| カクヨム KAKUYOMU | |
|---|---|
| サイト名 | カクヨム |
| 言語 | 日本語 |
| タイプ | 小説投稿サイト |
| 国 | 日本 |
| 種類 | 投稿型コミュニティ |
| 創設 | 2016年2月29日 |
| 運営者 | 株式会社KADOKAWA(株式会社はてなと共同開発) |
| 収益 | 広告収入、書籍化事業 |
| 営利性 | 営利 |
| 登録 | 無料 |
| 開始 | 2016年2月29日 |
| 現在の状態 | 運営中 |
| リンク | https://kakuyomu.jp/ |
概要[編集]
カクヨムとは、KADOKAWAと株式会社はてなが共同開発した日本の小説投稿サイトである。2016年2月29日に正式オープンし、サイト名は「書く」と「読む」を組み合わせたもの。
詳細[編集]
カクヨムの立ち位置を理解するには、先行する小説家になろうとの違いを見るのが早い。なろうは運営が編集をせず「場」に徹する設計で、出版社から独立している。対してカクヨムはKADOKAWAが直接運営しており、最初から書籍化の導線が組み込まれている。投稿サイトでありながら出版社の新人発掘装置でもある、という二重の性格がここから来る。
その帰結として、カクヨムではKADOKAWAのレーベルで刊行されている一部作品の二次創作投稿が公式に認められ、同社ブランドで連載中の作品の公式連載も置かれている。他社の投稿サイトでは権利上むずかしいこの形は、運営が版元そのものだからこそ成立している。
新人発掘の中心にあるのが「カクヨムWeb小説コンテスト」で、プレオープンと同時に第1回の応募受付が始まった。読者による選考を挟むのが特徴で、読まれた実績がそのまま選考の材料になる。
2015年10月にティザーサイトが公開され、11月に名称が「カクヨム」に決定、12月25日にプレオープンした。翌2016年2月29日の正式オープン時点で、投稿作品はすでに1万5000作を超えていた。2016年6月には富士見書房のオンライン小説サイト「ファンタジアBeyond」が統合されている。
なろうとの棲み分け[編集]
両サイトはよく比較されるが、投稿者から見た違いは主に3点ある。
第一に規約の幅。カクヨムはセルフレイティング(「性的描写あり」「残酷描写あり」「暴力描写あり」の事前警告)を採用しており、なろうより許容範囲が広い。第二に二次創作。KADOKAWA作品に限って公認されている。第三に書籍化の経路。なろうは各社の編集者が横断的に声をかけるのに対し、カクヨムはKADOKAWA系レーベルへの導線が太い。
作品傾向としても差が出ており、異世界転生もの・悪役令嬢ものの供給量ではなろうが依然として厚い。宇宙wikiで扱っている作品でも、『傭兵団の料理番』『悪役令嬢たちは揺るがない』はなろう発、『ウィズレイン王国物語 ~竜が花嫁~』はカクヨム発と分かれている。どちらか一方が勝っているというより、書き手が作風に応じて投稿先を選んでいる状態に近い。
出版とウェブ小説の関係[編集]
ウェブ小説サイトが新人発掘の主戦場になったことで、日本の出版社の新人育成の形は大きく変わった。かつては集英社・講談社・小学館といった大手が主催する新人賞に原稿を送り、編集者が育てるのが標準ルートだったが、現在は「すでに読者が付いている作品を書籍化する」形が主流になっている。
この転換によって、出版社の役割は「発掘して育てる」から「見つけて商品にする」へ移った。カクヨムはKADOKAWAがその工程を自社内に取り込んだ例であり、投稿・読者選考・書籍化までを一社で完結させている点で、他社の投稿サイトとは仕組みが違う。
イラストの領域でPixivが同様の役割を果たしているのと合わせて見ると、漫画・小説・イラストのいずれでも、発表の場を持つ側が発掘の主導権を握る構図になっていることが分かる。ピッコマやLINEマンガといった配信アプリの棚に、ウェブ発の作品が大量に並ぶのはこの流れの帰結である。
余談[編集]
- 正式オープン日が2016年2月29日という閏日で、そのままだと4年に1度しか周年を迎えられない。サービス開始日としてはかなり珍しい選び方である。
- 2026年には10周年を迎え、約60万作品のなかから選んだ「カクヨム100名作」が公開された。投稿サイトが自らの蓄積を「名作選」として編集するのは、場に徹するタイプの投稿サイトとは違う振る舞いである。
- 開発を担当した株式会社はてなは、ブログサービスや技術者向けサービスで知られる企業で、出版とは畑が違う。出版社とウェブ企業の共同開発という座組み自体が、当時としては目新しいものだった。