ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました

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ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました
作画 リスノ
ジャンル 異世界ファンタジー、料理
出版社 双葉社(モンスターコミックスf)
配信 がうがうモンスター+、ニコニコ漫画ほか
連載期間 2019年 -
略称 ハズレポーション
原作 富士とまと(小説家になろう)/キャラクター原案:村上ゆいち


概要[編集]

ハズレポーションが醤油だったので料理することにしましたとは、富士とまとによる小説家になろう発の小説と、それを原作とする漫画作品である。作画はリスノ、キャラクター原案は村上ゆいち、双葉社のモンスターコミックスfから刊行されている。

詳細[編集]

原作小説はWeb投稿サイト小説家になろうで公開され、書籍化を経てコミカライズされた。漫画版は双葉社のWeb漫画サイト「がうがうモンスター+」で連載され、単行本はモンスターコミックスfレーベルから出ている。

書籍版の小説は双葉社ライトノベルレーベルから刊行されている。

異世界に転移した主人公が、回復薬として作ったはずのポーションが醤油になってしまうという出発点を持つ。回復薬としては失敗作=「ハズレ」だが、調味料として見れば異世界に存在しない貴重な品であり、その性質を使って料理の道へ進んでいくという筋立てである。

「ハズレ」は物の性質ではなく評価軸の産物である[編集]

本作の構造の核はここにある。作られたポーションそのものは何も変わっていない。変わっているのは、それを何の物差しで測るかだけである。

回復薬という基準で測れば、傷が治らない液体は失敗作になる。ところが調味料という基準に置き換えた瞬間、同じ液体はこの世界に存在しない有用な品に変わる。つまり「ハズレ」という判定は物に属しているのではなく、その世界が採用している評価軸に属している。

この型そのものは小説家になろう系の作品に広く見られる。外れ扱いされた能力が別の使い方をすれば強い、という筋立ては数えきれないほどある。本作が違うのは、その再評価の行き先を戦闘力ではなく食に置いたことである。強さの序列に戻らないぶん、物語は「誰より強いか」を競う方向へ進まず、何を作って誰に食べさせるかという具体に留まり続ける。

なぜ「醤油」でなければならないのか[編集]

異世界に日本の調味料を持ち込む型——醤油・味噌・出汁——は、この分野でくり返し使われてきた。理由は読者の側の条件にある。

料理を描く作品は、読者が味を思い浮かべられなければ成立しない。架空の調味料を発明しても「おいしそう」は伝わらず、説明の文字数だけが増える。醤油は日本の読者にとって説明不要であり、香りも色も味も、名前を出しただけで共有される。

同時に、西洋風ファンタジーの食卓には存在しない。つまり読者にとっては既知で、作中人物にとっては未知という状態が同時に成立する。この二重性があるからこそ、読者は驚かずに理解でき、作中人物は驚くことができる。異世界に持ち込む品として醤油が選ばれ続けているのは、好みの問題ではなく、この条件を満たす品がそう多くないからである。

料理という形式が長期連載に向く理由[編集]

料理を軸にした作品は、毎回「食材」「調理法」「完成した料理」という具体物が自動的に用意される。何を出すかを決めれば一話の骨格が決まるため、話の形式が崩れにくい。

異世界ものと組むとこの利点はさらに広がる。作中の食材は作者が自由に設定でき、現実の料理の知識に縛られずに済む。一方で、強さの上限を積み上げていく系統と違い、話数を重ねても状況が大きく動かないため、物語としての起伏をどこで作るかは別に考える必要がある。本作が商人や店との関わりを軸に据えているのは、この点への手当てとして読める。

食を軸にした異世界ものの中での位置[編集]

ピッコマLINEマンガといった配信サービスで漫画が読まれるようになって以降、異世界と料理を組み合わせた作品は数多く作られてきた。推しにささげるダンジョングルメは探索と配信を、飯バフ食堂、盛況なりは食事に強化効果が乗る設定を、それぞれ料理と結びつけている。本作の場合、料理へ向かう理由は「作ったものが回復薬として使えなかった」という一点にあり、食そのものへの関心から出発していない点が異なる。

「外れと判定されたものを別の基準で測り直す」という構造は、追放や低評価を扱う作品群とも共通している。勘違いの工房主は本人の自己評価と周囲の評価がずれたまま進み、姉が剣聖で妹が賢者ででは数値で測る制度そのものが取りこぼしを生む。本作が扱うのは人ではなく物の評価であり、同じ構造をもっとも単純な形で取り出したものといえる。なお、自分の意思で立場を降りる形を取った作品としては宮廷魔導師見習いを辞めて、魔法アイテム職人になりますがあり、外から外れと決められる本作とは向きが正反対になる。

余談[編集]

題名が「〜したので〜することにしました」という形になっているのは、この分野の題名としてはすでに定型である。原因と、それに対して主人公が取った行動を一文で示す形で、あらすじを読まなくても話の性格が伝わる。同じ理屈で長い題名が選ばれるのは、電子書籍ストアや配信サービスの一覧画面では、表紙と題名しか目に入らないためである。

「ハズレ」という言葉がゲーム由来の語感を持っている点も、この型の作品が成立する条件になっている。引いたものに当たりと外れがあるという発想は、くじや抽選を扱うゲームを通じて広く共有されており、能力や道具に「ハズレ」という言い方を当てても説明が要らない。

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