ベタ惚れの婚約者が悪役令嬢にされそうなので。

3時間前に更新👥 2人が編集ナオモイで話す
この記事はだれでも書き足せます。ログイン不要・1行でもOKはじめ方 ›
ベタ惚れの婚約者が悪役令嬢にされそうなので。
作画 おやまだみむ
ジャンル 恋愛、ファンタジー
出版社 マッグガーデン
配信 ニコニコ漫画(マグコミ異世界出張所)
連載期間 2021年5月24日 -
原作 杓子ねこ(小説家になろう


概要[編集]

ベタ惚れの婚約者が悪役令嬢にされそうなので。とは、杓子ねこの小説を原作に、おやまだみむが作画を担当する漫画作品である。2021年5月24日からマッグガーデンの配信媒体で連載されている。悪役令嬢ものでありながら、語り手を令嬢ではなく、その婚約者である王子に置いた点に特色がある。

詳細[編集]

どういう話か[編集]

王国では、王宮を舞台にした恋愛小説「乙星」が大流行している。その小説では、公爵令嬢エリザベスが悪役として登場し、破滅する筋書きになっている。エリザベスの婚約者である王子ヴィンセントは、彼女に一途な想いを寄せており、この流行小説を迷惑きわまりないものとして受け止める。そして小説の通りに事を運ばせようとする勢力の動きに立ち向かっていく。

2026年9月時点で第49話まで配信が続いており、累計再生数は150万回を超えている。

語り手を男性側に置いたことで何が変わるか[編集]

悪役令嬢ものの基本形は、令嬢本人が自分の破滅を知っているところから始まる。知っているのに立場上どうにもならない、という緊張が物語を進める。

本作は、知っているのが婚約者の側である。ここで構造がひとつ入れ替わる。令嬢が主人公なら、自分の身を守る行動はそのまま利己的にも見えるし、周囲を説得するのも自分の弁明になってしまう。守る側が主人公なら、その行動は最初から他人のためであり、説得する相手も守る対象もすべて自分の外側にある。

結果として、本作の焦点は「どう身を守るか」ではなく「どう周囲を動かすか」に寄る。王子という立場は、この目的にとって都合がよい。権力があるので手を打てるが、権力があるがゆえに露骨に動けば政治問題になる。動けるのに動き方を選ばなければならない、という制約が、物語を単なる無双にしない仕掛けとして働いている。

劇中の小説という装置[編集]

本作で筋書きを与えているのは、前世の記憶でも予知でもなく、その世界の中で実際に出版され、実際に読まれている一冊の小説である。

この置き方には利点がある。第一に、筋書きを知っているのが主人公一人ではなくなる。流行小説なのだから、周囲の人間も読んでいる。「誰が何を知っているか」が人物ごとに違う状態が自然に成立する。第二に、小説の通りに事が運ぶとしたら、それは運命だからではなく、読んだ誰かがその通りに動こうとするからである。つまり本作の敵は運命ではなく、物語を現実にしたい人間になる。

転生ものが「前世で読んだ小説」を筋書きの出所にすることが多いのに対し、本作は同じ機能を世界の内側で完結させている。読者から見れば構造はほとんど同じだが、作中人物にとっての意味はまったく異なる。

「悪役令嬢にされそう」という題名[編集]

題名が示しているのは、エリザベスが悪役令嬢である、という状態ではない。悪役令嬢という役に「される」途中である、という進行形である。

ここに本作の主題がそのまま出ている。悪役という位置は本人の性質から出てくるものではなく、周囲がそう扱うことで成立する。だから対抗手段も、本人が善良さを証明することではなく、扱いの側を変えることになる。公爵様、悪妻の私はもう放っておいてくださいが「役割から降りる」ことを選んだのに対し、本作は「役割を割り当てさせない」ことを選んでおり、同じ問題に対する解き方が正反対の向きを向いている。

余談[編集]

原作は小説家になろうに投稿された作品で、カクヨム発の作品と並んで、投稿サイト発の悪役令嬢ものがマッグガーデンのような中堅の版元に厚く抱えられている状況を示す一例でもある。刊行前に読者の反応が数字として見えている作品は、企画の失敗率が下がる。

配信先であるニコニコ漫画は、各話にコメントが重ねて表示される仕組みを持つ。筋書きが劇中の小説として明示されている本作では、読者が「小説の通りに進むかどうか」を毎話その場で言い合うことになり、作品の構造とコメント機能がかみ合っている珍しい例になっている。

読まれ方の面では、本作はスマートフォンで一話ずつ読む形式を前提としている。紙の単行本より先に電子書籍や配信で読まれることが多く、ピッコマLINEマンガが広めた話売りの習慣がそのまま適用されている。感想がSNSで共有され、次の話までの期間に議論が続くという読み方も含めて、インターネット上の連載に最適化された作品である。

💬 みんなの声

この記事を読んだ人が、ひとことつぶやく場所です。