概要
オタ芸(ヲタ芸)とは、アイドルのコンサートなどでファンが曲に合わせて行う、独特の振りと掛け声による応援パフォーマンスである。「アイドルオタクの芸」の略で、ペンライトやサイリウムを振りながら踊る型が広く知られる。
詳細
ルーツは1970〜1980年代のアイドル親衛隊にある。曲に合わせてファンが一斉に掛け声を入れる応援スタイルで、ここに2000年代以降、身体全体を使った踊りが加わって多様化した。
「オタ芸」の名で広く知られるようになったのは、2000年代のモーニング娘。などハロー!プロジェクトのコンサートである。2006年頃からはYouTubeやニコニコ動画で動画が拡散し、アイドル・アニメのライブの外でもパフォーマンスとして披露されるようになった。
2010年代にアイドルやアニメが一般的な娯楽になると、オタ芸そのものを見せるイベントも開かれるようになり、「打ち師」と呼ばれる演者が暗い会場で光の軌跡を見せる、ダンスに近い表現へと発展していった。
主な技
- PPPH:「パン、パパン」と手拍子をして「ヒュー」と声を入れる。曲のリズムに合わせる最も基本的な応援。
- ロマンス:斜め上を指差して腕を引く動き。
- マワリ:頭上で手拍子しながら回転ジャンプする。
- ケチャ:低い姿勢からステージへ向けて腕を振り上げる。
- サンダースネイク:直線と円を組み合わせた大きな動きで、最も迫力があるとされる。
- メリーゴーランド:複数人で反時計回りに回る。通常は3〜20人程度だが、大規模なものでは50〜100人に達する。
- 地蔵:逆に、直立不動でステージを見つめ続けること。応援しない客を指す言葉でもある。
マナー問題
オタ芸は「周囲の客の視界や動きを妨げる」「本人たちの見せ場が目的化している」といった批判を受けやすく、アイドルや主催者がオタ芸を禁止する例もある。
- 2017年、神戸のアイドルグループのコンサートで、過度なオタ芸をめぐって訴訟が起こされた。
- 2020年2月、ブシロードの木谷高明は、ライブで曲中に「イエッタイガー」と叫ぶ「家虎」について、根絶を宣言。退場処分やブラックリスト化、損害賠償請求も辞さないと表明した。
- 鉄道会社は、線路沿いでのペンライトやケミカルライトの使用が列車の緊急停止合図と誤認されるおそれがあるとして、注意を呼びかけている。
よくある質問
- 「オタ芸」と「ヲタ芸」の違いは?
- 同じものを指す。「ヲタ」表記はネットスラングでの書き方である。
- PPPHとは?
- 「パン、パパン、ヒュー」という手拍子と掛け声の基本パターン。
- 家虎(いえとら)とは?
- 曲中に「イエッタイガー」と叫ぶ応援。ライブによっては禁止されている。
余談
- 1997年のテレビ番組ですでにファンの応援の様子が全国放送されていた。
- 2007年には、サッカーJリーグの川崎フロンターレの選手がファン感謝デーでオタ芸を披露したことがある。
- ハロプロのコンサートを語るときに2002年の楽曲「ロマンティック 浮かれモード」がオタ芸の広がりの契機として挙げられることが多い。