哲仁王后
철인왕후 / Mr. Queen
ジャンル フュージョン時代劇・コメディ
放送期間 2020年12月12日 - 2021年2月14日
放送時間 土・日 21:00(韓国時間)
話数 全20話
放送国家 韓国
言語 韓国語
放送局 tvN
配信 Netflix、Amazon Prime Video ほか
平均視聴率 12.6%(ニールセンコリア・全国)
制作
企画 スタジオドラゴン
演出 ユン・ソンシク、チャン・ヤンホ
制作 YGスタジオプレックス、クレイブワークス
脚本 パク・ゲオク、チェ・アイル
出演者 シン・ヘソン、キム・ジョンヒョン、ペ・ジョンオク、キム・テウ、ソル・イナ、ナ・イヌ、チェ・ジニョク(特別出演)
その他
原作 中国のウェブドラマ『太子妃升職記』(日本題『太子妃 狂想曲〈ラプソディ〉』)
関連番組 『哲仁王后:竹林』(スピンオフ、TVING)
オープニング曲 Howl「Mr Queen」

概要[編集]

哲仁王后〜俺がクイーン!?〜(てつじんおうごう/チョルインワンフ、原題:철인왕후)とは、2020年12月12日から2021年2月14日まで韓国のtvNで放送された全20話のフュージョン時代劇コメディである。現代の大統領府で料理長を務める男性の魂が、朝鮮王朝第25代国王・哲宗の王妃キム・ソヨンの体に入り込むという設定で、シン・ヘソンとキム・ジョンヒョンが主演した。最終話でニールセンコリア全国17.4%を記録し、日本でもNetflixなどで配信されている。

詳細[編集]

企画・制作[編集]

演出は『最高です!スンシンちゃん』『カクシタル』などKBSのドラマを手がけたユン・ソンシクで、チャン・ヤンホが共同演出を務めた。脚本は『ドクター・プリズナー』のパク・ゲオクと、映画の脚本を手がけてきたチェ・アイルの共同執筆である。制作はYGスタジオプレックスとクレイブワークス、企画はスタジオドラゴンが担当した。放送枠はtvNの土日ドラマ(午後9時)で、各話はおおむね70〜90分である。

原作との関係[編集]

原作は2015年に中国で配信されたウェブドラマ『太子妃升職記』(日本では『太子妃 狂想曲〈ラプソディ〉』のタイトルで紹介)で、そのもとになったのは作家・鮮橙のウェブ小説である。原作は架空の王朝を舞台に、現代のプレイボーイが皇太子妃の体に入り込む物語であった。本作は「現代の男性の魂が宮中の女性の体に入る」という導入部分を受け継ぎつつ、舞台を実在の朝鮮王朝・哲宗の時代に移し、主人公を大統領府の料理長に設定して宮中料理を物語の軸に加えた。脚本家側は、原作と似ているのは序盤の設定程度で、以降の展開は大きく異なると説明している。

キャスティング[編集]

主人公キム・ソヨンは、外見は名家の令嬢でありながら中身は現代の男性という役どころで、シン・ヘソンが仕草や口調を男性的に演じ分けた。哲宗役のキム・ジョンヒョンは、表向きは無気力な王を演じながら裏では権力奪還を狙う二面性のある人物を演じた。現代のチャン・ボンファン役にはチェ・ジニョクが特別出演した。キム・ジョンヒョンとソル・イナは『学校2017』で共演しており、シン・ヘソンとペ・ジョンオクは映画『潔白』以来の再共演となった。

撮影[編集]

2020年10月に初の台本読み合わせが行われ、同年11月16日にスチール写真が公開された。撮影中の11月24日、助演俳優の一人が新型コロナウイルス検査で陽性となったため撮影が一時中断されたが、放送は12月12日に開始された。

スピンオフ[編集]

本編の最終2話の放送に合わせ、2021年2月13日・14日にOTTサービスTVINGでスピンオフ『哲仁王后:竹林』(全6話)が公開された。本編では描き切れなかった哲宗とソヨンの関係の初期を中心に描いている。

あらすじ[編集]

大統領府の料理長チャン・ボンファンは、腕は確かだが自信過剰で女好きの男。ある日、身に覚えのない不正の疑いをかけられて逃走中、ベランダからプールへ転落して意識を失う。目を覚ますと、そこは1851年の朝鮮王朝の宮中で、自分の体は、婚礼を控えて池に身を投げた名門キム家の娘キム・ソヨンになっていた。

王妃となったソヨン(中身はボンファン)は、現代へ戻る方法を探しながらも、男としての本音と現代の料理の知識を武器に宮中生活を切り抜けていく。夫の哲宗は、大王大妃とその弟キム・ジャグンら安東金氏一族に実権を握られた「操り人形の王」と見られていたが、実は有能な人物で、ひそかに権力を取り戻す機会をうかがっていた。互いに秘密を抱えた2人は、衝突を繰り返しながら次第に信頼を深め、宮廷の権力争いに共に立ち向かっていく。

物語の後半では、哲宗の初恋の相手であるチョ・ファジンの思惑や、ソヨンの従兄キム・ビョンインの想い、キム・ジャグンの陰謀が絡み合い、王位と王妃の身を揺るがす事件が続く。最終盤ではボンファンの魂と現代とのつながりにも決着がつき、ソヨンと哲宗の関係がどう結ばれるかが描かれる。

登場人物[編集]

  • キム・ソヨン(シン・ヘソン):名門キム家の娘で哲宗の王妃。王妃になることを夢見て入宮するが冷遇され池に身を投げ、そこへ現代の男性チャン・ボンファンの魂が入り込む。
  • 哲宗(チョルジョン)/イ・ウォンボム(キム・ジョンヒョン):朝鮮王朝第25代国王。大王大妃と大臣たちの言いなりの王を装っているが、実際は民を第一に考え、腐敗した権力者を倒す機会をうかがっている。
  • チャン・ボンファン(チェ・ジニョク、特別出演):若くして大統領府の料理長になった自信家のプレイボーイ。事故をきっかけに朝鮮時代の王妃の体の中で目覚める。
  • 純元王后(大王大妃)(ペ・ジョンオク):哲宗の後見として朝廷を動かす大王大妃。若さと美容への執着が強く、弟キム・ジャグンと組んで権力を維持しようとする。
  • キム・ジャグン(キム・テウ):大王大妃の弟で、安東金氏の実力者。朝廷の実権を握り、哲宗と対立する。
  • キム・ビョンイン(ナ・イヌ):キム・ジャグンの養子でソヨンの従兄。ソヨンに想いを寄せ、哲宗に嫉妬しながらも、やがて彼女を守るために動く。
  • チョ・ファジン(ソル・イナ):哲宗の初恋の相手で、後宮の一人(趙貴人)。穏やかに見えて内に野心を秘める。
  • 大妃 チョ氏(チョ・ヨニ):故・孝明世子の妃で、大王大妃と対立する立場の大妃。
  • チェ尚宮(チャ・チョンファ):王妃付きの尚宮。ソヨンの奇行に振り回されながらも忠実に仕える。
  • マンボク(キム・イングォン):宮中の料理を取り仕切る料理人。当初は王妃と反目する。
  • ホン別監(イ・ジェウォン):江華島時代からの哲宗の友人。
  • キム・ファン(ユ・ヨンジェ):ホン別監の友人の若者で、ソヨンの侍女ホンヨン(チェ・ソウン)に惹かれる。
  • 永平君(ユ・ミンギュ):哲宗の異母兄弟で、王の護衛を務める。

放送・配信[編集]

韓国では2020年12月12日から2021年2月14日まで、tvNで毎週土・日曜の午後9時に放送された。放送終了後はTVINGなどで配信されていたが、2021年3月、同じ脚本家が参加したSBSのドラマ『朝鮮駆魔師』が歴史歪曲批判を受けて2話で打ち切られたことを受け、NAVER TV・TVING・YouTubeでの再視聴サービスと関連クリップが一時取り下げられた。約9か月後の2021年12月、NAVERシリーズオン、カカオページ、TVINGでの配信とtvNのYouTubeでのクリップ公開が再開された。

国際配信は2021年11月にAmazon Prime Videoで始まり、2023年2月15日からはNetflixでも配信されている。

日本では『哲仁王后〜俺がクイーン!?〜』(表記により『哲仁王后(チョルインワンフ)〜俺がクイーン!?〜』)のタイトルで展開され、地上波ではテレビ東京の「韓流プレミア」枠で『哲仁王后』として2022年9月9日から10月21日まで平日朝に放送された。その後もBSテレ東の「韓ドラ☆」枠(2023年5月放送終了)、テレビ東京の「韓流朝ドラ6」枠(2025年6月放送終了)で再放送されている。2026年時点では、Netflix、Amazon Prime Video、FOD、Apple TVなどの定額制サービスで視聴できる。続編(シーズン2)の制作は発表されていない。

評価・反響[編集]

視聴率[編集]

ニールセンコリアの調査によると、第1話の視聴率は全国8.0%(首都圏8.7%)で、回を追うごとに上昇した。最終第20話(2021年2月14日)では全国17.4%、首都圏18.6%を記録し、全話の平均は全国12.6%、首都圏13.5%であった。全20話を通じて同時間帯1位を維持した。

歴史描写をめぐる論争[編集]

放送序盤には、歴史描写をめぐって批判が起きた。主に問題とされたのは、第2話で主人公が国宝である朝鮮王朝実録を「ただのチラシ(三流情報紙)」と評する台詞、宗廟祭礼楽を茶化す演出、実在の人物である神貞王后(大妃チョ氏)を迷信にすがる人物として描いた点である。これに関連して、韓国の放送通信審議委員会には700件前後の苦情が寄せられたと報じられた。また、原作小説の作者が別の作品で韓国を蔑む表現を用いていたことも指摘され、批判が広がった。

制作側は謝罪し、原作者の過去の発言は把握していなかったと説明したうえで、問題とされたナレーションを再放送・配信版から削除した。神貞王后の出身氏族である豊壌趙氏の宗親会からの抗議を受けて、劇中の家門名を架空の「豊安趙氏」に、王妃の家門を「安城金氏」に変更する対応も取られた。

受賞・ノミネート[編集]

  • 第57回百想芸術大賞(2021年):テレビ部門 女性最優秀演技賞ノミネート(シン・ヘソン)
  • 第57回百想芸術大賞(2021年):テレビ部門 女性助演賞ノミネート(チャ・チョンファ)

海外での反響[編集]

2023年2月にNetflixで配信が始まると、配信初週の視聴時間は約2090万時間となり、グローバル週間ランキングで5位に入った。アフリカ、アジア、南北アメリカの33か国でNetflixのテレビ部門トップ10入りしている。

余談[編集]

  • オリジナル・サウンドトラックには、ノラジョ「ボンファンア」、チャン・ハンビョル「Like A Star」、ウルバン・ザカパのチョ・ヒョナ「Here I Am」、EXOのシウミン「To My One and Only You」などが参加し、主演のキム・ジョンヒョンも「初雪のように」を歌っている。
  • 演出のユン・ソンシクと大臣キム・ビョンハク役のソン・ミンヒョンは、KBSの『最高です!スンシンちゃん』『カクシタル』に続く顔合わせとなった。
  • シン・ヘソンはペ・ジョンオク、キム・イングォン、イ・ジェウォンとも過去作で共演しており、本作で再共演を果たした。
  • 現代の料理人が朝鮮時代の王宮に入り込む設定の韓国ドラマには、ほかに『暴君のシェフ』(2025年)がある。
  • 主演のシン・ヘソンは本作の後、『サムダルリへようこそ』などに出演している。

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