概要[編集]
北海道とは、日本の最北に位置する島であり、同時に日本で唯一「道」を名乗る都道府県である。面積は約7万8千平方キロメートルで全国の約2割を占める一方、人口密度は全国最低であり、「広さと人の少なさ」がそのまま地域の課題と魅力の両方になっている。
詳細[編集]
広さと人口[編集]
北海道の面積は約78,417平方キロメートル(北方領土を除く)。東京都の35倍以上にあたり、道内を移動するだけで数百キロメートルという距離感になる。
人口は2020年の国勢調査で5,224,614人。その後も減少が続き、2026年4月時点の住民基本台帳ベースでは約497万人となっている。人口密度は67人/平方キロメートル程度で、全国平均(約338人)のおよそ5分の1、47都道府県で最も低い。
札幌一極集中[編集]
道内人口のおよそ4割が札幌市とその周辺に集中している。行政・経済・大学・メディアの機能が札幌に集まり、地方の市町村からは若年層が流出し続ける——という構図が数十年続いている。
これは東京都への一極集中と同じ現象が、道という単位の中で縮小再生産されている状態といえる。札幌への集中を「北海道の競争力を保つために必要な集約」と見る立場と、「道内の地域差をさらに広げる」と見る立場があり、評価は一つに定まっていない。
明治以降に作られた土地[編集]
北海道が現在の名称になったのは1869年(明治2年)である。それ以前は蝦夷地と呼ばれ、日本の統治が及ぶ範囲は南部の一部に限られていた。明治政府は開拓使を置き、屯田兵と本州各地からの移住者によって短期間で開拓を進めた。
このため、北海道の市町村には出身地に由来する地名や、アイヌ語に由来する地名が混在している。札幌、稚内、知床、登別など、日本語として意味の取りにくい地名の多くはアイヌ語由来である。開拓の歴史は同時にアイヌ民族の土地と生活が失われた過程でもあり、2019年のアイヌ施策推進法で先住民族として法的に位置づけられた経緯を含め、現在も向き合いが続いている主題である。
産業[編集]
農業・漁業・林業の一次産業の規模が大きく、日本の食料自給率を支える位置にある。じゃがいも、小麦、てん菜、生乳、水産物のいずれも全国有数の産出量を持つ。
観光も主要産業で、冬はスキーとさっぽろ雪まつり、夏は涼しさと広大な景観を売りにする。ニセコ地域はオーストラリアやアジアからの投資と客を集め、国際的なスキーリゾートとして知られるようになった。ただし、そのために不動産価格が地元の生活水準から乖離しているという指摘もあり、観光による地域振興の評価は単純ではない。
エンタメと北海道[編集]
音楽では函館出身のメンバーを擁するGLAY、北海道出身の吉田美和を擁するDREAMS COME TRUEが全国区の存在。プロ野球では北海道日本ハムファイターズが2004年に本拠地を移転し、北広島市のエスコンフィールドへの移転を経て、道民球団としての位置を確立した。
漫画では明治期の北海道を舞台にしたゴールデンカムイが、アイヌ文化の描写を含めて国内外で大きな評価を得た。北海道を舞台にした作品が、観光の入口として機能する例は多い。
また、ローカルバラエティの制作が盛んな土地としても知られ、道内発の深夜番組が全国へ波及するという経路がたびたび生まれている。
全国とのつながり[編集]
東京都・愛知県・大阪府といった人口稠密な地域と比べると、北海道は「行く場所」として消費されやすい。冬の観光では韓国をはじめとするアジア圏からの旅行者が大きな比率を占め、映画やドラマのロケ地としても道内各地が繰り返し使われてきた。Netflixなどの配信作品で北海道の風景が世界に流れ、それが翌シーズンの来訪につながる、という循環も生まれている。
進学面では、道内の国立大学・私立大学に道外からの学生が集まる一方、卒業後に本州へ出る流れも強い。人が来る土地でありながら定着しにくい、というのが北海道の人口問題の核心である。