9tsu
サイト名 9tsu
言語 日本語
タイプ 動画共有サイト(海賊版サイトとされる)
国 不明(サーバーはアメリカ合衆国にあるとされる)
創設 不明
創設者 不明
運営者 不明(公表されていない)
収益 広告収入とされる
営利性 営利(広告モデル)とされる
登録 不要とされる
ユーザー数 不明
開始 不明
現在の状態 不安定(閉鎖・復活・ドメイン変更を繰り返しているとされる。2026年10月時点)
別名 9TSU

概要[編集]

9tsu(きゅうつー、ナインツー)とは、日本のテレビドラマ・バラエティ番組・アニメ・映画などを権利者の許諾なく掲載しているとされる動画共有サイトである。著作権を侵害するコンテンツが大半を占める海賊版サイトの一種として、セキュリティ企業や動画関連メディアの解説記事でたびたび取り上げられてきた。

詳細[編集]

どんなサイトか[編集]

9tsuは、日本で放送されたテレビ番組の録画映像を中心に、ドラマ・バラエティ・アニメ・映画・音楽番組などを無料で再生できるとうたう動画サイトである。各種解説記事によれば、会員登録なしで利用でき、日本での放送翌日には最新話が掲載されていることが多かったとされる。

形式上は「ユーザーが動画を投稿・共有する場」とされ、投稿された動画をカテゴリやタグで整理して公開する作りになっている。しかし掲載されている動画のほとんどは放送局や制作会社が公式に配信したものではなく、権利者に無断でアップロードされたものと指摘されている。

運営者と収益モデル[編集]

運営者・運営会社の名称は公表されておらず、運営者が公式見解を出したこともないとされる。解説記事ではサーバーがアメリカ合衆国(ミシガン州とする記事もある)にあると紹介されているが、これも外部からの推定にすぎない。

利用料を取らない代わりに、ページ上の広告やポップアップ広告で収益を得る「広告モデル」で運営されているとみられている。この手のサイトに出る広告は正規の広告ネットワークからは出稿されにくいため、出会い系・ギャンブル・怪しいアプリ誘導など質の低い広告が多くなりがちで、これが後述する利用リスクの温床になっている。

ドメインの変遷と不安定さ[編集]

9tsuは過去に複数のドメインを使い分けてきたとされ、名前の似たドメインが複数存在する。中には本家とは無関係の模倣サイトも混ざっているとされ、どれが「本物」なのか外部からは判別しにくい。

出版社団体のABJは、海賊版サイトがドメインを頻繁に変えて対策をすり抜ける手口を「ドメインホッピング」と呼んで問題視しており、9tsuもこの典型例とみなされることが多い。一時的な閉鎖・アクセス制限・復活を繰り返しており、「急に見られなくなった」という声が定期的に出るのもこのためである。

歴史[編集]

9tsuの開設時期や初期の経緯ははっきりしない。複数の解説記事が一致して伝えているのは、2020年初め頃に著作権関連の措置により悪質なサイトと判定され、数か月間閉鎖されたという点である。

その後サイトは復活したものの、掲載動画の数は大幅に減ったとされる。2023年時点でも閲覧できる状態だったとする記事があり、2024年12月時点では「バラエティ動画」と「ドラマ動画」の2系統に分かれ、主にバラエティ番組・テレビドラマ・映画が並ぶ構成になっていたと紹介されている。

その後もドメイン変更や閉鎖・再開を繰り返しているとされ、2026年10月時点でも安定して運営されているとは言いがたい。なお、9tsuの閉鎖や運営者の摘発について、日本の大手報道機関が報じた事実は確認できていない。

年表[編集]

時期 出来事
不明 サイト開設(時期・運営者とも不明)
2020年初め頃 悪質サイトと判定され、数か月閉鎖されたとされる
2020年以降 復活。ただし掲載本数は大幅に減少したとされる
2023年 閲覧可能な状態だったとする解説記事がある
2024年12月 バラエティ系・ドラマ系の2系統構成になっていたとされる
2026年10月時点 複数ドメイン・模倣サイトが混在し、状態は不安定とされる

日本の著作権法上の扱い[編集]

9tsuについて検索する人が最も気にするのが「違法なのか」「見るだけで捕まるのか」という点である。ここでは日本の著作権法の仕組みを、文化庁の公表資料に沿って整理する。

アップロードは明確に違法[編集]

権利者の許諾なくテレビ番組や映画を動画サイトに上げる行為は、公衆送信権(送信可能化権)の侵害にあたり、民事でも刑事でも責任を問われる。サイト運営者が自分で上げたか、ユーザーが上げたかにかかわらず、無断アップロードされた動画であることに変わりはない。

一部の解説記事には「誰でも投稿できる共有サイトなのでサイト自体は違法ではない」とする見解もあるが、実態として侵害動画が大半を占めるサイトであることは各記事が一致して指摘している。

ダウンロード違法化の流れ[編集]

映像・音楽については、違法にアップロードされたと知りながら私的使用目的でダウンロードする行為が2010年1月1日から違法となり、2012年10月1日からは有償で提供されている作品について刑事罰(2年以下の懲役または200万円以下の罰金、親告罪)の対象となった。

さらに2020年の著作権法改正により、2021年1月1日からはダウンロード規制の対象が音楽・映像から漫画・書籍・論文・プログラムなど著作物全般に拡大された。刑事罰は「正規版が有償で提供されている著作物を、反復・継続してダウンロードする」場合に限られる。なお刑法改正に伴い、2025年6月からは懲役・禁錮が「拘禁刑」に一本化されている。

施行日 内容
2010年1月1日 違法アップロードと知りながらの音楽・映像のダウンロードが違法に(罰則なし)
2012年10月1日 有償の音楽・映像の違法ダウンロードに刑事罰を導入
2020年10月1日 リーチサイト・リーチアプリ規制が施行
2021年1月1日 ダウンロード違法化の対象を著作物全般に拡大
2025年6月1日 刑法改正で懲役刑が拘禁刑に一本化

リーチサイト規制[編集]

2020年10月1日施行の改正で、侵害コンテンツへのリンクを集めて利用者を誘導する「リーチサイト」「リーチアプリ」も規制対象になった。運営・提供は5年以下の懲役等、侵害リンクの提供は3年以下の懲役等の刑事罰の対象(いずれも親告罪)となり、ストリーミング形式の侵害コンテンツへのリンクも対象に含まれる。

9tsuのような動画サイトの情報をまとめ、「新しいURLはこちら」などと誘導するページも、侵害リンクばかりを掲載していれば規制対象になりうる。一般的なSNSやブログは原則として想定されていないが、文化庁は侵害リンクばかりを載せている場合は対象になりうるとしている。

ストリーミング視聴の扱い[編集]

では「保存せずに見るだけ」はどうか。文化庁が2012年に公表したQ&Aでは、録音・録画を伴わないストリーミング視聴は違法でも刑罰の対象でもないとされ、再生時にブラウザが自動で作るキャッシュも違法ではないと説明されている。

つまり2026年10月時点の日本法では、視聴のみで刑事罰を受けることは想定されていないというのが一般的な理解である。一方で、条文の解釈によってはキャッシュも問題になりうると主張する識者もいたほか、解説記事の多くは「将来の法改正で扱いが変わる可能性は否定できない」と付け加えている。また、合法か違法かとは別に、後述するセキュリティ上のリスクは視聴だけでも発生する点には注意が必要である。

利用リスク[編集]

9tsuのような海賊版動画サイトについて、セキュリティ企業や解説メディアが共通して挙げるリスクは次のとおりである。

リスク 内容
不審広告・ポップアップ 再生ボタンや画面のどこかを押すと、別タブで広告サイトが開くとされる
偽のウイルス警告 「ウイルスに感染しました」などの偽警告を表示し、不要なアプリのインストールやサポート詐欺の電話に誘導する
マルウェア感染 不審なファイルやアプリ経由で、個人情報を抜き取るプログラムやスパム送信プログラムを入れられるおそれがある
フィッシング詐欺 懸賞当選や会員登録を装い、ID・パスワードやクレジットカード情報を入力させる
仮想通貨マイニング 閲覧者の端末に無断で仮想通貨の採掘をさせるコードが仕込まれている場合があるとされ、端末の発熱やバッテリー消耗の原因になる
模倣サイト 本家を装った偽サイトが存在し、より悪質な広告や詐欺に誘導されることがある

偽警告とサポート詐欺[編集]

とくに多いのが、ブラウザ上に突然「ウイルスに感染しています」「今すぐ対処してください」といった表示が出るパターンである。これは本物のセキュリティソフトの警告ではなく、広告経由で表示される偽画面であることがほとんどだ。

表示された電話番号にかけると遠隔操作ソフトを入れさせられ、サポート料名目で金銭をだまし取られる「サポート詐欺」の入り口にもなる。情報処理推進機構(IPA)などの公的機関も、この種の偽警告には従わずブラウザを閉じるよう繰り返し注意を呼びかけている。

個人情報と端末への影響[編集]

解説記事では、ZIPファイルなどに偽装した不審ファイルに、端末内の個人情報を外部に送信するプログラムが仕込まれているケースが指摘されている。スマートフォンの場合も、不審な構成プロファイルやアプリのインストールを促す画面が出ることがあるとされる。

また、海賊版サイトは運営者が不明で、閲覧者のデータがどのように扱われているかも分からない。こうした事情から、多くの解説記事は「9tsuは安全なサイトではない」と結論づけている。

類似サイトとの比較[編集]

日本のコンテンツを無断で掲載する海賊版サイトは9tsu以外にも数多く存在し、その一部は大規模な摘発につながっている。

名称 主な対象 特徴・その後
9tsu テレビドラマ・バラエティ・アニメ・映画 運営者不明。閉鎖・復活・ドメイン変更を繰り返しているとされる
B9GOOD アニメ・映画・ドラマ 日本語の海賊版サイトとして国内最大級で、アクセスの約95%が日本からだったとされる。2023年3月閉鎖、中国で運営者らに有罪判決
漫画村 漫画 2018年に社会問題化。運営者は2021年に有罪判決、2024年には出版3社への約17億円の賠償命令が確定
Anitube アニメ 日本のアニメを無断掲載していたとされる海賊版動画サイト
MissAV アダルト動画 アダルト作品を無断掲載しているとされる海賊版サイト
Dailymotion 総合 フランス発の正規の動画共有サービス。ただし日本の番組が無断で投稿されている例がある
Pandora.tv 総合 韓国発の動画共有サイト。日本の番組の無断アップロードが目立ったとされる

9tsuとB9GOODはいずれも「日本の映像作品をまとめて見られる日本語サイト」という点で似ているが、B9GOODが約15年にわたり約4万6千本もの作品を無断掲載していたのに対し、9tsuは2020年の閉鎖以降、規模が縮小したとされる。一方、DailymotionやYouTube、ニコニコ動画のような正規のプラットフォームでは、権利者の申し立てに応じて侵害動画が削除される仕組みがある点が大きく異なる。

海賊版対策の動向[編集]

被害の規模[編集]

経済産業省とコンテンツ海外流通促進機構(CODA)が2026年1月に公表した推計では、2025年の日本コンテンツのオンライン海賊版被害額は約5.7兆円で、2022年の約2.0兆円から約3倍に拡大した。内訳では映像が約0.9兆円から約2.3兆円へ増えている。

出版分野では、出版社などで構成する一般社団法人ABJが、2024年の「ただ読み」被害額を約6031億円と推計した。2025年7月時点で日本向けの海賊版サイトは217サイトにのぼり、日本からのアクセスが多い上位10サイトだけで月間約1億4千万アクセスがあったとされる。

CODAによる国際的な摘発[編集]

海賊版サイトの運営者は海外にいることが多く、CODAは各国の捜査当局と連携して刑事摘発を進めている。代表例がB9GOOD事件で、中国江蘇省の裁判所が2024年に主犯格の男性に懲役3年・執行猶予3年6か月・罰金180万元(約3800万円)を言い渡した。日本側の働きかけで海外の運営者やアップローダーが刑事罰を受けた初めての事例とされる。

ほかにも、2025年2月には中国河北省で日本アニメ約1800話を無断配信していた海賊版サイト・アプリ「ZzzFun」の運営者が逮捕された。2026年8月には、ベトナムで海賊版サイト・アプリ「Phim Nè」の運営者3人が刑事立件され、ベトナムで日本コンテンツの侵害が刑事事件化した初の事案とされている。

国内の民事・刑事[編集]

国内では、漫画村の運営者が2021年6月に福岡地裁で懲役3年・罰金1000万円・追徴金約6257万円の判決を受けた。民事でもKADOKAWA・集英社・小学館の3社が訴え、2024年に約17億3664万円の損害賠償を命じる判決が確定している。

2025年11月には東京地裁が、海賊版漫画サイトにCDNサービスを提供し続けたとして米Cloudflareに対し、講談社・集英社・小学館・KADOKAWAの4社へ計約5億円の賠償を命じた。サイトそのものだけでなく、配信を支えるインフラ事業者の責任まで問われた点で注目を集めた。さらに2026年4月には、映画・アニメの内容を丸ごと文字起こしした「ネタバレサイト」の運営者が東京地裁で有罪判決を受けている。

合法代替サービス[編集]

9tsuで見られていたとされるドラマ・バラエティ・アニメの多くは、正規の配信サービスで視聴できる。主なサービスの特徴は次のとおり(2026年10月時点の一般的な特徴。料金・配信作品は変動するため各公式サイトで要確認)。

サービス 主な運営 料金形態 特徴
TVer 在京民放キー局など 無料(広告付き) 民放のドラマ・バラエティの見逃し配信が中心。リアルタイム配信もある
ABEMA サイバーエージェント・テレビ朝日 無料+有料プラン ニュース・アニメ・オリジナル番組。無料で見られる番組も多い
U-NEXT U-NEXT 月額制 映画・ドラマ・アニメの見放題作品数が多い。電子書籍も扱う
Netflix Netflix 月額制 オリジナル作品が強み。日本のドラマ・アニメも多数
NHKプラス(NHK ONE) NHK 受信契約者は追加負担なし 2025年10月からNHK ONEに移行。同時配信・見逃し配信に対応
Hulu HJホールディングス(日本テレビ系) 月額制 日テレ系ドラマ・バラエティや海外ドラマに強い
FOD フジテレビ 一部無料+月額制 フジテレビのドラマ・バラエティの見逃し・過去作
dアニメストア NTTドコモ 月額制 アニメ特化型。新作アニメの配信数が多い

放送直後の番組を無料で見たいならTVerやABEMAの無料枠、過去作をまとめて見たいならサブスクリプション型の見放題サービス、と使い分けるのが一般的である。正規サービスの利用料は制作者や出演者への対価として還元される点も、海賊版サイトとの決定的な違いである。

余談[編集]

  • サイト名の由来や読み方について、運営者側からの説明は確認されていない。「きゅうつー」「ナインツー」など読み方は人によってまちまちである。
  • 9tsuを解説する記事の多くは、動画ダウンロードソフトや配信サービスの販売・紹介を目的としたブログであり、「違法サイト自体は違法ではない」「視聴は合法」など記事ごとに見解の温度差がある点には注意が必要とされる。
  • 「9tsuの新しいURL」などとうたうページは、それ自体がフィッシングや不審広告への誘導ページである場合があるとされる。
  • ABJによれば、近年の日本向け海賊版サイトはベトナムに運営者がいるとみられるものが目立ち、インドネシア系のサイトも登場しているという。
  • CODAの2025年調査では、ベトナムで映像の海賊版を利用した経験がある人は74.2%にのぼったとされ、海賊版対策が国境をまたぐ「いたちごっこ」になっていることがうかがえる。

外部リンク[編集]

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