概要[編集]
2026年アジアパラ競技大会とは、愛知県と名古屋市を中心に2026年10月18日から24日まで開催される予定の、アジア地域の障がい者総合スポーツ大会である。正式名称は「第5回アジアパラ競技大会(2026/愛知・名古屋)」、通称は「愛知・名古屋アジアパラ」。アジアパラ競技大会が日本で開かれるのは今回が初めてで、直前に行われた2026年アジア競技大会と同じ組織委員会が運営する。
詳細[編集]
主催はアジアパラリンピック委員会(APC)、運営は愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会組織委員会(AINAGOC)。会期は10月18日(日)の開会式から10月24日(土)の閉会式までの7日間で、一部の競技は開会式前の16日から始まる予定とされる。
実施されるのは18競技。種目数は、日本パラリンピック委員会(JPC)の資料では2026年7月時点で502種目となっている(海外の資料では508種目とする数字もある)。参加は45の国と地域が見込まれ、組織委員会は選手3,600〜4,000人規模と想定している。大会スローガンは「IMAGINE ONE HEART-こころを、ひとつに。」。
いつ開催?どこで見られる?[編集]
「アジアパラ いつ」という疑問への答えは、2026年10月18日〜24日(予定)。会場は名古屋市内を中心に愛知県内の各市と、自転車競技のみ静岡県伊豆市の計19会場に分かれている。開会式・閉会式はどちらも名古屋市瑞穂公園陸上競技場(パロマ瑞穂スタジアム)で18時から行われる予定。
前回大会との違い[編集]
前回の杭州大会(22競技)からは競技数が減り、チェス、囲碁、カヌー、ローンボウルズ、ローイングが外れた。18競技はすべてパラリンピックの実施競技で、国際パラリンピック委員会はアジアパラとしては初めてのことだと伝えている。
実施競技と会場[編集]
18競技と主な会場は以下の通り(組織委員会公表の会場計画に基づく)。
- パラ陸上競技:名古屋市瑞穂公園陸上競技場(名古屋市)
- パラ水泳:名古屋市総合体育館レインボープール(名古屋市)
- ボッチャ:名古屋市総合体育館レインボーホール(名古屋市)
- 車いすバスケットボール:愛知国際アリーナ(名古屋市。ネーミングライツ名称はIGアリーナ)
- 車いすテニス:名古屋市東山公園テニスセンター(名古屋市)
- パラ柔道:愛知県武道館(名古屋市)
- パラテコンドー:名古屋市瑞穂公園体育館(名古屋市)
- パラパワーリフティング:名古屋市中小企業振興会館(名古屋市)
- 車いすフェンシング:名古屋市稲永スポーツセンター(名古屋市)
- ブラインドフットボール:名古屋市鶴舞公園多目的グラウンド(テラスポ鶴舞、名古屋市)
- パラアーチェリー:岡崎中央総合公園多目的広場(岡崎市)
- 座位バレーボール:岡崎中央総合公園総合体育館(岡崎市)
- パラバドミントン:一宮市総合体育館(一宮市)
- ゴールボール:豊橋市総合体育館(豊橋市)
- パラ射撃:愛知県総合射撃場(豊田市)
- パラ卓球:スカイホール豊田(豊田市)
- 車いすラグビー:ウィングアリーナ刈谷(刈谷市)
- パラ自転車競技:トラックは伊豆ベロドローム、ロードはサイクルスポーツセンター5キロサーキット(静岡県伊豆市)
名古屋市内に10会場が集まり、観客用の駐車場は用意されないため、来場は公共交通機関が前提。市外の会場へは主要駅から無料シャトルバスが運行される予定とされる。
マスコット・エンブレム[編集]
ウズミン[編集]
公式マスコットは「ウズミン(UZUMIN)」。デザインは2024年9月18日に発表され、APCによると185件の応募から選ばれた。愛知の水系や湾、ものづくり文化をモチーフに、大会エンブレムの曲線を生かした渦巻き模様を取り入れている。
名前は2024年10月12日に決まった。「渦(うず)」と「泉(いずみ)」を組み合わせたもので、組織委員会は「パラアスリートたちの熱い想いが『渦』となって愛知・名古屋に集まり、そこで生まれた感動が『泉』のように湧き上がって、アジア中に広がっていく大会となってほしい」と由来を説明している。
アジア競技大会のマスコット「ホノホン」が"炎"と名古屋城の金シャチをモチーフにしているのに対し、ウズミンは"水"をテーマにしたペアになっている。
エンブレム[編集]
エンブレムは2023年12月25日に発表された。アジア競技大会のロゴを思わせる形を取り入れつつ、パラ大会として独自性を持たせたデザインになっている。
2026年アジア競技大会との関係[編集]
アジア競技大会の開催国がその後にアジアパラも開く流れは、2010年の広州大会から続いている。愛知・名古屋は2016年9月にアジア競技大会の開催地に決まり、APCは2022年3月にアジアパラの開催地としても発表した。
第20回アジア競技大会は2026年9月19日〜10月4日に開催され、アジアパラはその約2週間後に続く日程。組織委員会や会場の多くを共用しており、スローガンもアジア大会の「IMAGINE ONE ASIA」に対し、アジアパラは「IMAGINE ONE HEART」と対になっている。名古屋・栄の久屋大通公園には、アジアパラ期間中にファンゾーン「ONE HEART WORLD」が設けられる予定で、パリ2024の「チャンピオンズパーク」を参考にしたとされる。
日本代表選手団[編集]
JPCは2026年7月28日、第1次の日本代表選手団を発表した。選手238人、競技パートナー14人、競技団体スタッフ111人、本部役員11人の計374人という大所帯になっている。
注目選手[編集]
パラリンピックのメダリストが数多く代表入りしている。
- 車いすテニス:上地結衣(パリ2024で女子シングルスとダブルスの金メダル、生涯ゴールデンスラムを達成)、小田凱人(パリ2024男子シングルス金メダル)。ダブルスでパリ金の田中愛美、同銀の三木拓也の内定も報じられた。
- パラ水泳:木村敬一(東京2020・パリ2024金メダリスト)、鈴木孝幸(北京2008から金メダルを重ねるベテラン)、山口尚秀(東京2020金メダリスト)。
- パラ陸上:佐藤友祈(東京2020で2冠)、伊藤智也(北京2008で2冠、パリ2024銅)、唐澤剣也(東京2020・パリ2024で銀)。
- 車いすラグビー:パリ2024で金メダルを取ったメンバーの橋本勝也、草場龍治ら。
- 車いすバスケットボール:東京2020銀メダルメンバーの鳥海連志、赤石竜我ら。
- ボッチャ:廣瀬隆喜、遠藤裕美らパリ2024の銅メダリスト。
過去大会と日本の成績[編集]
アジアパラ競技大会は、1975年に始まった「フェスピック(極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会)」を2010年に引き継ぐ形で生まれた。
| 回 | 年 | 開催地 | 参加国・地域 | 競技数 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 2010 | 広州(中国) | 41 | 19 |
| 2 | 2014 | 仁川(韓国) | 41 | 23 |
| 3 | 2018 | ジャカルタ(インドネシア) | 43 | 22 |
| 4 | 2023 | 杭州(中国) | 44 | 22 |
| 5 | 2026 | 愛知・名古屋(日本) | 45(予定) | 18 |
杭州大会での日本[編集]
第4回杭州大会は本来2022年に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で2023年10月22日〜28日に延期された。日本は259人の選手を送り、金42・銀49・銅59の計150個のメダルを獲得。金メダル数では中国(金214)、イラン(金44)に次ぐ3位だったが、メダル総数は中国に次ぐ2位だった。最も多くメダルを取ったのは競泳で56個。開会式の旗手は座位バレーボールの波多美香が務めた。車いすテニスの小田凱人と上地結衣は、この大会でパリ2024パラリンピックの出場枠を手にしている。
チケット[編集]
チケットの一般販売は2026年6月30日17時に先着順で始まった。購入には無料の「応援ID」の登録が必要だが、自由席はIDなしでも買える。競技観戦は1,000円〜3,500円、開閉会式は3,500円〜30,000円の価格帯で、障がい者料金、子ども料金、車いす席なども用意されている。車いす席は、車いすを使う本人と同伴者が同時に入退場するルールになっている。開閉会式は来場者情報の事前登録と写真付き身分証による本人確認が必要。
組織委員会によると、2026年3月31日時点のチケット販売数はアジア大会が約30.7万枚、アジアパラが約7.6万枚で、合わせて38万枚を超えていた。
海外の反応[編集]
APCのマジッド・ラシェド会長は、競技プログラムの発表時に「大規模な総合競技大会の環境で、選手が自分の成長を本当に試せる場になる」とコメントした。マスコット発表時には「185件の応募から絞り込まれたことが、すでに関心の高さを示している」と話している。
国際パラリンピック委員会のサイトなど海外メディアでは、全競技をパラリンピック競技でそろえた点を大会の特徴として伝えている。その一方で、杭州大会にあったチェスや囲碁などが外れたため、競技数は前回の22から18に減った。
インドは杭州大会に続いての参加で、東京2020・パリ2024の射撃金メダリスト、アバニ・レカラらの出場が報じられている。杭州大会で2位だったイラン、4位だった韓国なども参加を予定している。
余談[編集]
- 「アジアパラとしては日本初」だが、前身のフェスピックはすでに日本で2回開かれている。第1回(1975年)は大分市・別府市、第5回(1989年)は神戸市が会場だった。
- 車いすバスケットボールの会場になる愛知国際アリーナは、2025年7月13日に名城公園に開業した新アリーナ。ネーミングライツで「IGアリーナ」と呼ばれ、最大約1万7,000人を収容する。
- 開閉会式とパラ陸上の会場になる瑞穂の陸上競技場は、アジア大会に向けて建て替えられ、2026年春に供用が始まったばかり。ネーミングライツ名は「パロマ瑞穂スタジアム」で、全席屋根付きの約3万席とされる。
- 自転車競技だけは愛知県外の静岡県伊豆市で行われる。伊豆ベロドロームは、東京2020パラリンピックでもトラック競技の会場になった施設。
- 杭州大会は約5年ぶりの開催だったが、今回の愛知・名古屋で4年に1度のサイクルに戻る。
- アジア大会の「ホノホン」は「火の穂(ほのほ)」から名付けられた。アジア大会の"火"とアジアパラの"水"で、2体のマスコットは対になるよう作られている。