| 11 | 9月6日 | 二本足の獣 | プライバシー侵害をめぐる訴訟 |
| 12 | 9月7日 | 愛の誓いの向こうへ | 特異な関係の夫婦の離婚訴訟 |
第5話の原題「살리에르의 독백」の「サリエル」は、本来「サリエリ」が正しい表記だという指摘がある(戯曲・映画『アマデウス』の描写から取ったとみられる)。
登場人物・キャスト[編集]
主要人物[編集]
| 役名 | 俳優 | 設定 |
|---|---|---|
| ユン・ソクフン | イ・ジヌク | ユルリム訴訟チームのパートナー弁護士(チーム長)。冷徹だが創造的な法理を展開する凄腕。離婚歴があり、子どもや動物が絡む問題には敏感。 |
| カン・ヒョミン/カン・ヒョジュ | チョン・チェヨン | ユルリム訴訟チームの新人弁護士。ソウル大学ロースクール首席卒業で、言語に天才的な才能を持つ。父は判事、母は法学教授という法曹一家の出身。聴覚障害のある双子の姉ヒョジュも一人二役で演じる。 |
| イ・ジヌ | イ・ハクジュ | 訴訟チームのアソシエイト弁護士。ユルリムに欠かせない中間実務者で、ソクフンを尊敬して付き従う。 |
| ホ・ミンジョン | チョン・ヘビン | 訴訟チームのアソシエイト弁護士。離婚訴訟が専門。ソクフンの支援でロースクールに進学した過去を持つ。 |
ユルリムの弁護士たち[編集]
| 役名 | 俳優 | 設定 |
|---|---|---|
| チ・グクヒョン | キム・ガンミン | 新人弁護士。ヒョミンの大学・ロースクールの同期で、明るい性格の協力者。 |
| チェ・ホヨン | イ・ジュヨン | 新人弁護士。いわゆる「土のスプーン」(庶民出身)で、努力だけで弁護士になった。 |
| オ・サンチョル | ピョ・ジェギョム | 新人弁護士。財閥系企業会長の末息子で、いわゆる「金のスプーン」。 |
| クォン・ナヨン | キム・ヨジン | ソクフンの師匠格の弁護士。第5話で代表弁護士に就任する。 |
| コ・スンチョル | キム・ウィソン | ユルリムの創立パートナー。手段を選ばない人物。 |
| コ・テソプ | パク・ジョンピョ | パートナー弁護士。スンチョルの息子。 |
| キム・ユルソン | ホン・ソジュン | 創立パートナー兼訴訟部門長。 |
その他[編集]
| 役名 | 俳優 | 設定 |
|---|---|---|
| ハン・ソラ | クォン・アルム | ヒョミンの幼なじみでルームメイト。正義感の強い医師。 |
| イ・ジウン | イ・スンヨン | ヒョミンの幼なじみでルームメイト。有名な作詞家。 |
| チェ・ウニ | ユン・ユソン | |
| ハン・ソンチャン | カン・サンジュン | |
| ホン・ドユン | パク・ヒョンス | パートナー弁護士。 |
| チョン・ウォンジュン | イ・サンヨプ | 特別出演。 |
| マイケル・チャン | チョ・テグァン | 特別出演。 |
制作[編集]
制作はJTBC系列のSLL、BAエンターテインメント、スタジオSの3社で、マネジメント会社オルム系列の制作会社ストーリーオルムが共同制作に加わった。スタジオSはSBSの子会社で、同社がJTBCのドラマを共同制作するのはこれが初めて。演出のキム・ジェホンもスタジオS所属のPDで、過去に『財閥X刑事』の演出、『私の完璧な秘書』『悪鬼』の共同演出を手がけている。
撮影は2025年3月から7月7日まで行われた事前制作ドラマで、放送開始時点ではすでに全話の撮影が終わっていた。ユルリムの社屋としてドローン映像で登場する黒いビルは、ソウル・駅三駅近くのテヘラン路沿いにあるオレンジプラネットビル。第1話の面接会場や新人研修の場面には汝矣島(ヨイド)のIFCが使われ、ヒョミンが初登場する地下鉄のシーンは新盆唐線で撮影された。
前番組は『グッドボーイ』、後番組は『百番の思い出』。韓国での視聴等級は15歳以上。
キャスティング[編集]
イ・ジヌクにとっては、デビュー以来初のJTBCドラマ出演。Netflixの『Sweet Home〜俺と世界の絶望〜』や『イカゲーム』シーズン2・3で世界的に顔が売れた直後の地上波系(ケーブル)復帰作として注目された。チョン・チェヨンは『組立式家族』以来1年ぶりのJTBC出演で、本作が初の専門職役となった。
脇を固めるキャストの「再会」も多く、チョン・チェヨンとキム・ガンミンは『ゴールデンスプーン』以来3年ぶり、イ・ハクジュとイ・ジュヨンはJTBC『私生活』以来5年ぶり、イ・ジヌクとカン・サンジュンは『ナ・ヘリへ』以来10か月ぶりの共演となった。チョン・ヘビンは『仁粹大妃』以来13年ぶり、キム・ヨジンは『梨泰院クラス』以来5年ぶりのJTBC出演である。
音楽[編集]
OSTアルバムは放送前日の2025年8月1日に発売された。
| No. | 曲名 | アーティスト |
|---|---|---|
| 1 | Quiet | キム・ミュージアム |
| 2 | Lean into me | d.ear |
| 3 | 나도 너만큼만 | hiko |
| 4 | Home | Pagaehun(パク・テフン) |
| 5 | Gloomy-Go-Round | Sam Ock |
視聴率推移[編集]
初回は3.7%と控えめなスタートだったが、2週目に入ると一気に跳ね上がり、第4話で8%台に乗せた。第10話で自己最高の9.1%(首都圏9.9%)を記録し、最終回も8.4%で有終の美を飾った。最終回の分単位最高視聴率は10.1%に達している。全話が同時間帯1位だったとされる。
| 話 | 放送日 | 全国 | 首都圏 |
|---|---|---|---|
| 1 | 2025年8月2日 | 3.7% | 4.0% |
| 2 | 8月3日 | 4.7% | 5.2% |
| 3 | 8月9日 | 6.7% | 7.2% |
| 4 | 8月10日 | 8.3% | 9.0% |
| 5 | 8月16日 | 7.2% | 7.5% |
| 6 | 8月17日 | 7.7% | 8.0% |
| 7 | 8月23日 | 7.0% | 7.2% |
| 8 | 8月24日 | 8.7% | 9.3% |
| 9 | 8月30日 | 7.1% | 7.4% |
| 10 | 8月31日 | 9.1% | 9.9% |
| 11 | 9月6日 | 7.5% | 8.0% |
| 12 | 9月7日 | 8.4% | 9.1% |
| 平均 | 7.2% | 7.6% | |
※ニールセンコリア調べ(有料放送世帯基準)。青字が最低、赤字が最高。
Netflixでの成績[編集]
韓国ではNetflixのTVシリーズTOP10で3週連続1位を獲得。グローバルでも非英語TV部門で最高2位まで上がり、2025年8月11日〜17日の週には視聴数450万を記録して47か国でTOP10入りした。最終的に51か国でTOP10入りしたと報じられている。
| 集計期間 | 非英語TV順位 | 視聴数 |
|---|---|---|
| 2025年7月28日〜8月3日 | 10位 | 180万 |
| 8月4日〜8月10日 | 2位 | 460万 |
| 8月11日〜8月17日 | 2位 | 450万 |
| 8月18日〜8月24日 | 3位 | 410万 |
| 8月25日〜8月31日 | 4位 | 350万 |
| 9月1日〜9月7日 | 3位 | 320万 |
| 9月8日〜9月14日 | 4位 | 260万 |
このほか、韓国ギャラップの「2025年8月 韓国人が好きな放送映像プログラム」で1位を獲得。放送期間中には話題性指標でもドラマ部門1位を連続で獲得し、出演者部門でもイ・ジヌクが1位、チョン・チェヨンが2位に入った。
評価[編集]
脚本については「現役弁護士ならではのリアルで細かい描写が没入感を高めた」と評価する声が多い。不妊男性の保管精子の滅失、ノセボ効果による非接触事故、ケロイド体質で傷跡がそのまま証拠になってしまう恋人間の加虐行為など、他の法廷ドラマでは見たことのない事件設定が毎回話題になった。善悪がはっきりした「サイダー(スカッと)展開」に頼らない作りも新鮮だと受け止められた。大手ローファームが時間単位で報酬を請求するため、業務を5分(0.1時間)単位で記録する描写などは、実際の大手事務所の実務に忠実だとされる。
一方で、5大ローファームの訴訟チームが舞台なのに、扱う事件は個人の弁護士が受けそうな身近な案件ばかりで、大手事務所の現実とは距離があるという指摘もある。弁護士系YouTuberの間でも、実務の描写をめぐって批判と好評が分かれた。
チョン・チェヨンの演技には賛否があった。韓国メディア『THE FACT』は2025年8月30日の記事で、抑揚の乏しい台詞回しや限られた表情演技を指摘し、周囲の助演陣の好演との対比で弱点が目立つと批評した。ただし別の評論家は、俳優として成長を続けていると評価している。チョン・チェヨン本人は放送後のインタビューで、初回の評価が割れた理由は理解しているとしたうえで、監督から「社会人1年目の雰囲気をよく出せる」とアドバイスを受けていたこと、いわゆる「天下り(コネ)キャスティング」という噂については、提案された複数の作品の中から脚本の良さで選んだと説明している。
イ・ジヌクは、冷静沈着に法廷の空気を一瞬で掌握するソクフン像で好評を得た。
日本での配信[編集]
日本ではNetflixの独占配信で、邦題は『エスクワイア: 弁護士を夢見る弁護士たち』。韓国での本放送に合わせて毎週土日に1話ずつ配信され、2025年9月7日に全12話が出そろった。2026年10月時点でもNetflixで全12話(1話あたり約70分)を視聴できる。U-NEXTやAmazon Prime Videoなどほかの定額配信サービスでは配信されていない。
韓国国内でもNetflixのOTT独占で、JTBCの土日ドラマとしては『天国より美しい』に続く2作目のNetflix独占作品。そのためTVINGやJTBC公式アプリでの見逃し配信(定額)は行われず、リアルタイム放送のみがTVINGで視聴できた。
余談[編集]
- ヒョミン役には当初ヘリがキャスティングされる予定だったが、出演を辞退したためチョン・チェヨンに決まったという話がある。奇しくも両者ともガールズグループ出身の女優である(ヘリはGirl's Day、チョン・チェヨンはDIA・I.O.I)。
- チョン・チェヨンは『PRODUCE 101』出身で、番組中に「エンディング妖精」として注目を浴び、最終7位でI.O.Iとしてデビューした経歴を持つ。本作の第1話では逆に「オープニング妖精」として話題になった。
- 同じ時期にtvNでも法廷ドラマ『瑞草洞』が放送されていた。パク・ヒョンスは両方に弁護士役で出演しており、『瑞草洞』では法律事務所の代表弁護士、本作ではパートナー弁護士を演じた。
- 韓国の動画配信サービス「CHZZK(チジジク)」でもJTBCは2025年5月から同時配信を行っているが、Netflix独占の関係で本作はそちらでも視聴できなかった。
- 放送終了後には台本集も出版された。
- 海外の評価サイトでも点数が高く、特に専門職ドラマが好まれる日本のユーザー評価が高めだとされる。
