公爵様、悪妻の私はもう放っておいてください

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公爵様、悪妻の私はもう放っておいてください
作画 桜乃みか
ジャンル ファンタジー、恋愛、転生
出版社 一迅社
配信 ゼロサムオンライン、ピッコマほか
原作 琴子(小説家になろう
メディアミックス コミカライズ
その他 掲載誌:コミックZERO-SUM
リンク ゼロサムオンライン


概要[編集]

公爵様、悪妻の私はもう放っておいてくださいとは、琴子による日本の小説作品を原作とし、桜乃みかが作画を担当する漫画である。かつて読んだ小説の「悪妻」役に転生した女性が、原作どおりの破滅を避けるため夫との円満な離婚を目指す物語。一迅社のコミックZERO-SUMおよびウェブサイト「ゼロサムオンライン」で連載されている。

詳細[編集]

「降りる」ことを目標にした物語[編集]

主人公は、ある日目覚めると自分が昔読んだ小説の登場人物イルゼになっていることに気づく。イルゼは主人公格の男性ギルバートに執着し、正規のヒロインとの仲を妨害する役回りで、原作小説では悲惨な末路をたどることが決まっている。転生した本人はその筋書きを知っているので、取るべき行動も分かっている──つまり、この役から降りればよい。

ここで本作が選ぶ手段は「円満離婚」である。復讐でも逆転でもなく、関係そのものを穏当に解消することが目標に置かれる。物語の目的が「何かを手に入れる」ではなく「何かから抜ける」方向を向いている点で、この作品は同じ棚の多数派とはっきり違う。

破滅回避ものの構造[編集]

この型の作品が量産される理由は、物語の設計として効率がよいからである。順を追うとこうなる。読者は主人公と同じく結末を知っている→何が起きるかではなく、それをどう外すかに関心が移る→緊張の源が「先が読めないこと」ではなく「読めているのに避けられないかもしれないこと」になる→章ごとの小さな回避行動がそのまま見せ場として機能する。

さらに、この構造は連載形式との相性がよい。1話ごとに「原作の筋書きに一歩近づいた/一歩遠ざかった」という判定がつくため、話売りや縦読みで毎日少しずつ読む形でも達成感が途切れない。ピッコマLINEマンガといった配信の主戦場でこの型が優勢なのは、作品の質とは別に、読まれ方への適合が効いている。

「悪役」という記号の独立[編集]

物語の中心にある「悪役令嬢」「悪妻」といった役柄は、もともと乙女ゲームの用語として使われていたものが、投稿サイトを経て一般化した経緯を持つ。現在では原作となるゲームが実在しなくても成立する記号になっており、本作のように「昔読んだ小説」という設定でも読者はすぐ了解できる。

異世界転生の一形態として整理されることもあるが、本作は世界を移動するのではなく作品内の役柄に入り込む形なので、転生の対象が「別世界」ではなく「物語」である点が固有の特徴になる。ジャンルの成立が特定の一作ではなく、特定の場面の型(婚約破棄の宣告、破滅の予告、役柄からの離脱)によって進んだことを示す例といえる。同じ型を扱いながら、怠惰な悪役貴族の俺に、婚約破棄された悪役令嬢が嫁いだら最凶の夫婦になりましたが「悪役という評価を訂正せず放置する」方向を取るのに対し、本作は「悪役という配置そのものから抜ける」方向を取っており、同一の素材から出てくる解が作品ごとに分かれている。

掲載媒体[編集]

掲載誌のコミックZERO-SUMは一迅社の月刊誌で、女性読者を主対象としながらファンタジー色の強い作品を多く扱う。ウェブ版の「ゼロサムオンライン」と連載版(話売り)が並行して展開され、電子書籍ストアでも配信されている。紙の月刊誌・ウェブ連載・話売りの三系統を同時に回す形は、現在の漫画連載としては標準的な構成になりつつある。原作が小説家になろうカクヨムに投稿された小説である場合、ライトノベルとしての書籍版がさらに加わることも多い。

余談[編集]

  • 題名が「公爵様、」という呼びかけから始まる形式は、この系統の作品で近年よく見られる。一人称の台詞をそのまま題名にすることで、読者は1行目から主人公の立場と口調を把握できる。
  • 「放っておいてください」という願望は、戦地から帰ってきたタカシ君。普通に高校生活を送りたいの「普通に高校生活を送りたい」と同型で、どちらも与えられた役割から降りたいという願いを題名に置いている。舞台も読者層も違うが、主人公の動機の向きは同じである。逆に、知識を使って先回りし最適解に近づいていく型の代表が2度目の人生、と思ったら、実は3度目だった。で、同じ転生ものの棚に正反対の動機が同居している。
  • 転生先が「乙女ゲーム」ではなく「昔読んだ小説」である設定は、読者の側にゲームの知識を要求しないという実務上の利点がある。同じ型でも入口の広さが変わる。
  • 一迅社はKADOKAWAの傘下にある出版社で、コミックZERO-SUMのほか女性向けレーベルを複数持つ。転生・恋愛系の作品が同社に集まりやすいのは、この読者層との接点の多さによる。

外部リンク[編集]

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