| 株式会社芳文社 HOUBUNSHA CO., LTD | |
|---|---|
| 国家 | 日本 |
| 種類 | 株式会社 |
| 市場情報 | 非上場 |
| 業種 | 出版 |
| 本社所在地 | 東京都文京区 |
| 設立日 | 1950年7月10日 |
| 年齢 | 76周年 |
| 設立者 | 孝壽芳春 |
| 資本金 | 1億円 |
| 代表作品 | 週刊漫画TIMES/まんがタイム/まんがタイムきらら/COMIC FUZ |
| リンク | https://houbunsha.co.jp/ |
概要[編集]
芳文社(ほうぶんしゃ)とは、日本の出版社である。1950年設立。企業キャッチコピーは「漫画の殿堂」で、日本初の週刊漫画誌『週刊漫画TIMES』と、日本初の4コマ漫画専門誌『まんがタイム』を世に出した会社として知られる。
詳細[編集]
尚文館から芳文社へ[編集]
創業者の孝壽芳春が1946年に尚文館を設立し、『少年王者』などの児童向け出版で事業を始めた。その出版事業を引き継ぐ形で、1950年7月10日に芳文社が設立されている。本社は東京都文京区、水道橋駅と東京ドームシティの間にあるビルに置かれている。
日本初の週刊漫画誌[編集]
1956年、『週刊漫画TIMES』を創刊した。日本で最初の週刊漫画誌にあたる。当時、大手の講談社や小学館でさえ週刊誌を出していない状況で、規模の大きくない出版社が週刊の漫画誌を立ち上げたことは、業界内でも異例の挑戦として受け止められた。
同誌は1974年に97万4000部という最高発行部数を記録している。以後も長く刊行が続き、2011年に通巻3000号を迎えた。創刊から70年近く続いている漫画雑誌は数が限られる。
4コマ漫画という発明[編集]
芳文社の名前を決定づけたのは1981年の『まんがタイム』創刊である。日本初の4コマ漫画専門誌として、「仕事は笑って合理に生きる、漫画は明るく楽しく」という読者ニーズを想定して立ち上げられた。
4コマ漫画専門誌という形式がなぜ成立したかは、読まれ方から説明できる。ストーリー漫画は前号からの続きを覚えている読者を前提に組まれるが、4コマはどのページから読んでも成立する。通勤の合間や待ち時間のように、まとまった時間が取れない読者を取り込むには適した形式だった。この後、芳文社は『まんがタイムオリジナル』『まんがタイムジャンボ』『まんがホーム』と派生誌を次々に立ち上げ、4コマ誌の市場そのものを自社で作り上げていく。
まんがタイムきらら[編集]
2000年代前半に創刊された『まんがタイムきらら』は、いわゆる萌え系の4コマ誌として独自の位置を占めた。創刊年について、複数の資料は2002年としているが、芳文社の公式沿革では2003年と記載されており、記述が一致していない。
『きらら』系からは『けいおん!』『ひだまりスケッチ』『ゆるキャン△』『NEW GAME!』『まちカドまぞく』など、アニメ化されて広く知られた作品が多数出ている。派生誌として『まんがタイムきららMAX』『まんがタイムきららキャラット』『まんがタイムきららフォワード』が刊行された。
4コマ誌から始まったブランドがアニメの原作供給源として機能するようになった点は、業界の中でも珍しい展開である。1話完結の4コマを30分のアニメに構成し直すには、原作にない筋を足す必要がある。それが可能な形式だと分かったのは、実際にやってみた後のことだった。
デジタルへの移行[編集]
2006年から本格的に電子配信を開始し、2007年には自社の電子書籍サイトを立ち上げている。2019年には漫画アプリ「COMIC FUZ」をリリースした。『軍人婿さんと大根嫁さん』のように、COMIC FUZ発の作品がピッコマなど他社の配信アプリでも読まれる形が定着している。
紙の4コマ誌が主戦場だった会社が、アプリを自前で持つところまで来た経緯は、雑誌の部数減という一言では片付かない。4コマは1ページあたりの情報量が少なく、スマートフォンの画面と相性がよい。形式そのものが移行を後押しした側面がある。
出版社の地図の中で[編集]
日本の漫画出版は、一ツ橋グループ(集英社・小学館・白泉社)と音羽グループ(講談社・光文社)という二つの系列が大きな面積を占めている。芳文社はそのどちらにも属さず、秋田書店・新潮社・文藝春秋・マガジンハウスと同じ独立系にあたる。
独立系の中でも、新潮社や文藝春秋が文芸と雑誌ジャーナリズムを柱に持ち、マガジンハウスがライフスタイル誌に寄っているのに対し、芳文社と秋田書店は漫画に集中している。総合出版社のような幅を持たない代わりに、一つの形式で棚を確保するという戦い方である。
ウェブ発の作品が読者を集める現在の環境では、小説家になろうやカクヨム発の作品がピッコマなどのアプリで読まれ、そこから紙の単行本に降りてくる流れが定着した。芳文社が自社アプリ「COMIC FUZ」を持ち、そこから『軍人婿さんと大根嫁さん』のような作品が他社アプリにも配信されているのは、この流れに自前の入口で参加するための構えといえる。
よくある質問[編集]
- 芳文社はどんな出版社?
- 4コマ漫画と青年漫画を柱とする出版社。「漫画の殿堂」を企業キャッチコピーに掲げている。
- まんがタイムきららの雑誌はどこが出している?
- 芳文社。『まんがタイムきらら』とその派生誌はすべて同社の刊行である。
- COMIC FUZとは?
- 2019年に芳文社がリリースした漫画アプリ。同社の雑誌作品とオリジナル作品を配信している。
- 日本初の週刊漫画誌は?
- 1956年創刊の『週刊漫画TIMES』(芳文社)とされる。
余談[編集]
- 社名の「芳文」は、創業者・孝壽芳春の名と、前身である尚文館から取られている。個人名を社名に織り込む例は出版業界に多く、秋田書店も同じ形である。
- 1969年に社員の一部が独立して別の出版社を興している。出版社の分家は珍しくないが、芳文社の場合はその後も本体が独自路線で伸びた点が特徴といえる。
- 「漫画の殿堂」というキャッチコピーは自社を殿堂と称しているように読めるが、実際には日本初の週刊漫画誌と日本初の4コマ専門誌という2つの「初」を持つ会社であり、自称と実績のずれは小さい。
- 集英社・講談社・小学館のような総合出版社と違い、芳文社は文芸書も一般誌も持たない漫画専業に近い。白泉社や秋田書店と同じく、一つの形式に集中することで棚を確保するタイプの出版社である。