Ci-en
Ci-en
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同じ運営グループのDLsiteのロゴ(出典:ウィキメディア・コモンズ)
略称 シエン
国家 日本
種類 クリエイター支援プラットフォーム
業種 インターネットサービス
本社所在地 東京都千代田区(住友不動産秋葉原駅前ビル)
設立日 2018年4月16日
年齢 8周年
設立者 株式会社エイシス
上場 非上場
所有者 株式会社エイシス(株式会社viviONの完全子会社)
主要株主 株式会社viviON(株式会社ゲオホールディングス傘下)
リンク https://ci-en.net/
コミュニティ 公式X:@cien_info


概要[編集]

Ci-en(シエン)とは、DLsiteを運営する株式会社エイシス(株式会社viviONグループ)が2018年4月に開始した、月額課金型のクリエイター支援サイトである。日本のクリエイターが制作過程や近況を記事として投稿し、ファンが月額プランで継続的に支援する仕組みで、とくに同人ゲームの開発者が「開発ブログ」として使う文化が根付いていることで知られる。

詳細[編集]

サービス開始[編集]

Ci-enは2018年4月16日に正式サービスを開始した。運営は、当時東京都千代田区に本社を置き、ゲオグループ傘下にあった株式会社エイシスである。開始時の告知では「クリエイターの『作りたい!』と、ファンの『もっと知りたい!』『応援したい!』をつなぐ」サービスと説明されていた。

正式開始に先立つ2018年4月2日から、DLsiteにサークル登録しているクリエイター向けに先行公開が行われ、正式オープンの時点で約600人のクリエイターがすでに活動していた。想定するクリエイターはイラストレーター、漫画家、ゲーム制作者、作家、ミュージシャン、YouTuber、ゲーム実況などの配信者まで幅広く、プロジェクト単位で資金を集めるクラウドファンディングとは異なり、「活動そのもの」を月額で支援するモデルとして打ち出された。

運営会社の変遷[編集]

2021年12月1日、ゲオグループの二次元コンテンツ事業の組織再編により、株式会社エイシスは吸収分割を経て株式会社viviONの完全子会社となった。viviONは株式会社ゲオホールディングスの完全子会社で、グループ内にはDLsiteやCi-enを運営するエイシスなど、二次元コンテンツ関連の会社が並ぶ。現在もCi-enとDLsiteの運営主体はエイシスで、本社は秋葉原駅前のビルに置かれている。

なお、2024年に株式会社hokanが「株式会社CIEN(シエン)」という新会社を設立したが、Ci-enとは無関係の会社である。

規模[編集]

2023年12月のインタビュー記事では、登録クリエイター数が約2万人、支援者の登録数が約200万人と紹介されている。2021年3月のプレスリリースでは、売上が前期比で2倍以上に伸び、VTuberカテゴリーは200倍に増えたと発表された。同リリースでは、DLsiteの会員570万人をCi-enでも活用できる点が強みとしてアピールされていた。

サービスの仕組み[編集]

支援の方法[編集]

Ci-enでファンがクリエイターを支援する方法は、大きく分けて以下の通りである。

方法 内容
月額プラン 月額課金でクリエイターを継続支援する。プランごとに閲覧できる記事が変わる
バックナンバー 過去の月に公開された有料記事を、その月の分だけ後から購入する
上乗せ支援 加入しているプランの金額に任意の額を上乗せして支援する
チップ 記事ごとに投げ銭形式で支援する
ギフトチケット 支援をチケットの形で贈る機能
単品記事 1本単位で販売される有料記事
クラウドファンディング 2021年1月に追加。オールイン方式のみ

金銭を伴わない応援として、記事へのコメントや「応援」機能もある。2023年頃には、有料プランの支援者だけがクリエイターのDiscordサーバーに参加できる連携機能も追加された。

クラウドファンディング[編集]

2021年1月に追加されたクラウドファンディング機能は、目標額に届かなくても集まった支援金を受け取れる「オールイン方式」のみとなっている。商品の予約販売に近い一般的なクラウドファンディングと違い、「ファンの応援」を前面に出したプロジェクトが多いのが特徴で、コロナ禍で経営難に陥った岡山のゲームセンターが350万円以上を集めた例がプレスリリースで紹介された。

全年齢とR-18の分離[編集]

Ci-enは全年齢向けの記事と成人向け(R-18)の記事を扱い、成人向けは別ドメインで年齢確認を経て閲覧する形になっている。開始当初はDLsiteのサブサービスという性格が強く、成人向けの同人誌や同人ゲームを作るサークルの利用が中心だったが、2023年のインタビューでは「DLsiteのサブサービスから、すべてのクリエイターが使えるサービスへ」転換を進めていると語られている。

料金・手数料[編集]

手数料率の推移[編集]

Ci-enはサービス開始以来、手数料10%(クリエイターの取り分90%)を大きな売りにしてきた。2020年には、新型コロナウイルスでコミックマーケットなどの同人誌即売会が相次いで中止され、頒布の場を失ったクリエイターを支援するため、4月1日〜5月31日に新規登録したクリエイターの手数料を0%、既存クリエイターを5%に引き下げるキャンペーンが行われた。

2025年12月5日、運営は成人向けの手数料改定を発表した。2026年2月1日から、月額プラン(R-18)の手数料が10%から13%に引き上げられ、上乗せやチップなどもこれに含まれる。理由としては「セキュリティおよび審査体制の強化」が挙げられている。

2026年時点のヘルプに掲載されている手数料は以下の通りである。

種別 全年齢 R-18
月額プラン(バックナンバー、上乗せ、チップ、ギフトチケットを含む) 10% 13%
クラウドファンディング 10% 15%
単品記事 15% 15%

支払い方法[編集]

支援者はDLsiteのアカウントでログインでき、DLsiteポイントでも支援できる。DLsiteポイントは電子マネー、コンビニ前払い、銀行振込などで購入できるため、サービス開始時から「クレジットカードがなくても支援できる」点がアピールされていた。この仕組みは、後述のカード決済停止の際に代替手段として重要な役割を果たすことになる。

DLsiteとの連携[編集]

サークル連携[編集]

2018年5月17日、DLsiteにサークル登録しているクリエイターがCi-enのアカウントと連携できる機能が追加された。連携すると、DLsiteのサークルプロフィールや作品詳細ページにCi-enのクリエイターページへのリンクが自動で表示される。DLsiteで作品を探しているユーザーが、そのまま制作者のCi-enにたどり着けるため、作品販売と支援集めを一体で回せるのが最大の特徴である。

開始当初の計画では、Ci-enのクリエイターがDLsiteで販売する自作の割引・無料クーポンを発行できる機能も予定されており、支援者特典としてクーポンを配る使い方が広まった。

アカウントの統合[編集]

DLsiteのアカウントは後に「DLsiteアカウント」として名称変更・管理体制の移管が行われ、Ci-enもこの共通アカウントでログインする形になっている。DLsiteで作品を買い、Ci-enで制作者を支援し、そのクリエイターの次回作をまたDLsiteで買う、という循環がviviONグループ内で完結する設計になっている。

同人ゲーム制作者の開発ブログ文化[編集]

「進捗報告」の場として[編集]

Ci-enが他のファンクラブ型サービスと大きく違うのは、同人ゲームの制作サークルが開発ブログとして使う例が非常に多いことである。キャラクターの立ち絵、背景、システム画面、シナリオの進み具合などを週ごと・月ごとに「進捗報告」として記事化し、無料記事で宣伝、有料プランで体験版や差分画像を先行公開するスタイルが定着している。

あるインディーゲーム開発者は、開発ブログにCi-enを選んだ理由として、販売先にDLsiteを選んだことを挙げている。同じ運営会社のCi-enを使うと、ゲーム紹介ページに自動でCi-enへのリンクが貼られ、相互に送客できるためである。この開発者は、DLsiteを選んだ理由として、表現規制がFANZAより相対的に緩いこと、低価格帯の手数料が安いこと、発売後の多言語化やデバッグ支援などの拡張性を挙げ、投げ銭による「お金をいただくことによるモチベーションアップ」と開発費の回収にも期待していると書いている。

収支報告・データ記事[編集]

Ci-enでは、開発者が自分の作品の売上や支援額を公開する「収支報告」、DLsiteの人気作品を分析した「データ記事」なども多く投稿されている。同人ゲーム制作者同士がノウハウを共有する場としても機能しており、DLsiteでの発売後にSteamなど他の販売先へ展開する話題が記事になることもある。

体験版と発売告知[編集]

制作中の作品を体験版として支援者に先行配布し、フィードバックを受けて完成版をDLsiteで発売する、という流れはCi-enの定番である。発売日には「DLsiteで発売しました」という告知記事が一斉に並ぶため、Ci-enは同人ゲームの新作情報を追う場にもなっている。

決済停止と表現規制[編集]

Visa・Mastercardの停止[編集]

2024年4月3日18時、Ci-enはVisaとMastercardの利用を一時停止すると告知した。同日、DLsiteでも同じ措置がとられ、DLsiteでは翌日にAmerican Expressの取り扱いも一時停止された。4月22日の続報では、カードブランド側との交渉がまとまらず、当面はVisa・Mastercardを再開できない見通しであると発表し、他の決済方法やDLsiteポイントの購入を利用するよう呼びかけた。

その後、DLsite関連サービスのクレジットカード決済は事実上JCBのみという状態が続いた。2024年は5月にFantia、6月にFANZA同人、年末にかけてマンガ図書館Zなどでも国際カードブランドの停止が相次ぎ、オタク系コンテンツ業界全体の問題として報じられた。国際カードブランドの判断ひとつでインターネット上の販売網が止まるリスクが、この時期に一気に表面化した形である。

viviON JCBカード[編集]

2025年12月、DLsiteの親会社であるviviONは、JCBブランドの公式クレジットカード「viviON JCBカード」を発表した。スマートフォンアプリで使えるバーチャルカードは年会費無料で、viviONのサービスで使うとポイント還元が上乗せされる。デザインはviviONの紫と、VTuberグループ「あおぎり高校」の青の2種類が用意された。報道では、カード決済の停止が事実上の表現規制として機能している状況のなかで、自社グループ向けの決済手段を確保する狙いがあると解説されている。

AI生成コンテンツの制限[編集]

2023年5月、DLsiteとCi-enは画像生成AIを主体としたコンテンツの扱いを一時的に制限した。Ci-enでは、作品の主要部分が画像生成AI技術に依存するコンテンツについて、記事、ヘッダー画像、プロフィールへの掲載、AI生成物を扱う外部サイトへの誘導を受け付けない措置がとられた。人の手による制作物の一部にAIを使うことは引き続き認められている。運営は、技術の急速な進歩に対して対策やガイドラインの整備が追いついていないことを理由に挙げ、あくまで一時的な措置としていた。

成人向けの審査強化[編集]

2026年2月のR-18手数料引き上げは、審査体制の強化を理由とするもので、同時期にpixivFANBOXも成人向けの手数料を10%から12.9%に引き上げている(2025年9月適用)。pixiv側はクレジットカード会社や決済代行会社の要請で成人向けの審査コストが年々増えていることを理由に挙げており、日本のクリエイター支援サービス全体で「成人向けは手数料が高い」という構造が定着しつつある。

他サービスとの比較[編集]

サービス 運営 開始 手数料(月額支援・目安) 特徴
Ci-en エイシス(viviON) 2018年 全年齢10%/R-18 13% DLsiteと連携。同人ゲームの開発ブログ文化
pixivFANBOX ピクシブ 2018年 全年齢10%/R-18 12.9% Pixivと連携。イラスト・漫画に強い
Fantia 虎の穴系 2016年 12.5%(実写は17.5%) 同人・イラストに加え実写も扱う。2024年5月にVisa・Mastercard停止
Patreon 米国Patreon社 2013年 2025年8月以降の新規は10%前後とされる(別途決済手数料) 海外ファンからの支援が中心。手数料体系が複雑

Patreonは決済手数料、為替手数料、出金手数料が別途かかるため、実際の負担は表の数字より大きくなる。一方、Ci-enは日本語で完結し、DLsiteポイントなどカード以外の支払い手段が使える点が、日本の同人クリエイターに選ばれる理由になっている。pixivFANBOXはイラストレーターが中心で、Ci-enはゲーム制作者や音声作品のサークルが多い、という棲み分けがあるとされる。

余談[編集]

  • 名前の「Ci-en」は「支援」の読みをローマ字風にしたものとされ、ハイフンの位置が独特なため「Cien」「CI-EN」などと表記ゆれが多い。
  • 株式会社hokanが2024年に設立した新会社「株式会社CIEN(シエン)」は、読みが同じだけでCi-enとは無関係である。
  • 2021年の発表では、VTuberカテゴリーの売上が前年比200倍に伸びたとされ、個人勢VTuberの活動資金集めにも使われている。
  • DLsiteでの作品発売後、Ci-enで売上の収支報告を公開する制作者が多く、同人ゲーム業界の「リアルな数字」を知る場になっている。
  • 2025年12月に発表された「viviON JCBカード」は、あおぎり高校デザインを選べるなど、決済手段の確保とグループのVTuber事業の宣伝を兼ねた作りになっている。

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