| ベスト電器 BEST DENKI | |
|---|---|
| 国家 | 日本 |
| 種類 | 店舗ブランド(旧・株式会社) |
| 業種 | 小売業(家電量販店) |
| 本社所在地 | 福岡県福岡市博多区(法人当時) |
| 設立日 | 1953年9月3日 |
| 設立者 | 北田光男 |
| 主要株主 | ヤマダデンキ(親会社・現在はヤマダデンキの屋号) |
| 関係する人物 | 北田光男 |
| 別名 | ベスト、Best |
概要[編集]
ベスト電器(ベストでんき)とは、福岡県福岡市発祥の家電量販店チェーンである。1979年度から1996年度まで家電量販店の売上高で日本一だった「元・業界王者」で、現在はヤマダデンキが九州・沖縄を中心に展開する店舗ブランドとして残っている。
詳細[編集]
ベスト電器の出発点は家電店ではなく倉庫会社だった。1953年9月、北田光男が資本金25万円で「九州機材倉庫株式会社」を設立し、1956年1月に現在の福岡本店の場所で「バーゲンセンター」として家電の販売を始めた。「ベスト電器」という店舗ブランドになったのは1968年のことである。
1970年にはフランチャイズ(FC)方式を導入し、地域の電器店を加盟店として取り込む形で九州一円に店舗網を広げた。1973年には福岡証券取引所に上場し、1982年に東証2部、1984年に東京証券取引所1部へ昇格している。
最盛期の2010年1月時点で直営280店・FC294店の計574店を持ち、シンガポールなど東南アジアにも進出していた。九州の人にとっては「電器屋といえばベスト」という存在で、福岡市の球技場「ベスト電器スタジアム」(東平尾公園博多の森球技場、2020年からネーミングライツ)にもその名が残る。
業界1位からの転落[編集]
ベスト電器が王座を失った経緯は、日本の家電流通史そのものといえる。
当時の大手家電量販店は業界団体(NEBA)に加盟し、互いの地盤に出店しないという紳士協定を結んでいた。ところが北関東から出てきたヤマダ電機・コジマ・ケーズデンキはこの枠の外にいた。郊外の大型店、低価格、ポイント還元を武器に全国へ出店し、いわゆる「YKK戦争」を繰り広げながら急成長していく。
ベスト電器は価格よりもアフターサービスの充実を重視する戦略をとっていたが、低価格競争の時代にはこれが裏目に出た。1997年度にコジマに抜かれて業界1位から転落し、以後はシェアを落とし続けた。
ビックカメラとの提携、そしてヤマダ傘下へ[編集]
2007年9月、ベスト電器はビックカメラと資本・業務提携を結ぶ。ビックカメラは筆頭株主となり、2008年には「ビックカメラ ベスト広島店」という共同店舗も開業した。
ところが2012年、ビックカメラがコジマの買収を発表し、ベスト電器への追加支援に消極的になる。同じ2012年7月、今度はかつてのライバルであるヤマダ電機がベスト電器との資本・業務提携を発表し、12月13日に第三者割当増資を引き受けて子会社化した。ビックカメラとの提携は2013年3月で解消されている。
子会社化にあたって公正取引委員会は、両社以外に家電量販店がない地域の一部店舗を他社へ譲渡することを条件に承認した。2017年には株式交換でヤマダの完全子会社となり、2021年にはヤマダデンキに吸収合併されて法人としてのベスト電器は消滅した。日経新聞は当時の社長の「歴史に幕、感慨深い」という言葉を伝えている。
現在のベスト電器[編集]
法人は消えたが、屋号は残った。九州・沖縄と山口県以外の直営店はヤマダ系の「テックランド」へ転換が進み、北海道からは撤退している。つまり今「ベスト電器」の看板を見られるのは、ほぼ九州・沖縄に限られる。
海外では1985年のシンガポール・オーチャード店を皮切りに、台湾、インドネシア、香港、さらにはクウェートにまで出店したが、台湾・香港・インドネシアからは撤退した。シンガポールでは現在も営業を続けている。
よくある質問[編集]
- ベスト電器はヤマダ電機と同じ会社?
- 現在は同じ会社である。2012年にヤマダ電機の子会社となり、2021年にヤマダデンキに吸収合併された。「ベスト電器」は店舗ブランドとして残っている。
- ベスト電器は日本一だった?
- 1979年度から1996年度まで、家電量販店の売上高で日本一だった。
- 本社はどこにあった?
- 法人があった当時の本社は福岡市博多区千代、本店(旧・福岡本店)は福岡市中央区天神にあった。
余談[編集]
- 1973年に社名を「株式会社ベスト電器」に統一した背景には、松下電器産業(現・パナソニック)との契約の際に松下幸之助と社名変更を約束したという話があるとされる。
- 2006年には東京の老舗カメラ店「さくらや」に資本参加し、2008年に完全子会社化したが、2010年2月末に全店閉店となった。
- ゲオと合弁で「ベストゲオ」を作ったり、ソフトバンクと組んでネット通販「イーベスト」を立ち上げたりと、提携先の顔ぶれは意外と多彩である。
- 福岡ソフトバンクホークスの城島健司がイメージキャラクターを務めていた時期がある。
- 同じく九州で競合していた家電量販店の話は家電量販店、関西勢はエディオン・上新電機の項目も参照。