なかよし
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創刊号(1955年1月号)の表紙(出典:Wikimedia Commons・パブリックドメイン)
愛称 なかよし
ジャンル 少女漫画雑誌
読者対象 小学生〜中学生の少女
刊行頻度 月刊(毎月3日発売)
発売国 日本
言語 日本語
定価 660円(税込・2026年8月号)
出版社 講談社
刊行期間 1954年12月(1955年1月号)〜
発行部数 24,125部(2024年・日本雑誌協会)
電子版 2015年6月号から配信
リンク https://nakayosi.kodansha.co.jp/

概要[編集]

なかよしとは、講談社が発行する月刊少女漫画雑誌である。1954年12月創刊で、現在刊行が続いている日本の漫画雑誌の中では最も古い。2024年12月に創刊70周年を迎えた。

詳細[編集]

三大少女漫画誌の一つ[編集]

集英社のりぼん、小学館のちゃおと並ぶ「三大小中学生向け少女漫画誌」の一つで、主な対象読者は小学生から中学生の少女である。3誌はいずれも大手出版社が出しており、長年ほぼ同じ読者層を分け合ってきた。

創刊が1954年という早さは、日本の漫画雑誌の歴史そのものと重なる。創刊号は1955年1月号として1954年12月に発売され、定価は110円だった。この時期の少女向け雑誌はまだ読み物と漫画が混在しており、誌面が漫画中心になるのは1960年代以降である。つまり「なかよし」は少女漫画というジャンルが形になる前から存在し、ジャンルができていく過程をそのまま誌面で通過してきた雑誌ということになる。刊行が70年続いているのは、この形式の変化に何度も乗り換えてきた結果である。

1997年4月には、明治期の『大阪パック』が持っていた記録を抜き、日本の漫画雑誌として最長寿となった。2004年に創刊50周年、2014年に漫画雑誌として初めて創刊60周年を迎え、2024年12月の70周年記念号では名作の場面をあしらったメモ帳が付録になった。

創刊から1980年代まで[編集]

初期の看板作品の一つが手塚治虫の『リボンの騎士』で、1968年にはテレビアニメ化された。1970年代には『キャンディ・キャンディ』(原作:水木杏子、作画:いがらしゆみこ)が大ヒットし、1979年7月には発行部数180万部に達した。1980年代には『おはよう!スパンク』『アタッカーYOU!』『あんみつ姫』などがアニメ化され、雑誌連載とテレビアニメを組み合わせる手法が定着していった。

1990年代の黄金期[編集]

誌の性格を決定づけたのは1990年代である。1989年から13年間編集長を務めた入江祥雄のもとでファンタジー路線への転換が進み、部数が回復した。1992年に連載が始まった美少女戦士セーラームーン(武内直子)はアニメ化とともに社会現象と呼ばれる規模に達し、1993年には発行部数205万部という過去最高を記録した。

続いて『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』(いずれもCLAMP)が連載された。この時期の作品に共通するのは、変身・戦闘という少年漫画的な骨格を少女向けの絵と人間関係で組み直した点で、以後「魔法少女もの」と呼ばれる形式の基準になった。同じ時期には『きんぎょ注意報!』『あずきちゃん』『怪盗セイント・テール』なども誌面とアニメの両方で読まれていた。

海外での受容もこの時期に始まっている。美少女戦士セーラームーンは各国で放送され、日本の少女漫画が世界的に読まれる最初の大きな例になった。ただし輸出先では「少女漫画」という雑誌区分は機能せず、作品はジャンル名で受け取られた。

2000年代以降[編集]

1999年からは『おジャ魔女どれみ』、2002年からは『東京ミュウミュウ』、2003年からは『ぴちぴちピッチ』が連載され、2004年からは東映アニメーションのプリキュアシリーズの漫画版(作画:上北ふたご)が毎年掲載されるようになった。日曜朝のアニメと連動した漫画化はなかよしの定番の枠になり、2020年代になっても続いている。

2000年代後半には『しゅごキャラ!』(PEACH-PIT)がアニメ化され、そのシリーズは2020年代に新シリーズ『しゅごキャラ! ジュエルジョーカー』として誌面に戻り、シリーズ累計400万部を突破した。2024年4月には遠山えまの『ヴァンパイア男子寮』が創刊70周年記念作品としてテレビアニメ化され、2025年1月には満井春香の『どうせ、恋してしまうんだ。』もアニメ化、同年2月には舞台化された。

付録[編集]

付録は創刊号から続く伝統である。2001年12月号ではモーニング娘。の後藤真希のフィギュアが付き、日本の少女漫画雑誌として初めての立体フィギュア付録とされる。作家のイラストを使った文房具やシール、ホラー特集に合わせたクリアファイルなど、雑誌の紙面と一体になった付録が多い。電子版には付録が付かないため、紙の雑誌を買う理由として現在も機能している。

主なアニメ化作品[編集]

放送年 作品 作者
1968年 リボンの騎士 手塚治虫
1981年 おはよう!スパンク 原作:雪室俊一、作画:たかなししずえ
1991年 きんぎょ注意報! 猫部ねこ
1992年 美少女戦士セーラームーン 武内直子
1994年 魔法騎士レイアース CLAMP
1995年 あずきちゃん 原作:秋元康、作画:木村千歌
1995年 怪盗セイント・テール 立川恵
1998年 カードキャプターさくら CLAMP
2002年 東京ミュウミュウ 原作:吉田玲子、作画:征海未亜
2003年 ぴちぴちピッチ 原作:横手美智子、作画:花森ぴんく
2005年 シュガシュガルーン 安野モヨコ
2007年 しゅごキャラ! PEACH-PIT
2018年 若おかみは小学生! 原作:令丈ヒロ子
2024年 ヴァンパイア男子寮 遠山えま
2025年 どうせ、恋してしまうんだ。 満井春香

部数の推移[編集]

年 発行部数
1955年 約22万部
1979年 約180万部
1993年 約205万部(過去最高)
1999年 70万部台
2010年 約25万部
2024年 24,125部

1990年代の最盛期に比べると現在の部数は大きく減っており、直近では2万部台とされる。同じ三大誌でもちゃおが10万部規模、りぼんがその中間という位置関係で、3誌の力関係は時代ごとに入れ替わってきた。

部数の減少は雑誌単体の問題ではなく、読む時間がゲームやスマートフォンへ移ったこと、漫画を読む場所が雑誌から単行本と電子書籍・漫画アプリへ移ったことの両方による。詳しくは雑誌および少女漫画を参照。一方で、雑誌が「作品と作家を送り出す場所」として持つ役割は残っており、なかよし発の作品がアニメ化されて広く知られる流れ自体は途切れていない。2024年9月号は売り切れとなり、その後電子版が無料公開された。

現在の連載[編集]

2026年8月号(2026年7月3日発売)には『初恋と青い嘘』(雪森さくら)、『ギャルジカル・ニーナ』(白咲珠綺)、『しゅごキャラ! ジュエルジョーカー』(PEACH-PIT)、遠山えまの新作『魔法練習生リリ・ラズベリー』などが掲載され、付録は「なかよしホラースペシャル」に合わせたクリアファイルとメッセージペーパーだった。恋愛もの、魔法・ファンタジーもの、ホラーという3本柱は、1990年代から大きく変わっていない。

余談[編集]

  • 「なかよし」は雑誌名としては珍しく、ひらがな4文字で読者の年齢層をそのまま表している。創刊当時は誌名に難しい漢字を使わないこと自体が、対象読者を示す設計だった。
  • 三大誌の中で最も古いにもかかわらず部数は最小という状態は、雑誌の歴史の長さと現在の規模が連動しないことを示している。長く続く雑誌は看板作品の当たり外れの周期を何度も通過しており、どの時点で見るかで評価が変わる。
  • 付録は少女漫画誌の共通の武器だが、作家のイラストが文房具になる形式は電子版に置き換えにくく、結果として紙の刊行を支える要素になっている。
  • 1993年の205万部から2024年の約2.4万部まで、部数はおよそ85分の1になったが、同じ期間に『セーラームーン』『さくら』の関連商品は大人向けとして売れ続けており、当時の読者がそのまま購買層として残っている。
  • プリキュアシリーズの漫画版は、テレビ放送と並行して1年ごとに作品が切り替わるため、同じ作画担当が20年以上にわたって毎年別のプリキュアを描き続けるという珍しい形になっている。

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